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Tales of Re:Rebirth 『あなたは何を守りたいのですか?』

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INDEX

  • あらすじ
  • 01 キャラクター名鑑(上)
  • 02 キャラクター名鑑(中)
  • 03 キャラクター名鑑(下)
  • 04 あらすじ『出会い、そして旅立ち!の巻』
  • 05 あらすじ『旅にピーチパイは欠かせない』
  • 06 あらすじ『まぁたまには・・・ね』
  • 07 あらすじ『言っとくが俺は読んでねーぞ!?』
  • 08 あらすじ『良いですか皆さん。日記ていうのはこう書くんです』
  • 09 あらすじ『記録?何それ美味しいの?』
  • 10 あらすじ『今回の騒動の発端〜六芒星との戦いを踏まえて〜』
  • 11 あらすじ『話すより紙に書いたほうが語れるもんだな』
  • 12 あらすじ『絵日記だったら得意だよ!』
  • 13 あらすじ『このタイトルって何か意味あんの?』
  • 14 あらすじ『カレギア祭前夜まで』
  • 15 あらすじ『カレギア祭までに帰れるかな・・・』
  • 16 あらすじ『すまんな』
  • 17 第1話『元老院と目覚め』
  • 18 第2話『俺の親友がこんなにアレな訳がない』
  • 19 第3話『小さき声と大きな我儘(わがまま)』
  • 20 第4話『真の力と教育』
  • 21 第5話『教義と襲撃』
  • 22 第6話『盾と剣』
  • 23 第7話『夕暮れの海と青春』
  • 24 第8話『代償と秋沙雨』
  • 25 第9話『カレーとベルト』
  • 26 第10話『姉弟と喧嘩の理由』
  • 27 第11話『ドッヂボールときっかけ』
  • 28 第12話『帰省と女王貝』
  • 29 第13話『酋長とクインシェル』
  • 30 第14話『不心と心展』
  • 31 第15話『事情と自情』
  • 32 第16話『ヒューマとガジュマ』
  • 33 第17話『世紀末と再出立』
  • 34 第18話『朝と特訓』
  • 35 第19話『特訓と新技』
  • 36 第20話『敗北と夕暮れ』
  • 37 第21話『日課と花火』
  • 38 第22話『炎と水』
  • 39 第23話『すきっとだらけ』
  • 40 第24話『罪と罰(ゲーム)』
  • 41 第25話『有幻と無幻』
  • 42 第26話『要塞と防衛』
  • 43 第27話『影と陰謀』
  • 44 第28話『再会と再戦』
  • 45 第29話『戦略と奥義』
  • 46 第30話『四季とエンジン』
  • 47 第31話『付き合いが長いと分かってしまうこともある(ver.ジン)』
  • 48 第32話『校内学習と校外学習』
  • 49 第33話『家族とピクニック』
  • 50 第34話『付き合いが長いと分かってしまうこともある(ver.ジーク)』
  • 51 第35話『問題点と必要な材料』
  • 52 第36話『ピピスタと聖殿』
  • 53 第37話『イライラとモヤモヤ』
  • 54 第38話『リヒトメタルとリヒトワーム』
  • 55 第39話『すきっとだらけ・に』
  • 56 第40話『洞窟と職人』
  • 57 第41話『リヒトワームとリヒトモスインセクト』
  • 58 第42話『リヒトモスインセクトと鱗粉』
  • 59 第43話『リヒトモスインセクトと天才』
  • 60 第44話『リヒトモスインセクトと弱点』
  • 61 第45話『特技と導術』
  • 62 第46話『イゴルとクウ・ホウ』
  • 63 第47話『討論と乱闘』
  • 64 第48話『洗脳と幻覚』
  • 65 第49話『解除と敗走』
  • 66 第50話『次期国王と忍冬』
  • 67 第51話『すきっとだらけ・さん』
  • 68 第52話『フィレンツェと理由』
  • 69 第53話『雪原と無重力エレベーター』
  • 70 第54話『羽と空中庭園』
  • 71 第55話『ニノンとのんのん』
  • 72 第56話『ノルゼンと想い出』
  • 73 第57話『変化と曇天』
  • 74 第58話『雹と雪原』
  • 75 第59話『ユニーク武器と思念の力』
  • 76 第60話『秘奥義と秘奥義』
  • 77 第61話『春と方向音痴』
  • 78 第62話『すきっとだらけ・よん』
  • 79 第62.5話『総集編』
  • 80 第63話『追う者と託されし物』
  • 81 第64話『大切だったモノと大切なモノ』
  • 82 第65話『人魚像と出航』
  • 83 第66話『相談と帰還』
  • 84 第67話『おにぎりとレモンパイ』
  • 85 第68話『三日月と占星術』
  • 86 第69話『羽衣と飛翔』
  • 87 第70話『アニカマルとテント』
  • 88 第71話『暗雲と邂逅』
  • 89 第72話『闇と意地』
  • 90 第73話『闇と無』
  • 91 第74話『闇と光』
  • 92 第75話『闇と暴走』
  • 93 第76話『悪と罪』
  • 94 第77話『すきっとだらけ・ご』
  • 95 第78話『さぶくえすとinスールズ』
  • 96 第79話『クレアとフィオナ』
  • 97 第80話『塔と決戦』
  • 98 第81話『決戦と混戦』
  • 99 第82話『混戦と混同』+『外伝〜ソード草刈ワールド・序〜』
  • 100 第83話『混同と処刑』+『外伝〜ソード草刈ワールド・破〜』
  • 101 第84話『暴走と崩壊』+『外伝〜ソード草刈ワールド・急〜』
  • 102 第85話『崩壊と新王とエピローグ』
  • 第4話『真の力と教育』

