第4話『真の力と教育』
ヴェイグ達が商店に向かって歩くこと数十分、彼らは未だに商店へ着けずにいた。
「商店って、歩くとこんなに遠かったんだね……」
マオは肩を落としながら言った。
バルカ城からは大分離れたが、先日の爆発の影響で家屋が荒廃しており人気も少なく、ここまでヒトというヒトと擦れ違うことがなかった。
ここまで建物が廃れるほどの爆発だったというのに、その最前線にいた自分達はよく無事だったものだと、破裂した水道管を見ながらジーク以外の全員が思った。
「で?さっき言ってた元老院って何なんだ?」
ジークが質問すると、ユージーンが答えた。
「元老院とは簡単に言えば国王のアドバイザーのようなものだ。補佐官のように王の手助けになるように働くわけではないが、国王のとる政策に助言をする権限を持っている。それが元老院だ。したがって国王無き今、彼等が国の実権を握っているのが現状だ」
「だったら助言役なんてチマチマしたことしてないで、このチャンスに国王になっちゃえば良いのにね?」
「そしたらいろんなことを命令し放題じゃないか」とカインは付け足すと、マオが苦笑いしながら返した。
「国王になれるのは代々月のフォルスを持ったヒトだけなんだ。でも今の元老院の中には誰も持っているヒトはいない。そもそも月のフォルス所持者は国王の血筋からしか生まれることはないからね」
「ジルバも月のフォルスを持っていたな。ということは、ジルバもその血を引いているのか……」
「遠い親戚なのかもね。だからジルバにも国王になる権利はあるんだヨ?」
「俺、屋上で戦った時が初対面だったけど、あんなヤツが国王になった国になんて住むの嫌だな……」
「あんまり……考えたくありませんね」
「まったくだ」
ブライトは肩をすくめて言うと、そこで会話は終わった。
だが商店にはまだ到着することはなく、ヒビの入ったコンクリートの道を一行は歩き続けた。
と、ここで何か気付いたのかヴェイグとマオの間を歩いていたジークはスピードを落とし、最後尾のルルに歩み寄った。
「さっきからやけに静かだな。どうした?」
ルル「べ、別に……」
ルルはチラッとマオを見た。
すると、突然後ろへと行ったジークが気になったのかマオが後ろを振り向くと、ルルと目が合った。
「ッ!!」
するとルルは瞬時に首をグイッと後ろに曲げ、視線を逸らした。
その様子を見てジークは首を傾げたが、ブライトに背中を大きく叩かれた。
「察してやれ、兄貴!」
「あ、商店が見えてきたわよ」
フィオナが指をさす方向には機関車が走るためのレールがあり、その更に先には見覚えのあるお店が建っていた。
「やっと着いたか〜」
「あのお店、世界の中心っていうんだけど、フィオナ知ってたの?」
「この前ジークのリハビリついでに来たのよ」
「それってつまりデート!?」
カインは驚愕した表情でジークに顔面を近付けた。
「ちげぇよ」
それをジークは明らか嫌そうな顔をしながら両手で突き放した。
店内へ入ると中は相変わらず狭苦しく、必要最低限の物しか置いていないようだった。
「おっ、英雄さん方久しぶりだねぇ。今日は何のようだい?」
カウンターにいる店主が気さくに話しかけると、フィオナはビシッと指をさした。
「ちょっと!あの時は私たちに何も売らなかったくせに、何でヴェイグ達には売ろうとするわけ!?」
「口五月蝿いお嬢ちゃんだなぁ。言っとくけど、今のあんたでも売らないよ」
「何よそれ〜!?」
「お、落ち着けってフィオナ!な?」
ジークがなだめようと試みるが、効果は今ひとつのようだ。
「ここの店主は客の腕を見て売買を決める。そういうヒトなんだ」
「つまり私はまだまだ未熟ってことじゃない!!あったまきた。私、外で待ってる」
「お、おい!」
頭から煙を出さんばかりに激怒したフィオナはジークの呼びかけにも応じずに外へと出てしまった。
「1人で待たせておくのも難だ。ジーク、付いていてやってくれないか?」
「分かった」
ジークは頷き、フィオナの後を追うと彼女は入り口の直ぐ側の壁に寄りかかっていた。
