第84話『暴走と崩壊』+『外伝〜ソード草刈ワールド・急〜』
「ジーク!!」
バックステップで咄嗟に距離をとったヴェイグが再び呼びかける。
だが今のジークはまるで野獣のように犬歯を剥き出しにし、クラウチングスタートの構えに入る。
「暴走に巻き込まれるのは御免なんでね。どっちが生き残るのか、はたまた全滅するのか高みの見物とさせてもらおうか」
そう言ってユリスは透明感のある薄いピンクの膜にジルバと入ると天高く浮上した。
「待て!!」
ヴェイグは浮上していくユリスに手を伸ばす。
「だから、お前が気にするべきなのは俺様じゃないだろ?」
「ジーク兄さん!正気に戻って!!」
ルルが叫ぶ。
すると、ジークはフォルスにより床を崩壊させながらルルへ向かって瞬時に距離を詰める。
「まずい!」
ヴェイグが気付いた時には既にジークはルルに向かって拳を振りかぶっていた。
「え……嘘……」
ルルが呟く。
だが次の瞬間、ジークの体が見えない力によって床に押し付けられる。
「グラビティ!!」
ジルバによって気絶させられていたブライトが何時の間に詠唱したのか拳銃をこちらに向けていた。
「生徒が暴走したら全力で止める!それが教師ってもんだろ!!」
まるで自分に言い聞かせるようにブライトは吠える。
(とは言ったものの、ジークのフォルスがこれ以上暴走すれば俺でも抑えられなくなる。どこまでもつか……)
ブライトの脳裏に初めてジークのフォルスが暴走した時のことが蘇る。
あの時は重力のフォルスで動きを止めようとしたが、重力場ごと破壊され足止めにもならなかった。
「がぁあああアアあああ!!!」
思い出に浸っている間にもジークがゆっくりと立ち上がる。
「こ、今度は……私も止める!」
ルルは震えながらも如意棒を構える。
「馬鹿野郎!!」
ブライトが怒号を散らすもジークはルルに飛び掛る。
が、ジークの眼前に突然鋼の壁が出現し視界を塞いだのと同時にジンが飛び掛るようにルルを抱きかかえ屋上を転がっていく。
鋼の壁はまるで紙のように簡単にジークに破られはしたがその一瞬の足止めが功を成した。
「ルル、今の兄さんに正面から挑もうとしちゃダメだ!粉々にされるぞ!」
「で、でも!」
ルルとジンは起き上がりながら依然暴走を続ける兄を見る。
「要は視界を塞げば時間を稼げるのね」
ヒルダが詠唱に入る。
「ヒルダ?何をするつもり?」
フィオナは恐る恐る後ろを振り返る。
だがヒルダは詠唱に入っており答えることはない。
その脇をマオが走っていく。
「ジーク、ごめんね」
ジークとマオの距離が縮まり、ジークは掌底破の構えに入る。
「フォルスフレイム!!」
突然マオの体が爆発するとジークとマオが爆炎に包まれる。
「ジーク!!」
フィオナが声を張り上げると爆炎の中から掌底破をまともにくらったマオが弾かれたように飛び出し地面を転がる。
暴走状態のジークに爆発など無意味であり、無傷であるがそれでも目くらましにはなった。
「濁流よ、すべてを吹き飛ばせ!」
そこへヒルダの詠唱が終わる。
「アクアストリーム!」
ジークの正面真下より濁流が噴射される。
しかしまるでジークをよけるかのように濁流は二股に裂ける。
それでも、ジークの視界を塞ぐことはできている。
その隙にジークの背後で力を溜めていたティトレイが地面に手をつく。
すると、立派な大樹がジークの足元からジークを巻き込むようにあっという間に成長し閉じ込めた。
「今だヴェイグ!!」
大樹はミシミシ音を立て分裂しそうになる。
それをティトレイはさらにツタを巻きつけることで阻止する。
「はぁああああ!!!」
ヴェイグは走りながら氷を纏った大剣を振り上げる。
「ちょっ……」
ジークが斬られると思ったフィオナは止めようとするがヴェイグは大樹を通り過ぎ様に一閃の太刀筋を入れた。
すると、巨大なクリスタルのような形をした氷が大樹を包み込んだ。
「これで身動きとれねぇだろ」
ティトレイは腰に手を当て結晶を見上げ、フィオナも胸を撫で下ろす。
「でも、この後どうするんですか?」
マオの回復をしながらアニーが問う。
すると、結晶に亀裂が入った。
「おいおい、頼むから割れないでくれよ〜?」
ティトレイの願いも虚しく、亀裂が結晶全体に入ると大樹諸共粉々に砕け散った。
「うぉおおおおお!!!!」
堅牢な封印を破ったジークが吠える。
「これでもダメなら、やはりやるしかないか……」
「そうですね」
ヴェイグが呟くとアニーが頷いた。
「やるって、何を……?」
フィオナは扇を開いたまま立ち尽くして疑問を口にした。
いや、雰囲気から見当はつく。
だが信じたくなかった。
「みんな!塔が傾いてる!!」
カインに言われて周囲に気を配ってみると塔が地震のように振動し、若干斜めに傾いていた。
「ジークのフォルスが支柱へ届いてしまったようだ!時間が無い!」
言ってからユージーンはジークに向かって走り出す。
「もう塔が倒壊して全滅するかジーク君を止めて倒壊を止めるかしか選択肢は無いんだ!覚悟を決めるんだフィオナ!!」
カインもグローブをギュッと締めなおし、走りだす。
「そんなの私には無理!!これは特訓じゃないのよ!?止めるってことはつまり……」
その先の言葉はフィオナの口からは出てこなかった。
それでも、8人は攻撃をしかける。
「ルル……」
ジンは隣で迷っているルルを見る。
そして、決意を固めた後にルルの頭にぽんと手を添えた。
「ジン兄さん?」
「ルルはここで待ってな」
それだけ言ってジンもジークに向かって走り出す。
(兄さんへの引導は、俺が渡す!)
