第25話『有幻と無幻』
「来たか・・・・・・」
男は留置所の前で腕組みをしながら仁王立ちしていた。
立派なクチバシにかかる赤色のサングラスは怪しく光り、背中からは大きな白い翼が生えていた。
男がリズムをとるように指の鈎爪で腕組みをした腕をトントンと叩いていると二人の人影が濃霧の中からこちらに近づいてくるのが見えた。
すると人影の内の一つが消えてしまう。
しかし男は眉一つ動かすことなく、残った人影へと歩み寄った。
「待っていた。ジーク」
ジークは何故自分の名前を知っているのか疑問に思い首を傾げたが、男は鼻で笑い、踵を返し留置所の方向へ向いた。
「こっちだ」
男はそれだけ言うと歩き始め、ジークもそれに付いていった。
そして陰湿な雰囲気を醸し出す留置所へと入り、階段を下ると牢が並んでいた。
部屋は右に3部屋、左に3部屋、計6部屋が向かい合うように並んでいた。
「入れ」
男はその内の左側1番奥の扉を開けるとジークを中に入るように促し、その後自分も入ると中から鍵を閉めた。
部屋の中は薄暗く、あるのは固そうなベッドと便器だけだった。
しかしその中に男とジーク以外にもう一人、ベッドに腰をかけている女性がいた。
「随分遠回しな呼び方するんだなお前」
ジークは皮肉混じりに言うと、彼女はふふっと笑った。
ジークにとって彼女は初対面ではない。
少なくとも皮肉は混ぜられるほどには。
「前も言ったよね?私の名前はお前じゃないって」
狐の耳を生やし、目には赤いアイライン、九本の尻尾を持つ彼女はベッドから立ち上がる。
「私の名前はヤコ。ヤコ・スイフト。そっちの彼はウォーレス」
「ウォーレス・ホークだ」
「ちゃんと会うのは初めましてだね、ジーク」
「どういう意味だ?」
「ちゃんと会うのは」と言われてもジークには理解できない。
今まで何度か会っているはずだ。
なのになぜちゃんとが付くのか。
「言葉通りの意味だけど?」
しかしヤコはジークの欲する答えをそのまま返してはくれなかった。
「もしかして、私のフォルスのことまだ分かってないのかな?」
ヤコは困ったように首を傾げるとジークの怒りのボルテージが上がっていった。
どうもこいつと話していると要領を得ない。
「あ。今こいつとか思ったでしょ。私の方が年は上なんだけどな」
「おま・・・ヤコのフォルスは心を読むフォルスなのか?」
「ハズレ、今のは女の勘。あ〜ぁ、2回目で私の幻術に気付くから期待してたんだけどな〜」
ヤコは九本の尻尾を揺らしながら微笑んだ。
その表情からは言葉の割に残念さは微塵も感じられない。
「幻術?」
「そ。君と一緒にカインを探したのも、さっき君を連行したのも私が作った幻。船の上で君と話したのも私の幻」
「幻って・・・・・・。でも触れたじゃねぇか」
「うん。私のフォルスはね、幻を無幻にも有幻にもできるの」
「てことは・・・・・・」
ジークはバルカ城の屋上にてユリスと対峙した時のことを思い出した。
体は傷だらけで動けなかったはずが、彼女が現れてから体が軽くなりいつもの倍以上の力を発揮できた。
それは恐らくヤコのフォルスによって痛みがないという妄想に取り付かれ、知らない力が有幻として具現化したのだろう。
「なんだよそれ・・・・・・反則じゃねぇか」
想像したものが現実となる。
こんな万能な力は反則技としか言いようがない。
「君に言われたくないな」
ヤコは拗ねたように顔を背ける。
と、そこへ今まで沈黙を貫いていたウォーレスが間に割って入った。
「そろそろ本題に入ろう」
「あ、あぁ・・・・・・」
ウォーレスが眼前に立った時、花の香りがジークの鼻を通り抜けた。
「ウォーレス、ちゃんと匂い落としてこなかったでしょ。牢屋が薔薇部屋みたい」
そう、ウォーレスから薔薇の香りが漂っていた。
「後で落とす。その前にジーク、お前は気になっていることがあるだろう」
赤いサングラス越しに見える目は鋭く、ジークは唾を飲んだ。
「何故俺達がこんなところにいるのか。何故お前を呼んだのか」
「理由があるのか?」
「全ての事象に理由は付き物だ。無意味だと言うものはただ無知なだけにすぎない」
「お、おう・・・・・・」
ジークが若干引き気味になるとウォーレスは鈎爪でサングラスの淵を抑えた。
「まず俺達が何故こんな所にいるのかというところから話そう」
「最初はね、街から逃げるためだったの」
「逃げる?」
ジークが聞き返すとヤコは悲しそうな目をしていた。
「俺達の街では人種差別があった。ラジルダのように種族同士がぶつかり合えるならまだしも、俺達の街はヒューマが一方的に支配していた。だが1年前の一件により一時は共生関係を築くことができた。しかし」
そこでウォーレスはヤコを一瞥した。
「ヤコのフォルスを知った人々はハーフ故の力の強大さに恐れを抱き、再び事態は悪化してしまった」
「だから原因である自分たちが消える道を選択したってのかよ・・・・・・」
二人は黙って頷いた。
「しかし逃げるだけでは足りなかったのだ。カインがユリスを再生するという情報を聞いたからな」
ジークは何も言えなかった。
「ヤコのフォルスはお前が想像したように凡庸性が高い。使い道によっては善にも悪にもなる。お前のフォルスのようにな」
「俺と同じ・・・・・・」
「ユリスに見つかれば利用されるのは必然。故に俺達はフォルスを無効化する装置が組み込まれているこの檻に逃げ込むことにした」
「フォルスを無効化?」
ジークは試しに扉に手を当ててみた。
だが普段自分の意思でフォルスを発動できないジークが手を当てた所で何も感じるところはないはずだった。
しかし。
「ダメ!」
ヤコに制止され、ジークの手は扉に触る寸前の所で止まった。
「今の君が触ると壊れちゃうから」
またもやジークの脳内に疑問が増えた。