後悔しているのか、頭を冷やそうとしているのか、腕で空を見上げた顔の目を隠していた。
「最低……。皆の前で怒鳴ったりして、大人気ないったらありゃしないわ……」
「心配すんな、お前の心の声はいつもそんなもんだ」
フィオナはジークを睨み唇を強く結んだが、すぐに解き腕を後ろで組んだ。
「……そう?」
「逆に良かったんじゃねぇの?皆に本当のフィオナを知ってもらえて」
「失礼ね、真に本当の私は可憐で繊細なのよ」
ジークは乾いた笑いと共に肩をすくめて見せた。
「そういえば、カインを探している途中でラジルダに寄ったんだけど変なヤツと会った」
「変なヤツ?」
「なんでも空を飛びたいらしいぜ?金髪のヒューマで幼馴染を探すためとか言ってたが、心当たりとか、あるか?」
「金髪のヒューマ……。そんなの沢山いた気がするから覚えてないわね。まっ、私には幼馴染みと呼べる関係のヒトは居なかったから少なくとも私の知っているヒトじゃないわね」
「そうか……」
フィオナのことが少し分かったような気がしたジークだった。
一方、店内ではヴェイグが店主からマジカルポットを受け取っていた。
「また預けたくなったらいつでも来てくれよ!」
1年前、旅が終わったことで不要になったマジカルポットだったが売るのは勿体無いということでここの商店の店主に預かってもらっていた。
しかし預かってもらっている間にも食材は配達され続けてしまうので、預かってもらう代わりに配達された食材は商売に使って良いという条件を出したのである。
そのおかげでこの店主は気前良く預かってくれていたのだった。
「ふ〜ん、これがねぇ〜」
ジンはこんなポットから食材が出てくるなんて信じられないといったように繁々とポットを見つめていた。
そんなジンを尻目に、ヴェイグは店主にもう一つ注文した。
「それともう一つ、武器も受け取りたいんだが……」
それを聞いて今までニコニコしていた店主の表情が真剣なものへと一変した。
「この前の大爆発があってからまさかとは思っていたが、また厄介なことが起きてんだな?」
そう言いながら店主は回れ右をし、しゃがみ込むとクローゼットの扉を丁寧に開いた。
そして、その中から金属音を立てながら一つ一つ武器をカウンターの上に並べた。
それを見てブライトが眉をひそめた。
「ファルステヴェルン、バファーダム、ヴァルムブル、ベルナテッタ、ツウェイセル、アインダール……これで全部だな」
店主は最強装備を並び終え、ヴェイグはファルステヴェルンを手に取った。
「あぁ、間違い無い」
今まで使っていたブロンズソードとは圧倒的に違う威圧感、微細にでもコントロールを誤れば大気を凍らせ断ち切ってしまいそうな刃の透明感を感じながらヴェイグは頷いた。
「僕が言うのもなんだけど、そんな強そうな武器があるなら最初から使っていればよかったのに」
そうすれば僕達なんかバビログラード港で瞬殺されたのにとカインは複雑な心境を抱くと、ユージーンはヴァルムブルの感触を確かめながら答えた。
「あまり突出した力は周囲にも影響を与えかねん。無闇に力を誇示したところで必ずその力を欲する欲に塗れた者が出てくる。そう考えた故に俺達はこの武器達も預けたんだ」
へぇ〜、とカイン、ルル、ジンの三人は頷いた。
「……そうじゃねぇだろ……」
ブライトは腕を組んだまま小さく呟くと、全員注目した。
すると、ブライトは溜息をつきながら組んでいた腕を解き外へと向かった。
「ヴェイグ、お前達に話がある。その武器装備して表に出な」
ブライトが店から出て行くと、ヴェイグ達は装備を換装してからブライトの後に続こうとした。
「まいど。最後に余計なことを言うようだが、さっきの紫色の髪した嬢ちゃんに伝えておいてもらえないか?」
フィオナのことかと思いながら、9人は耳を傾けた。
「自分の器量より大きすぎる力は必ず身を滅ぼすってな。勿論これはあんたらにも言えることだぞ?」
店主はカイン、ルル、ジンに向かって言うと、最後に手を振って見送ってくれた。
そして店外へと出ると、そこから東へと向かったところに城門があり、どうやらそこから外へ出られるようになっており、街の外へと出るとブライトが待ち構えていた。
