第21話『日課と花火』
テストはその日の夜まで続いた。
「あ、頭から煙出そう・・・・・・」
フィオナは机に伏していると後頭部に冷たい感触を感じた。
頭はそのままで手だけで確認するとビニール袋に入った氷が置かれていた。
「ありがとう」
「それは俺じゃなくてヴェイグに言えよ」
フィオナはジークに礼を言うが素っ気なく返されてしまった。
だが今フィオナが顔を上げれば顔を赤くしたジークの顔が見られる訳だが顔を伏した状態のほうが心地いいフィオナはジークのレア顔を眺めずに会話を続ける。
「勉強なんて久しぶりかも」
「ここ数年いろいろあったもんな」
「それもあるけど、ラジルダでは町が無くなる前からあまり学校へは行っていなかったのよ」
フィオナは「あまりジークのことを責められないかもね」と顔を上げて苦笑いしたがジークは疑問に思い顔をしかめた。
「別に学校が嫌いだった訳じゃないのよ?ただ学校に行ってもガジュマの子とヒューマの子が喧嘩ばかりしていたから行っても授業どころじゃなかったし、私もそんな環境に嫌気がさしてたってところかな」
「そうか・・・・・・」
やはりフィオナの生活環境にヒューマとガジュマの差別は根付いている。
それを思うと気がとても重くなった。
それでも今笑っている彼女は種族間のことをどう思っているのだろうか。
「採点終わったぞ〜」
「はやっ!!」
ブライトが赤ペンを動かし始めてから5分もしないうちに終わったことにマオが驚愕するがブライトは気にせずに答案用紙を返していった。
「教師2人で何十人もの生徒を見てんだ。採点だって早くなって当たり前だろ?つうかユージーン、あんたは受けなくても良かったんだぞ?」
「うむ、俺も自分の実力を知りたかったのでな」
ブライトは一通り返却し終わるとホワイトボードの前に立った。
「まぁ1番は当然ながらユージーンな。で次がジーク」
「あんたって頭良かったの!?」
最初に驚愕したのはフィオナだった。
「その反応は失礼だろ。地味に傷つくぞオイ」
「だがジーク。お前は学校へは行っていなかったのではないか?」
ヴェイグも納得いかないのか確認するとジークはため息をついた。
「学校へ行かないぶん家で勉強してたんだよ。じゃないとやることないからな」
「家で勉強・・・・・・その発想は無かった・・・・・・」
なにやらプリントを持つ手をわなわなと震わせるフィオナにジークは嫌な予感を感じた。
「で、逆に1番残念なやつがいる。俺も0なんて点数をつけたのは初めてだ」
「ちょっと点数まで言うことないでしょ!?」
ガタッと立ち上がったのはフィオナだ。
それを見て全員がフィオナに可哀想な視線を向けた。
そこでようやくフィオナは自爆したことに気付き、静かに座った。
「まぁ・・・・・・そういう訳だ。今日は解散。授業は明日からな」
これで今日一日のスケジュールが全て終わり、アニーは両腕を上に伸ばして背伸びをした。
そこへ突如船室のドアが勢いよく開かれた。
「正直に答えなさい?私に薬を盛ったのは誰かしら?」
口調は落ち着いているものの目は本気モードのマティアスがツインテールのような触覚を揺らしながら入ってくるとホワイトボードの前で仁王立ちした。
「薬って?マティアス、どこか悪いの?」
ルルが率直な疑問を投げかけるとマティアスは額に手を当てた。
「そういう薬じゃなくて、私が言っているのは睡眠効果とかそういう悪意の薬のこと」
「何かあったんですか?」
「私としてはアニー、あなたが1番怪しいのだけど・・・・・・良いわ、あったことを全て話すわ」
マティアスは一度全員の顔を睨んだ。
「昨晩私は何時もどおり寝たわ。それがどういうことか目が覚めたらもうこんな時間じゃない。これは誰かが私を暗殺しようと睡眠薬を盛ったとしか考えられないわ」
「お前こんな時間まで寝てたのかよっ」
ティトレイが突っ込むとマティアスは虎をも殺すような目つきでティトレイを睨み、ティトレイはヴェイグの後ろに隠れた。
「それってマティアスが寝坊スケなだけなんじゃないの?」
マオが軽く言うとマティアスが投げたペンがマオの額にスマッシュヒットした。
「マオー!!」
ルルは即座に気絶したマオに駆け寄る。
「どうやら貴方達は白のようね。ただ少しでも怪しいと思ったら木っ端微塵にしてやるから覚えておきなさい」
そういってマティアスは船室を出ていくとバアン!と勢いよくドアを閉めた。
「いつにも増して機嫌悪いわね。昨晩はあんなに上機嫌だったのに」
「まったくだな」
ブライトとヒルダは顔を見合わせ、その後自然解散となった。
夕食をすませた後、フィオナは重い足取りで甲板へと向かった。
やはり先程のテストの結果が頭から離れず気分転換でもしようと夜風に当たろうとしているようだった。
そして甲板へと出ると荒い息遣いが聞こえてきた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
(何?不審者?)
