上
朝6時半
ヒュー…ヒュー…
とある病院の屋上に風の音と明らかにやる気の無い声が響く
「まぁ…その…なんだ、とりあえずやめようぜ」
「嫌だ!僕はもう死にたいんだ!」
そこには屋上のフェンスにしがみついて声を荒げる少年とそれを止めようと説得(?)しようとする赤目に白衣をまとった銀髪の男
「生きてりゃいい事あるって」
「うるさい!適当な事を言うな!」
「まぁとりあえず話をしようぜ、そこから飛び降りるのはいつでもできる事だしさ」
「そんな事してなんになる!どうせ僕はもう何も無い!無くなってしまったんだ!」
少年は己の片腕…が“あった”場所を男に見せ付ける
「お前は確か…」
男は思い出す、今から3週間前に運ばれて来た少年の事を
「僕はバスケットボールに全てを捧げて来た!時間も遊びも全てを犠牲にして!プロにもなれたはずだ!それが一瞬で消えてしまった!こんな人生生きてても辛い事だけだ!」
片腕の内部が徐々に壊疽して気づいた頃には、もう手遅れで切断を余儀なくされた子供だ、
バスケットボールをしていたらしい
「やあ!」
そう言って少年はフェンスから体を放した、瞬間駆け出す男、距離は五メートル、男はフェンスから飛び出して少年を抱え込んだ、
「うあぁぁ!」
「うっさいつーの」
落ちて行く二人、10階建ての病院から飛び降りれば即死は間違いないだろう、
だが男は落ち着いていた
三階程落ちた時に男は抱えている少年を病院のベランダに投げ込んだ
ドサァ!
「うぐ!」
少年は上に向かって投げ入れたため、衝撃はすくなかっただろうが、やはりベランダの地面に叩きつけられたせいか、声を漏らす
しばらく痛みに耐えていたが、落ちて行った男の事を思い出し、ベランダから外をみるが男の姿は何処にも無い、
まさか、と少年の脳内に最悪の事態が予想された…
「ああ、めんどくさい事になった」
男はつぶやく、
「くそっこんな事にに巻き込まれるんだったら屋上に来なけりゃよかった」
少年を上に投げ込んでから1階分落ちた所で男はつぶやく
「よっ!」
男は次の階のベランダに手を掛けて落下速度を落としてまた手を放す、そして次の階のベランダに体を捻って入り込み、着地する
「成功」
男はベランダから病院に入ろうとガラス張りのドアを開けてカーテンをくぐった瞬間
「え?」
「うわ!」
「キャッ!」
「…やべ」
診察している真最中だった
その頃、少年は混乱していた
「(どうしようどうしよう、死んだ死んじゃった、僕を庇って、なんで?どうしよう)」
混乱しているベランダの少年の後ろのドアがガラリと音をたてて開いた
「おー無事だー」
あの男だった
「え?、なんで?死んじゃったんじゃ?」
「はい、死にました、亡霊です、呪うぞコノヤロー」
「わぁ!」
「いや、信じるなよ、そして勝手に殺すな」
男はけったるそうに少年に近づいて言った
「お前、名前は?」
「…晋慈…」
「晋慈か、いい名前だ」
少年は下を向いて何も言わない、
「あのな晋慈、今までお前が生きていけたのは誰のおかげだ?」
「え?」
少年は質問の意図がわからず顔を上げて聞き返す
男はサッサと終わらせたいのか話を進める
「お前が今まで生きていけたのは親が、両親がいたからだろ?」
「…うん」
「もし、このままお前が死んだらどうなる?お前はこの辛い現実から逃げて、それでおしまいか?違うだろ、お前が死ぬと必ずお前の両親が泣く、まだある、葬式を開く金は?誰が出すんだ?お前の両親だろう、」
「…」
少年は何も言わない
「今までお前が食って来た食費はどうなる、お前がバスケで使ったシューズは誰がくれたんだ?お前は周りに迷惑を面倒をかけたまま逃げるのか?卑怯だろ、まだ死んで無いんだから、できる事はあるだろう、恩返しもせずにくたばる気か?駄目だろ、お前はしなければいけない事がまだいっぱいあるだろ?」
「…はい」
少年は俯きながら小さく言った
「生きてりゃいい事がいっぱいある、死ぬなとは言わないが、せめて死ぬならやりきれ、やり残すな」
「はい」
