第30話『四季とエンジン』
「大陸中のバイラスの生息地がバラバラになっているそうです。先日雪原にて炎を使うバイラスを見たという報告がありました」
ワルトゥは愛用の杖で地面をコツンとつついてから続けた。
「原因はどうやら四季のフォルスの持ち主にあるようです」
「指揮の持ち主?」
コンダクターかな?というルルの疑問にワルトゥは一回咳払いした。
「四季とはつまり春夏秋冬、季節を指します」
「俺達の集落には季節ってものがねぇからな。いまいちピンとこねぇか?」
ブライトが苦笑いしながらルルを見ると首を傾げており、あとで説明することにする。
「そうえいば船の上で会ったレラーブさん、秋のフォルスだって言ってましたよね?」
「あぁ。更に海賊のアルティスは夏のフォルスと言っていたな」
ユージーンが拳を顎に当てながら言うと、ワルトゥはがっかりしたかのように肩を落とした。
「既に接触されていましたか。彼等は強力過ぎるフォルス故、本来土地を離れることを禁じられているのです。彼等のフォルスがそのままその土地に影響し生態を維持するため、彼等が移動すれば季節も変化する。幸い、冬のフォルスの所持者は動いていないようですが」
「なんか面倒な奴等だな。レラーブ達は可哀想だと思うけどよぉ」
ティトレイは肩をすくめて呆れた。
「何か、理由があったのかな?」
「分かりません」
カインの問いにワルトゥは首を振る。
「兎に角、今後ご用心ください」
ワルトゥはユージーン達に一礼するとハックと共に北へ向かった。
恐らく古代の石版が多数発見されているメセチナ洞窟へと向かうのだろう。
「終わった?」
突如ナイラがフィオナの影から顔を出しフィオナは反射的に太ももを抑えながらバッと瞬時に後ろへ飛び、ジークの背中に隠れた。
「あ、あんた普通に出てこられないわけ!?」
「これが私の普通」
ナイラはジークの影と重なったフィオナの影から出ようとはせず、中でもぞもぞと何かを取り出す仕草をしている。
その様子をすっかり警戒したフィオナはジークの腕を掴みながら見つめた。
「これ、元老院から」
影の中から出てきたのはナイラの顔の何倍も大きい金属の塊だった。
ガシャンと音を立てた塊にはプラグやらパイプオルガンに付いているパイプのようなものが突出していた。
「これは?」
「知らない」
マオは触りながら質問するがナイラは淡々と答える。
「首都の警護をしないなら代わりにこれを使って全ての暴動を止めてこいって」
「そんなこと言われても使い道が分からないじゃない」
ヒルダが腰に手を当てながら言う傍らでブライトがまじまじと金属の傍らを見つめていた。
「これって・・・・・・もしかしてエンジンじゃねぇか?しかしこれをどこで手に入れたんだ?」
「バルカの北で見つけたって言ってた」
「バルカの北だと?」
ヴェイグはおもむろにワールドマップとディスカバリーを照らし合わせた。
すると、そこには黄金の飛行型模型が記されていた。
大昔に空を滑空していた機械の模型とされていたが、もしもこれが模型ではなく本物なのだとしたら、このエンジンは飛空機器の一部ということになる。
「もしかして、空から世界中を廻ってこいってこと?」
「だから知らないって言ってる・・・・・・!!」
マオの質問に対してナイラはイラついたように睨みつけ、マオは後ろ髪をかいた。
「とりあえず模型があるところまで行ってみようよ。大昔のものでも僕のフォルスを使えば再生できるかもしれないし」
「いや、おそらくそれは無理だ」
カインの提案をヴェイグは即座に否定する。
「俺達が見つけた時には既に胴体部分しかなかった。そんな状態でも再生ができるのか?」
「部品の位置を再生するのが無理なら時間を戻す意味で再生すればなんとかなるかも。ちょっと力を多めに使うけど」
カインは笑顔で言う。
しかしジークは納得できない。
すると、
「いや、別の方法を探すべきだ」
ジークではなくユージーンが否定した。
「俺達はサレ達と戦ったばかりのうえにまだ6芒星との戦闘も控えている。ここで無駄に力を消費するのは得策ではないな」