塔の揺れが激しくなり、足場もブロックが崩れるように崩壊していき段々と狭くなってきていた。
故に全員なかなかジークに近付けずにいたが、ジンはジークとの距離が3mの距離から剣を振り上げる。
「蒼破刃!」
ジンの剣から衝撃波が飛ぶ。
それをジークは拳で殴り飛ばす。
すると、衝撃波はジークの拳を起点として二つに分かれジークの後方へと流れていった。
「ちっ!」
それでもジンは二回、三回と放つ。
その様子を見てブライトは一旦思考を巡らせる。
「分裂……いや、もしかして『分解』してんのか?」
「破壊とは違うのか?」
ユージーンの問いにブライトが頷く。
「『破壊』のフォルスだったら衝撃波だろうと木っ端微塵に消えるはずだ。だがさっきヒルダの術を受けてからティトレイとヴェイグのコンビネーションを砕くまでは『破壊』のフォルスだったはずだ。いつどうしてこうなったのかは分からねぇが、これはチャンスだ!」
そう言ってブライトは詠唱に入る。
「飛天翔駆!」
カインが上空よりジークに蹴りをいれる。
それは顔面にめり込むが、ジークは構わずカインの足を掴み地面に叩きつけた。
(攻撃が通った!?)
顔をしかめながらカインはジークを見上げる。
そこへユージーン、ティトレイ、ヴェイグの3人が攻撃を繰り出すが、調度ジークが跳躍してしまったため空振りに終わった。
だが今のジークは回避行動という概念がないため、今の跳躍は回避のためではなく、カインへのトドメをさすための跳躍だった。
「ブラッディクロス!」
「ストーンブレイク!」
ジークは掌にエネルギーを溜めると、真下に向かって躊躇なく投げる。
その鳳墜閃が地上に落下すると爆風が巻き起こりマオとヒルダの術諸共ヴェイグ、ティトレイ、ユージーン、カインの4人を吹き飛ばした。
誰もいなくなりクレーターとなった場所にジークは着地する。
(お願い!届いて!!)
フィオナは祈るように両手を組み、ジークに『声』を送ろうと試みる。
するとジークがこちらを向いた。
(届いた!?)
しかし明らかに殺意のある目でこちらに走ってくるジークを見て、それは勘違いだとすぐに気付かされた。
「グラビティ!!」
フィオナとの距離を詰める前にジークは圧力によって再び押しつぶされる。
(なんで……なんで届かないの!?なんで!!)