外は暗くまだ目が慣れないため、シャドウボクシングをしている人影を凝視してみる。
よくみるとその人影には犬耳が付いていた。
「・・・・・・ジーク?」
「あ?」
呼びかけると人影は振り返り、徐々に目が慣れてくると正体はジークだったことが分かった。
「あんた何してんの?不審者みたいよ?」
「それはさっきマティアスからも言われた」
ジークはうんざりするように言うと、フィオナは腕を組んでジト目でジークを見る。
「ふぅ〜ん、マティアスと話してたんだ。随分と仲良くなったのね」
「別に仲は良くねぇよ。ただ、あいつの言うことはほとんど正論なんだよな」
フィオナは首を傾げる。
「最強を維持するためには日々の鍛錬が欠かせないんだとさ。正直、胸に響いた」
「だからハアハアしながら自主練していたと」
「その引っかかる言い方はやめろ!」
ジークはクインシェルでマティアスと話していた時のことを思い出していた。
ジークが手も足も出なかったヒルダを素手で互角以上に戦っていた。
しかしその裏にはたゆまぬ努力が隠れていることを彼女は惜しみもなく言っていた。
それは過剰とも言える自信からもきているのだろうが、努力する姿勢は純粋に尊敬できるものだった。
だからジークは今晩からでもこっそり自主練を始めたのだったが、初日から2人にも発見されてしまった。
「で、フィオナは何しに来たんだよ?」
「私は・・・・・・頭を冷やしに・・・・・・ね?」
嫌なことを思い出したフィオナは一気に沈んでしまった。
しかし何か閃いたのか掌をパンッと合わせた。
「そうだ!ジークの自主練に私も付き合うから私の勉強にも付き合ってよ!」
「良いのか?俺で」
「何よ?嫌なの?」
「ち、ちげぇよ!!」
「じゃあ決まり!そうと決まればまずは勉強ね!特訓はその後にしましょ」
「お前・・・・・・特訓をストレス発散の場にする気だろ?」
「え?もしかして久しぶりにフォルス使ちゃってた?」
「心の声が聞こえなくても分かるっての」
ジークは呆れながらもフィオナと共に船室へと戻った。
2人に新しい日課が生まれた。
翌朝、一同は再び甲板に集い特訓を開始していた。
バルカ港には正午に着く予定のため、それまでに一矢報いようとジーク達は必死だった。
そしてそれを遠くから眺めているマティアスは何やらウズウズしていた。
「お前絶対入ってくんなよ!?絶対だぞ!?俺はまだ死にたくねぇからな!」
「それはフリと受け取って良いのかしら?」
マティアスはブライトに冷たい視線を送ると、身震いした。
そんな時だった。
突然船から警報が鳴り響き、船長と思わしきダンディな声がスピーカーから木霊した。
『航路の先に海賊が出現しました。安全のため、お客様方は部屋から一歩も出ぬようお願い到します』
「海賊?」
マオは詠唱を止めてアナウンスに耳を傾けると全員が特訓を中断しており、一応船首へ向かってみることにした。
船首からは航路の先が見ることができ、確かに100メートルほど先に小さな船が浮かんでいた。
「アレが海賊船なのかな?」
「今時いるんだな〜海賊って」
ルルとジンが興味津々というように眺めているとその脇をマティアスが指の骨を鳴らしながら通っていった。
「飛んで火にいる夏の虫とはこのことね。仕事がてら海の藻屑にしてやるわ」
マティアスの目は輝いていた。
「待ってよマティアス!もしかしたら民間の船かもよ?確認もとれてないのにいきなり攻撃するのはまずいよ」
マオが制止しようとするとマティアスは機嫌悪そうに振り返った。
「船長が海賊だって言ってたじゃない。それにもし海賊じゃなかったとしても定期船の航路を防いだことは立派な罪。私達にとって刑罰は処刑以外ありえないわ」
「でも!」
「爆竜拳!!」
既にマオの制止も聞かずマティアスは先日クジラから煙を上げさせた竜の形を象った闘気を放った。
その竜は巨大な顎を開き、小さな船に食らいつこうとする。
しかし船に噛み付こうとする直前、花火のような物が竜と衝突するように開くと竜は花火の衝撃で消滅してしまった。
「マティアスの技を相殺したってのか!?」
信じられないものを目の当たりにしたかのように驚愕したブライトは思わず叫んでしまったが当のマティアスは笑みを浮かべていた。
「へぇ。久しぶりに楽しめそうね」
小型船はゆっくりとこちらに近づいてきており、帆にはシンボルのようなマークがありトドのような動物から巨大な牙が二本生えているものだった。
「あのシンボル・・・・・・本当に海賊で間違いなかったようだな」
「そうみたいだね」
「有名な海賊なの?」
「いつの間に結成されたかは分からないんだけど、最近になって世界中の海を暴れ回っている海賊だヨ」
「だがあの船の大きさからして偵察艇だろう。本隊はまた別の海域にいるようだな」
ユージーン達が話していると偵察艇に動きがあった。
偵察艇から一人のヒューマが出てくると海に飛び降り、そのまま着水することなく海の上を走り始めた。
「なんですって!?」
開口1番に驚いたのはマティアスだった。
彼女は海を走る男と因縁を持っている。
だが彼は海賊に入るような男ではないし容姿も別物である。
偵察艇から飛び出してきた男は波にでも乗るかのように猛スピードで走ってくるとあっという間に船の真下まで辿り着き大きく跳ねた。
「フィオナ!今だけ武器を返しなさい!」
「え?あ、はい!」
言われるがまま武器を返してしまったフィオナだったが、あのクジラを撃退した技を相殺した相手だ。
戦力は大きいことに越したことはない。
海賊の男は船首に着地した。