確かにフォルスの制御はできていないが、万が一発動したとしてもこの扉がフォルスを無効化するのではないのか、と。
「何でユリスから逃げるためにここを選んだ?」
どうせまともな返事は返ってこないだろうと、投げやりに質問する。
「ユリスの眼から逃れるためだ」
しかし予想外にもきちんとした答えが返ってきた。
「ユリスのフォルスは俺達でも分かっていない。故にヤツの監視網がどこまで行き届いているのか想像が付かない。ならばフォルスの影響を受けないここならばヤツの眼に入ることはない」
「だったらこん中にいたらヤコもフォルスを使えないんじゃ・・・・・・」
「そうだね。だからここに入る前に何体か幻を用意しておいたの。操作は扉さえ触らなければできるから。それに簡単な幻くらいだったら作れるんだよ?」
それはおかしい。
ジークは何か引っかかるものを感じた。
牢の中でフォルスを使えるのなら、中から扉に触れずにフォルスで扉を壊すことだって可能なはずだ。
それができないように牢内はフォルスが使えないようにできているはず。
しかしヤコは少しなら使えると言った。
ヤコのフォルスは無効化装置でも抑えきれないほど協力なものだというのだろうか。
「そんなに怖がられると傷つくな」
「別に怖がってねぇよ・・・・・・」
相変わらずヤコは言葉とは裏腹に笑みを浮かべている。
完全にからかわれている。
「以上が俺達がここにいる理由だ」
ウォーレスが腕を組みながら話しを締める。
問題はここからだ。
「で、俺を呼んだ理由ってのは?」
「ユリスを救ってほしいの」
ジークに沈黙が流れた。
「聞いてるかな?」
「ヤコ、それでは唐突すぎだ」
今ヤコが何と言ったのか理解に苦しむが、とりあえずウォーレスの話しに耳を傾けることにした。
「先に訪ねよう。お前はユリスを倒したいか?」
「そんなの当たり前だ!このままだと思念が広がって世界が滅んじまうんだろ?だから倒す。当然だ」
「お前に倒せるのか?」
「俺だけじゃ無理だ。だがヴェイグ達は力だけじゃ倒せないと言っていた。つまり、何かしらの方法があるんだろ?別に倒す手段がない訳じゃねぇ」
「忘れたのか?お前の言う『ヴェイグ達』は以前、ユリスを封印するという手段を選んだ。しかし何故今度は倒そうとする?」
「それは・・・・・・根本的要因を断つためなんじゃ・・・・・・」
「本当にそうか?そう言い切れるのか?」
ウォーレスの問いにジークは舌打ちした。
「何なんだてめぇは!?ヴェイグ達の行動に裏があるって言いてぇのか!?」
「そうではない。彼等は常に表で動いている。だが、表に見えてしまうが故に厄介だ」
「意味分かんねぇ・・・・・・」
「とにかくね、ジーク」
ジークをなだめるようにヤコが柔らかく話しかける。
「ユリスを救えるのは君しかいないの。そのためにもまず、私達の街に向かってくれないかな?」
「ヤコ達の・・・・・・街?」
「ユリスを救うにしろ倒すにしろあの街をなんとかしない限りユリスは止められない。だから、お願い」
ヤコはジークの手を握った。
「無駄だ」
その時、遠い牢屋から年季の入ったおじさんの声が聞こえた。
「あの街はもうおしまいだ。貴様等のせいでな!」
「誰だ?」
嫌味ったらしい声を聞きながら尋ねると、ヤコは苦笑いしながら答えた。
「私達の街の領主さん。1年前に女王を処刑しようとしてここに捕まってるの。娘さんがいるんだけど一度も面会に来てくれないから拗ねてるの」
親バカってやつか、とジークは内心でバカにしていたがこの場にフィオナがいればチョップをくらっていたであろう。
「できるか?ジーク」
ウォーレスの問いにジークは即答できなかった。
「・・・・・・難しいな」
「なぜ?」
「約束が・・・・・・あるんだ」
そう、ジークはフィオナを護ると約束した。
そしてフィオナの父であるギュナルスを連れて帰ると。
「あぁ、そうだったね・・・・・・」
ヤコは今まで温和な表情を浮かべていたその表情が一新して曇りがかかるが、一瞬で温和な表情へと戻った。
「時間ができたらで良いよ。ユリスと出会う前、もしくは挑む前に私達の街、ベルサスに寄ってくれれば」
そういってヤコは再度ジークの手を握るが、今回は何故か強く握り締められ顔をしかめた。
この華奢な手のどこにこんな力があるのだろう。
「わ、分かった。ベルサスだな」
「ベルサスは最近とある理由で薔薇の養殖を始めている。行けばすぐに分かるはずだ」
「なるほどね。だからウォーレスから薔薇の匂いがすんのか」
ウォーレスは黙って頷くと、ヤコは腕を上に伸ばし背伸びをした。
「じゃあ行こっか」
「・・・・・・は?」
相変わらず唐突すぎて訳が分からない。
「仲間の元に戻りたいんでしょ?送ってってあげる♪」
「いらねぇよ。そもそもヤコはここから出たくないんだろ?」
「良いの?そろそろバイラスの群れがバルカに集まってくるんだよ?」
「なっ!?何でそんなことが分かる!?」
「さぁ?何でだろうね?」
明らかにとぼけている。
というか冷たくも感じたが、ヤコは最初からジークの問いにまともに答えてくれる性格ではなかったような気もした。
「確かに出たくはないけど、出られないとは別だから」
ヤコが微笑むのと同時に牢の鍵が開けられた。
「ふんっ、脱獄する気か?忌まわしきハーフめ」
途中階段近くの牢屋の前で先程の声の主が皮肉を飛ばしてきた。
「大丈夫、ちょっと出かけてくるだけだから。寂しがらないでね、スカラベさん」
「誰が寂しがるか!!とっとと消えてしまえ!!二度と戻ってくるな!!!」
「いこ?」
ヤコに促され、ジークも階段を登る。
階段を登る最中、ジークは考えていた。
やはりハーフは忌むべき存在なのか。
ガジュマからも、そしてヒューマからも受け入れてもらえないのか。