「何?何がどういう流れでどうなったの?」
気付けばブライトは二丁の銃を構えて立っており、それに対面するようにヴェイグ、マオ、ユージーン、ティトレイ、アニー、ヒルダもまた各々の武器を構えていた。
「俺が知るかよ」
店の外にいて話を聞いていなかったフィオナとジークの二人は完全に蚊帳の外状態だった。
「なんか先生がヴェイグ達に話があるらしいよ?でもあの様子だと話というより……」
「ジーク!!」
ジンが話している途中で、ブライトがジークに呼びかけた。
「お前のグローブを貸しな!」
ジークはグローブを放り投げるとブライトは拳銃を腰にしまってからグローブをキャッチした。
これでジーク、ジン、ルル、カインの4人はブライトが今からやろうとしていることを理解した。
((教育だ))
「良いかお前等、絶対に手を出すんじゃねぇぞ!!」
ブライトはグローブを着けながらジーク達に言うと、フィオナはもう投げやりな感じで頷いた。
そしてグローブを装備し終わったブライトはヴェイグ達に向き直る。
「お前等、本気で来いよ」
「本気でって言われてもね……」
武器を構えろと言われた時点で力試しをしたいというのは理解できたが、どうにも乗り気にはなれなかった。
力が違いすぎる。
「俺を殺す気でこねぇと、誰か1人死ぬぞ」
言った刹那、ブライトは英雄陣6人の視界から姿を消した。
「っ!マオ!」
最後尾で護衛の準備をしていたアニーが気付き、言葉を発するのと同時にブライトは布陣の中央で横に並んでいたマオとヒルダの顔を掴むと、地面に叩きつけ、二人の顔は地面に埋まりこんだ。
「まずは二人」
ブライトの教育が始まる。
〜続く〜
「商店って、歩くとこんなに遠かったんだね……」
マオは肩を落としながら言った。
バルカ城からは大分離れたが、先日の爆発の影響で家屋が荒廃しており人気も少なく、ここまでヒトというヒトと擦れ違うことがなかった。
ここまで建物が廃れるほどの爆発だったというのに、その最前線にいた自分達はよく無事だったものだと、破裂した水道管を見ながらジーク以外の全員が思った。
「で?さっき言ってた元老院って何なんだ?」
ジークが質問すると、ユージーンが答えた。
「元老院とは簡単に言えば国王のアドバイザーのようなものだ。補佐官のように王の手助けになるように働くわけではないが、国王のとる政策に助言をする権限を持っている。それが元老院だ。したがって国王無き今、彼等が国の実権を握っているのが現状だ」
「だったら助言役なんてチマチマしたことしてないで、このチャンスに国王になっちゃえば良いのにね?」
「そしたらいろんなことを命令し放題じゃないか」とカインは付け足すと、マオが苦笑いしながら返した。
「国王になれるのは代々月のフォルスを持ったヒトだけなんだ。でも今の元老院の中には誰も持っているヒトはいない。そもそも月のフォルス所持者は国王の血筋からしか生まれることはないからね」
「ジルバも月のフォルスを持っていたな。ということは、ジルバもその血を引いているのか……」
「遠い親戚なのかもね。だからジルバにも国王になる権利はあるんだヨ?」
「俺、屋上で戦った時が初対面だったけど、あんなヤツが国王になった国になんて住むの嫌だな……」
「あんまり……考えたくありませんね」
「まったくだ」
ブライトは肩をすくめて言うと、そこで会話は終わった。
だが商店にはまだ到着することはなく、ヒビの入ったコンクリートの道を一行は歩き続けた。
と、ここで何か気付いたのかヴェイグとマオの間を歩いていたジークはスピードを落とし、最後尾のルルに歩み寄った。
「さっきからやけに静かだな。どうした?」
ルル「べ、別に……」
ルルはチラッとマオを見た。
すると、突然後ろへと行ったジークが気になったのかマオが後ろを振り向くと、ルルと目が合った。
「ッ!!」
するとルルは瞬時に首をグイッと後ろに曲げ、視線を逸らした。
その様子を見てジークは首を傾げたが、ブライトに背中を大きく叩かれた。