近くで見ると体格は大きく190はあろうという身長と屈強な肉体から巨人のようにも見え、だが風になびかせた茶髪に活発な笑顔は爽やかさを感じさせた。
服装はどこかの祭りの衣装なのか背中には『祭』という字が刻まれていた。
「いや〜さっきの攻撃はお嬢ちゃんがやったのかい?さすがの俺も死ぬかと思ったっていうかさぁ!俺に大玉花火を使わせるとかなかなかだよ?本当に!」
声も若若しくまだ青年さが残るがどこか大人びてもいた。
「でさ、マジであぶねぇからここで消えてもらうよ?」
青年は背中から二本のバチを取り出すと太鼓を叩くような動作でバチを振りかぶる。
同時にマティアスも薙刀を振るい、ガッギィィィ!!!と二つの力が交錯する音と暴風が一帯に吹き荒れた。
〜続く〜
「あ、頭から煙出そう・・・・・・」
フィオナは机に伏していると後頭部に冷たい感触を感じた。
頭はそのままで手だけで確認するとビニール袋に入った氷が置かれていた。
「ありがとう」
「それは俺じゃなくてヴェイグに言えよ」
フィオナはジークに礼を言うが素っ気なく返されてしまった。
だが今フィオナが顔を上げれば顔を赤くしたジークの顔が見られる訳だが顔を伏した状態のほうが心地いいフィオナはジークのレア顔を眺めずに会話を続ける。
「勉強なんて久しぶりかも」
「ここ数年いろいろあったもんな」
「それもあるけど、ラジルダでは町が無くなる前からあまり学校へは行っていなかったのよ」
フィオナは「あまりジークのことを責められないかもね」と顔を上げて苦笑いしたがジークは疑問に思い顔をしかめた。
「別に学校が嫌いだった訳じゃないのよ?ただ学校に行ってもガジュマの子とヒューマの子が喧嘩ばかりしていたから行っても授業どころじゃなかったし、私もそんな環境に嫌気がさしてたってところかな」
「そうか・・・・・・」
やはりフィオナの生活環境にヒューマとガジュマの差別は根付いている。
それを思うと気がとても重くなった。
それでも今笑っている彼女は種族間のことをどう思っているのだろうか。
「採点終わったぞ〜」
「はやっ!!」
ブライトが赤ペンを動かし始めてから5分もしないうちに終わったことにマオが驚愕するがブライトは気にせずに答案用紙を返していった。
「教師2人で何十人もの生徒を見てんだ。採点だって早くなって当たり前だろ?つうかユージーン、あんたは受けなくても良かったんだぞ?」
「うむ、俺も自分の実力を知りたかったのでな」
ブライトは一通り返却し終わるとホワイトボードの前に立った。
「まぁ1番は当然ながらユージーンな。で次がジーク」
「あんたって頭良かったの!?」
最初に驚愕したのはフィオナだった。
「その反応は失礼だろ。地味に傷つくぞオイ」
「だがジーク。お前は学校へは行っていなかったのではないか?」
ヴェイグも納得いかないのか確認するとジークはため息をついた。
「学校へ行かないぶん家で勉強してたんだよ。じゃないとやることないからな」
「家で勉強・・・・・・その発想は無かった・・・・・・」
なにやらプリントを持つ手をわなわなと震わせるフィオナにジークは嫌な予感を感じた。
「で、逆に1番残念なやつがいる。俺も0なんて点数をつけたのは初めてだ」
「ちょっと点数まで言うことないでしょ!?」
ガタッと立ち上がったのはフィオナだ。
それを見て全員がフィオナに可哀想な視線を向けた。
そこでようやくフィオナは自爆したことに気付き、静かに座った。
「まぁ・・・・・・そういう訳だ。今日は解散。授業は明日からな」
これで今日一日のスケジュールが全て終わり、アニーは両腕を上に伸ばして背伸びをした。
そこへ突如船室のドアが勢いよく開かれた。
「正直に答えなさい?私に薬を盛ったのは誰かしら?」
口調は落ち着いているものの目は本気モードのマティアスがツインテールのような触覚を揺らしながら入ってくるとホワイトボードの前で仁王立ちした。
「薬って?マティアス、どこか悪いの?」
ルルが率直な疑問を投げかけるとマティアスは額に手を当てた。
「そういう薬じゃなくて、私が言っているのは睡眠効果とかそういう悪意の薬のこと」
「何かあったんですか?」
「私としてはアニー、あなたが1番怪しいのだけど・・・・・・良いわ、あったことを全て話すわ」
マティアスは一度全員の顔を睨んだ。
「昨晩私は何時もどおり寝たわ。それがどういうことか目が覚めたらもうこんな時間じゃない。これは誰かが私を暗殺しようと睡眠薬を盛ったとしか考えられないわ」
「お前こんな時間まで寝てたのかよっ」
ティトレイが突っ込むとマティアスは虎をも殺すような目つきでティトレイを睨み、ティトレイはヴェイグの後ろに隠れた。
「それってマティアスが寝坊スケなだけなんじゃないの?」
マオが軽く言うとマティアスが投げたペンがマオの額にスマッシュヒットした。
「マオー!!」
ルルは即座に気絶したマオに駆け寄る。
「どうやら貴方達は白のようね。ただ少しでも怪しいと思ったら木っ端微塵にしてやるから覚えておきなさい」
そういってマティアスは船室を出ていくとバアン!と勢いよくドアを閉めた。
「いつにも増して機嫌悪いわね。昨晩はあんなに上機嫌だったのに」
「まったくだな」
ブライトとヒルダは顔を見合わせ、その後自然解散となった。
夕食をすませた後、フィオナは重い足取りで甲板へと向かった。
やはり先程のテストの結果が頭から離れず気分転換でもしようと夜風に当たろうとしているようだった。
そして甲板へと出ると荒い息遣いが聞こえてきた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
(何?不審者?)