「今だヴェイグ!アニー!」
「浄化の扉、開かれん!」
アニーが杖を地面に突き立てるとアニーの目の前にゲートのような円が出現した。
その円をヴェイグがくぐった瞬間にブライトは重力場を解き、円陣のおかげで強化されたヴェイグはジークとの擦れ違い様に1太刀入れる。
「見切った!」
即座に振り返り、ジークに反撃の隙を与えないまま×印を描くように2撃連続でジークを切り裂く。
(もう……やめて……)
フィオナが崩れる。
「必殺!」
アニーが飛び跳ねながら杖を振り下ろしジークを殴り、そのまま杖を地面に突き立てると陣が出現しジークの動きを止めるのと同時にエネルギーが溢れ出す。
そして、エネルギーの加護を受けたヴェイグが天高く跳躍する。
「「龍虎滅牙斬!!」」
ヴェイグは落下しながら大剣を振り下ろし、ジークを切り裂くのと同時に下からは陣がエンルギー波によりジークを焼き尽くす。
「がぁあああああ!!!」
ジークは断末魔を上げその場に倒れると、ついに動かなくなった。
「ジーク!!」
フィオナは急いで駆け寄ろうとする。
「来るな!」
ジークを見下ろしていたヴェイグが何か殺気を感じフィオナを止める。
すると次の瞬間ジークの体から黒い霧とオーラが溢れ出した。
「ぐぁ!!」
ヴェイグは腕で顔を防ぎながらも後退する。
「そんな……少なくとも意識はもう完全にないはずなのに……!!」
アニーも愕然としながら後退する。
黒いオーラは塔全体に拡散し、砂山が崩れるように一気に崩壊が始まる。
そして大量に噴出した黒い霧は天へと昇った。
「ま、まずいよ!」
マオが言うのと同時に足場が完全に崩れ、全員落下を始めた。
「きゃあああああ!!!」
ルルは思わず目を瞑る。
このまま落下すれば間違いなく死ぬ。
「おらああああ!!!!」
ブライトが声を張り上げながら周囲にフォルスを展開する。
すると落下速度が多少遅くなった。
「だ、ダメだ……さっきフォルスを使いすぎちまった……」
広範囲にフォルスを使うだけでも消費するというのに、ユリス戦とジーク戦でかなりのフォルスを使ってしまったためブライトにはもうスタミナが残っていなかった。
フォルスが切れると再び元の落下スピードに戻る。
「ここまでなのか……!?」
ヴェイグは奥歯を噛み締める。
そんな時、落下しながら風を切る音に混じってエンジンの音が聞こえた。
「みんな!まだ諦めるのは早いよ!!」
見るとレグナントが接近してきており、そのコックピッドの窓を開けてカイトが身を乗り出していた。
さらにハッチも開放されており、そこからはニノンが体をベルトで機体と固定して両手を外に突き出していた。
「はぁあああああ!!!」
集中力を高めたニノンの翼が発光する。
すると、ヴェイグ達や一緒に落下していた瓦礫さえも落下が止まり、ふわりと浮かんだ。
その隙にカイトは手早く機体を操作し全員を回収する。
「……ジークは?」
回収を待つ間にフィオナは周囲を見渡す。
一緒に落下したのならジークも近くを浮いているはずである。
しかしジークの姿がどこにもない。
「まさか……」
フィオナは念のため下も探してみる。
すると、内陸側の海へ向かって落下しているジークの姿があった。
「ニノン!あそこ!ジークにフォルスがかかってないわ!!」
「え!?」
フィオナの指差す方向を確認したニノンは即座に翼を伸ばす。
すると、ジークの周辺にある瓦礫は浮くのにジークは落下を続けていた。
「な、何で!?フォルスが効きません!」
「このタイミングで破壊のフォルスに戻ったのか!?」
「そんなの訳分かんないよ!ニノンもっと頑張って!!」
回収されたブライトがハッチから身を乗り出していると、その脇から強引にルルが顔を出した。
ニノンも瞼をギュっと閉じてフォルスを送る。
それでも落下は止まらない。
「これ以上は僕達も危険だ!離脱するよ!」
最後にフィオナを回収してから機体は旋回を始める。
「そんな……」
フィオナは咄嗟に海へ向かって手を伸ばす。
「ジーク!!ジークゥウウウウウ!!!!!」
手を伸ばすのとは裏腹に、機体はどんどんジークから遠ざかっていきやがてジークの姿は瓦礫の雪崩や粉塵の煙によって見えなくなった。
〜続く〜
バックステップで咄嗟に距離をとったヴェイグが再び呼びかける。
だが今のジークはまるで野獣のように犬歯を剥き出しにし、クラウチングスタートの構えに入る。
「暴走に巻き込まれるのは御免なんでね。どっちが生き残るのか、はたまた全滅するのか高みの見物とさせてもらおうか」
そう言ってユリスは透明感のある薄いピンクの膜にジルバと入ると天高く浮上した。
「待て!!」
ヴェイグは浮上していくユリスに手を伸ばす。
「だから、お前が気にするべきなのは俺様じゃないだろ?」
「ジーク兄さん!正気に戻って!!」
ルルが叫ぶ。
すると、ジークはフォルスにより床を崩壊させながらルルへ向かって瞬時に距離を詰める。
「まずい!」
ヴェイグが気付いた時には既にジークはルルに向かって拳を振りかぶっていた。
「え……嘘……」
ルルが呟く。
だが次の瞬間、ジークの体が見えない力によって床に押し付けられる。
「グラビティ!!」
ジルバによって気絶させられていたブライトが何時の間に詠唱したのか拳銃をこちらに向けていた。
「生徒が暴走したら全力で止める!それが教師ってもんだろ!!」
まるで自分に言い聞かせるようにブライトは吠える。