「じゃあどうすんの?」
ジンが質問するが、現状カインの力を使うしかない。
ジークは必死に思考を巡らせる。
このままでは親友の寿命がまた縮んでしまう。
後どの程度残っているかも分からないのに。
「ん?そういえば・・・・・・」
親友といえば以前、ジークがカインを探している時、同じく友を探している人物と出会ったことを思い出した。
確かそいつは友を探すために空を飛ぼうとしていなかったか。
「なぁ、ラジルダ跡に行かないか?」
ジークの提案に全員が首を傾げ、未だにジークの背中にくっついていたフィオナは無意識にジークの袖を強く握った。
確かにフィオナにとって沈んだ故郷であり、悪夢の始まりである地へ行くのは酷かもしれない。
しかしジークはフィオナの手を上からそっと握った。
「・・・・・・え?」
「カインを探してる時にラジルダの丘で空を飛ぼうとしているやつに会ったんだ。どこまで完成してるか分からねぇけど、ラジルダの近くの街ならフィオナの父親、ギュナルスがいる確率だって高いだろ?だから」
「良いんじゃない?行ってみようヨ!」
ジークの意見に全員が頷いた。
「確かに、サレとトーマがバルカに居たことを考えればギュナルスと関係の深いラジルダ方面にやつがいる可能性は高いな」
「じゃ」
意見が纏まったことを見届けたナイラはまた影の中に消えてしまった。
空を見上げれば視界を妨げていた霧は少し薄くなっていた。
元々バルカは霧に包まれているため元々これぐらいだったのかもしれないが、少なくとも黒い霧が薄くなったということはユリスの影響も弱まったということだろう。
ならば今地面に倒れ込んでいる住民達も再び起き上がっても暴動まではいかないはず。
そう考えた一同はラジルダ方面にいくために再びバルカ港へと向かう。
「ラジルダに行くとなると、ピピスタ経由か」
以前カインを探しに行く際にジークも通ったが、ラジルダ港が使えないため近年ピピスタの近くに簡易性の港が設けられており、そこからラジルダ跡地へ行くことができる。
「ピピスタか〜。暑いんだろうなぁ〜」
マオとティトレイは灼熱の暑さを思い出し、少し憂鬱になった。
「俺はノルゼンから行くよりかなりマシだけどな」
「それはジークが寒いの苦手だからだろ?」
ティトレイは苦笑いしながらジークの後頭部を叩くと、その間にカインが入った。
「大丈夫だよジーク君。寒かったら僕が手を握っててあげるから!」
「それは鬱陶しいな」
ジークとカインの会話を聞きながらフィオナは先程ジークに握られた手を見つめていた。
「手、か・・・・・・」
そうこうしているうちに一同はバルカ港へと到着した。
しかし港のあちこちから煙が上がっていた。
船着場まで行ってみると幸い露店や建物に被害はなかったが、船が全て運行不可能となっていた。
「どういうことだこれは?」
ユージーンが近くにいた船員に話を聞くとバイラスの大群が攻めてきた時に船が巻き添えをくったとのことだった。
更に他の港からバルカ港へと帰還する船も、バルカの安全が確認できないため欠航状態にあるとのことだった。
「ちっ、こんな時に・・・!」
ヴェイグは苛立ちを抑えようと拳を握る。
「仕方ねぇ、今日はここで休もう。どうせ焦ってもどうしようもねぇし、休息も必要だろ?」
ブライトの言うとおり、最早休むしか他にできることはなかった。
ヴェイグ達は歯痒さを感じながらもバルカ港の宿屋へと向かった。
二階建ての宿屋へ入るとロビーはがらんとしていた。
船は運行していないため旅行客もおらず、バルカにいた人々も暴動やら復興やらで首都の宿屋で休息をとるものが多い。
「いらっしゃいませ!」
臨時で雇われた兵士が受付で対応しており、ヴェイグはチェックインをすませる。
非常事態では民間の店主は避難勧告が通告され、代わりに軍から派遣されることは珍しいことではない。
だがフィオナは不満なのか眉間に皺を寄せていた。
「まさか料理も兵隊さんが作ってる訳ないわよね?」