外は暗くまだ目が慣れないため、シャドウボクシングをしている人影を凝視してみる。
よくみるとその人影には犬耳が付いていた。
「・・・・・・ジーク?」
「あ?」
呼びかけると人影は振り返り、徐々に目が慣れてくると正体はジークだったことが分かった。
「あんた何してんの?不審者みたいよ?」
「それはさっきマティアスからも言われた」
ジークはうんざりするように言うと、フィオナは腕を組んでジト目でジークを見る。
「ふぅ〜ん、マティアスと話してたんだ。随分と仲良くなったのね」
「別に仲は良くねぇよ。ただ、あいつの言うことはほとんど正論なんだよな」
フィオナは首を傾げる。
「最強を維持するためには日々の鍛錬が欠かせないんだとさ。正直、胸に響いた」
「だからハアハアしながら自主練していたと」
「その引っかかる言い方はやめろ!」
ジークはクインシェルでマティアスと話していた時のことを思い出していた。
ジークが手も足も出なかったヒルダを素手で互角以上に戦っていた。
しかしその裏にはたゆまぬ努力が隠れていることを彼女は惜しみもなく言っていた。
それは過剰とも言える自信からもきているのだろうが、努力する姿勢は純粋に尊敬できるものだった。
だからジークは今晩からでもこっそり自主練を始めたのだったが、初日から2人にも発見されてしまった。
「で、フィオナは何しに来たんだよ?」
「私は・・・・・・頭を冷やしに・・・・・・ね?」
嫌なことを思い出したフィオナは一気に沈んでしまった。
しかし何か閃いたのか掌をパンッと合わせた。
「そうだ!ジークの自主練に私も付き合うから私の勉強にも付き合ってよ!」
「良いのか?俺で」
「何よ?嫌なの?」
「ち、ちげぇよ!!」
「じゃあ決まり!そうと決まればまずは勉強ね!特訓はその後にしましょ」
「お前・・・・・・特訓をストレス発散の場にする気だろ?」
「え?もしかして久しぶりにフォルス使ちゃってた?」
「心の声が聞こえなくても分かるっての」
ジークは呆れながらもフィオナと共に船室へと戻った。
2人に新しい日課が生まれた。
翌朝、一同は再び甲板に集い特訓を開始していた。
バルカ港には正午に着く予定のため、それまでに一矢報いようとジーク達は必死だった。
そしてそれを遠くから眺めているマティアスは何やらウズウズしていた。
「お前絶対入ってくんなよ!?絶対だぞ!?俺はまだ死にたくねぇからな!」
「それはフリと受け取って良いのかしら?」
マティアスはブライトに冷たい視線を送ると、身震いした。
そんな時だった。
突然船から警報が鳴り響き、船長と思わしきダンディな声がスピーカーから木霊した。
『航路の先に海賊が出現しました。安全のため、お客様方は部屋から一歩も出ぬようお願い到します』
「海賊?」
マオは詠唱を止めてアナウンスに耳を傾けると全員が特訓を中断しており、一応船首へ向かってみることにした。
船首からは航路の先が見ることができ、確かに100メートルほど先に小さな船が浮かんでいた。
「アレが海賊船なのかな?」
「今時いるんだな〜海賊って」
ルルとジンが興味津々というように眺めているとその脇をマティアスが指の骨を鳴らしながら通っていった。
「飛んで火にいる夏の虫とはこのことね。仕事がてら海の藻屑にしてやるわ」
マティアスの目は輝いていた。
「待ってよマティアス!もしかしたら民間の船かもよ?確認もとれてないのにいきなり攻撃するのはまずいよ」
マオが制止しようとするとマティアスは機嫌悪そうに振り返った。
「船長が海賊だって言ってたじゃない。それにもし海賊じゃなかったとしても定期船の航路を防いだことは立派な罪。私達にとって刑罰は処刑以外ありえないわ」
「でも!」
「爆竜拳!!」
既にマオの制止も聞かずマティアスは先日クジラから煙を上げさせた竜の形を象った闘気を放った。
その竜は巨大な顎を開き、小さな船に食らいつこうとする。
しかし船に噛み付こうとする直前、花火のような物が竜と衝突するように開くと竜は花火の衝撃で消滅してしまった。
「マティアスの技を相殺したってのか!?」
信じられないものを目の当たりにしたかのように驚愕したブライトは思わず叫んでしまったが当のマティアスは笑みを浮かべていた。
「へぇ。久しぶりに楽しめそうね」
小型船はゆっくりとこちらに近づいてきており、帆にはシンボルのようなマークがありトドのような動物から巨大な牙が二本生えているものだった。
「あのシンボル・・・・・・本当に海賊で間違いなかったようだな」