(とは言ったものの、ジークのフォルスがこれ以上暴走すれば俺でも抑えられなくなる。どこまでもつか……)
ブライトの脳裏に初めてジークのフォルスが暴走した時のことが蘇る。
あの時は重力のフォルスで動きを止めようとしたが、重力場ごと破壊され足止めにもならなかった。
「がぁあああアアあああ!!!」
思い出に浸っている間にもジークがゆっくりと立ち上がる。
「こ、今度は……私も止める!」
ルルは震えながらも如意棒を構える。
「馬鹿野郎!!」
ブライトが怒号を散らすもジークはルルに飛び掛る。
が、ジークの眼前に突然鋼の壁が出現し視界を塞いだのと同時にジンが飛び掛るようにルルを抱きかかえ屋上を転がっていく。
鋼の壁はまるで紙のように簡単にジークに破られはしたがその一瞬の足止めが功を成した。
「ルル、今の兄さんに正面から挑もうとしちゃダメだ!粉々にされるぞ!」
「で、でも!」
ルルとジンは起き上がりながら依然暴走を続ける兄を見る。
「要は視界を塞げば時間を稼げるのね」
ヒルダが詠唱に入る。
「ヒルダ?何をするつもり?」
フィオナは恐る恐る後ろを振り返る。
だがヒルダは詠唱に入っており答えることはない。
その脇をマオが走っていく。
「ジーク、ごめんね」
ジークとマオの距離が縮まり、ジークは掌底破の構えに入る。
「フォルスフレイム!!」
突然マオの体が爆発するとジークとマオが爆炎に包まれる。
「ジーク!!」
フィオナが声を張り上げると爆炎の中から掌底破をまともにくらったマオが弾かれたように飛び出し地面を転がる。
暴走状態のジークに爆発など無意味であり、無傷であるがそれでも目くらましにはなった。
「濁流よ、すべてを吹き飛ばせ!」
そこへヒルダの詠唱が終わる。
「アクアストリーム!」
ジークの正面真下より濁流が噴射される。
しかしまるでジークをよけるかのように濁流は二股に裂ける。
それでも、ジークの視界を塞ぐことはできている。
その隙にジークの背後で力を溜めていたティトレイが地面に手をつく。
すると、立派な大樹がジークの足元からジークを巻き込むようにあっという間に成長し閉じ込めた。
「今だヴェイグ!!」
大樹はミシミシ音を立て分裂しそうになる。
それをティトレイはさらにツタを巻きつけることで阻止する。
「はぁああああ!!!」
ヴェイグは走りながら氷を纏った大剣を振り上げる。
「ちょっ……」
ジークが斬られると思ったフィオナは止めようとするがヴェイグは大樹を通り過ぎ様に一閃の太刀筋を入れた。
すると、巨大なクリスタルのような形をした氷が大樹を包み込んだ。
「これで身動きとれねぇだろ」
ティトレイは腰に手を当て結晶を見上げ、フィオナも胸を撫で下ろす。
「でも、この後どうするんですか?」
マオの回復をしながらアニーが問う。
すると、結晶に亀裂が入った。
「おいおい、頼むから割れないでくれよ〜?」
ティトレイの願いも虚しく、亀裂が結晶全体に入ると大樹諸共粉々に砕け散った。
「うぉおおおおお!!!!」
堅牢な封印を破ったジークが吠える。
「これでもダメなら、やはりやるしかないか……」
「そうですね」
ヴェイグが呟くとアニーが頷いた。
「やるって、何を……?」
フィオナは扇を開いたまま立ち尽くして疑問を口にした。
いや、雰囲気から見当はつく。
だが信じたくなかった。
「みんな!塔が傾いてる!!」
カインに言われて周囲に気を配ってみると塔が地震のように振動し、若干斜めに傾いていた。
「ジークのフォルスが支柱へ届いてしまったようだ!時間が無い!」
言ってからユージーンはジークに向かって走り出す。
「もう塔が倒壊して全滅するかジーク君を止めて倒壊を止めるかしか選択肢は無いんだ!覚悟を決めるんだフィオナ!!」
カインもグローブをギュッと締めなおし、走りだす。
「そんなの私には無理!!これは特訓じゃないのよ!?止めるってことはつまり……」
その先の言葉はフィオナの口からは出てこなかった。
それでも、8人は攻撃をしかける。
「ルル……」
ジンは隣で迷っているルルを見る。
そして、決意を固めた後にルルの頭にぽんと手を添えた。
「ジン兄さん?」
「ルルはここで待ってな」
それだけ言ってジンもジークに向かって走り出す。
(兄さんへの引導は、俺が渡す!)
塔の揺れが激しくなり、足場もブロックが崩れるように崩壊していき段々と狭くなってきていた。
故に全員なかなかジークに近付けずにいたが、ジンはジークとの距離が3mの距離から剣を振り上げる。
「蒼破刃!」
ジンの剣から衝撃波が飛ぶ。
それをジークは拳で殴り飛ばす。
すると、衝撃波はジークの拳を起点として二つに分かれジークの後方へと流れていった。
「ちっ!」
それでもジンは二回、三回と放つ。
その様子を見てブライトは一旦思考を巡らせる。
「分裂……いや、もしかして『分解』してんのか?」
「破壊とは違うのか?」
ユージーンの問いにブライトが頷く。
「『破壊』のフォルスだったら衝撃波だろうと木っ端微塵に消えるはずだ。だがさっきヒルダの術を受けてからティトレイとヴェイグのコンビネーションを砕くまでは『破壊』のフォルスだったはずだ。いつどうしてこうなったのかは分からねぇが、これはチャンスだ!」
そう言ってブライトは詠唱に入る。
「飛天翔駆!」
カインが上空よりジークに蹴りをいれる。
それは顔面にめり込むが、ジークは構わずカインの足を掴み地面に叩きつけた。
(攻撃が通った!?)
