第22話『炎と水』
マティアスの薙刀と祭のハッピを着た男の二本のバチが拮抗する。
お祭り男の体格とマティアスの体格を比較すればマティアスの方が圧倒的に小柄であり、一見マティアスに不利のように見えた。
しかしそんな体格差などもろともせずギリギリと薙刀とバチが火花を散らしていた。
「あんま火花とか散らさない方が身のためだぜ!!」
瞬間、マティアスの眼前を飛び散っていた無数の火花が大きく爆発し、大量の爆弾と化した。
二人は爆炎に包まれ、ジーク達は爆風から身を守るのに精一杯だった。
そして爆煙の中から放り出されるように宙を舞う姿があった。
それは紫色をした長髪のマティアスの姿だった。
しかしマティアスは空中で大勢を立て直すように回転するとまるで青空を地面のように蹴り、龍のオーラを纏いながら弾道ミサイルのように爆煙の中へと突っ込んだ。
「うぉおおおおおお!!!!」
対してお祭り男は一回バチで床を叩く。
すると、もともと筋肉質だった体が更に膨らむ。
そして二本のバチで龍の顎を受け止めた。
床はギシギシと不穏の音を立て、貫くことができなかったマティアスは口を歪ませた。
「さっきの攻撃といい今の攻撃といい、あんた『龍』のフォルスだろ?」
「・・・・・・なぜ、海賊風情が龍のフォルスの存在を知っているのかしら?」
相変わらず拮抗状態のまま会話が続く。
しかし、徐々にお祭り男が押し始めた。
「前に知り合いから聞いたからさ!!」
男は右足を一歩力強く踏み出すと足は床にめり込み、渾身の力でバチを振り抜いた。
するとマティアスは弾かれ、5mほど後方で着地した。
「マティアスが二度も吹き飛ばされるとは・・・・・・」
ヴェイグは驚愕しながらお祭り男を見るが彼はまだ汗一つかいていなかった。
「秋の人が苦戦したっていうから気になってたんだけど、確かに大したもんだよ。俺に『一本締め』を使わせたんだからさ!」
「秋の人?」
男はバチで肩をトントン叩きながら答える。
「あれ?もしかして知らない?レラーブっていうんだけど」
レラーブという言葉を聞いてマティアスの髪が一瞬で逆立った。
「ふ、ふぅ〜ん・・・・・・。貴方、確かあいつは王子の近衛よね?何故そんなヤツが海賊と知り合いなのかしら?」
マティアスは努めて冷静を装うとしているようだが、こめかみから血管が浮き出ていた。
「そりゃ、秋の人と俺のフォルスが似てるからさ!結構話が合うんだぜ?つうか、あんたも軍人さんなんだろ?何て名前だったっけなぁ〜・・・・・・」
男は記憶を引っ張り出そうと無意識なのか掌でバチをくるくる回し始めた。
「確か王様の手となるような存在とか言ってたから・・・・・・孫の手?いや熊の手だっけか?」
「・・・・・・は?」
マティアスの怒りのボルテージが上がっていく。
そして完璧に思い出したのか男は掌をポンと叩いた。
「そうだ!『猫の手』だ!!」
「憤龍擊!!!!」
マティアスは龍のオーラを纏いながら瞬時に男の懐へと入った。
マティアスが通った後には跡が残っておらず床に使われている木材がめくれあがっていた。
ルルの渾身の一撃を受けても、マオの導術を何回受けてもヒビしか入らなかった床がまるで粘土のように破壊されていた。
そしてそのまま怒れる龍の鉤爪(かぎづめ)が、マティアスが薙刀を振り下ろす動作と呼応してお祭り男を切り裂く。
「おぉっと!」
しかし男はバク転することで難を逃れる。
が、攻撃はまだ続いていた。
先程かわしたのは右手だったが今度は左手が頭上から迫ってくる。
もう一度バク転してよけようにも今立っているのは船首の縁。
つまり後ろは大海原である。
お祭り男は舌打ちしてから前回り受身をするように龍の脇へと転がりこんだ。
ついさっきまで男が立っていた場所からバキバキバキと嫌な音が木霊した。
しかし男も安心していられない。
なぜなら、男が転がりこんだのはマティアスの懐なのだから。
「私達は、便利グッズなんかじゃない!!!」
薙刀を下段から上段に振り上げる。
男は咄嗟にバチをクロスさせることで直撃は免れたが衝撃で天高く舞い上がった。
「ぐっ・・・・・・」
男は空中で大勢を立て直すと身近にあったマストを支える丸太の上に着地した。
よく海賊たちがクライマックスになると一騎打ちをする場所である。
「はっはぁ!やっぱあんた強いね!でも、これならどうだ!?」
男はバチで足元の丸太を叩き始めた。
しかし何かリズムのようなものを感じる。
そして最後に両方のバチを同時に叩くと上空より無数の火炎の塊が出現した。
「バーンストライクッ!!」
無数の火炎球がマティアスを目掛けて降り注ぐ。
「くだらないわね」
マティアスは片手を空に上げるとそこから龍の腕が生まれた。
その龍の腕は火炎球をまるでキャッチボールのように掴むとそのまま吸収した。
「あ・・・・・・」
マオは思い出していた。
最初にマティアスと会った時、自分の炎も同じように打ち消されてしまったことを。
だがそんな苦い思い出に浸っている余裕はなく、マティアスから逸れた火炎球が船体に直撃し、船首は穴だらけになる上に炎に包まれつつあった。
「ヴェイグ消火!!」