「そうみたいだね」
「有名な海賊なの?」
「いつの間に結成されたかは分からないんだけど、最近になって世界中の海を暴れ回っている海賊だヨ」
「だがあの船の大きさからして偵察艇だろう。本隊はまた別の海域にいるようだな」
ユージーン達が話していると偵察艇に動きがあった。
偵察艇から一人のヒューマが出てくると海に飛び降り、そのまま着水することなく海の上を走り始めた。
「なんですって!?」
開口1番に驚いたのはマティアスだった。
彼女は海を走る男と因縁を持っている。
だが彼は海賊に入るような男ではないし容姿も別物である。
偵察艇から飛び出してきた男は波にでも乗るかのように猛スピードで走ってくるとあっという間に船の真下まで辿り着き大きく跳ねた。
「フィオナ!今だけ武器を返しなさい!」
「え?あ、はい!」
言われるがまま武器を返してしまったフィオナだったが、あのクジラを撃退した技を相殺した相手だ。
戦力は大きいことに越したことはない。
海賊の男は船首に着地した。
近くで見ると体格は大きく190はあろうという身長と屈強な肉体から巨人のようにも見え、だが風になびかせた茶髪に活発な笑顔は爽やかさを感じさせた。
服装はどこかの祭りの衣装なのか背中には『祭』という字が刻まれていた。
「いや〜さっきの攻撃はお嬢ちゃんがやったのかい?さすがの俺も死ぬかと思ったっていうかさぁ!俺に大玉花火を使わせるとかなかなかだよ?本当に!」
声も若若しくまだ青年さが残るがどこか大人びてもいた。
「でさ、マジであぶねぇからここで消えてもらうよ?」
青年は背中から二本のバチを取り出すと太鼓を叩くような動作でバチを振りかぶる。
同時にマティアスも薙刀を振るい、ガッギィィィ!!!と二つの力が交錯する音と暴風が一帯に吹き荒れた。
〜続く〜
■作者メッセージ
───オマケ───
メル「クレスさん、ご注文は何にしますか?」
クレス「え〜っと、そうだなぁ……」
????「ちょっと待ったー!!!」
エトス「誰!?」
Pカノンノ「私はパスカ・カノンノ!魔法少女だよ☆」
カノンノI「私はカノンノ・イアハート」
カノンノG「私はカノンノ・グラスバレー。ねぇ、食べて良い?」
P&Iカノンノ「「ダメ!!」」
リッド「グラスバレーとかいうやつ、何で男を見ながら言ったんだ?」
ロンドリーネ「ちょっとちょっと!あんた達は呼んでないはずだけど?どこから聞いてきたのよ」
Pカノンノ「私が本気を出せば話を聞かなくたって心を読むことで全てが分かるんだから!」
チェスター「すげぇ、あいつ本物の魔法使いだぞ」
クラース「そういえばチェスター。ここへ来る途中に彼女に似た女性に話しかけられていなかったか?」
クレス「言われてみれば似てますね!しかも嬉しそうに長話ししてたよな?」
チェスター「な、なんだよ?俺があいつの変装に気付かずに全部話したとでも言いたいのかよ?」
ミント「どうだったの?すずちゃん」
すず「皆さんの想像通りです」
チェスター「なっ!?」
Pカノンノ「まさかあなたも魔法を使えるの!?」
すず「いえ、読唇術です」
Pカノンノ「読心術!?」
ジェイ「あの人、モーゼスさん並にバカですね」
モーゼス「ワイはあげに痛くない!」
カノンノI「か、勘違いしないでよね!別に来たくて来たわけじゃないんだからねっ!」
ロンドリーネ「だったら問題児2人を連れて帰ってほしいんだけど……」
カノンノG「そんな……私迷惑かけるような事なにもしてないのに……」
エトス「君が最初に問題発言シてたよ……」
ヴァン「キリがないな。テーブルも空いているのだ。彼女らも参加させてはどうだろう?」
ロンドリーネ「オーナーが言うなら別に良いけど……。ただし、後悔してもしらないよ?」
Pカノンノ「後悔なんて、あるはずないよ」
カノンノG「せめて1人ぐらいは食べてからじゃないとね」
ロイド「あいつ人を食べるのか!?」
ティポ「ギャー!!食べられちゃうー!!」
カノンノI「ふんっ、どうしてもって言うなら参加してあげるわ!」
カロル「うわ〜、なんか問題児が来ちゃったな〜」
シャーリィ「メル、注文とろ?」
メル「あっ、そうだった。クレスさん」
クラース「クレス、ここは無難にデザートを頼むべきだ」
チェスター「そうか!スウィーツ系だったらアーチェも得意だもんな」
リッド「おいおい、いきなりデザートかよ?」
ミラ「できれば前菜から食べたかった……」
チェスター「てめぇら贅沢言ってんじゃねぇ!!死にてぇのか!?」