顔をしかめながらカインはジークを見上げる。
そこへユージーン、ティトレイ、ヴェイグの3人が攻撃を繰り出すが、調度ジークが跳躍してしまったため空振りに終わった。
だが今のジークは回避行動という概念がないため、今の跳躍は回避のためではなく、カインへのトドメをさすための跳躍だった。
「ブラッディクロス!」
「ストーンブレイク!」
ジークは掌にエネルギーを溜めると、真下に向かって躊躇なく投げる。
その鳳墜閃が地上に落下すると爆風が巻き起こりマオとヒルダの術諸共ヴェイグ、ティトレイ、ユージーン、カインの4人を吹き飛ばした。
誰もいなくなりクレーターとなった場所にジークは着地する。
(お願い!届いて!!)
フィオナは祈るように両手を組み、ジークに『声』を送ろうと試みる。
するとジークがこちらを向いた。
(届いた!?)
しかし明らかに殺意のある目でこちらに走ってくるジークを見て、それは勘違いだとすぐに気付かされた。
「グラビティ!!」
フィオナとの距離を詰める前にジークは圧力によって再び押しつぶされる。
(なんで……なんで届かないの!?なんで!!)
「今だヴェイグ!アニー!」
「浄化の扉、開かれん!」
アニーが杖を地面に突き立てるとアニーの目の前にゲートのような円が出現した。
その円をヴェイグがくぐった瞬間にブライトは重力場を解き、円陣のおかげで強化されたヴェイグはジークとの擦れ違い様に1太刀入れる。
「見切った!」
即座に振り返り、ジークに反撃の隙を与えないまま×印を描くように2撃連続でジークを切り裂く。
(もう……やめて……)
フィオナが崩れる。
「必殺!」
アニーが飛び跳ねながら杖を振り下ろしジークを殴り、そのまま杖を地面に突き立てると陣が出現しジークの動きを止めるのと同時にエネルギーが溢れ出す。
そして、エネルギーの加護を受けたヴェイグが天高く跳躍する。
「「龍虎滅牙斬!!」」
ヴェイグは落下しながら大剣を振り下ろし、ジークを切り裂くのと同時に下からは陣がエンルギー波によりジークを焼き尽くす。
「がぁあああああ!!!」
ジークは断末魔を上げその場に倒れると、ついに動かなくなった。
「ジーク!!」
フィオナは急いで駆け寄ろうとする。
「来るな!」
ジークを見下ろしていたヴェイグが何か殺気を感じフィオナを止める。
すると次の瞬間ジークの体から黒い霧とオーラが溢れ出した。
「ぐぁ!!」
ヴェイグは腕で顔を防ぎながらも後退する。
「そんな……少なくとも意識はもう完全にないはずなのに……!!」
アニーも愕然としながら後退する。
黒いオーラは塔全体に拡散し、砂山が崩れるように一気に崩壊が始まる。
そして大量に噴出した黒い霧は天へと昇った。
「ま、まずいよ!」
マオが言うのと同時に足場が完全に崩れ、全員落下を始めた。
「きゃあああああ!!!」
ルルは思わず目を瞑る。
このまま落下すれば間違いなく死ぬ。
「おらああああ!!!!」
ブライトが声を張り上げながら周囲にフォルスを展開する。
すると落下速度が多少遅くなった。
「だ、ダメだ……さっきフォルスを使いすぎちまった……」
広範囲にフォルスを使うだけでも消費するというのに、ユリス戦とジーク戦でかなりのフォルスを使ってしまったためブライトにはもうスタミナが残っていなかった。
フォルスが切れると再び元の落下スピードに戻る。
「ここまでなのか……!?」
ヴェイグは奥歯を噛み締める。
そんな時、落下しながら風を切る音に混じってエンジンの音が聞こえた。
「みんな!まだ諦めるのは早いよ!!」
見るとレグナントが接近してきており、そのコックピッドの窓を開けてカイトが身を乗り出していた。
さらにハッチも開放されており、そこからはニノンが体をベルトで機体と固定して両手を外に突き出していた。
「はぁあああああ!!!」
集中力を高めたニノンの翼が発光する。
すると、ヴェイグ達や一緒に落下していた瓦礫さえも落下が止まり、ふわりと浮かんだ。
その隙にカイトは手早く機体を操作し全員を回収する。
「……ジークは?」
回収を待つ間にフィオナは周囲を見渡す。
一緒に落下したのならジークも近くを浮いているはずである。
しかしジークの姿がどこにもない。
「まさか……」
フィオナは念のため下も探してみる。
すると、内陸側の海へ向かって落下しているジークの姿があった。
「ニノン!あそこ!ジークにフォルスがかかってないわ!!」