今度は顔を上げて弱々しくもしっかり答えた
「いい返事だ晋慈、とりあえず誰か心配させるのもあれだから今回のことは誰にも言わないでいてやる、わかったか?」
「はい」
「よし!じゃあ部屋に戻れ、誰にもいうなよ」
「はい、…すみませんでした」
「わかったからサッサと行け」
男は手でシッシとやると少年は頷いて病室にもどって行った
「やべえ、あのおっさんチクリやがったな」
男の名前はゼアウス、国籍は日本人だがアメリカで生まれた元米国軍隊の衛生兵だった男だ
身長は高めの183センチ、体重は身長の割に軽めで68キロ、年齢は31才、職業は一応医者、容姿は銀髪赤目のアルビノだがクスリによって肌の色を戻している、色白で歳とは全く釣り合わない20才前後の若々しさである
ゼアウスは今10階の院長室に向かっていた
「くそっ、減給か」
そして院長室に着くとドアをノックして中に入る
「失礼したらすみませーん」
中は少し広めで観葉植物に熱帯魚の入った水槽がある
「なめてんの?ねぇ院長なめてんの?」
そこには外見年齢21歳事実ゼアウスと同年齢の女性が部屋の真ん中にある執務席に座っていた
「とりあえず理由をきいときましょうか」
「なんの事でしょう?鈴木美玲院長」
ぜアウスは肩を竦めて聞き返す
「とぼけないで、報告にはいきなり空から降ってきてベランダに着地して診察中の部屋に押し入ったらしいけど?」
「ちっ、あのおっさん」
「で、何故上から降ってきたの?」
「あー、ちょっと待ってください、えーと、よし、こうしよう、HEROジャンプをしたくなって」
「なめてんの?今おもいっきり考えてたよね?何?リアルヘイロージャンプする?」
「大丈夫です、経験者です、」
「じゃあ知ってるでしょ?ヘイロージャンプのキツさ?」
「経験者は語る、⇨あれはガチでやばい」、
「いや、どうでもいいから」
鈴木院長は座っていた椅子から立ち上がり窓から外を眺めている
「で、処分はどうしようかな」
「軽めでお願いします」
「何故落ちてきたかを言ってくれないと処分は結構辛いのになるけど」
「男には言えない事があるもんですよ」
「じゃあクビ」
「ゴメンなさい」
「いや、あやまられてもねぇ、理由を言ってよ」
「財布を落としてしまって」
「屋上から?」
「はい、そしてそれを取ろうと身投げしました」
「もう死ねよ」
「そして奇跡の生還をはたしました」
「もういいよ」
「じゃあ?」
「仕方ない、とりあえず減給しとく10パーカットね」
「わかりましたー…よし」
「何そのよしって、…じゃあもう勤務にもどって」
「失礼しました」
ゼアウスはドアを閉めた
鈴木美玲、女性、身長164センチ、体重は気にしない、年齢31才黒髪黒眼のショートヘアで白衣に身をまとった見た目中学生のこの国立病院の院長である
ゼアウスとは幼馴染である
ゼアウスは小児科医であり、今日は午前中の勤務である
あまり人が来る事は無く、これは患者にも俺にもいい事だ、と思いながら7階のある患者に会いに行ってた
「くそっ、また負けたか」
「二連敗ですよ、ゼアウスさん」
目の前の片腕の少年は微笑んでる
今彼らがやっているのはポーカー、ゼアウスが2ペアで少年は3カードである
ゼアウスは9戦4勝5敗の結果に不満そうに晋慈に小銭を投げた、
「ほら、賞金だ、ジュースでも買って来い」
「やった!」
晋慈はゆっくり立ち上がりジュースを買いに行った
ゼアウスは患者用テレビ(有料)を勝手に見ている
「(特に気になる物は無し、有名人のスキャンダルとか興味ないし)」
のんきにテレビを見ていると晋慈が入ってきた、
「ありがとうございまs」
-ピンポンパンポーン、鈴木美玲院長至急院長室まで来てください-
放送がなる、が
「(この放送は確か…不審者侵入!?)」
この病院では以上が起きた時に患者が混乱しないように放送を暗号でながす、その放送がたった今ながされた
「おい、晋慈」
「なんですか?」
「少しヤバイ事になった」
「?」
「今からすぐに避難s」
ガーン!!ズダダダン!