ユーリ「俺はべつに構わないぜ?」
レイヴン「青年はただ食べたいだけでしょうよ」
ミント「あの……これなんて美味しそうではありませんか?」
クレス「そうだね。ベルギーチョコプリンのチョコレートパフェをもらおうかな」
メル「かしこまりました!少々お待ちください!」
ガイ「しっかしリアルな名前だな」
ジェイド「本物のガストのメニューを使用しているようですからね。リアリティーを感じるのは当然でしょう」
アルヴィン「知ってるか?優等生。こういう店のデザートってのはプリンとか細かいものは先に作っておいて厨房ではただそれらを器に盛り付けるだけなんだぜ?」
ジュード「手作りじゃないんだ……。だったら皆が心配してるような不味い物は出てこないね」
カイル「お待たせしました〜!」
ロンドリーネ「さぁ、実食!」
ヒューバート「実食って……本当にいろんな番組を混ぜてきますね……」
マリク「突っ込みを入れている場合ではないぞヒューバート」
ソフィ「……沸騰してる」
ヒューバート「パフェなのに何故!?」
ロンドリーネ「さぁさぁ!食った者勝ちだよ!解答権は早く食べおわった3組だけだからね」
ローエン「おやおや、スプーンが溶けてしまいました」
ジュード「これ酸なの!?」
レイア「これが『盛り付けただけ』なの?」
エリーゼ「アルヴィン、また嘘つきました」
アルヴィン「不可抗力だろこれは!!」
ロイド「食べ終わったぜ!」
ロンドリーネ「おっと一番乗りはシンフォニアだね。で、作ったのは誰かな?」
ジーニアス「問題はそこなんだよ。特別美味しい訳じゃないし、かといって不味くもない」
コレット「普通だったよね」
ゼロス「はいは〜い!俺様分かっちゃったもんね!」
しいな「本当かいゼロス!?」
ロイド「行けー!ゼロスー!」
ゼロス「このパッとしないがどことなく未熟さが残るこの味付け……。ずばり!ハリエットちゃんだー!!」
ロンドリーネ「さぁ、シンフォニアテーブルへパフェを作ったのはハリエットなのか。当たってますかー!?」
ヒューバート「あれはきっと、何位ですかー!?に近付けたかったんでしょうね」
ハリエット「ハズレよ」
ゼロス「……おや?」
しいな「おやじゃないよアホ神子ォオ!!」
クラトス「所詮は神子か……」
プレセア「期待外れです」
カノンノG「いや〜ん、頭がキーンとして食べれな〜い。誰か食べて〜」
Pカノンノ「任せて!私が魔法で痛みを消してあげる!」
カノンノI「いやエスカリボルグっぽい物で殴ったら意識が消えちゃうよ!?」
エトス「あの子達大丈夫なのかな?」
リアラ「食べ終わったわ!」
スタン「これはかなり美味しかったからワンダーシェフで間違いないだろ」
ロンドリーネ「さぁ果たして!合ってますかー!?」
ワンダーシェフ「残念だが外れだ」
ナナリー「これは難しいね・・・・・・」
ロンドリーネ「残る回答権はあと1組だよ!」
クレス「くっ、ダメだ!食べられないほど不味くはないけど急いで食べられるほどの食べ物じゃないぞこれは!」
ミント「でも、失敗した時のアーチェさんの料理って大体そんな感じでしたよね」
すず「答えは分かったのに答えられないとは・・・・・・無念」
ティトレイ「どうだマオ?レシピ分かったか?」
マオ「ん〜とね、もうちょっと待って。今バニラエッセンスまで分かったから」
アニー「チョコレートパフェにバニラエッセンス!?」
ユージーン「う〜む、味は美味いのだがな」
ヒルダ「あやうく騙さられるところだったわね」
ヴェイグ「そうだ、何事も見た目で判断してはいけないということだ。クレアも昔よく言っていた。生卵は割ってみないと腐っているかどうか分からないと。そう、言うなればクレアの卵理論だ」
ジュード「ハオの卵理論を真似しないでくれるかな・・・・・・」
ガイ「た、食べ終わったぞ・・・・・・」
ルーク「よくやったぞガイ!」
ジェイド「いやぁ、本当に一人で全て食べてしまうとは」
アニス「ガイったらそんなにお腹が空いてたんだね〜」
ガイ「お前らが食わせたんだろうが・・・・・・!!」
ティア「それで、誰が作ったか分かったの?」
ガイ「あぁもちろんだ。この破壊力、ナタリアで間違いない」
ロンドリーネ「合ってますかー!?」
ナタリア「ガイ、あなたには失望しましたわ。ハズレです」
ガイ「そんな馬鹿な!」
ジェイド「馬鹿は貴方です」
ガイ「フォローも無しか!!」
ロンドロリーネ「はい一回戦終了〜。正解者は誰もいませんでした〜」
レイア「食べれない物が出てくるなんて卑怯だよ!」