「察してやれ、兄貴!」
「あ、商店が見えてきたわよ」
フィオナが指をさす方向には機関車が走るためのレールがあり、その更に先には見覚えのあるお店が建っていた。
「やっと着いたか〜」
「あのお店、世界の中心っていうんだけど、フィオナ知ってたの?」
「この前ジークのリハビリついでに来たのよ」
「それってつまりデート!?」
カインは驚愕した表情でジークに顔面を近付けた。
「ちげぇよ」
それをジークは明らか嫌そうな顔をしながら両手で突き放した。
店内へ入ると中は相変わらず狭苦しく、必要最低限の物しか置いていないようだった。
「おっ、英雄さん方久しぶりだねぇ。今日は何のようだい?」
カウンターにいる店主が気さくに話しかけると、フィオナはビシッと指をさした。
「ちょっと!あの時は私たちに何も売らなかったくせに、何でヴェイグ達には売ろうとするわけ!?」
「口五月蝿いお嬢ちゃんだなぁ。言っとくけど、今のあんたでも売らないよ」
「何よそれ〜!?」
「お、落ち着けってフィオナ!な?」
ジークがなだめようと試みるが、効果は今ひとつのようだ。
「ここの店主は客の腕を見て売買を決める。そういうヒトなんだ」
「つまり私はまだまだ未熟ってことじゃない!!あったまきた。私、外で待ってる」
「お、おい!」
頭から煙を出さんばかりに激怒したフィオナはジークの呼びかけにも応じずに外へと出てしまった。
「1人で待たせておくのも難だ。ジーク、付いていてやってくれないか?」
「分かった」
ジークは頷き、フィオナの後を追うと彼女は入り口の直ぐ側の壁に寄りかかっていた。
後悔しているのか、頭を冷やそうとしているのか、腕で空を見上げた顔の目を隠していた。
「最低……。皆の前で怒鳴ったりして、大人気ないったらありゃしないわ……」
「心配すんな、お前の心の声はいつもそんなもんだ」
フィオナはジークを睨み唇を強く結んだが、すぐに解き腕を後ろで組んだ。
「……そう?」
「逆に良かったんじゃねぇの?皆に本当のフィオナを知ってもらえて」
「失礼ね、真に本当の私は可憐で繊細なのよ」
ジークは乾いた笑いと共に肩をすくめて見せた。
「そういえば、カインを探している途中でラジルダに寄ったんだけど変なヤツと会った」
「変なヤツ?」
「なんでも空を飛びたいらしいぜ?金髪のヒューマで幼馴染を探すためとか言ってたが、心当たりとか、あるか?」
「金髪のヒューマ……。そんなの沢山いた気がするから覚えてないわね。まっ、私には幼馴染みと呼べる関係のヒトは居なかったから少なくとも私の知っているヒトじゃないわね」
「そうか……」
フィオナのことが少し分かったような気がしたジークだった。
一方、店内ではヴェイグが店主からマジカルポットを受け取っていた。
「また預けたくなったらいつでも来てくれよ!」
1年前、旅が終わったことで不要になったマジカルポットだったが売るのは勿体無いということでここの商店の店主に預かってもらっていた。
しかし預かってもらっている間にも食材は配達され続けてしまうので、預かってもらう代わりに配達された食材は商売に使って良いという条件を出したのである。
そのおかげでこの店主は気前良く預かってくれていたのだった。
「ふ〜ん、これがねぇ〜」
ジンはこんなポットから食材が出てくるなんて信じられないといったように繁々とポットを見つめていた。
そんなジンを尻目に、ヴェイグは店主にもう一つ注文した。
「それともう一つ、武器も受け取りたいんだが……」
それを聞いて今までニコニコしていた店主の表情が真剣なものへと一変した。
「この前の大爆発があってからまさかとは思っていたが、また厄介なことが起きてんだな?」
そう言いながら店主は回れ右をし、しゃがみ込むとクローゼットの扉を丁寧に開いた。
そして、その中から金属音を立てながら一つ一つ武器をカウンターの上に並べた。
それを見てブライトが眉をひそめた。
「ファルステヴェルン、バファーダム、ヴァルムブル、ベルナテッタ、ツウェイセル、アインダール……これで全部だな」
店主は最強装備を並び終え、ヴェイグはファルステヴェルンを手に取った。