ゼアウスの声は途中でかき消された、
「え?え?」
「くそっ!」
しばらくすると、病室のドアが乱暴に開かれた
「おとなしくしろ!!」
そこには数人の武装した男達が入ってきた、そして全員を縄で縛りだす
「え?」
「遅かったか…」
ゼアウス達もすぐに縛られてしまう
そのまま他の患者達と共に6階につれていかれた
ヒュー…ヒュー…
とある病院の屋上に風の音と明らかにやる気の無い声が響く
「まぁ…その…なんだ、とりあえずやめようぜ」
「嫌だ!僕はもう死にたいんだ!」
そこには屋上のフェンスにしがみついて声を荒げる少年とそれを止めようと説得(?)しようとする赤目に白衣をまとった銀髪の男
「生きてりゃいい事あるって」
「うるさい!適当な事を言うな!」
「まぁとりあえず話をしようぜ、そこから飛び降りるのはいつでもできる事だしさ」
「そんな事してなんになる!どうせ僕はもう何も無い!無くなってしまったんだ!」
少年は己の片腕…が“あった”場所を男に見せ付ける
「お前は確か…」
男は思い出す、今から3週間前に運ばれて来た少年の事を
「僕はバスケットボールに全てを捧げて来た!時間も遊びも全てを犠牲にして!プロにもなれたはずだ!それが一瞬で消えてしまった!こんな人生生きてても辛い事だけだ!」
片腕の内部が徐々に壊疽して気づいた頃には、もう手遅れで切断を余儀なくされた子供だ、
バスケットボールをしていたらしい
「やあ!」
そう言って少年はフェンスから体を放した、瞬間駆け出す男、距離は五メートル、男はフェンスから飛び出して少年を抱え込んだ、
「うあぁぁ!」
「うっさいつーの」
落ちて行く二人、10階建ての病院から飛び降りれば即死は間違いないだろう、
だが男は落ち着いていた
三階程落ちた時に男は抱えている少年を病院のベランダに投げ込んだ
ドサァ!
「うぐ!」
少年は上に向かって投げ入れたため、衝撃はすくなかっただろうが、やはりベランダの地面に叩きつけられたせいか、声を漏らす
しばらく痛みに耐えていたが、落ちて行った男の事を思い出し、ベランダから外をみるが男の姿は何処にも無い、
まさか、と少年の脳内に最悪の事態が予想された…
「ああ、めんどくさい事になった」
男はつぶやく、
「くそっこんな事にに巻き込まれるんだったら屋上に来なけりゃよかった」
少年を上に投げ込んでから1階分落ちた所で男はつぶやく
「よっ!」
男は次の階のベランダに手を掛けて落下速度を落としてまた手を放す、そして次の階のベランダに体を捻って入り込み、着地する
「成功」
男はベランダから病院に入ろうとガラス張りのドアを開けてカーテンをくぐった瞬間
「え?」
「うわ!」
「キャッ!」
「…やべ」
診察している真最中だった
その頃、少年は混乱していた
「(どうしようどうしよう、死んだ死んじゃった、僕を庇って、なんで?どうしよう)」
混乱しているベランダの少年の後ろのドアがガラリと音をたてて開いた
「おー無事だー」
あの男だった
「え?、なんで?死んじゃったんじゃ?」
「はい、死にました、亡霊です、呪うぞコノヤロー」
「わぁ!」
「いや、信じるなよ、そして勝手に殺すな」
男はけったるそうに少年に近づいて言った
「お前、名前は?」
「…晋慈…」
「晋慈か、いい名前だ」
少年は下を向いて何も言わない、
「あのな晋慈、今までお前が生きていけたのは誰のおかげだ?」
「え?」
少年は質問の意図がわからず顔を上げて聞き返す
男はサッサと終わらせたいのか話を進める
「お前が今まで生きていけたのは親が、両親がいたからだろ?」
「…うん」
「もし、このままお前が死んだらどうなる?お前はこの辛い現実から逃げて、それでおしまいか?違うだろ、お前が死ぬと必ずお前の両親が泣く、まだある、葬式を開く金は?誰が出すんだ?お前の両親だろう、」
「…」
少年は何も言わない
「今までお前が食って来た食費はどうなる、お前がバスケで使ったシューズは誰がくれたんだ?お前は周りに迷惑を面倒をかけたまま逃げるのか?卑怯だろ、まだ死んで無いんだから、できる事はあるだろう、恩返しもせずにくたばる気か?駄目だろ、お前はしなければいけない事がまだいっぱいあるだろ?」
「…はい」
少年は俯きながら小さく言った
「生きてりゃいい事がいっぱいある、死ぬなとは言わないが、せめて死ぬならやりきれ、やり残すな」
「はい」