「今やっている!!」
マオが促すが被害は大きく、ヴェイグも焦っているようだった。
アニーも雨を降らせるためにフォルスを練っている。
「まったく、龍に火がきかないことなんて常識だと思っていたのだけれど、案外無知なヤツが多いのね」
マティアスは余裕そうに髪をかきあげながら言う。
「そうかい。だったら、これならどうだ!!」
再びお祭り男がバチで丸太を叩き始め、その軽快なリズムが木霊する。
そして、先程と同じように二つのバチを同じタイミングで打つ。
すると、静かだった海の波から突如猛々しい海の波が生まれた。
「タイダルウェーブ!!!」
その波は津波と化し、船まるごと飲み込む程の大きさがある。
「津波・・・・・・!!」
「おいおいおい!あんなんどうすんだよ!?船が沈んじまうぞ!!」
僅かに震えるフィオナをよそにティトレイがうろたえる。
「火がダメなら水って訳ね。技術は認めるけど知能のレベルが残念だわ」
マティアスは不敵に笑っていた。
何時もどおりの気味の悪い笑みを。
「安心なさいフィオナ。もう海が貴方から大切なものを奪うことはないわ」
マティアスはフィオナにウィンクしてから船の寸前まで迫っている津波に飛び込んだ。
「なん・・・・・・だと・・・・・・」
1番呆気に取られていたのは術者のお祭り男だった。
しかし、その顔が笑みに変わる。
押し寄せていたはずの津波が一点に集中して渦を巻き始め収束していった。
その中心には女の子の姿があった。
小柄だが最も怒らせたくない忌むべき存在が。
だがいつもの赤紫の髪ではない。
海よりも空よりも青々しい蒼色の髪をしていた。
「吸収・・・・・・したのか?」
津波が完全に消失するとマティアスは船首の縁にトッと着地した。
「龍は全ての天災を統べるもの。故に私には導術は効かないわよ」
吸収した津波の力が薙刀を取り巻きながら疼いている。
「ハッハッハッハッハ!!!あんた本当に面白いよ!!そうだな、せっかく種明かししてもらったんだ!俺も一つ種明かししてやるよ!!」
男はバチで自分の胸をビシっと指した。
「俺のフォルスは『夏』のフォルス!熱くて暑いのが大好きだ!!」
「そう。それはいいことを聞いたわ」
マティアスは超圧縮された津波の薙刀を両手で構え、照準を合わせるかのようにお祭り男に向ける。
「んじゃ、俺もひっさびさに本気出しますか!!」
ダダダン!と男はバチを打つ。
そして、マティアスの薙刀から超圧縮津波が発射される。
「水龍轟走波!!」
「三三七びょ・・・・・・」
男がバチを叩き終わるその時、彼の脇腹に食い込むように突如炎を象った鳥のようなものが激突し、お祭り男はマティアスとは反対側の海に落ちていった。
そしてその直後にマティアスの水流はマストを木っ端微塵に切り裂いた。
「なに船壊そうとしてやがんだ馬鹿野郎が」
火の鳥だと思っていたものは炎が鳥の形を象って男がまとっていたもので、男は炎を解くとレスラーの仮面を被った姿を露(あらわ)にした。
その仮面の男は先刻お祭り男が落下した海に向かって気だるそうに言うと、お祭り男は水しぶきを上げながら船首に飛び上がってきた。
「なにしやがるアルバート!?喧嘩の邪魔してんじゃねぇよ!!」
アルバートと呼ばれた男はガシっとお祭り男の髪を掴む。
「でけぇ声で堂々とヒトの名前ばらしてんじゃねぇ!それと、周りをよく見てみろ。この船が沈んで乗客が死んじまったらここで俺たちを見た証人がいなくなっちまうだろうが」
「そんなことわぁってるよ。証人がいなきゃ悪名も名声も広まらないってやつだろ?」
お祭り男はパンとアルバートの腕を払った。
「なんだ分かってんじゃねぇか。アルティス」
「てめぇ!!さりげなく俺の名前までばらしやがったな!!!」
「お互い様だろうが。それより、そろそろずらかるぞ」
「い、いやでも!そこに王の剣の隊長がいるんだぜ?ここで倒しておくべきだろ!?」
マティアスは眉をピクっと動かした。
「親父に怒られてぇのか?」
「め、滅相もねぇ・・・・・・」
そう言って2人が海に飛び込もうとした時だ。
「待ちなさい」
後ろからマティアスが呼び止めた。
「私がみすみす海賊を見逃すとでも思っているのかしら?」
「いんや、思っちゃいないさ」
仮面を被ったアルバートは鞘から刀身が湾曲した剣を抜いた。
「アルティス、お前も手伝え」
「はいよ」
マティアスはまだ残っていた水龍の波動を放つ。
対してアルバートとアルティスの2人は湾曲した剣とバチから炎を放出し迎え打つ。
水と炎は両者の中間で衝突し、水蒸気爆発を起こした。
辺り一面が霧に包まれる。
「しまった!!」
マティアスは慌てて薙刀を横に振るうと霧が一瞬で晴れ、その先にお祭り男のアルティスや仮面を被ったアルバートの姿は無かった。
その代わり、水平線の彼方へと全速力で進んでいく海賊船の姿だけ見受けられた。
「海賊なだけあって逃げ足だけは速いようね」
マティアスは不服そうに髪をかきあげる。
その髪はもういつもの赤紫色に戻っていた。
マティアスは一度考える素振りを見せると直後に足元にあった床の破片を足で踏み潰した。