目の前を歩いているウォーレスはヤコのことをどう思っているのか。
そして後ろを歩いているヤコは・・・・・・。
「ホント、ブラコンも大概にしときなさいってあれほど言ったのにね」
ヤコはジークの背中に手を当てて何やら呟いていた。
悩みはたくさんあるが分かったことが一つある。
この2人の考えていることはよく分からない。
〜続く〜
【※ウォーレス・ホークがキャラクター名鑑・上に登録されました】
【※ヤコ・スイフトがキャラクター名鑑・下に登録されました】
男は留置所の前で腕組みをしながら仁王立ちしていた。
立派なクチバシにかかる赤色のサングラスは怪しく光り、背中からは大きな白い翼が生えていた。
男がリズムをとるように指の鈎爪で腕組みをした腕をトントンと叩いていると二人の人影が濃霧の中からこちらに近づいてくるのが見えた。
すると人影の内の一つが消えてしまう。
しかし男は眉一つ動かすことなく、残った人影へと歩み寄った。
「待っていた。ジーク」
ジークは何故自分の名前を知っているのか疑問に思い首を傾げたが、男は鼻で笑い、踵を返し留置所の方向へ向いた。
「こっちだ」
男はそれだけ言うと歩き始め、ジークもそれに付いていった。
そして陰湿な雰囲気を醸し出す留置所へと入り、階段を下ると牢が並んでいた。
部屋は右に3部屋、左に3部屋、計6部屋が向かい合うように並んでいた。
「入れ」
男はその内の左側1番奥の扉を開けるとジークを中に入るように促し、その後自分も入ると中から鍵を閉めた。
部屋の中は薄暗く、あるのは固そうなベッドと便器だけだった。
しかしその中に男とジーク以外にもう一人、ベッドに腰をかけている女性がいた。
「随分遠回しな呼び方するんだなお前」
ジークは皮肉混じりに言うと、彼女はふふっと笑った。
ジークにとって彼女は初対面ではない。
少なくとも皮肉は混ぜられるほどには。
「前も言ったよね?私の名前はお前じゃないって」
狐の耳を生やし、目には赤いアイライン、九本の尻尾を持つ彼女はベッドから立ち上がる。
「私の名前はヤコ。ヤコ・スイフト。そっちの彼はウォーレス」
「ウォーレス・ホークだ」
「ちゃんと会うのは初めましてだね、ジーク」
「どういう意味だ?」
「ちゃんと会うのは」と言われてもジークには理解できない。
今まで何度か会っているはずだ。
なのになぜちゃんとが付くのか。
「言葉通りの意味だけど?」
しかしヤコはジークの欲する答えをそのまま返してはくれなかった。
「もしかして、私のフォルスのことまだ分かってないのかな?」
ヤコは困ったように首を傾げるとジークの怒りのボルテージが上がっていった。
どうもこいつと話していると要領を得ない。
「あ。今こいつとか思ったでしょ。私の方が年は上なんだけどな」
「おま・・・ヤコのフォルスは心を読むフォルスなのか?」
「ハズレ、今のは女の勘。あ〜ぁ、2回目で私の幻術に気付くから期待してたんだけどな〜」
ヤコは九本の尻尾を揺らしながら微笑んだ。
その表情からは言葉の割に残念さは微塵も感じられない。
「幻術?」
「そ。君と一緒にカインを探したのも、さっき君を連行したのも私が作った幻。船の上で君と話したのも私の幻」
「幻って・・・・・・。でも触れたじゃねぇか」
「うん。私のフォルスはね、幻を無幻にも有幻にもできるの」
「てことは・・・・・・」
ジークはバルカ城の屋上にてユリスと対峙した時のことを思い出した。
体は傷だらけで動けなかったはずが、彼女が現れてから体が軽くなりいつもの倍以上の力を発揮できた。
それは恐らくヤコのフォルスによって痛みがないという妄想に取り付かれ、知らない力が有幻として具現化したのだろう。
「なんだよそれ・・・・・・反則じゃねぇか」
想像したものが現実となる。
こんな万能な力は反則技としか言いようがない。
「君に言われたくないな」
ヤコは拗ねたように顔を背ける。
と、そこへ今まで沈黙を貫いていたウォーレスが間に割って入った。
「そろそろ本題に入ろう」
「あ、あぁ・・・・・・」
ウォーレスが眼前に立った時、花の香りがジークの鼻を通り抜けた。
「ウォーレス、ちゃんと匂い落としてこなかったでしょ。牢屋が薔薇部屋みたい」
そう、ウォーレスから薔薇の香りが漂っていた。
「後で落とす。その前にジーク、お前は気になっていることがあるだろう」
赤いサングラス越しに見える目は鋭く、ジークは唾を飲んだ。
「何故俺達がこんなところにいるのか。何故お前を呼んだのか」
「理由があるのか?」
「全ての事象に理由は付き物だ。無意味だと言うものはただ無知なだけにすぎない」
「お、おう・・・・・・」
ジークが若干引き気味になるとウォーレスは鈎爪でサングラスの淵を抑えた。
「まず俺達が何故こんな所にいるのかというところから話そう」
「最初はね、街から逃げるためだったの」
「逃げる?」
ジークが聞き返すとヤコは悲しそうな目をしていた。
「俺達の街では人種差別があった。ラジルダのように種族同士がぶつかり合えるならまだしも、俺達の街はヒューマが一方的に支配していた。だが1年前の一件により一時は共生関係を築くことができた。しかし」
そこでウォーレスはヤコを一瞥した。
「ヤコのフォルスを知った人々はハーフ故の力の強大さに恐れを抱き、再び事態は悪化してしまった」
「だから原因である自分たちが消える道を選択したってのかよ・・・・・・」
二人は黙って頷いた。
「しかし逃げるだけでは足りなかったのだ。カインがユリスを再生するという情報を聞いたからな」
ジークは何も言えなかった。
「ヤコのフォルスはお前が想像したように凡庸性が高い。使い道によっては善にも悪にもなる。お前のフォルスのようにな」
「俺と同じ・・・・・・」