「料理人も兵士だヨ。遠征とかでよく作るから基本的に全員作れるんだよ」
「軍隊仕込みの料理というのもなかなか味わえるものではないぞ?」
「あれって栄養価は高いけど味が素気無いのよね・・・・・・」
ユージーンは自慢するように言うがヒルダの横槍によりフィオナの口がヘの字に曲がった。
「厨房は借りれるんだろ?だったら俺が作ってやるよ」
今日は色々なことがあって疲れていたためジークも晩飯くらいは味のあるものを食べたかった。
ただそれだけの理由で提案したのだがフィオナの目が異様にキラキラと輝いていた。
「でもジークさんも疲れているんじゃないですか?」
「そういう事なら俺達も手伝うぜ!なぁマオ?」
「ティトレイの見張り役が必要だもんね〜」
ティトレイがどういう意味だとマオを追い掛け回し、マオは笑いながら逃げる。
「ティトレイって料理下手なの?」
ルルがこっそりとヴェイグに訪ねるとヴェイグは苦笑いした。
「下手という訳じゃない。ただ、あいつには前科があるからな」
ヴェイグの答えを聞いてもルルは首を傾げるだけだった。
それから数時間後、日が暮れたであろう時間に三人の料理人によるディナーが完成し、一同は食卓についた。
そんな中でアニーがスープをまじまじと見つめていた。
「あのう・・・・・・これを作ったのってもしかして・・・・・・」
「おっ、よく気付いたなぁアニー。ティトレイ様特性のキノコスープだぜ!」
瞬時にヴェイグ、ユージーン、ヒルダの視線がキノコスープに注がれた。
「これが噂の・・・・・・」
噂のキノコスープを飲んだことのないヒルダは生唾をゴクリと飲み込んだ。
いつも冷静なヒルダが狼狽(うろた)える珍しい光景にフィオナ達はそちらに目線が釘付けになる。
「心配しなくても大丈夫だヨ!それ、ただのキノコだから!」
マオは親指をグッと突き出すと、ヴェイグ達は同時に安堵の溜息をついた。
彼等に一体何があったのか、ジーク達には知る由もなかった。
こうして談笑を交えて食事が始まった。
「そういえばフォルスの研究なんてやってたんだね」
昼間のハック達との会話を思い出してカインが誰ともなしに会話をふるとブライトがスプーンをユラユラと揺らした。
「研究なんてかなり前から始まってたろ。その論文が図書館に貯蔵されてるし、授業で取り上げられるのだってその研究のおかげだろうが。ただ、二つのフォルスを複合する実験を行っているってのは初耳だがな」
ブライトはユージーンを睨むと、彼はスプーンをテーブルに置いた。
「すまん、その件に関しては俺も初耳でな。正直どうしたものかと思っていたところだ」
「複合のフォルスを探してるって言ってたよね?」
マオは思い出すようにこめかみに人差し指を当てる。
「それってジンの『結合』のフォルスだよね。何であの時知らないって言ったの?」
それまでルルへパンを切り分けていたジークの手が止まる。
「前にブライトが言ってたように俺達二文字のフォルスを持つ者は軍事利用されないようにクインシェルを出なかったんだ。結界まで張ってな。なのに実験になんて使わせる訳にはいかねぇだろ。結界が無くなって集落の出入りは自由になったが軍事利用なんて絶対にさせない。ましてや実験なんて何をされるか分かったもんじゃねぇしな」
「兄さん・・・・・・」
話も終わったことで再びルルにパンを切り分けてやろうと手元をみると既に均等にスライスされたパンをルルが頬張っていた。
「ジーク兄さん、話が長いんだもん。ジン兄さんがパパっと切ってくれたよ?」
「てめぇ・・・・・・」
「あれ?兄さん、それどころじゃなそうだったから代わりにと思ったんだけど・・・・・・」
ジンの空回った気遣いを他所にジークのシスコン具合を眺めながら食事は続いていった。
〜続く〜
ワルトゥは愛用の杖で地面をコツンとつついてから続けた。
「原因はどうやら四季のフォルスの持ち主にあるようです」
「指揮の持ち主?」
コンダクターかな?というルルの疑問にワルトゥは一回咳払いした。
「四季とはつまり春夏秋冬、季節を指します」