「あいつ私が王の剣所属だって知ってたんじゃない!!わざわざとぼけやがって!!なんであいつの知り合いにはロクなのがいないのかしら!!」
最後のあいつとは恐らくレラーブのことだろう。
海賊を追い払えたことは賞賛に値することだ。
しかし今回の戦闘はあまりにも被害が大きすぎた。
船のあちこちに穴があき、煙も上がっている。
さらには帆を張るためのマストもボロボロになってしまい航行は難しいだろう。
ヴェイグ達の船旅はまだ続く。
〜続く〜
【※アルティスがキャラクター名鑑・上に登録されました】
【※アルバートがキャラクター名鑑・上に登録されました】
お祭り男の体格とマティアスの体格を比較すればマティアスの方が圧倒的に小柄であり、一見マティアスに不利のように見えた。
しかしそんな体格差などもろともせずギリギリと薙刀とバチが火花を散らしていた。
「あんま火花とか散らさない方が身のためだぜ!!」
瞬間、マティアスの眼前を飛び散っていた無数の火花が大きく爆発し、大量の爆弾と化した。
二人は爆炎に包まれ、ジーク達は爆風から身を守るのに精一杯だった。
そして爆煙の中から放り出されるように宙を舞う姿があった。
それは紫色をした長髪のマティアスの姿だった。
しかしマティアスは空中で大勢を立て直すように回転するとまるで青空を地面のように蹴り、龍のオーラを纏いながら弾道ミサイルのように爆煙の中へと突っ込んだ。
「うぉおおおおおお!!!!」
対してお祭り男は一回バチで床を叩く。
すると、もともと筋肉質だった体が更に膨らむ。
そして二本のバチで龍の顎を受け止めた。
床はギシギシと不穏の音を立て、貫くことができなかったマティアスは口を歪ませた。
「さっきの攻撃といい今の攻撃といい、あんた『龍』のフォルスだろ?」
「・・・・・・なぜ、海賊風情が龍のフォルスの存在を知っているのかしら?」
相変わらず拮抗状態のまま会話が続く。
しかし、徐々にお祭り男が押し始めた。
「前に知り合いから聞いたからさ!!」
男は右足を一歩力強く踏み出すと足は床にめり込み、渾身の力でバチを振り抜いた。
するとマティアスは弾かれ、5mほど後方で着地した。
「マティアスが二度も吹き飛ばされるとは・・・・・・」
ヴェイグは驚愕しながらお祭り男を見るが彼はまだ汗一つかいていなかった。
「秋の人が苦戦したっていうから気になってたんだけど、確かに大したもんだよ。俺に『一本締め』を使わせたんだからさ!」
「秋の人?」
男はバチで肩をトントン叩きながら答える。
「あれ?もしかして知らない?レラーブっていうんだけど」
レラーブという言葉を聞いてマティアスの髪が一瞬で逆立った。
「ふ、ふぅ〜ん・・・・・・。貴方、確かあいつは王子の近衛よね?何故そんなヤツが海賊と知り合いなのかしら?」
マティアスは努めて冷静を装うとしているようだが、こめかみから血管が浮き出ていた。
「そりゃ、秋の人と俺のフォルスが似てるからさ!結構話が合うんだぜ?つうか、あんたも軍人さんなんだろ?何て名前だったっけなぁ〜・・・・・・」
男は記憶を引っ張り出そうと無意識なのか掌でバチをくるくる回し始めた。
「確か王様の手となるような存在とか言ってたから・・・・・・孫の手?いや熊の手だっけか?」
「・・・・・・は?」
マティアスの怒りのボルテージが上がっていく。
そして完璧に思い出したのか男は掌をポンと叩いた。
「そうだ!『猫の手』だ!!」
「憤龍擊!!!!」
マティアスは龍のオーラを纏いながら瞬時に男の懐へと入った。
マティアスが通った後には跡が残っておらず床に使われている木材がめくれあがっていた。
ルルの渾身の一撃を受けても、マオの導術を何回受けてもヒビしか入らなかった床がまるで粘土のように破壊されていた。
そしてそのまま怒れる龍の鉤爪(かぎづめ)が、マティアスが薙刀を振り下ろす動作と呼応してお祭り男を切り裂く。
「おぉっと!」
しかし男はバク転することで難を逃れる。
が、攻撃はまだ続いていた。
先程かわしたのは右手だったが今度は左手が頭上から迫ってくる。
もう一度バク転してよけようにも今立っているのは船首の縁。
つまり後ろは大海原である。
お祭り男は舌打ちしてから前回り受身をするように龍の脇へと転がりこんだ。
ついさっきまで男が立っていた場所からバキバキバキと嫌な音が木霊した。
しかし男も安心していられない。
なぜなら、男が転がりこんだのはマティアスの懐なのだから。
「私達は、便利グッズなんかじゃない!!!」
薙刀を下段から上段に振り上げる。
男は咄嗟にバチをクロスさせることで直撃は免れたが衝撃で天高く舞い上がった。
「ぐっ・・・・・・」
男は空中で大勢を立て直すと身近にあったマストを支える丸太の上に着地した。
よく海賊たちがクライマックスになると一騎打ちをする場所である。
「はっはぁ!やっぱあんた強いね!でも、これならどうだ!?」
男はバチで足元の丸太を叩き始めた。
しかし何かリズムのようなものを感じる。
そして最後に両方のバチを同時に叩くと上空より無数の火炎の塊が出現した。
「バーンストライクッ!!」
無数の火炎球がマティアスを目掛けて降り注ぐ。
「くだらないわね」