    ヴェイグ達が商店に向かって歩くこと数十分、彼らは未だに商店へ着けずにいた。

    「商店って、歩くとこんなに遠かったんだね……」

    マオは肩を落としながら言った。

    バルカ城からは大分離れたが、先日の爆発の影響で家屋が荒廃しており人気も少なく、ここまでヒトというヒトと擦れ違うことがなかった。
    ここまで建物が廃れるほどの爆発だったというのに、その最前線にいた自分達はよく無事だったものだと、破裂した水道管を見ながらジーク以外の全員が思った。

    「で?さっき言ってた元老院って何なんだ?」

    ジークが質問すると、ユージーンが答えた。

    「元老院とは簡単に言えば国王のアドバイザーのようなものだ。補佐官のように王の手助けになるように働くわけではないが、国王のとる政策に助言をする権限を持っている。それが元老院だ。したがって国王無き今、彼等が国の実権を握っているのが現状だ」

    「だったら助言役なんてチマチマしたことしてないで、このチャンスに国王になっちゃえば良いのにね?」

    「そしたらいろんなことを命令し放題じゃないか」とカインは付け足すと、マオが苦笑いしながら返した。

    「国王になれるのは代々月のフォルスを持ったヒトだけなんだ。でも今の元老院の中には誰も持っているヒトはいない。そもそも月のフォルス所持者は国王の血筋からしか生まれることはないからね」