今度は顔を上げて弱々しくもしっかり答えた
「いい返事だ晋慈、とりあえず誰か心配させるのもあれだから今回のことは誰にも言わないでいてやる、わかったか?」
「はい」
「よし!じゃあ部屋に戻れ、誰にもいうなよ」
「はい、…すみませんでした」
「わかったからサッサと行け」
男は手でシッシとやると少年は頷いて病室にもどって行った
「やべえ、あのおっさんチクリやがったな」
男の名前はゼアウス、国籍は日本人だがアメリカで生まれた元米国軍隊の衛生兵だった男だ
身長は高めの183センチ、体重は身長の割に軽めで68キロ、年齢は31才、職業は一応医者、容姿は銀髪赤目のアルビノだがクスリによって肌の色を戻している、色白で歳とは全く釣り合わない20才前後の若々しさである
ゼアウスは今10階の院長室に向かっていた
「くそっ、減給か」
そして院長室に着くとドアをノックして中に入る
「失礼したらすみませーん」
中は少し広めで観葉植物に熱帯魚の入った水槽がある
「なめてんの?ねぇ院長なめてんの?」
そこには外見年齢21歳事実ゼアウスと同年齢の女性が部屋の真ん中にある執務席に座っていた
「とりあえず理由をきいときましょうか」
「なんの事でしょう?鈴木美玲院長」
ぜアウスは肩を竦めて聞き返す
「とぼけないで、報告にはいきなり空から降ってきてベランダに着地して診察中の部屋に押し入ったらしいけど?」
「ちっ、あのおっさん」
「で、何故上から降ってきたの?」
「あー、ちょっと待ってください、えーと、よし、こうしよう、HEROジャンプをしたくなって」
「なめてんの?今おもいっきり考えてたよね?何?リアルヘイロージャンプする?」
「大丈夫です、経験者です、」
「じゃあ知ってるでしょ?ヘイロージャンプのキツさ?」
「経験者は語る、⇨あれはガチでやばい」、
「いや、どうでもいいから」
鈴木院長は座っていた椅子から立ち上がり窓から外を眺めている
「で、処分はどうしようかな」
「軽めでお願いします」
「何故落ちてきたかを言ってくれないと処分は結構辛いのになるけど」
「男には言えない事があるもんですよ」
「じゃあクビ」
「ゴメンなさい」
「いや、あやまられてもねぇ、理由を言ってよ」
「財布を落としてしまって」
「屋上から?」
「はい、そしてそれを取ろうと身投げしました」
「もう死ねよ」
「そして奇跡の生還をはたしました」
「もういいよ」
「じゃあ?」
「仕方ない、とりあえず減給しとく10パーカットね」
「わかりましたー…よし」
「何そのよしって、…じゃあもう勤務にもどって」
「失礼しました」
ゼアウスはドアを閉めた
鈴木美玲、女性、身長164センチ、体重は気にしない、年齢31才黒髪黒眼のショートヘアで白衣に身をまとった見た目中学生のこの国立病院の院長である
ゼアウスとは幼馴染である
ゼアウスは小児科医であり、今日は午前中の勤務である
あまり人が来る事は無く、これは患者にも俺にもいい事だ、と思いながら7階のある患者に会いに行ってた
「くそっ、また負けたか」
「二連敗ですよ、ゼアウスさん」
目の前の片腕の少年は微笑んでる
今彼らがやっているのはポーカー、ゼアウスが2ペアで少年は3カードである
ゼアウスは9戦4勝5敗の結果に不満そうに晋慈に小銭を投げた、
「ほら、賞金だ、ジュースでも買って来い」
「やった!」
晋慈はゆっくり立ち上がりジュースを買いに行った
ゼアウスは患者用テレビ(有料)を勝手に見ている
「(特に気になる物は無し、有名人のスキャンダルとか興味ないし)」
のんきにテレビを見ていると晋慈が入ってきた、
「ありがとうございまs」
-ピンポンパンポーン、鈴木美玲院長至急院長室まで来てください-
放送がなる、が
「(この放送は確か…不審者侵入!?)」
この病院では以上が起きた時に患者が混乱しないように放送を暗号でながす、その放送がたった今ながされた
「おい、晋慈」
「なんですか?」
「少しヤバイ事になった」
「?」
「今からすぐに避難s」
ガーン!!ズダダダン!
ゼアウスの声は途中でかき消された、
「え?え?」
「くそっ!」
しばらくすると、病室のドアが乱暴に開かれた
「おとなしくしろ!!」
そこには数人の武装した男達が入ってきた、そして全員を縄で縛りだす
「え?」
「遅かったか…」
ゼアウス達もすぐに縛られてしまう
そのまま他の患者達と共に6階につれていかれた