マティアスは片手を空に上げるとそこから龍の腕が生まれた。
その龍の腕は火炎球をまるでキャッチボールのように掴むとそのまま吸収した。
「あ・・・・・・」
マオは思い出していた。
最初にマティアスと会った時、自分の炎も同じように打ち消されてしまったことを。
だがそんな苦い思い出に浸っている余裕はなく、マティアスから逸れた火炎球が船体に直撃し、船首は穴だらけになる上に炎に包まれつつあった。
「ヴェイグ消火!!」
「今やっている!!」
マオが促すが被害は大きく、ヴェイグも焦っているようだった。
アニーも雨を降らせるためにフォルスを練っている。
「まったく、龍に火がきかないことなんて常識だと思っていたのだけれど、案外無知なヤツが多いのね」
マティアスは余裕そうに髪をかきあげながら言う。
「そうかい。だったら、これならどうだ!!」
再びお祭り男がバチで丸太を叩き始め、その軽快なリズムが木霊する。
そして、先程と同じように二つのバチを同じタイミングで打つ。
すると、静かだった海の波から突如猛々しい海の波が生まれた。
「タイダルウェーブ!!!」
その波は津波と化し、船まるごと飲み込む程の大きさがある。
「津波・・・・・・!!」
「おいおいおい!あんなんどうすんだよ!?船が沈んじまうぞ!!」
僅かに震えるフィオナをよそにティトレイがうろたえる。
「火がダメなら水って訳ね。技術は認めるけど知能のレベルが残念だわ」
マティアスは不敵に笑っていた。
何時もどおりの気味の悪い笑みを。
「安心なさいフィオナ。もう海が貴方から大切なものを奪うことはないわ」
マティアスはフィオナにウィンクしてから船の寸前まで迫っている津波に飛び込んだ。
「なん・・・・・・だと・・・・・・」
1番呆気に取られていたのは術者のお祭り男だった。
しかし、その顔が笑みに変わる。
押し寄せていたはずの津波が一点に集中して渦を巻き始め収束していった。
その中心には女の子の姿があった。
小柄だが最も怒らせたくない忌むべき存在が。
だがいつもの赤紫の髪ではない。
海よりも空よりも青々しい蒼色の髪をしていた。
「吸収・・・・・・したのか?」
津波が完全に消失するとマティアスは船首の縁にトッと着地した。
「龍は全ての天災を統べるもの。故に私には導術は効かないわよ」
吸収した津波の力が薙刀を取り巻きながら疼いている。
「ハッハッハッハッハ!!!あんた本当に面白いよ!!そうだな、せっかく種明かししてもらったんだ!俺も一つ種明かししてやるよ!!」
男はバチで自分の胸をビシっと指した。
「俺のフォルスは『夏』のフォルス!熱くて暑いのが大好きだ!!」
「そう。それはいいことを聞いたわ」
マティアスは超圧縮された津波の薙刀を両手で構え、照準を合わせるかのようにお祭り男に向ける。
「んじゃ、俺もひっさびさに本気出しますか!!」
ダダダン!と男はバチを打つ。
そして、マティアスの薙刀から超圧縮津波が発射される。
「水龍轟走波!!」
「三三七びょ・・・・・・」
男がバチを叩き終わるその時、彼の脇腹に食い込むように突如炎を象った鳥のようなものが激突し、お祭り男はマティアスとは反対側の海に落ちていった。
そしてその直後にマティアスの水流はマストを木っ端微塵に切り裂いた。
「なに船壊そうとしてやがんだ馬鹿野郎が」
火の鳥だと思っていたものは炎が鳥の形を象って男がまとっていたもので、男は炎を解くとレスラーの仮面を被った姿を露(あらわ)にした。
その仮面の男は先刻お祭り男が落下した海に向かって気だるそうに言うと、お祭り男は水しぶきを上げながら船首に飛び上がってきた。
「なにしやがるアルバート!?喧嘩の邪魔してんじゃねぇよ!!」
アルバートと呼ばれた男はガシっとお祭り男の髪を掴む。
「でけぇ声で堂々とヒトの名前ばらしてんじゃねぇ!それと、周りをよく見てみろ。この船が沈んで乗客が死んじまったらここで俺たちを見た証人がいなくなっちまうだろうが」
「そんなことわぁってるよ。証人がいなきゃ悪名も名声も広まらないってやつだろ?」
お祭り男はパンとアルバートの腕を払った。
「なんだ分かってんじゃねぇか。アルティス」
「てめぇ!!さりげなく俺の名前までばらしやがったな!!!」
「お互い様だろうが。それより、そろそろずらかるぞ」
「い、いやでも!そこに王の剣の隊長がいるんだぜ?ここで倒しておくべきだろ!?」
マティアスは眉をピクっと動かした。
「親父に怒られてぇのか?」
「め、滅相もねぇ・・・・・・」
そう言って2人が海に飛び込もうとした時だ。
「待ちなさい」
後ろからマティアスが呼び止めた。
「私がみすみす海賊を見逃すとでも思っているのかしら?」
「いんや、思っちゃいないさ」
仮面を被ったアルバートは鞘から刀身が湾曲した剣を抜いた。
「アルティス、お前も手伝え」
「はいよ」
マティアスはまだ残っていた水龍の波動を放つ。
対してアルバートとアルティスの2人は湾曲した剣とバチから炎を放出し迎え打つ。
水と炎は両者の中間で衝突し、水蒸気爆発を起こした。
辺り一面が霧に包まれる。
「しまった!!」