    「ジルバも月のフォルスを持っていたな。ということは、ジルバもその血を引いているのか……」

    「遠い親戚なのかもね。だからジルバにも国王になる権利はあるんだヨ?」

    「俺、屋上で戦った時が初対面だったけど、あんなヤツが国王になった国になんて住むの嫌だな……」

    「あんまり……考えたくありませんね」

    「まったくだ」

    ブライトは肩をすくめて言うと、そこで会話は終わった。
    だが商店にはまだ到着することはなく、ヒビの入ったコンクリートの道を一行は歩き続けた。

    と、ここで何か気付いたのかヴェイグとマオの間を歩いていたジークはスピードを落とし、最後尾のルルに歩み寄った。

    「さっきからやけに静かだな。どうした?」

    ルル「べ、別に……」

    ルルはチラッとマオを見た。
    すると、突然後ろへと行ったジークが気になったのかマオが後ろを振り向くと、ルルと目が合った。

    「ッ!!」

    するとルルは瞬時に首をグイッと後ろに曲げ、視線を逸らした。

    その様子を見てジークは首を傾げたが、ブライトに背中を大きく叩かれた。

    「察してやれ、兄貴!」

    「あ、商店が見えてきたわよ」

    フィオナが指をさす方向には機関車が走るためのレールがあり、その更に先には見覚えのあるお店が建っていた。

    「やっと着いたか〜」

    「あのお店、世界の中心っていうんだけど、フィオナ知ってたの?」

    「この前ジークのリハビリついでに来たのよ」

    「それってつまりデート!?」

    カインは驚愕した表情でジークに顔面を近付けた。

    「ちげぇよ」

    それをジークは明らか嫌そうな顔をしながら両手で突き放した。

    店内へ入ると中は相変わらず狭苦しく、必要最低限の物しか置いていないようだった。

    「おっ、英雄さん方久しぶりだねぇ。今日は何のようだい?」

    カウンターにいる店主が気さくに話しかけると、フィオナはビシッと指をさした。

    「ちょっと!あの時は私たちに何も売らなかったくせに、何でヴェイグ達には売ろうとするわけ!?」

    「口五月蝿いお嬢ちゃんだなぁ。言っとくけど、今のあんたでも売らないよ」

    「何よそれ〜!?」

    「お、落ち着けってフィオナ!な?」

    ジークがなだめようと試みるが、効果は今ひとつのようだ。

    「ここの店主は客の腕を見て売買を決める。そういうヒトなんだ」

    「つまり私はまだまだ未熟ってことじゃない!!あったまきた。私、外で待ってる」

    「お、おい!」

    頭から煙を出さんばかりに激怒したフィオナはジークの呼びかけにも応じずに外へと出てしまった。

    「1人で待たせておくのも難だ。ジーク、付いていてやってくれないか?」

    「分かった」

    ジークは頷き、フィオナの後を追うと彼女は入り口の直ぐ側の壁に寄りかかっていた。
    後悔しているのか、頭を冷やそうとしているのか、腕で空を見上げた顔の目を隠していた。

    「最低……。皆の前で怒鳴ったりして、大人気ないったらありゃしないわ……」

    「心配すんな、お前の心の声はいつもそんなもんだ」

    フィオナはジークを睨み唇を強く結んだが、すぐに解き腕を後ろで組んだ。

    「……そう?」

    「逆に良かったんじゃねぇの?皆に本当のフィオナを知ってもらえて」

    「失礼ね、真に本当の私は可憐で繊細なのよ」

    ジークは乾いた笑いと共に肩をすくめて見せた。

    「そういえば、カインを探している途中でラジルダに寄ったんだけど変なヤツと会った」

    「変なヤツ?」

    「なんでも空を飛びたいらしいぜ?金髪のヒューマで幼馴染を探すためとか言ってたが、心当たりとか、あるか?」

    「金髪のヒューマ……。そんなの沢山いた気がするから覚えてないわね。まっ、私には幼馴染みと呼べる関係のヒトは居なかったから少なくとも私の知っているヒトじゃないわね」

    「そうか……」

    フィオナのことが少し分かったような気がしたジークだった。

    一方、店内ではヴェイグが店主からマジカルポットを受け取っていた。

    「また預けたくなったらいつでも来てくれよ!」

    1年前、旅が終わったことで不要になったマジカルポットだったが売るのは勿体無いということでここの商店の店主に預かってもらっていた。
    しかし預かってもらっている間にも食材は配達され続けてしまうので、預かってもらう代わりに配達された食材は商売に使って良いという条件を出したのである。
    そのおかげでこの店主は気前良く預かってくれていたのだった。

    「ふ〜ん、これがねぇ〜」

    ジンはこんなポットから食材が出てくるなんて信じられないといったように繁々とポットを見つめていた。
    そんなジンを尻目に、ヴェイグは店主にもう一つ注文した。

    「それともう一つ、武器も受け取りたいんだが……」

    それを聞いて今までニコニコしていた店主の表情が真剣なものへと一変した。

    「この前の大爆発があってからまさかとは思っていたが、また厄介なことが起きてんだな?」

    そう言いながら店主は回れ右をし、しゃがみ込むとクローゼットの扉を丁寧に開いた。
    そして、その中から金属音を立てながら一つ一つ武器をカウンターの上に並べた。