ヴァン「それも時の運。悔しかったらスコアにでも頼るのだな」
ロンドリーネ「じゃあ結果発表するわね。まずシンフォニアのテーブルのパフェを作ったのは?」
フレン「僕だ」
ユーリ「だろうな」
ロンドリーネ「ディスティニーのテーブルは?」
アーチェ「は〜い!あたしあたし!」
チェスター「なん・・・・・・だと!?」
ロンドリーネ「最後アビス」
リフィル「私よ」
ガイ「ナタリアと同レベルがもう一人いたとは・・・・・・」
ロンドリーネ「ここからは補足ね」
カイル「ファンタジアのテーブルのはミミーが作ったんだぜ?」
チェスター「お前はしっかり作れよ!!」
ミミー「小生はパン専門なんだパン」
メル「リバースのテーブルはワンダーシェフだよ」
ワンダーシェフ「隠し味にバニラエッセンスを使ったのだが、いかがだっただろうか?」
ティトレイ「紛らわしいっつの!!」
〜続く〜
メル「クレスさん、ご注文は何にしますか?」
クレス「え〜っと、そうだなぁ……」
????「ちょっと待ったー!!!」
エトス「誰!?」
Pカノンノ「私はパスカ・カノンノ!魔法少女だよ☆」
カノンノI「私はカノンノ・イアハート」
カノンノG「私はカノンノ・グラスバレー。ねぇ、食べて良い?」
P&Iカノンノ「「ダメ!!」」
リッド「グラスバレーとかいうやつ、何で男を見ながら言ったんだ?」
ロンドリーネ「ちょっとちょっと!あんた達は呼んでないはずだけど?どこから聞いてきたのよ」
Pカノンノ「私が本気を出せば話を聞かなくたって心を読むことで全てが分かるんだから!」
チェスター「すげぇ、あいつ本物の魔法使いだぞ」
クラース「そういえばチェスター。ここへ来る途中に彼女に似た女性に話しかけられていなかったか?」
クレス「言われてみれば似てますね!しかも嬉しそうに長話ししてたよな?」
チェスター「な、なんだよ?俺があいつの変装に気付かずに全部話したとでも言いたいのかよ?」
ミント「どうだったの?すずちゃん」
すず「皆さんの想像通りです」
チェスター「なっ!?」
Pカノンノ「まさかあなたも魔法を使えるの!?」
すず「いえ、読唇術です」
Pカノンノ「読心術!?」
ジェイ「あの人、モーゼスさん並にバカですね」
モーゼス「ワイはあげに痛くない!」
カノンノI「か、勘違いしないでよね!別に来たくて来たわけじゃないんだからねっ!」
ロンドリーネ「だったら問題児2人を連れて帰ってほしいんだけど……」
カノンノG「そんな……私迷惑かけるような事なにもしてないのに……」
エトス「君が最初に問題発言シてたよ……」
ヴァン「キリがないな。テーブルも空いているのだ。彼女らも参加させてはどうだろう?」
ロンドリーネ「オーナーが言うなら別に良いけど……。ただし、後悔してもしらないよ?」
Pカノンノ「後悔なんて、あるはずないよ」
カノンノG「せめて1人ぐらいは食べてからじゃないとね」
ロイド「あいつ人を食べるのか!?」
ティポ「ギャー!!食べられちゃうー!!」
カノンノI「ふんっ、どうしてもって言うなら参加してあげるわ!」
カロル「うわ〜、なんか問題児が来ちゃったな〜」
シャーリィ「メル、注文とろ?」
メル「あっ、そうだった。クレスさん」
クラース「クレス、ここは無難にデザートを頼むべきだ」
チェスター「そうか!スウィーツ系だったらアーチェも得意だもんな」
リッド「おいおい、いきなりデザートかよ?」
ミラ「できれば前菜から食べたかった……」
チェスター「てめぇら贅沢言ってんじゃねぇ!!死にてぇのか!?」
ユーリ「俺はべつに構わないぜ?」
レイヴン「青年はただ食べたいだけでしょうよ」
ミント「あの……これなんて美味しそうではありませんか?」
クレス「そうだね。ベルギーチョコプリンのチョコレートパフェをもらおうかな」
メル「かしこまりました!少々お待ちください!」
ガイ「しっかしリアルな名前だな」
ジェイド「本物のガストのメニューを使用しているようですからね。リアリティーを感じるのは当然でしょう」
アルヴィン「知ってるか?優等生。こういう店のデザートってのはプリンとか細かいものは先に作っておいて厨房ではただそれらを器に盛り付けるだけなんだぜ?」
ジュード「手作りじゃないんだ……。だったら皆が心配してるような不味い物は出てこないね」
カイル「お待たせしました〜!」
ロンドリーネ「さぁ、実食!」
ヒューバート「実食って……本当にいろんな番組を混ぜてきますね……」