マティアスは慌てて薙刀を横に振るうと霧が一瞬で晴れ、その先にお祭り男のアルティスや仮面を被ったアルバートの姿は無かった。
その代わり、水平線の彼方へと全速力で進んでいく海賊船の姿だけ見受けられた。
「海賊なだけあって逃げ足だけは速いようね」
マティアスは不服そうに髪をかきあげる。
その髪はもういつもの赤紫色に戻っていた。
マティアスは一度考える素振りを見せると直後に足元にあった床の破片を足で踏み潰した。
「あいつ私が王の剣所属だって知ってたんじゃない!!わざわざとぼけやがって!!なんであいつの知り合いにはロクなのがいないのかしら!!」
最後のあいつとは恐らくレラーブのことだろう。
海賊を追い払えたことは賞賛に値することだ。
しかし今回の戦闘はあまりにも被害が大きすぎた。
船のあちこちに穴があき、煙も上がっている。
さらには帆を張るためのマストもボロボロになってしまい航行は難しいだろう。
ヴェイグ達の船旅はまだ続く。
〜続く〜
【※アルティスがキャラクター名鑑・上に登録されました】
【※アルバートがキャラクター名鑑・上に登録されました】
■作者メッセージ
【楽談パート6】
takeshi「ども〜!ようやく退院したtakeshiです!!」
チャリティ「今回ほとんど空気だったジークの姉のチャリティよ!」
takeshi「いやぁ長かったですよ1年の入院生活は!!ホントにもう病院にいる間は生死の境を彷徨いっぱなしで、地獄の淵から蘇った気分です」
チャリティ「まっ、退院したのは2ヶ月くらい前だけどね〜。ていうか何?今日はあんたの話をするの?」
takeshi「はい!前回は京アニについて語りましたからね。今日はちょっと私の闘病生活の話でもしようかと」
チャリティ「つまんないわね〜」
takeshi「そう言わないでくださいよ。本当に辛かったんですから。なにせ起きてる時は常に吐いていた記憶しかないですし、病院は基本電話はNGですからその分メールをもらった時は嬉しかったものです」
チャリティ「電話しちゃいけないのは基本よね」
takeshi「しかもですね!もう本当に体がだるすぎてメールの返信もできない訳ですよ。それにもかかわらず「返信はいらないからゆっくり寝てな」ってみんな揃いも揃って同じ文章で締めてくるんですよ!これぞ無償の愛!友情って素晴らしい!!」
チャリティ「他県なのにお見舞いまで来てもらってなかった?」
takeshi「まったくもって頭が上がりません。でもね、落ち込んでる時に励ましのメールって結構心にくるんですよ。ですからもしこれを読んでる方の中で今入院している友達がいるならメールだけでもしてあげると喜ばれますよ!」
チャリティ「返信を求めるのはダメよ」
Takeshi「で、退院したのは良いのですがまだ週1で病院に通院しなければならないし、紫外線から身を守るために日中は外に出れないし、体力は小学生並に落ちているしで今は散々な状況です」
チャリティ「結構大きな病気だったから退院してからが大変なのよね。だからあんたは日中DVDを見漁っているのね」
takeshi「いやでもそのおかげで大事なことに気づきましたよ!もともと移植を受けた時死亡確率が30%って言われていたんです。これは曇りの日の降水確率と同じですね。ということはつまりいつ降ってもおかしくない確率だった訳です。なので私はこの小説だけは心残りがないように仕上げていこうと思い、前回の話まで書いたのですが劇場版スマプリを見て教えられたんです」
チャリティ「スマプリ?」
Takeshi「絵本だって結末が無ければ主人公もラスボスも迷ってしまうんですよ。これを書くときに絶対に完結させると決意した以上、書ききらないとニコちゃんが安心して笑えないんですよ!」
チャリティ「ニコちゃんって・・・・・・。あぁ、だから今回私がここに呼ばれた訳ね」
takeshi「私的にはプリキュア達と一緒に幻想殺しを持つ桃太郎と無駄にイケメンな牛魔王が力を合わせてラスボスを倒していたら胸熱な展開だったんですがね」
チャリティ「はいはい・・・・・・」
takeshi「まぁとにかく毎日のように応援メールをくれた友達にはご飯を奢ると決めているのでそれまでに体力やら何やら色々戻さないといけない訳です」
チャリティ「私焼肉!!」
takeshi「便乗すんな!!と、とりあえず私の話はこのぐらいにしておいて、本編の話でもしましょうか?」
チャリティ「え?あんた自分の話するんでしょ?まだ1000文字しか話してないじゃ〜ん」
takeshi「いやでも本編の話もしておかないと・・・・・・」
チャリティ「そんなもんはあとあと!ほら話しなさいよ。ほら、ほら〜」
takeshi「ぐっ・・・・・・。すいません、もうありません・・・・・・。話題を代えさせてください」
チャリティ「最初からそう言えば良いのよ。で、うちの弟がまるっきし弱いまんまなんだけど、これはどういうわけ?」
takeshi「いやまぁ、今は発展途上なだけであってそのうち覚醒するのでもうしばらく待っていてください」
チャリティ「え?覚醒すんの?ていうかそんなネタバレしちゃって良いの?」