「え!?」
フィオナの指差す方向を確認したニノンは即座に翼を伸ばす。
すると、ジークの周辺にある瓦礫は浮くのにジークは落下を続けていた。
「な、何で!?フォルスが効きません!」
「このタイミングで破壊のフォルスに戻ったのか!?」
「そんなの訳分かんないよ!ニノンもっと頑張って!!」
回収されたブライトがハッチから身を乗り出していると、その脇から強引にルルが顔を出した。
ニノンも瞼をギュっと閉じてフォルスを送る。
それでも落下は止まらない。
「これ以上は僕達も危険だ!離脱するよ!」
最後にフィオナを回収してから機体は旋回を始める。
「そんな……」
フィオナは咄嗟に海へ向かって手を伸ばす。
「ジーク!!ジークゥウウウウウ!!!!!」
手を伸ばすのとは裏腹に、機体はどんどんジークから遠ざかっていきやがてジークの姿は瓦礫の雪崩や粉塵の煙によって見えなくなった。
〜続く〜
■作者メッセージ
【外伝〜ソード草刈ワールド・急〜】
「ちっ、2人共おせぇな、何やってんだ?」
ジークは高速で草を刈りながらもトイレとゴミ捨てに行ったチャリティとジンがなかなか帰ってこないことに苛立ちを覚えていた。
ジークの後ろではルルがせっせとジークが刈り取った草を袋に詰めたり近場の草を刈ったりと右往左往していた。
(このままじゃ優勝を逃がしちまう!鍋のためにも、もう少しスピードを上げねぇと……!)
その時、ジークの脳裏に最近読んだ本の内容が蘇る。
その本の中に出てくる哲学者はこう言っていた。
(剣1本で100の力を出せるなら2本なら……)
ジークは即座に後ろを振り返る。
「ルル!鎌を貸せ!お前は詰めることだけに専念しろ!」
「ふぇ!?う、うん!よく分からないけど分かった!!」
ルルは鎌をジークに手渡すと、ジークは両手に鎌を持ち草刈を再会させる。
「な、何だあれ!?ジークが加速したぞ!!」
「二刀流だと!?あれが新しいソードスキルってやつか!?」
ジークは両手の草刈鎌を振り回し、着々とあたりを焼け野原にしていく。
「剣1本で100の力を出せるなら、2本なら200になる!!」
こうして日が暮れる頃には全ての草が刈り取られ、いよいよ結果発表を待つのみとなった。
* * *
「みんなご苦労!これより結果を発表する!」
夕日が照らすオレジンの空の下で、ブライトは一旦グラウンドに全員を集合させると声を張り上げる。
さすがに全員クタクタのようでだらしなく座っていたが、ブライトは特に注意もせずに続ける。
「第3位!イーリス&ヴィーナ合同チーム!」
「3位か〜、惜しかったわね」
ヴィーナがチャリティに笑いかけるとチャリティはわなわなと震えていた。
「この私が頑張ったのよ!?それなのに3位!?納得いかないわ!!」
「姉さん、3位でもいいじゃん」
「そうですよ、まだジークさん達が残ってますし」
ジンとイーリスがなだめるがチャリティが落ち着く様子がない。
「次はいよいよ優勝者の発表だ!」
そんなチャリティには構わずブライトは勧めていく。
早く終わらせないと日が暮れてしまうのだ。
「優勝は……」
約一名を除き全員が息を呑む。
「ワッシーだぁ!!」
「ふっ」
「嘘……だろ……」
ワッシーが得意気に立ち上がるのとは反対に、ジークはその場に両手両膝を突く。
「ちなみに2位はフリィース家だ。惜しかったな」
「ごめんね兄さん……私がもたもたしてたから……」
「いや……」
ジークはルルの泥だらけの小さな手を見る。
ルルはフォルスを使い袋を大きくしたり草を小さくたりして極力効率を上げようと工夫していた。
それを知っていて攻めることはできない。
本当に攻められるべきは他にいる。
「ルル、姉さんとジンの頭を叩いて来い。お前なら許される」
「うん、分かった!」
両手の翼を広げ、ワッシーが商品目録をもらうために前に出る。
「おめでとうワッシー」
ブライトがワッシーに目録を手渡した。
「ありがとうございます。この鍋を糧に、明日から就活に入ろうと思います」
「おう!頑張れよ!」
「私達も応援してるわ」
リノアが拍手をすると、それをきっかけに全員から拍手喝采が上がる。
そして大会は閉式となり解散となる。
各々帰路につくと、叩けと言われただけなのにチャリティとジンはルルから拳骨をくらったりおかずを一品減らされたりと色々あったが最後にジークの中に心残りがあった。
(この島で就活ってする意味あんのか?)