「ユリスに見つかれば利用されるのは必然。故に俺達はフォルスを無効化する装置が組み込まれているこの檻に逃げ込むことにした」
「フォルスを無効化?」
ジークは試しに扉に手を当ててみた。
だが普段自分の意思でフォルスを発動できないジークが手を当てた所で何も感じるところはないはずだった。
しかし。
「ダメ!」
ヤコに制止され、ジークの手は扉に触る寸前の所で止まった。
「今の君が触ると壊れちゃうから」
またもやジークの脳内に疑問が増えた。
確かにフォルスの制御はできていないが、万が一発動したとしてもこの扉がフォルスを無効化するのではないのか、と。
「何でユリスから逃げるためにここを選んだ?」
どうせまともな返事は返ってこないだろうと、投げやりに質問する。
「ユリスの眼から逃れるためだ」
しかし予想外にもきちんとした答えが返ってきた。
「ユリスのフォルスは俺達でも分かっていない。故にヤツの監視網がどこまで行き届いているのか想像が付かない。ならばフォルスの影響を受けないここならばヤツの眼に入ることはない」
「だったらこん中にいたらヤコもフォルスを使えないんじゃ・・・・・・」
「そうだね。だからここに入る前に何体か幻を用意しておいたの。操作は扉さえ触らなければできるから。それに簡単な幻くらいだったら作れるんだよ?」
それはおかしい。
ジークは何か引っかかるものを感じた。
牢の中でフォルスを使えるのなら、中から扉に触れずにフォルスで扉を壊すことだって可能なはずだ。
それができないように牢内はフォルスが使えないようにできているはず。
しかしヤコは少しなら使えると言った。
ヤコのフォルスは無効化装置でも抑えきれないほど協力なものだというのだろうか。
「そんなに怖がられると傷つくな」
「別に怖がってねぇよ・・・・・・」
相変わらずヤコは言葉とは裏腹に笑みを浮かべている。
完全にからかわれている。
「以上が俺達がここにいる理由だ」
ウォーレスが腕を組みながら話しを締める。
問題はここからだ。
「で、俺を呼んだ理由ってのは?」
「ユリスを救ってほしいの」
ジークに沈黙が流れた。
「聞いてるかな?」
「ヤコ、それでは唐突すぎだ」
今ヤコが何と言ったのか理解に苦しむが、とりあえずウォーレスの話しに耳を傾けることにした。
「先に訪ねよう。お前はユリスを倒したいか?」
「そんなの当たり前だ!このままだと思念が広がって世界が滅んじまうんだろ?だから倒す。当然だ」
「お前に倒せるのか?」
「俺だけじゃ無理だ。だがヴェイグ達は力だけじゃ倒せないと言っていた。つまり、何かしらの方法があるんだろ?別に倒す手段がない訳じゃねぇ」
「忘れたのか?お前の言う『ヴェイグ達』は以前、ユリスを封印するという手段を選んだ。しかし何故今度は倒そうとする?」
「それは・・・・・・根本的要因を断つためなんじゃ・・・・・・」
「本当にそうか?そう言い切れるのか?」
ウォーレスの問いにジークは舌打ちした。
「何なんだてめぇは!?ヴェイグ達の行動に裏があるって言いてぇのか!?」
「そうではない。彼等は常に表で動いている。だが、表に見えてしまうが故に厄介だ」
「意味分かんねぇ・・・・・・」
「とにかくね、ジーク」
ジークをなだめるようにヤコが柔らかく話しかける。
「ユリスを救えるのは君しかいないの。そのためにもまず、私達の街に向かってくれないかな?」
「ヤコ達の・・・・・・街?」
「ユリスを救うにしろ倒すにしろあの街をなんとかしない限りユリスは止められない。だから、お願い」
ヤコはジークの手を握った。
「無駄だ」
その時、遠い牢屋から年季の入ったおじさんの声が聞こえた。
「あの街はもうおしまいだ。貴様等のせいでな!」
「誰だ?」
嫌味ったらしい声を聞きながら尋ねると、ヤコは苦笑いしながら答えた。
「私達の街の領主さん。1年前に女王を処刑しようとしてここに捕まってるの。娘さんがいるんだけど一度も面会に来てくれないから拗ねてるの」
親バカってやつか、とジークは内心でバカにしていたがこの場にフィオナがいればチョップをくらっていたであろう。
「できるか?ジーク」
ウォーレスの問いにジークは即答できなかった。
「・・・・・・難しいな」
「なぜ?」
「約束が・・・・・・あるんだ」
そう、ジークはフィオナを護ると約束した。
そしてフィオナの父であるギュナルスを連れて帰ると。
「あぁ、そうだったね・・・・・・」
ヤコは今まで温和な表情を浮かべていたその表情が一新して曇りがかかるが、一瞬で温和な表情へと戻った。
「時間ができたらで良いよ。ユリスと出会う前、もしくは挑む前に私達の街、ベルサスに寄ってくれれば」
そういってヤコは再度ジークの手を握るが、今回は何故か強く握り締められ顔をしかめた。
この華奢な手のどこにこんな力があるのだろう。
「わ、分かった。ベルサスだな」
「ベルサスは最近とある理由で薔薇の養殖を始めている。行けばすぐに分かるはずだ」
「なるほどね。だからウォーレスから薔薇の匂いがすんのか」
ウォーレスは黙って頷くと、ヤコは腕を上に伸ばし背伸びをした。
「じゃあ行こっか」
「・・・・・・は?」
相変わらず唐突すぎて訳が分からない。
「仲間の元に戻りたいんでしょ?送ってってあげる♪」
「いらねぇよ。そもそもヤコはここから出たくないんだろ?」
「良いの?そろそろバイラスの群れがバルカに集まってくるんだよ?」
「なっ!?何でそんなことが分かる!?」
「さぁ?何でだろうね?」
明らかにとぼけている。
というか冷たくも感じたが、ヤコは最初からジークの問いにまともに答えてくれる性格ではなかったような気もした。
「確かに出たくはないけど、出られないとは別だから」
ヤコが微笑むのと同時に牢の鍵が開けられた。
「ふんっ、脱獄する気か?忌まわしきハーフめ」