takeshi「流石に主人公が弱いままだと読者にも飽きられてしまう恐れがあるので、まだ期待は捨てないでね的な感じで。そもそも主人公が役立たずって見ててイライラしますもんね」
チャリティ「誠死ねみたいな?」
takeshi「まさに!それと今回2人の新キャラが図鑑に登録されました。バチを持ったお祭り男がアルティス。海賊がよく使う湾曲した剣を持って仮面を被った男がアルバートです。名前が覚えにくくてすみません・・・・・・」
チャリティ「アルアルうるさい連中ね」
takeshi「本当に偶然の産物なんです・・・・・・」
チャリティ「ジーク達も船がめちゃくちゃになっちゃって、これからどうすんのかしら」
takeshi「それは次回のお楽しみということで!ではまた〜(実はチャリティには読者全員が引きかねない裏設定があるのは内緒の話)」
―――オマケ―――
ロンドリーネ「再放送まで終わっちゃったじゃない!!」
メル「な、何!?突然どうしたの?」
ロンドリーネ「ううん、こっちの話。でもこのまま正解者が出ないままズルズル引きずるのは良くないわ。サーバント・サ○ビスで時間稼ぎしているうちに終わらせないと」
アスベル「彼女は何をブツブツ言ってるんだ?」
ロンドリーネ「そんな訳で!これからの料理には特別にワンダーシェフに全料理人を監修してもらうわ!もちろん彼も料理をしながらだけど。これなら少なくとも食べられない料理は生まれないでしょ?」
レイア「確かに強酸はちょっと食べられないよね〜・・・・・・」
ユーリ「なぁ、このテーブルの下に張り付いていたカードは何なんだ?」
ロンドリーネ「おっと早速見つけちゃったね!そのカードはね魔法のカードで、タスケテケスタ!!って叫ぶと助っ人が現れるお助けアイテムよ!」
コレット「えっと、トッペママペットじゃダメかな?」
ロンドリーネ「ダメ!」
キール「このネタ分かるヤツいるのか?」
アニー「分からない人はヘンダーランドを見てくださいね」
ユーリ「よっし、じゃあ早速!叫べおっさん!!」
レイヴン「お、俺様ぁ!?ここはリタっちにやらせるべきでしょ〜」
ユーリ「なにいってんだ。命乞いはおっさんの専売特許だろ?」
レイヴン「そんなものに特許申請出した覚えは無いんですけど・・・・・・」
リタ「いいからさっさとやんなさいよ!!」
レイヴン「いたたたた!!蹴らなくてもやるって!とにまったく、たすけてけすた〜」
パティ「やる気がミジンコ程にも感じられんのじゃ・・・・・・」
シャーリィ「あっ、誰か来たみたい」
ファミファミファミ〜マ♪ファミファミマ〜♪
チェスター「ここガストじゃなかったのかよ!?」
デューク「何故私はここにいるのか。何故人々の争いが耐えぬのか。人が先か私が先か。それが問題だ」
ユーリ「デューク!!助っ人ってお前なのか!?」
デューク「うむ、どうやら今回ばかりは手を貸さざるを得ないようだ」
セネル「助っ人ってカードから飛び出すんじゃなくて普通に正面から入ってくるのかよ」
ノーマ「セネセネってば意外とロマンチストだったり?」
セネル「違う!!」
デューク「さっさと片付けるぞ。古傷が疼くその前に・・・・・・」
カイル(あ、あいつ中二病だ・・・・・・!!)
ロンドリーネ「ちなみにカードは何枚でも使うことができるけど、1枚使うごとにペナルティがあるから慎重に使った方が良いよ」
ロニ「ペナルティだと?」
エステル「そういうことはもっと早く言ってほしかったです・・・・・・」
ロンドリーネ「だって説明する前に使っちゃうだもん。でもそうよね、もっと早く説明しておくべきだったわ。私って、ホント馬鹿・・・・・・」
ノーマ「ロンちゃ〜ん、そんなこと言ってると円環の理に導かれちゃうよ?」
ロンドリーネ「じゃあついでだからこれも今言っちゃうね。このゲーム、最後まで残ったチームに罰ゲームをしてもらいます」
アスベル「まさか人間1000本ノックか!?」
ロンドリーネ「いやいやいやいや!そんな物騒なものじゃないって。ただ全員分の食事代を払ってもらうってだけ」
ヒューバート「つまり勝った人達が負けた人達にゴチになるわけですね?」
ロンドリーネ「そういうこと。ちなみに支払い金額を先に言っておくと1億5千万」
ジェイ「い、1億5千万・・・・・・。借金としては重みのある値段ですね・・・・・・」
クロエ「そうか。もし私達が負けてもジェイがマルタの執事になれば問題ないということか」
ジェイ「ちょっとぉ!人を勝手に売らないでくださいよ!!」
パスカル「じゃああたしの執事をやる?」
ジェイ「やりません!!」
ヒューバート「ダメです!!!」
ソフィ「ヒューバート?」
ヒューバート「いえ・・・その・・・」
ロンドリーネ「ちょっとちょっと!ヒトの話は最後まで聞いてって!金額は1億5千万ベリーだからね!」
全員「「ベリー?」」
ジーニアス「通貨が違うじゃないか!!」
ゼロス「ん?待てよ?リーガルとクラトスとしいなを俺かジェイドかスタンに渡せばお釣りが帰ってくるんじゃねぇか?あっ、もちろんしいなは俺のとこな」
しいな「馬鹿言ってんじゃないよアホ神子!!」
ジェイ「モーゼスさん、あなた今いくらですか?」