〜お終い♪〜
【楽談パート64】
takeshi「ども〜!ヤコさんの視線が冷たいtakeshiです……」
ヤコ「余韻……」
takeshi「本っ当にすみません!!」
マティアス「そんなことよりどうすんのよ鍋!!チャリティが優勝できなかった場合のことも当然考えてあるんでしょうね!?」
takeshi「ある、と言ったら嘘になる……」
マティアス「格好付けながら言うなぁあ!!!」
チャリティ「ただいま〜。あぁ腰痛い」
マティアス「ちょっとチャリティ!貴方本当に優勝できなかったの!?あれはフィクションなのよね!?そうなのよね!?さぁ、はいって言え!言わんかいこらぁ!!」
チャリティ「ごめ〜ん☆」
マティアス「星を付けるなぁあああ!!余計に腹が立つわ!!ていうかどうせアレでしょ?ワッシーが皆で食べるようにって分けてくれたのよね?最悪奪ってきたわよね!?ねぇ!?」
チャリティ「ごめん……本当に無い。ていうかワッシー先輩から私が奪うわけないでしょ!?」
マティアス「奪えよ!!」
チャリティ「奪うかっての!!さすがの私でもそこまで食い意地張ってないわよ!どこの山賊よ!?」
マティアス「食い意地張りなさいよ!貪欲に!貴方そういうキャラでしょ!?」
チャリティ「キャラって……!!」
ヤコ「チャリティ、言い争うのもそこまでにしよ?」
チャリティ「ヤコ!あんたこっちに来たのね」
ヤコ「うん、さっき」
マティアス「なに?2人共知り合いなの?」
ヤコ「昔ちょくちょく遊びに行ってたの。幻ならチャリティの結界も通り抜けられるから」
チャリティ「懐かしいわね〜」
ヤコ「でもジークは私のこと覚えてなかったみたい」
チャリティ「あいつまだ小さかったし、仕方ないわよ」
takeshi「完璧に蚊帳の外な上に外伝が丸々1話消し飛びましたよ今」
チャリティ「そんなこと言って元々やるつもりなかったでしょ?」
takeshi「そ、そんなことは……ない……です……よ?」
マティアス「言いよどむ時点でダウトね」
チャリティ「それにしても私の弟は暴走すると強いじゃない!」
マティアス「そう?私から言わせてみれば結局ヴェイグ達にやられるようじゃまだまだよ」
ヤコ「チャリティは相変わらずブラコンなのね」
takeshi「でも何でも破壊できるってのは書いててもチートすぎて大変なんですよ?やろうと思えば瞬殺ですし」
ヤコ「チートと言えばユリスのフォルス……108って……」
マティアス「煩悩の数になぞらえたのでしょうけど、発想が完全に厨二病ね……」
takeshi「しょうがないじゃないですか!これはこの小説を発案した時の設定なんですから!文句なら数年前の私に言ってください!!」
チャリティ「ていうか本当に108個もあんの?」
takeshi「そこはつっこまないでいただきたい……」
チャリティ「あっそ」
ヤコ「それではまた次回♪」
「ちっ、2人共おせぇな、何やってんだ?」
ジークは高速で草を刈りながらもトイレとゴミ捨てに行ったチャリティとジンがなかなか帰ってこないことに苛立ちを覚えていた。
ジークの後ろではルルがせっせとジークが刈り取った草を袋に詰めたり近場の草を刈ったりと右往左往していた。
(このままじゃ優勝を逃がしちまう!鍋のためにも、もう少しスピードを上げねぇと……!)