「俺達の集落には季節ってものがねぇからな。いまいちピンとこねぇか?」
ブライトが苦笑いしながらルルを見ると首を傾げており、あとで説明することにする。
「そうえいば船の上で会ったレラーブさん、秋のフォルスだって言ってましたよね?」
「あぁ。更に海賊のアルティスは夏のフォルスと言っていたな」
ユージーンが拳を顎に当てながら言うと、ワルトゥはがっかりしたかのように肩を落とした。
「既に接触されていましたか。彼等は強力過ぎるフォルス故、本来土地を離れることを禁じられているのです。彼等のフォルスがそのままその土地に影響し生態を維持するため、彼等が移動すれば季節も変化する。幸い、冬のフォルスの所持者は動いていないようですが」
「なんか面倒な奴等だな。レラーブ達は可哀想だと思うけどよぉ」
ティトレイは肩をすくめて呆れた。
「何か、理由があったのかな?」
「分かりません」
カインの問いにワルトゥは首を振る。
「兎に角、今後ご用心ください」
ワルトゥはユージーン達に一礼するとハックと共に北へ向かった。
恐らく古代の石版が多数発見されているメセチナ洞窟へと向かうのだろう。
「終わった?」
突如ナイラがフィオナの影から顔を出しフィオナは反射的に太ももを抑えながらバッと瞬時に後ろへ飛び、ジークの背中に隠れた。
「あ、あんた普通に出てこられないわけ!?」
「これが私の普通」
ナイラはジークの影と重なったフィオナの影から出ようとはせず、中でもぞもぞと何かを取り出す仕草をしている。
その様子をすっかり警戒したフィオナはジークの腕を掴みながら見つめた。
「これ、元老院から」
影の中から出てきたのはナイラの顔の何倍も大きい金属の塊だった。
ガシャンと音を立てた塊にはプラグやらパイプオルガンに付いているパイプのようなものが突出していた。
「これは?」
「知らない」
マオは触りながら質問するがナイラは淡々と答える。
「首都の警護をしないなら代わりにこれを使って全ての暴動を止めてこいって」
「そんなこと言われても使い道が分からないじゃない」
ヒルダが腰に手を当てながら言う傍らでブライトがまじまじと金属の傍らを見つめていた。
「これって・・・・・・もしかしてエンジンじゃねぇか?しかしこれをどこで手に入れたんだ?」
「バルカの北で見つけたって言ってた」
「バルカの北だと?」
ヴェイグはおもむろにワールドマップとディスカバリーを照らし合わせた。
すると、そこには黄金の飛行型模型が記されていた。
大昔に空を滑空していた機械の模型とされていたが、もしもこれが模型ではなく本物なのだとしたら、このエンジンは飛空機器の一部ということになる。
「もしかして、空から世界中を廻ってこいってこと?」
「だから知らないって言ってる・・・・・・!!」
マオの質問に対してナイラはイラついたように睨みつけ、マオは後ろ髪をかいた。
「とりあえず模型があるところまで行ってみようよ。大昔のものでも僕のフォルスを使えば再生できるかもしれないし」
「いや、おそらくそれは無理だ」
カインの提案をヴェイグは即座に否定する。
「俺達が見つけた時には既に胴体部分しかなかった。そんな状態でも再生ができるのか?」
「部品の位置を再生するのが無理なら時間を戻す意味で再生すればなんとかなるかも。ちょっと力を多めに使うけど」
カインは笑顔で言う。
しかしジークは納得できない。
すると、
「いや、別の方法を探すべきだ」
ジークではなくユージーンが否定した。
「俺達はサレ達と戦ったばかりのうえにまだ6芒星との戦闘も控えている。ここで無駄に力を消費するのは得策ではないな」
「じゃあどうすんの?」
ジンが質問するが、現状カインの力を使うしかない。
ジークは必死に思考を巡らせる。
このままでは親友の寿命がまた縮んでしまう。
後どの程度残っているかも分からないのに。
「ん?そういえば・・・・・・」
親友といえば以前、ジークがカインを探している時、同じく友を探している人物と出会ったことを思い出した。