「あぁ、間違い無い」
今まで使っていたブロンズソードとは圧倒的に違う威圧感、微細にでもコントロールを誤れば大気を凍らせ断ち切ってしまいそうな刃の透明感を感じながらヴェイグは頷いた。
「僕が言うのもなんだけど、そんな強そうな武器があるなら最初から使っていればよかったのに」
そうすれば僕達なんかバビログラード港で瞬殺されたのにとカインは複雑な心境を抱くと、ユージーンはヴァルムブルの感触を確かめながら答えた。
「あまり突出した力は周囲にも影響を与えかねん。無闇に力を誇示したところで必ずその力を欲する欲に塗れた者が出てくる。そう考えた故に俺達はこの武器達も預けたんだ」
へぇ〜、とカイン、ルル、ジンの三人は頷いた。
「……そうじゃねぇだろ……」
ブライトは腕を組んだまま小さく呟くと、全員注目した。
すると、ブライトは溜息をつきながら組んでいた腕を解き外へと向かった。
「ヴェイグ、お前達に話がある。その武器装備して表に出な」
ブライトが店から出て行くと、ヴェイグ達は装備を換装してからブライトの後に続こうとした。
「まいど。最後に余計なことを言うようだが、さっきの紫色の髪した嬢ちゃんに伝えておいてもらえないか?」
フィオナのことかと思いながら、9人は耳を傾けた。
「自分の器量より大きすぎる力は必ず身を滅ぼすってな。勿論これはあんたらにも言えることだぞ?」
店主はカイン、ルル、ジンに向かって言うと、最後に手を振って見送ってくれた。
そして店外へと出ると、そこから東へと向かったところに城門があり、どうやらそこから外へ出られるようになっており、街の外へと出るとブライトが待ち構えていた。
「何?何がどういう流れでどうなったの?」
気付けばブライトは二丁の銃を構えて立っており、それに対面するようにヴェイグ、マオ、ユージーン、ティトレイ、アニー、ヒルダもまた各々の武器を構えていた。
「俺が知るかよ」
店の外にいて話を聞いていなかったフィオナとジークの二人は完全に蚊帳の外状態だった。
「なんか先生がヴェイグ達に話があるらしいよ?でもあの様子だと話というより……」
「ジーク!!」
ジンが話している途中で、ブライトがジークに呼びかけた。
「お前のグローブを貸しな!」
ジークはグローブを放り投げるとブライトは拳銃を腰にしまってからグローブをキャッチした。
これでジーク、ジン、ルル、カインの4人はブライトが今からやろうとしていることを理解した。
((教育だ))
「良いかお前等、絶対に手を出すんじゃねぇぞ!!」
ブライトはグローブを着けながらジーク達に言うと、フィオナはもう投げやりな感じで頷いた。
そしてグローブを装備し終わったブライトはヴェイグ達に向き直る。
「お前等、本気で来いよ」
「本気でって言われてもね……」
武器を構えろと言われた時点で力試しをしたいというのは理解できたが、どうにも乗り気にはなれなかった。
力が違いすぎる。
「俺を殺す気でこねぇと、誰か1人死ぬぞ」
言った刹那、ブライトは英雄陣6人の視界から姿を消した。
「っ!マオ!」
最後尾で護衛の準備をしていたアニーが気付き、言葉を発するのと同時にブライトは布陣の中央で横に並んでいたマオとヒルダの顔を掴むと、地面に叩きつけ、二人の顔は地面に埋まりこんだ。
「まずは二人」
ブライトの教育が始まる。
〜続く〜
■作者メッセージ
ども〜!ついに原稿のストックがなくなったtakeshiです。
ここまでがバックアップの残っていた本編となります。
元々台本小説だったものをチョチョイと修正しただけでしたので読みにくかったとは思いますが、次回からはきちんと小説として書いていくので少しはマシになるかと思います。
なってればいいなぁ〜・・・。
ではまた〜
ここまでがバックアップの残っていた本編となります。
元々台本小説だったものをチョチョイと修正しただけでしたので読みにくかったとは思いますが、次回からはきちんと小説として書いていくので少しはマシになるかと思います。
なってればいいなぁ〜・・・。
ではまた〜