途中階段近くの牢屋の前で先程の声の主が皮肉を飛ばしてきた。
「大丈夫、ちょっと出かけてくるだけだから。寂しがらないでね、スカラベさん」
「誰が寂しがるか!!とっとと消えてしまえ!!二度と戻ってくるな!!!」
「いこ?」
ヤコに促され、ジークも階段を登る。
階段を登る最中、ジークは考えていた。
やはりハーフは忌むべき存在なのか。
ガジュマからも、そしてヒューマからも受け入れてもらえないのか。
目の前を歩いているウォーレスはヤコのことをどう思っているのか。
そして後ろを歩いているヤコは・・・・・・。
「ホント、ブラコンも大概にしときなさいってあれほど言ったのにね」
ヤコはジークの背中に手を当てて何やら呟いていた。
悩みはたくさんあるが分かったことが一つある。
この2人の考えていることはよく分からない。
〜続く〜
【※ウォーレス・ホークがキャラクター名鑑・上に登録されました】
【※ヤコ・スイフトがキャラクター名鑑・下に登録されました】
■作者メッセージ
【楽談パート9】
takeshi「ども〜!ようやく作業用BGMが定まったtakeshiです!」
チャリティ「それってそんなに大事なの?」
takeshi「大事ですよ!例えばですね、デジモンメドレーを聞きながら書くと落ち込むはずのシーンが何故か熱くなってしまいますし、懐メロ流すと「これ何のテーマ曲だっけ?」と曲のタイトルの方に集中してしまい本編が全然進まないという厄介な効果があるんですよ」
チャリティ「へ〜」
takeshi「ちなみに私のオススメはジャズです。喫茶店とかで創作するとはかどるって言うじゃないですか?ジャズを流しておくとそれと同じような効果が表れる気がするので結構集中できます」
チャリティ「へ〜」
takeshi「おい・・・・・・。まぁでも今日の私は寛大なのです。何せこの人口が少ない掲示板で2000view突破でき、更に!第1話から伏線を張っていたヤコをようやく出せたのですから!!」
チャリティ「あ〜、なんか女狐が出てきたわね」
takeshi「チャリティさん、今日は一層テンション低いですね?」
チャリティ「そりゃあんた、こんなのがそばにいちゃテンション上げようがないわよ」
takeshi「そうなんです!今回はおめでたいことがたくさんあるのでスペシャルゲストを呼んであります!こいだぁ!!」
ミミー「ヤッホーだパン!」
チャリティ「私帰って良い?」
takeshi「こいつと二人きりにしないでくださいお願いします」
ミミー「ようやく狐が登場したかパン。小生が冒険している裏で昼寝とは良いご身分だパン」
takeshi「もう何年も前の話ですけどね。それよりもですね?今回ミミーを呼んだのは別件があるんですよ」
ミミー「何だパン?」
takeshi「最近アニメとかで吸血鬼モノが多くなったせいでブラット何とかというタイトルや、何とかブラッドとかいう名前があっちこっちにいるじゃないですか」
チャリティ「確かにブラッドブラッドうるさいわよね」
takeshi「そこでですね、ミミー・ブレッドさん」
ミミー「何でフルネームで呼ぶんだパン?」
takeshi「ミミーも流行に乗って変えてみません?ミミー・ブレッド改め、ミミー・ブラッドに」
ミミー「か、格好いいパン!!」
takeshi「でそ!?」
チャリティ「いやそれ耳から血が出てるだけじゃない。中耳炎よ中耳炎。耳鼻科行けば?」
takeshi&ミミー「「あ・・・・・・」」
takeshi「まぁ所詮ミミーに格好良さを求めるのは無理ということですね。分かってましたけど」
ミミー「そんなことないパン!お前は新しい女に乗り換えてから変わってしまったパン!」
takeshi「変な言い方しないでください!!ていうかミミーへの用事はこれだけなので。さよなら〜」
ミミー「えっ!?あ・・・・・バイバイだパン!」
チャリティ「あんた酷いわね・・・・・・」
takeshi「私は過去を振り返らないんです。さてさて、本編のお話なのですがでっかい伏線を回収した分会話メインになってしまいました。釣りで例えるならカジキを一本釣りした感じです」
チャリティ「でもまた新しい伏線が出てきたわね」
takeshi「この伏線を回収してもまだ第二第三の伏線がお前を待ち受けているぞ的なやつですね♪」
チャリティ「薔薇といえば緑のモブ子ちゃんも同じ匂いしてなかった?」
takeshi「してましたね〜。まぁ実はアレが伏線だった訳ですが」
チャリティ「それって伏線って言えるの?」
takeshi「・・・・・・言わないんですか?え?ダメなの?えぇ〜〜」
チャリティ「お、落ち着きなさいってば!!」
takeshi「京アニは死んだ。もういない」
チャリティ「何を突然・・・・・・」
takeshi「素直にリトバスやってれば良かったんですよ!下手につまらない作品を面白く魅せる才能があるからチャレンジ精神が湧いてきちゃったんですかね。それに比べてシャフトは安定してますよ!化物語もほぼ原作順守で進んでいますし相変わらずのシャフ度ですし」
チャリティ「シャフ度?」
takeshi「例えばチャリティさんがジークと会話しているとするじゃないですか」
チャリティ「私が一方的に話すのね」
takeshi「その時顔は空を見上げているけど眼は横にいるジークに向けるという演出をシャフトは必ずやるわけです。そしてその独特な顔の角度からシャフ度と呼ばれています」
チャリティ「ふぅ〜ん」
takeshi「いや、今ここでやられても見えませんからね?」
チャリティ「や、やってないわよ!!」
takeshi「はいはい。あとシャフトの特徴というかすごい所は背景ですよね」
チャリティ「流すんじゃない!!」