モーゼス「知らんわ!ちゅうかワレ人を売るな言うとったじゃろ!?」
アニス「はうあ!アニス、イオン様を大佐に渡すだなんてできないです〜」
ジェイド「大丈夫ですよアニス。イオン様ではうまい棒も買えませんから。それよりディストを処刑するほうがいくらか足しになるでしょう」
ロンドリーネ「はいはい!罰ゲームも分かったところで、続きを始めるわよ!カイル、注文とってきて」
カイル「任せとけ!じゃあ父さん、注文を言ってくれ!」
こうして負けられない戦いが始まる。
〜続く〜
takeshi「ども〜!ようやく退院したtakeshiです!!」
チャリティ「今回ほとんど空気だったジークの姉のチャリティよ!」
takeshi「いやぁ長かったですよ1年の入院生活は!!ホントにもう病院にいる間は生死の境を彷徨いっぱなしで、地獄の淵から蘇った気分です」
チャリティ「まっ、退院したのは2ヶ月くらい前だけどね〜。ていうか何?今日はあんたの話をするの?」
takeshi「はい!前回は京アニについて語りましたからね。今日はちょっと私の闘病生活の話でもしようかと」
チャリティ「つまんないわね〜」
takeshi「そう言わないでくださいよ。本当に辛かったんですから。なにせ起きてる時は常に吐いていた記憶しかないですし、病院は基本電話はNGですからその分メールをもらった時は嬉しかったものです」
チャリティ「電話しちゃいけないのは基本よね」
takeshi「しかもですね!もう本当に体がだるすぎてメールの返信もできない訳ですよ。それにもかかわらず「返信はいらないからゆっくり寝てな」ってみんな揃いも揃って同じ文章で締めてくるんですよ!これぞ無償の愛!友情って素晴らしい!!」
チャリティ「他県なのにお見舞いまで来てもらってなかった?」
takeshi「まったくもって頭が上がりません。でもね、落ち込んでる時に励ましのメールって結構心にくるんですよ。ですからもしこれを読んでる方の中で今入院している友達がいるならメールだけでもしてあげると喜ばれますよ!」
チャリティ「返信を求めるのはダメよ」
Takeshi「で、退院したのは良いのですがまだ週1で病院に通院しなければならないし、紫外線から身を守るために日中は外に出れないし、体力は小学生並に落ちているしで今は散々な状況です」
チャリティ「結構大きな病気だったから退院してからが大変なのよね。だからあんたは日中DVDを見漁っているのね」
takeshi「いやでもそのおかげで大事なことに気づきましたよ!もともと移植を受けた時死亡確率が30%って言われていたんです。これは曇りの日の降水確率と同じですね。ということはつまりいつ降ってもおかしくない確率だった訳です。なので私はこの小説だけは心残りがないように仕上げていこうと思い、前回の話まで書いたのですが劇場版スマプリを見て教えられたんです」
チャリティ「スマプリ?」
Takeshi「絵本だって結末が無ければ主人公もラスボスも迷ってしまうんですよ。これを書くときに絶対に完結させると決意した以上、書ききらないとニコちゃんが安心して笑えないんですよ!」
チャリティ「ニコちゃんって・・・・・・。あぁ、だから今回私がここに呼ばれた訳ね」
takeshi「私的にはプリキュア達と一緒に幻想殺しを持つ桃太郎と無駄にイケメンな牛魔王が力を合わせてラスボスを倒していたら胸熱な展開だったんですがね」
チャリティ「はいはい・・・・・・」
takeshi「まぁとにかく毎日のように応援メールをくれた友達にはご飯を奢ると決めているのでそれまでに体力やら何やら色々戻さないといけない訳です」
チャリティ「私焼肉!!」
takeshi「便乗すんな!!と、とりあえず私の話はこのぐらいにしておいて、本編の話でもしましょうか?」
チャリティ「え?あんた自分の話するんでしょ?まだ1000文字しか話してないじゃ〜ん」
takeshi「いやでも本編の話もしておかないと・・・・・・」
チャリティ「そんなもんはあとあと!ほら話しなさいよ。ほら、ほら〜」
takeshi「ぐっ・・・・・・。すいません、もうありません・・・・・・。話題を代えさせてください」
チャリティ「最初からそう言えば良いのよ。で、うちの弟がまるっきし弱いまんまなんだけど、これはどういうわけ?」
takeshi「いやまぁ、今は発展途上なだけであってそのうち覚醒するのでもうしばらく待っていてください」
チャリティ「え?覚醒すんの?ていうかそんなネタバレしちゃって良いの?」
takeshi「流石に主人公が弱いままだと読者にも飽きられてしまう恐れがあるので、まだ期待は捨てないでね的な感じで。そもそも主人公が役立たずって見ててイライラしますもんね」
チャリティ「誠死ねみたいな?」
takeshi「まさに!それと今回2人の新キャラが図鑑に登録されました。バチを持ったお祭り男がアルティス。海賊がよく使う湾曲した剣を持って仮面を被った男がアルバートです。名前が覚えにくくてすみません・・・・・・」
チャリティ「アルアルうるさい連中ね」
takeshi「本当に偶然の産物なんです・・・・・・」