確かそいつは友を探すために空を飛ぼうとしていなかったか。
「なぁ、ラジルダ跡に行かないか?」
ジークの提案に全員が首を傾げ、未だにジークの背中にくっついていたフィオナは無意識にジークの袖を強く握った。
確かにフィオナにとって沈んだ故郷であり、悪夢の始まりである地へ行くのは酷かもしれない。
しかしジークはフィオナの手を上からそっと握った。
「・・・・・・え?」
「カインを探してる時にラジルダの丘で空を飛ぼうとしているやつに会ったんだ。どこまで完成してるか分からねぇけど、ラジルダの近くの街ならフィオナの父親、ギュナルスがいる確率だって高いだろ?だから」
「良いんじゃない?行ってみようヨ!」
ジークの意見に全員が頷いた。
「確かに、サレとトーマがバルカに居たことを考えればギュナルスと関係の深いラジルダ方面にやつがいる可能性は高いな」
「じゃ」
意見が纏まったことを見届けたナイラはまた影の中に消えてしまった。
空を見上げれば視界を妨げていた霧は少し薄くなっていた。
元々バルカは霧に包まれているため元々これぐらいだったのかもしれないが、少なくとも黒い霧が薄くなったということはユリスの影響も弱まったということだろう。
ならば今地面に倒れ込んでいる住民達も再び起き上がっても暴動まではいかないはず。
そう考えた一同はラジルダ方面にいくために再びバルカ港へと向かう。
「ラジルダに行くとなると、ピピスタ経由か」
以前カインを探しに行く際にジークも通ったが、ラジルダ港が使えないため近年ピピスタの近くに簡易性の港が設けられており、そこからラジルダ跡地へ行くことができる。
「ピピスタか〜。暑いんだろうなぁ〜」
マオとティトレイは灼熱の暑さを思い出し、少し憂鬱になった。
「俺はノルゼンから行くよりかなりマシだけどな」
「それはジークが寒いの苦手だからだろ?」
ティトレイは苦笑いしながらジークの後頭部を叩くと、その間にカインが入った。
「大丈夫だよジーク君。寒かったら僕が手を握っててあげるから!」
「それは鬱陶しいな」
ジークとカインの会話を聞きながらフィオナは先程ジークに握られた手を見つめていた。
「手、か・・・・・・」
そうこうしているうちに一同はバルカ港へと到着した。
しかし港のあちこちから煙が上がっていた。
船着場まで行ってみると幸い露店や建物に被害はなかったが、船が全て運行不可能となっていた。
「どういうことだこれは?」
ユージーンが近くにいた船員に話を聞くとバイラスの大群が攻めてきた時に船が巻き添えをくったとのことだった。
更に他の港からバルカ港へと帰還する船も、バルカの安全が確認できないため欠航状態にあるとのことだった。
「ちっ、こんな時に・・・!」
ヴェイグは苛立ちを抑えようと拳を握る。
「仕方ねぇ、今日はここで休もう。どうせ焦ってもどうしようもねぇし、休息も必要だろ?」
ブライトの言うとおり、最早休むしか他にできることはなかった。
ヴェイグ達は歯痒さを感じながらもバルカ港の宿屋へと向かった。
二階建ての宿屋へ入るとロビーはがらんとしていた。
船は運行していないため旅行客もおらず、バルカにいた人々も暴動やら復興やらで首都の宿屋で休息をとるものが多い。
「いらっしゃいませ!」
臨時で雇われた兵士が受付で対応しており、ヴェイグはチェックインをすませる。
非常事態では民間の店主は避難勧告が通告され、代わりに軍から派遣されることは珍しいことではない。
だがフィオナは不満なのか眉間に皺を寄せていた。
「まさか料理も兵隊さんが作ってる訳ないわよね?」
「料理人も兵士だヨ。遠征とかでよく作るから基本的に全員作れるんだよ」
「軍隊仕込みの料理というのもなかなか味わえるものではないぞ?」
「あれって栄養価は高いけど味が素気無いのよね・・・・・・」
ユージーンは自慢するように言うがヒルダの横槍によりフィオナの口がヘの字に曲がった。
「厨房は借りれるんだろ?だったら俺が作ってやるよ」
今日は色々なことがあって疲れていたためジークも晩飯くらいは味のあるものを食べたかった。