    それを見てブライトが眉をひそめた。

    「ファルステヴェルン、バファーダム、ヴァルムブル、ベルナテッタ、ツウェイセル、アインダール……これで全部だな」

    店主は最強装備を並び終え、ヴェイグはファルステヴェルンを手に取った。

    「あぁ、間違い無い」

    今まで使っていたブロンズソードとは圧倒的に違う威圧感、微細にでもコントロールを誤れば大気を凍らせ断ち切ってしまいそうな刃の透明感を感じながらヴェイグは頷いた。

    「僕が言うのもなんだけど、そんな強そうな武器があるなら最初から使っていればよかったのに」

    そうすれば僕達なんかバビログラード港で瞬殺されたのにとカインは複雑な心境を抱くと、ユージーンはヴァルムブルの感触を確かめながら答えた。

    「あまり突出した力は周囲にも影響を与えかねん。無闇に力を誇示したところで必ずその力を欲する欲に塗れた者が出てくる。そう考えた故に俺達はこの武器達も預けたんだ」

    へぇ〜、とカイン、ルル、ジンの三人は頷いた。

    「……そうじゃねぇだろ……」

    ブライトは腕を組んだまま小さく呟くと、全員注目した。
    すると、ブライトは溜息をつきながら組んでいた腕を解き外へと向かった。

    「ヴェイグ、お前達に話がある。その武器装備して表に出な」

    ブライトが店から出て行くと、ヴェイグ達は装備を換装してからブライトの後に続こうとした。

    「まいど。最後に余計なことを言うようだが、さっきの紫色の髪した嬢ちゃんに伝えておいてもらえないか?」

    フィオナのことかと思いながら、9人は耳を傾けた。

    「自分の器量より大きすぎる力は必ず身を滅ぼすってな。勿論これはあんたらにも言えることだぞ?」

    店主はカイン、ルル、ジンに向かって言うと、最後に手を振って見送ってくれた。

    そして店外へと出ると、そこから東へと向かったところに城門があり、どうやらそこから外へ出られるようになっており、街の外へと出るとブライトが待ち構えていた。

    「何?何がどういう流れでどうなったの?」

    気付けばブライトは二丁の銃を構えて立っており、それに対面するようにヴェイグ、マオ、ユージーン、ティトレイ、アニー、ヒルダもまた各々の武器を構えていた。

    「俺が知るかよ」

    店の外にいて話を聞いていなかったフィオナとジークの二人は完全に蚊帳の外状態だった。

    「なんか先生がヴェイグ達に話があるらしいよ?でもあの様子だと話というより……」

    「ジーク!!」

    ジンが話している途中で、ブライトがジークに呼びかけた。

    「お前のグローブを貸しな!」

    ジークはグローブを放り投げるとブライトは拳銃を腰にしまってからグローブをキャッチした。

    これでジーク、ジン、ルル、カインの4人はブライトが今からやろうとしていることを理解した。

    ((教育だ))

    「良いかお前等、絶対に手を出すんじゃねぇぞ!!」

    ブライトはグローブを着けながらジーク達に言うと、フィオナはもう投げやりな感じで頷いた。
    そしてグローブを装備し終わったブライトはヴェイグ達に向き直る。

    「お前等、本気で来いよ」

    「本気でって言われてもね……」

    武器を構えろと言われた時点で力試しをしたいというのは理解できたが、どうにも乗り気にはなれなかった。
    力が違いすぎる。

    「俺を殺す気でこねぇと、誰か1人死ぬぞ」

    言った刹那、ブライトは英雄陣6人の視界から姿を消した。

    「っ!マオ!」

    最後尾で護衛の準備をしていたアニーが気付き、言葉を発するのと同時にブライトは布陣の中央で横に並んでいたマオとヒルダの顔を掴むと、地面に叩きつけ、二人の顔は地面に埋まりこんだ。

    「まずは二人」

    ブライトの教育が始まる。

             〜続く〜

    11/08/31 18:12 takeshi   

    ■作者メッセージ
    ども〜!ついに原稿のストックがなくなったtakeshiです。

    ここまでがバックアップの残っていた本編となります。

    元々台本小説だったものをチョチョイと修正しただけでしたので読みにくかったとは思いますが、次回からはきちんと小説として書いていくので少しはマシになるかと思います。

    なってればいいなぁ〜・・・。

    ではまた〜
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