第一話 まあ混沌の戦士だから仕方ないんじゃね? 02
そしてケフカは確信する。あ、コイツバカだ、と。
化粧もせず寝巻のまま、何を思ったか皇帝はその辺を落ち着きなくうろうろと歩き始めた。考え事をする人のように手を頭に当て、難しい表情で唸りながら彼は足を進める。いや、進めるというよりは動かす、と言った方がやや正しい。
その姿をケフカは無言で見つめる。変なオーラが出ているため、声がかけづらいのだ。
「………………………」
とはいえ。
寝癖そのまま、寝巻のまま、さらにすっぴんとまでなれば、美意識の高い(自称)ケフカは気になる。それほど怒り心頭なのだというところは態度からしても見受けられるが。
(たかがプリンを食べられたくらいで、そんなに怒りますかね……)
「たかがプリンとはなんだたかがプリンとはァァ!!」
「また通じたー! カッコ内で喋ったはずなのにー!」
頭を抱えるケフカ。怒りで顔を真っ赤にした皇帝はもう一度彼の襟首をつかみ、
「よく考えてみろ……貴様は名前を書いてまで自分の物だと主張した化粧品や宝石を奪われて黙っていられるか……?」
ピキーン、と。
ケフカの脳内に電流が走った。
「いや化粧品はともかく宝石やアクセサリーに名前なんか書かねぇよ」という常識は今や彼の頭には残っていない。ゆらりとした動きで皇帝の手を払いのけたケフカの目には、炎が宿っていた。
「そうですよね……他人の物を盗むなんて最低だ……。そんなことする輩はこの僕ちんがとっ捕まえて黒こげにしてやるじょ!!」
「おお……!」
二人の心が一つになった瞬間だった。この様子を台所の陰から見ていた暗闇の雲は、何も言わない。
化粧もせず寝巻のまま、何を思ったか皇帝はその辺を落ち着きなくうろうろと歩き始めた。考え事をする人のように手を頭に当て、難しい表情で唸りながら彼は足を進める。いや、進めるというよりは動かす、と言った方がやや正しい。
その姿をケフカは無言で見つめる。変なオーラが出ているため、声がかけづらいのだ。
「………………………」
とはいえ。
寝癖そのまま、寝巻のまま、さらにすっぴんとまでなれば、美意識の高い(自称)ケフカは気になる。それほど怒り心頭なのだというところは態度からしても見受けられるが。
(たかがプリンを食べられたくらいで、そんなに怒りますかね……)
「たかがプリンとはなんだたかがプリンとはァァ!!」
「また通じたー! カッコ内で喋ったはずなのにー!」
頭を抱えるケフカ。怒りで顔を真っ赤にした皇帝はもう一度彼の襟首をつかみ、
「よく考えてみろ……貴様は名前を書いてまで自分の物だと主張した化粧品や宝石を奪われて黙っていられるか……?」
ピキーン、と。
ケフカの脳内に電流が走った。
「いや化粧品はともかく宝石やアクセサリーに名前なんか書かねぇよ」という常識は今や彼の頭には残っていない。ゆらりとした動きで皇帝の手を払いのけたケフカの目には、炎が宿っていた。
「そうですよね……他人の物を盗むなんて最低だ……。そんなことする輩はこの僕ちんがとっ捕まえて黒こげにしてやるじょ!!」
「おお……!」
二人の心が一つになった瞬間だった。この様子を台所の陰から見ていた暗闇の雲は、何も言わない。
■作者メッセージ
短い&更新遅くなってすみません!