その時、ジークの脳裏に最近読んだ本の内容が蘇る。
その本の中に出てくる哲学者はこう言っていた。
(剣1本で100の力を出せるなら2本なら……)
ジークは即座に後ろを振り返る。
「ルル!鎌を貸せ!お前は詰めることだけに専念しろ!」
「ふぇ!?う、うん!よく分からないけど分かった!!」
ルルは鎌をジークに手渡すと、ジークは両手に鎌を持ち草刈を再会させる。
「な、何だあれ!?ジークが加速したぞ!!」
「二刀流だと!?あれが新しいソードスキルってやつか!?」
ジークは両手の草刈鎌を振り回し、着々とあたりを焼け野原にしていく。
「剣1本で100の力を出せるなら、2本なら200になる!!」
こうして日が暮れる頃には全ての草が刈り取られ、いよいよ結果発表を待つのみとなった。
* * *
「みんなご苦労!これより結果を発表する!」
夕日が照らすオレジンの空の下で、ブライトは一旦グラウンドに全員を集合させると声を張り上げる。
さすがに全員クタクタのようでだらしなく座っていたが、ブライトは特に注意もせずに続ける。
「第3位!イーリス&ヴィーナ合同チーム!」
「3位か〜、惜しかったわね」
ヴィーナがチャリティに笑いかけるとチャリティはわなわなと震えていた。
「この私が頑張ったのよ!?それなのに3位!?納得いかないわ!!」
「姉さん、3位でもいいじゃん」
「そうですよ、まだジークさん達が残ってますし」
ジンとイーリスがなだめるがチャリティが落ち着く様子がない。
「次はいよいよ優勝者の発表だ!」
そんなチャリティには構わずブライトは勧めていく。
早く終わらせないと日が暮れてしまうのだ。
「優勝は……」
約一名を除き全員が息を呑む。
「ワッシーだぁ!!」
「ふっ」
「嘘……だろ……」
ワッシーが得意気に立ち上がるのとは反対に、ジークはその場に両手両膝を突く。
「ちなみに2位はフリィース家だ。惜しかったな」
「ごめんね兄さん……私がもたもたしてたから……」
「いや……」
ジークはルルの泥だらけの小さな手を見る。
ルルはフォルスを使い袋を大きくしたり草を小さくたりして極力効率を上げようと工夫していた。
それを知っていて攻めることはできない。
本当に攻められるべきは他にいる。
「ルル、姉さんとジンの頭を叩いて来い。お前なら許される」
「うん、分かった!」
両手の翼を広げ、ワッシーが商品目録をもらうために前に出る。
「おめでとうワッシー」
ブライトがワッシーに目録を手渡した。
「ありがとうございます。この鍋を糧に、明日から就活に入ろうと思います」
「おう!頑張れよ!」
「私達も応援してるわ」
リノアが拍手をすると、それをきっかけに全員から拍手喝采が上がる。
そして大会は閉式となり解散となる。
各々帰路につくと、叩けと言われただけなのにチャリティとジンはルルから拳骨をくらったりおかずを一品減らされたりと色々あったが最後にジークの中に心残りがあった。
(この島で就活ってする意味あんのか?)
〜お終い♪〜
【楽談パート64】
takeshi「ども〜!ヤコさんの視線が冷たいtakeshiです……」
ヤコ「余韻……」
takeshi「本っ当にすみません!!」
マティアス「そんなことよりどうすんのよ鍋!!チャリティが優勝できなかった場合のことも当然考えてあるんでしょうね!?」
takeshi「ある、と言ったら嘘になる……」
マティアス「格好付けながら言うなぁあ!!!」
チャリティ「ただいま〜。あぁ腰痛い」
マティアス「ちょっとチャリティ!貴方本当に優勝できなかったの!?あれはフィクションなのよね!?そうなのよね!?さぁ、はいって言え!言わんかいこらぁ!!」
チャリティ「ごめ〜ん☆」
マティアス「星を付けるなぁあああ!!余計に腹が立つわ!!ていうかどうせアレでしょ?ワッシーが皆で食べるようにって分けてくれたのよね?最悪奪ってきたわよね!?ねぇ!?」
チャリティ「ごめん……本当に無い。ていうかワッシー先輩から私が奪うわけないでしょ!?」
マティアス「奪えよ!!」
チャリティ「奪うかっての!!さすがの私でもそこまで食い意地張ってないわよ!どこの山賊よ!?」
マティアス「食い意地張りなさいよ!貪欲に!貴方そういうキャラでしょ!?」
チャリティ「キャラって……!!」
ヤコ「チャリティ、言い争うのもそこまでにしよ?」
チャリティ「ヤコ!あんたこっちに来たのね」
ヤコ「うん、さっき」
マティアス「なに?2人共知り合いなの?」
ヤコ「昔ちょくちょく遊びに行ってたの。幻ならチャリティの結界も通り抜けられるから」
チャリティ「懐かしいわね〜」
ヤコ「でもジークは私のこと覚えてなかったみたい」
チャリティ「あいつまだ小さかったし、仕方ないわよ」
takeshi「完璧に蚊帳の外な上に外伝が丸々1話消し飛びましたよ今」
チャリティ「そんなこと言って元々やるつもりなかったでしょ?」
takeshi「そ、そんなことは……ない……です……よ?」
マティアス「言いよどむ時点でダウトね」
チャリティ「それにしても私の弟は暴走すると強いじゃない!」
マティアス「そう?私から言わせてみれば結局ヴェイグ達にやられるようじゃまだまだよ」
ヤコ「チャリティは相変わらずブラコンなのね」
takeshi「でも何でも破壊できるってのは書いててもチートすぎて大変なんですよ?やろうと思えば瞬殺ですし」
ヤコ「チートと言えばユリスのフォルス……108って……」
マティアス「煩悩の数になぞらえたのでしょうけど、発想が完全に厨二病ね……」
takeshi「しょうがないじゃないですか!これはこの小説を発案した時の設定なんですから!文句なら数年前の私に言ってください!!」
チャリティ「ていうか本当に108個もあんの?」
takeshi「そこはつっこまないでいただきたい……」
チャリティ「あっそ」
ヤコ「それではまた次回♪」