takeshi「暖かいタッチだったり、ここはどこなの?何時代なの?という疑問を抱かずにはいられない風景が出てきたり。でもその訳が分からない風景にもきちんと理由があるから油断ならない」
チャリティ「お願いだから無視しないで〜」
takeshi「そういえばポケモンXYをまだ見ていないのですが、チャリティさんまた出るんですか?」
チャリティ「当然♪いや、私じゃないし」
takeshi「さて、あんまり長く話しているとまたロディに怒られるのでこの辺にしておきましょう」
チャリティ「激怒プンプン丸だったわね」
takeshi「ではまた〜」
―――おまけ―――
ロンドリーネ「誰が激怒プンプン丸よ!?」
エトス「絶対やると思ったよ・・・・・・」
チャット「どうします?僕達も助っ人を呼んだ方が良いのではありませんか?」
リッド「フォッグとメルディがバクバク食ってるから平気だろ」
メルディ「メルディ、こんなに美味しいが始めて食べたよ〜」
フォッグ「この苦味、この歯応え。まさにアレだな!」
キール「ってお前顔色悪いじゃないか!!」
メルディ「そうか?」
キール「味覚音痴でも体には異常がでるんだ・・・・・・。こうなったら」
ファラ「助っ人を呼ぶの!?」
キール「衝撃のファーストブリットォォオオオ!!!」
メルディ「バイバ!ハンバーグが消えたな!」
エトス「ちょっと今の反則!!」
キール「かなみ、お前は夢を見ていたんだ」
エトス「夢・・・?そう、夢を見ていました」
メル「エト帰って来て!!」
セネル「ふざけるな!そんな反則、俺は認めない!!」
リッド「うっせぇ!!キールをそっちの世界に送るぞ!!」
セネル「また主人公の座を奪いたいのか!?あんた達は!!」
ウィル「ブレス系の主人公か・・・・・・。新しいな」
モーゼス「売れるかもしれんの」
セネル「おいィィィ!!そんなことしたら真選組トリオが成り立たなくなるだろうが!!」
モーゼス「それはいかんの」
ウィル「あぁ、それは最悪の事態だ」
ノーマ「ねぇねぇウィルッチ〜」
ウィル「何だノーマ?」
ノーマ「チーズを(食べるのを)お忘れですよ?」
ウィル「・・・・・・」
ノーマ「あ、今のは地図とチーズをかけたんだよ」
ウィル「アンソロジーのネタを微妙にパクるな!!」
ノーマ「イダイイダイイダイ!頭をグリグリしないで〜」
カロル「ね、ねぇロディ。僕もうパフェは飽きたんだけど」
ロンドリーネ「あ、食べ終わったの?じゃあ次はこれね」
カロル「そろそろお腹が・・・・・・」
ロンドリーネ「ダメだよ。カロルは店長なんだからパフェばっかり食べてなきゃ」
カロル「うぅ・・・・・・」
ロンドリーネ「それにしても、みんななかなか食べ終わらないわね」
エトス「カードを使ったせいで料理も増えたシ、誰が作ったのか真剣に考えてるんじゃない?」
カロル「エトス〜、僕の変わりに食べない?」
エトス「え?良いの?」
ロンドリーネ「ダメ!あ、でもこっちのなら良いよ?」
エトス「わ〜い♪」
ロンドリーネ「鉄人のうちの誰かが作ったやつだけど」
エトス「ギャアアアアア!!!!」
メル「エト!?」
モルモ「カノンノ〜、流石に無理だよ〜」
メル「もう、お兄ちゃんは情けないな〜」
モルモ「お兄ちゃん!?」
Pカノンノ「へ〜、二人って兄妹だったんだ〜」
カノンノE「よくみたら似てるかも」
モルモ「似てないよ!?それと便座カバー」
プレセア「何でしょう?今の不愉快な語尾は」
シャーリィ「一発殴りたくなっちゃうね♪」
ミミー「妹がいつもの妹じゃないパン・・・・・・」
カノンノG「ねぇこのままだとテンション上がんないから主人公君呼ばない?」
カノンノE「え゛っ!?」
Pカノンノ「さんせ〜」
カノンノG「何?1皿増えてもモルモが食べるでしょ?」
カノンノE「でもでも!主人公君を限定して呼ぶのは無理なんじゃ・・・・・・」
Pカノンノ「できるよ?魔法少女にはね、奇跡も魔法もあるんだよ」
ロンドリーネ「それ私のセリフなんだけど」
Pカノンノ「いくよ!レリーズ。数多の輝きを我の前に示せ、主人公!」
リアラ「なるほど。そういうやり方もあるのね」
ガイ「誰か来たみたいだぞ?」
主人公「みんなのハートにズッキュン☆主人公ちゃんだぴょん♪」
ナナリー「また痛々しいのが来たね〜」
カノンノG「主人公ちゃんじゃない!私は主人公君を呼べって言ったの!」
Pカノンノ「あれ〜?おかしいなぁ〜・・・・・・」
モルモ「自称魔法少女だからね」
Pカノンノ「黙れマスコット」
リフィル「はいこれ。追加分よ」
主人公「わぁ〜美味しそう!いただきま〜す♪」
ロックス「食べるんですか!?」
主人公「\アッカリ〜ン/」
パニール「あら?消えてしまったわ?」
ジェイ「あ、あれは!!」
クロエ「知っているのかジェイ!」
ジェイ「えぇ。空気王、ミスディレクションに並ぶ空気アビリティの一種です。とは言え、あの\アッカリ〜ン/は下手をすればその二つさえも凌駕する可能性があります。あの魔法少女(笑)はとんでもないものを呼んでしまったようです」
Pカノンノ「後ろに(笑)とか付けないで!!」
スタン「よし!食べ終わったぞ!!」
ジューダス「しかし本当に合っているのか?」
ルーティ「大丈夫大丈夫♪私の勘を信じなさいって!」
ジューダス「だから不安だというのが分からないようだな」
ルーティ「何ですって!?」
エトス「ね、ねぇスタン」
スタン「何だ?」
エトス「パ、パパって呼んでも良いかな?」
スタン「パパだって!?」
ルーティ「ちょっとスタン!これはどういうことよ!?」
カイル「父さん!俺信じてたのに!!」
ナナリー「まさか歴史が改変されちまったのかい?」
フレン「どうやら0の世界線を超えたようだな」
スタン「厨二乙〜」
ソフィ「トゥットゥル〜♪」
メル「エ、エトが壊れちゃった・・・・・・。唯一のツッコミだったのに、どうしよロディ」