チャリティ「ジーク達も船がめちゃくちゃになっちゃって、これからどうすんのかしら」
takeshi「それは次回のお楽しみということで!ではまた〜(実はチャリティには読者全員が引きかねない裏設定があるのは内緒の話)」
―――オマケ―――
ロンドリーネ「再放送まで終わっちゃったじゃない!!」
メル「な、何!?突然どうしたの?」
ロンドリーネ「ううん、こっちの話。でもこのまま正解者が出ないままズルズル引きずるのは良くないわ。サーバント・サ○ビスで時間稼ぎしているうちに終わらせないと」
アスベル「彼女は何をブツブツ言ってるんだ?」
ロンドリーネ「そんな訳で!これからの料理には特別にワンダーシェフに全料理人を監修してもらうわ!もちろん彼も料理をしながらだけど。これなら少なくとも食べられない料理は生まれないでしょ?」
レイア「確かに強酸はちょっと食べられないよね〜・・・・・・」
ユーリ「なぁ、このテーブルの下に張り付いていたカードは何なんだ?」
ロンドリーネ「おっと早速見つけちゃったね!そのカードはね魔法のカードで、タスケテケスタ!!って叫ぶと助っ人が現れるお助けアイテムよ!」
コレット「えっと、トッペママペットじゃダメかな?」
ロンドリーネ「ダメ!」
キール「このネタ分かるヤツいるのか?」
アニー「分からない人はヘンダーランドを見てくださいね」
ユーリ「よっし、じゃあ早速!叫べおっさん!!」
レイヴン「お、俺様ぁ!?ここはリタっちにやらせるべきでしょ〜」
ユーリ「なにいってんだ。命乞いはおっさんの専売特許だろ?」
レイヴン「そんなものに特許申請出した覚えは無いんですけど・・・・・・」
リタ「いいからさっさとやんなさいよ!!」
レイヴン「いたたたた!!蹴らなくてもやるって!とにまったく、たすけてけすた〜」
パティ「やる気がミジンコ程にも感じられんのじゃ・・・・・・」
シャーリィ「あっ、誰か来たみたい」
ファミファミファミ〜マ♪ファミファミマ〜♪
チェスター「ここガストじゃなかったのかよ!?」
デューク「何故私はここにいるのか。何故人々の争いが耐えぬのか。人が先か私が先か。それが問題だ」
ユーリ「デューク!!助っ人ってお前なのか!?」
デューク「うむ、どうやら今回ばかりは手を貸さざるを得ないようだ」
セネル「助っ人ってカードから飛び出すんじゃなくて普通に正面から入ってくるのかよ」
ノーマ「セネセネってば意外とロマンチストだったり?」
セネル「違う!!」
デューク「さっさと片付けるぞ。古傷が疼くその前に・・・・・・」
カイル(あ、あいつ中二病だ・・・・・・!!)
ロンドリーネ「ちなみにカードは何枚でも使うことができるけど、1枚使うごとにペナルティがあるから慎重に使った方が良いよ」
ロニ「ペナルティだと?」
エステル「そういうことはもっと早く言ってほしかったです・・・・・・」
ロンドリーネ「だって説明する前に使っちゃうだもん。でもそうよね、もっと早く説明しておくべきだったわ。私って、ホント馬鹿・・・・・・」
ノーマ「ロンちゃ〜ん、そんなこと言ってると円環の理に導かれちゃうよ?」
ロンドリーネ「じゃあついでだからこれも今言っちゃうね。このゲーム、最後まで残ったチームに罰ゲームをしてもらいます」
アスベル「まさか人間1000本ノックか!?」
ロンドリーネ「いやいやいやいや!そんな物騒なものじゃないって。ただ全員分の食事代を払ってもらうってだけ」
ヒューバート「つまり勝った人達が負けた人達にゴチになるわけですね?」
ロンドリーネ「そういうこと。ちなみに支払い金額を先に言っておくと1億5千万」
ジェイ「い、1億5千万・・・・・・。借金としては重みのある値段ですね・・・・・・」
クロエ「そうか。もし私達が負けてもジェイがマルタの執事になれば問題ないということか」
ジェイ「ちょっとぉ!人を勝手に売らないでくださいよ!!」
パスカル「じゃああたしの執事をやる?」
ジェイ「やりません!!」
ヒューバート「ダメです!!!」
ソフィ「ヒューバート?」
ヒューバート「いえ・・・その・・・」
ロンドリーネ「ちょっとちょっと!ヒトの話は最後まで聞いてって!金額は1億5千万ベリーだからね!」
全員「「ベリー?」」
ジーニアス「通貨が違うじゃないか!!」
ゼロス「ん?待てよ?リーガルとクラトスとしいなを俺かジェイドかスタンに渡せばお釣りが帰ってくるんじゃねぇか?あっ、もちろんしいなは俺のとこな」
しいな「馬鹿言ってんじゃないよアホ神子!!」
ジェイ「モーゼスさん、あなた今いくらですか?」
モーゼス「知らんわ!ちゅうかワレ人を売るな言うとったじゃろ!?」
アニス「はうあ!アニス、イオン様を大佐に渡すだなんてできないです〜」
ジェイド「大丈夫ですよアニス。イオン様ではうまい棒も買えませんから。それよりディストを処刑するほうがいくらか足しになるでしょう」
ロンドリーネ「はいはい!罰ゲームも分かったところで、続きを始めるわよ!カイル、注文とってきて」
カイル「任せとけ!じゃあ父さん、注文を言ってくれ!」
こうして負けられない戦いが始まる。
〜続く〜