マリク「突っ込みを入れている場合ではないぞヒューバート」
ソフィ「……沸騰してる」
ヒューバート「パフェなのに何故!?」
ロンドリーネ「さぁさぁ!食った者勝ちだよ!解答権は早く食べおわった3組だけだからね」
ローエン「おやおや、スプーンが溶けてしまいました」
ジュード「これ酸なの!?」
レイア「これが『盛り付けただけ』なの?」
エリーゼ「アルヴィン、また嘘つきました」
アルヴィン「不可抗力だろこれは!!」
ロイド「食べ終わったぜ!」
ロンドリーネ「おっと一番乗りはシンフォニアだね。で、作ったのは誰かな?」
ジーニアス「問題はそこなんだよ。特別美味しい訳じゃないし、かといって不味くもない」
コレット「普通だったよね」
ゼロス「はいは〜い!俺様分かっちゃったもんね!」
しいな「本当かいゼロス!?」
ロイド「行けー!ゼロスー!」
ゼロス「このパッとしないがどことなく未熟さが残るこの味付け……。ずばり!ハリエットちゃんだー!!」
ロンドリーネ「さぁ、シンフォニアテーブルへパフェを作ったのはハリエットなのか。当たってますかー!?」
ヒューバート「あれはきっと、何位ですかー!?に近付けたかったんでしょうね」
ハリエット「ハズレよ」
ゼロス「……おや?」
しいな「おやじゃないよアホ神子ォオ!!」
クラトス「所詮は神子か……」
プレセア「期待外れです」
カノンノG「いや〜ん、頭がキーンとして食べれな〜い。誰か食べて〜」
Pカノンノ「任せて!私が魔法で痛みを消してあげる!」
カノンノI「いやエスカリボルグっぽい物で殴ったら意識が消えちゃうよ!?」
エトス「あの子達大丈夫なのかな?」
リアラ「食べ終わったわ!」
スタン「これはかなり美味しかったからワンダーシェフで間違いないだろ」
ロンドリーネ「さぁ果たして!合ってますかー!?」
ワンダーシェフ「残念だが外れだ」
ナナリー「これは難しいね・・・・・・」
ロンドリーネ「残る回答権はあと1組だよ!」
クレス「くっ、ダメだ!食べられないほど不味くはないけど急いで食べられるほどの食べ物じゃないぞこれは!」
ミント「でも、失敗した時のアーチェさんの料理って大体そんな感じでしたよね」
すず「答えは分かったのに答えられないとは・・・・・・無念」
ティトレイ「どうだマオ?レシピ分かったか?」
マオ「ん〜とね、もうちょっと待って。今バニラエッセンスまで分かったから」
アニー「チョコレートパフェにバニラエッセンス!?」
ユージーン「う〜む、味は美味いのだがな」
ヒルダ「あやうく騙さられるところだったわね」
ヴェイグ「そうだ、何事も見た目で判断してはいけないということだ。クレアも昔よく言っていた。生卵は割ってみないと腐っているかどうか分からないと。そう、言うなればクレアの卵理論だ」
ジュード「ハオの卵理論を真似しないでくれるかな・・・・・・」
ガイ「た、食べ終わったぞ・・・・・・」
ルーク「よくやったぞガイ!」
ジェイド「いやぁ、本当に一人で全て食べてしまうとは」
アニス「ガイったらそんなにお腹が空いてたんだね〜」
ガイ「お前らが食わせたんだろうが・・・・・・!!」
ティア「それで、誰が作ったか分かったの?」
ガイ「あぁもちろんだ。この破壊力、ナタリアで間違いない」
ロンドリーネ「合ってますかー!?」
ナタリア「ガイ、あなたには失望しましたわ。ハズレです」
ガイ「そんな馬鹿な!」
ジェイド「馬鹿は貴方です」
ガイ「フォローも無しか!!」
ロンドロリーネ「はい一回戦終了〜。正解者は誰もいませんでした〜」
レイア「食べれない物が出てくるなんて卑怯だよ!」
ヴァン「それも時の運。悔しかったらスコアにでも頼るのだな」
ロンドリーネ「じゃあ結果発表するわね。まずシンフォニアのテーブルのパフェを作ったのは?」
フレン「僕だ」
ユーリ「だろうな」
ロンドリーネ「ディスティニーのテーブルは?」
アーチェ「は〜い!あたしあたし!」
チェスター「なん・・・・・・だと!?」
ロンドリーネ「最後アビス」
リフィル「私よ」
ガイ「ナタリアと同レベルがもう一人いたとは・・・・・・」
ロンドリーネ「ここからは補足ね」
カイル「ファンタジアのテーブルのはミミーが作ったんだぜ?」
チェスター「お前はしっかり作れよ!!」
ミミー「小生はパン専門なんだパン」
メル「リバースのテーブルはワンダーシェフだよ」
ワンダーシェフ「隠し味にバニラエッセンスを使ったのだが、いかがだっただろうか?」
ティトレイ「紛らわしいっつの!!」
〜続く〜