ロンドリーネ「アハハハハ・・・・・・どうしよっか・・・・・・」
ディオ「俺に任せろ!」
メル「ディオ!?オンラインゲームでハセラに会いにいってたんじゃないの!?」
アスベル「ハセヲなんだが・・・・・・」
ディオ「それがオンラインに誰もいなくてよ〜。こっからは俺がバシバシ突っ込むぜ!」
ロンドリーネ「まぁ、無理はしないでね」
ディオ「何で最初から諦めたような顔してんだよ!?」
〜続く〜
takeshi「ども〜!ようやく作業用BGMが定まったtakeshiです!」
チャリティ「それってそんなに大事なの?」
takeshi「大事ですよ!例えばですね、デジモンメドレーを聞きながら書くと落ち込むはずのシーンが何故か熱くなってしまいますし、懐メロ流すと「これ何のテーマ曲だっけ?」と曲のタイトルの方に集中してしまい本編が全然進まないという厄介な効果があるんですよ」
チャリティ「へ〜」
takeshi「ちなみに私のオススメはジャズです。喫茶店とかで創作するとはかどるって言うじゃないですか?ジャズを流しておくとそれと同じような効果が表れる気がするので結構集中できます」
チャリティ「へ〜」
takeshi「おい・・・・・・。まぁでも今日の私は寛大なのです。何せこの人口が少ない掲示板で2000view突破でき、更に!第1話から伏線を張っていたヤコをようやく出せたのですから!!」
チャリティ「あ〜、なんか女狐が出てきたわね」
takeshi「チャリティさん、今日は一層テンション低いですね?」
チャリティ「そりゃあんた、こんなのがそばにいちゃテンション上げようがないわよ」
takeshi「そうなんです!今回はおめでたいことがたくさんあるのでスペシャルゲストを呼んであります!こいだぁ!!」
ミミー「ヤッホーだパン!」
チャリティ「私帰って良い?」
takeshi「こいつと二人きりにしないでくださいお願いします」
ミミー「ようやく狐が登場したかパン。小生が冒険している裏で昼寝とは良いご身分だパン」
takeshi「もう何年も前の話ですけどね。それよりもですね?今回ミミーを呼んだのは別件があるんですよ」
ミミー「何だパン?」
takeshi「最近アニメとかで吸血鬼モノが多くなったせいでブラット何とかというタイトルや、何とかブラッドとかいう名前があっちこっちにいるじゃないですか」
チャリティ「確かにブラッドブラッドうるさいわよね」
takeshi「そこでですね、ミミー・ブレッドさん」
ミミー「何でフルネームで呼ぶんだパン?」
takeshi「ミミーも流行に乗って変えてみません?ミミー・ブレッド改め、ミミー・ブラッドに」
ミミー「か、格好いいパン!!」
takeshi「でそ!?」
チャリティ「いやそれ耳から血が出てるだけじゃない。中耳炎よ中耳炎。耳鼻科行けば?」
takeshi&ミミー「「あ・・・・・・」」
takeshi「まぁ所詮ミミーに格好良さを求めるのは無理ということですね。分かってましたけど」
ミミー「そんなことないパン!お前は新しい女に乗り換えてから変わってしまったパン!」
takeshi「変な言い方しないでください!!ていうかミミーへの用事はこれだけなので。さよなら〜」
ミミー「えっ!?あ・・・・・バイバイだパン!」
チャリティ「あんた酷いわね・・・・・・」
takeshi「私は過去を振り返らないんです。さてさて、本編のお話なのですがでっかい伏線を回収した分会話メインになってしまいました。釣りで例えるならカジキを一本釣りした感じです」
チャリティ「でもまた新しい伏線が出てきたわね」
takeshi「この伏線を回収してもまだ第二第三の伏線がお前を待ち受けているぞ的なやつですね♪」
チャリティ「薔薇といえば緑のモブ子ちゃんも同じ匂いしてなかった?」
takeshi「してましたね〜。まぁ実はアレが伏線だった訳ですが」
チャリティ「それって伏線って言えるの?」
takeshi「・・・・・・言わないんですか?え?ダメなの?えぇ〜〜」
チャリティ「お、落ち着きなさいってば!!」
takeshi「京アニは死んだ。もういない」
チャリティ「何を突然・・・・・・」
takeshi「素直にリトバスやってれば良かったんですよ!下手につまらない作品を面白く魅せる才能があるからチャレンジ精神が湧いてきちゃったんですかね。それに比べてシャフトは安定してますよ!化物語もほぼ原作順守で進んでいますし相変わらずのシャフ度ですし」
チャリティ「シャフ度?」
takeshi「例えばチャリティさんがジークと会話しているとするじゃないですか」
チャリティ「私が一方的に話すのね」
takeshi「その時顔は空を見上げているけど眼は横にいるジークに向けるという演出をシャフトは必ずやるわけです。そしてその独特な顔の角度からシャフ度と呼ばれています」
チャリティ「ふぅ〜ん」
takeshi「いや、今ここでやられても見えませんからね?」
チャリティ「や、やってないわよ!!」
takeshi「はいはい。あとシャフトの特徴というかすごい所は背景ですよね」
チャリティ「流すんじゃない!!」
takeshi「暖かいタッチだったり、ここはどこなの?何時代なの?という疑問を抱かずにはいられない風景が出てきたり。でもその訳が分からない風景にもきちんと理由があるから油断ならない」
チャリティ「お願いだから無視しないで〜」
takeshi「そういえばポケモンXYをまだ見ていないのですが、チャリティさんまた出るんですか?」
チャリティ「当然♪いや、私じゃないし」
takeshi「さて、あんまり長く話しているとまたロディに怒られるのでこの辺にしておきましょう」
チャリティ「激怒プンプン丸だったわね」
takeshi「ではまた〜」
―――おまけ―――
ロンドリーネ「誰が激怒プンプン丸よ!?」
エトス「絶対やると思ったよ・・・・・・」
チャット「どうします?僕達も助っ人を呼んだ方が良いのではありませんか?」
リッド「フォッグとメルディがバクバク食ってるから平気だろ」
メルディ「メルディ、こんなに美味しいが始めて食べたよ〜」
フォッグ「この苦味、この歯応え。まさにアレだな!」
キール「ってお前顔色悪いじゃないか!!」
メルディ「そうか?」
キール「味覚音痴でも体には異常がでるんだ・・・・・・。こうなったら」
ファラ「助っ人を呼ぶの!?」
キール「衝撃のファーストブリットォォオオオ!!!」
メルディ「バイバ!ハンバーグが消えたな!」
エトス「ちょっと今の反則!!」
キール「かなみ、お前は夢を見ていたんだ」
エトス「夢・・・?そう、夢を見ていました」
メル「エト帰って来て!!」
セネル「ふざけるな!そんな反則、俺は認めない!!」
リッド「うっせぇ!!キールをそっちの世界に送るぞ!!」
セネル「また主人公の座を奪いたいのか!?あんた達は!!」
ウィル「ブレス系の主人公か・・・・・・。新しいな」
モーゼス「売れるかもしれんの」
セネル「おいィィィ!!そんなことしたら真選組トリオが成り立たなくなるだろうが!!」
モーゼス「それはいかんの」
ウィル「あぁ、それは最悪の事態だ」
ノーマ「ねぇねぇウィルッチ〜」
ウィル「何だノーマ?」
ノーマ「チーズを(食べるのを)お忘れですよ?」
ウィル「・・・・・・」
ノーマ「あ、今のは地図とチーズをかけたんだよ」
ウィル「アンソロジーのネタを微妙にパクるな!!」
ノーマ「イダイイダイイダイ!頭をグリグリしないで〜」
カロル「ね、ねぇロディ。僕もうパフェは飽きたんだけど」
ロンドリーネ「あ、食べ終わったの?じゃあ次はこれね」
カロル「そろそろお腹が・・・・・・」
ロンドリーネ「ダメだよ。カロルは店長なんだからパフェばっかり食べてなきゃ」
カロル「うぅ・・・・・・」
ロンドリーネ「それにしても、みんななかなか食べ終わらないわね」
エトス「カードを使ったせいで料理も増えたシ、誰が作ったのか真剣に考えてるんじゃない?」
カロル「エトス〜、僕の変わりに食べない?」
エトス「え?良いの?」
ロンドリーネ「ダメ!あ、でもこっちのなら良いよ?」
エトス「わ〜い♪」
ロンドリーネ「鉄人のうちの誰かが作ったやつだけど」
エトス「ギャアアアアア!!!!」
メル「エト!?」
モルモ「カノンノ〜、流石に無理だよ〜」
メル「もう、お兄ちゃんは情けないな〜」
モルモ「お兄ちゃん!?」
Pカノンノ「へ〜、二人って兄妹だったんだ〜」
カノンノE「よくみたら似てるかも」
モルモ「似てないよ!?それと便座カバー」
プレセア「何でしょう?今の不愉快な語尾は」
シャーリィ「一発殴りたくなっちゃうね♪」
ミミー「妹がいつもの妹じゃないパン・・・・・・」
カノンノG「ねぇこのままだとテンション上がんないから主人公君呼ばない?」
カノンノE「え゛っ!?」
Pカノンノ「さんせ〜」
カノンノG「何?1皿増えてもモルモが食べるでしょ?」
カノンノE「でもでも!主人公君を限定して呼ぶのは無理なんじゃ・・・・・・」
Pカノンノ「できるよ?魔法少女にはね、奇跡も魔法もあるんだよ」
ロンドリーネ「それ私のセリフなんだけど」
Pカノンノ「いくよ!レリーズ。数多の輝きを我の前に示せ、主人公!」
リアラ「なるほど。そういうやり方もあるのね」
ガイ「誰か来たみたいだぞ?」
主人公「みんなのハートにズッキュン☆主人公ちゃんだぴょん♪」
ナナリー「また痛々しいのが来たね〜」
カノンノG「主人公ちゃんじゃない!私は主人公君を呼べって言ったの!」
Pカノンノ「あれ〜?おかしいなぁ〜・・・・・・」
モルモ「自称魔法少女だからね」
Pカノンノ「黙れマスコット」
リフィル「はいこれ。追加分よ」
主人公「わぁ〜美味しそう!いただきま〜す♪」
ロックス「食べるんですか!?」
主人公「\アッカリ〜ン/」
パニール「あら?消えてしまったわ?」
ジェイ「あ、あれは!!」
クロエ「知っているのかジェイ!」
ジェイ「えぇ。空気王、ミスディレクションに並ぶ空気アビリティの一種です。とは言え、あの\アッカリ〜ン/は下手をすればその二つさえも凌駕する可能性があります。あの魔法少女(笑)はとんでもないものを呼んでしまったようです」
Pカノンノ「後ろに(笑)とか付けないで!!」
スタン「よし!食べ終わったぞ!!」
ジューダス「しかし本当に合っているのか?」
ルーティ「大丈夫大丈夫♪私の勘を信じなさいって!」
ジューダス「だから不安だというのが分からないようだな」
ルーティ「何ですって!?」
エトス「ね、ねぇスタン」
スタン「何だ?」
エトス「パ、パパって呼んでも良いかな?」
スタン「パパだって!?」
ルーティ「ちょっとスタン!これはどういうことよ!?」
カイル「父さん!俺信じてたのに!!」
ナナリー「まさか歴史が改変されちまったのかい?」
フレン「どうやら0の世界線を超えたようだな」
スタン「厨二乙〜」
ソフィ「トゥットゥル〜♪」
メル「エ、エトが壊れちゃった・・・・・・。唯一のツッコミだったのに、どうしよロディ」
ロンドリーネ「アハハハハ・・・・・・どうしよっか・・・・・・」
ディオ「俺に任せろ!」
メル「ディオ!?オンラインゲームでハセラに会いにいってたんじゃないの!?」
アスベル「ハセヲなんだが・・・・・・」
ディオ「それがオンラインに誰もいなくてよ〜。こっからは俺がバシバシ突っ込むぜ!」
ロンドリーネ「まぁ、無理はしないでね」
ディオ「何で最初から諦めたような顔してんだよ!?」
〜続く〜