ただそれだけの理由で提案したのだがフィオナの目が異様にキラキラと輝いていた。
「でもジークさんも疲れているんじゃないですか?」
「そういう事なら俺達も手伝うぜ!なぁマオ?」
「ティトレイの見張り役が必要だもんね〜」
ティトレイがどういう意味だとマオを追い掛け回し、マオは笑いながら逃げる。
「ティトレイって料理下手なの?」
ルルがこっそりとヴェイグに訪ねるとヴェイグは苦笑いした。
「下手という訳じゃない。ただ、あいつには前科があるからな」
ヴェイグの答えを聞いてもルルは首を傾げるだけだった。
それから数時間後、日が暮れたであろう時間に三人の料理人によるディナーが完成し、一同は食卓についた。
そんな中でアニーがスープをまじまじと見つめていた。
「あのう・・・・・・これを作ったのってもしかして・・・・・・」
「おっ、よく気付いたなぁアニー。ティトレイ様特性のキノコスープだぜ!」
瞬時にヴェイグ、ユージーン、ヒルダの視線がキノコスープに注がれた。
「これが噂の・・・・・・」
噂のキノコスープを飲んだことのないヒルダは生唾をゴクリと飲み込んだ。
いつも冷静なヒルダが狼狽(うろた)える珍しい光景にフィオナ達はそちらに目線が釘付けになる。
「心配しなくても大丈夫だヨ!それ、ただのキノコだから!」
マオは親指をグッと突き出すと、ヴェイグ達は同時に安堵の溜息をついた。
彼等に一体何があったのか、ジーク達には知る由もなかった。
こうして談笑を交えて食事が始まった。
「そういえばフォルスの研究なんてやってたんだね」
昼間のハック達との会話を思い出してカインが誰ともなしに会話をふるとブライトがスプーンをユラユラと揺らした。
「研究なんてかなり前から始まってたろ。その論文が図書館に貯蔵されてるし、授業で取り上げられるのだってその研究のおかげだろうが。ただ、二つのフォルスを複合する実験を行っているってのは初耳だがな」
ブライトはユージーンを睨むと、彼はスプーンをテーブルに置いた。
「すまん、その件に関しては俺も初耳でな。正直どうしたものかと思っていたところだ」
「複合のフォルスを探してるって言ってたよね?」
マオは思い出すようにこめかみに人差し指を当てる。
「それってジンの『結合』のフォルスだよね。何であの時知らないって言ったの?」
それまでルルへパンを切り分けていたジークの手が止まる。
「前にブライトが言ってたように俺達二文字のフォルスを持つ者は軍事利用されないようにクインシェルを出なかったんだ。結界まで張ってな。なのに実験になんて使わせる訳にはいかねぇだろ。結界が無くなって集落の出入りは自由になったが軍事利用なんて絶対にさせない。ましてや実験なんて何をされるか分かったもんじゃねぇしな」
「兄さん・・・・・・」
話も終わったことで再びルルにパンを切り分けてやろうと手元をみると既に均等にスライスされたパンをルルが頬張っていた。
「ジーク兄さん、話が長いんだもん。ジン兄さんがパパっと切ってくれたよ?」
「てめぇ・・・・・・」
「あれ?兄さん、それどころじゃなそうだったから代わりにと思ったんだけど・・・・・・」
ジンの空回った気遣いを他所にジークのシスコン具合を眺めながら食事は続いていった。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート14】
takeshi「ども〜!衝撃のファーストブリッドなtakeshiです」
チャリティ「は?」
takeshi「今回は話の流れ的に時間を置いて読まずに一気に読んでいただきたく、沢山書きました!なのでここから先は一気に読んでくださいね!」
チャリティ「本編を書いた分だけおまけもあるから大変よね」
takeshi「それと一つ謝罪があります。前回のおまけにてエクシリア勢が四季(指揮)の件について触れていますが、それは今回の本編の内容とリンクしています。前回のおまけを書いている時には既に今回の本編内容までは書き終わっていた状態だったので、でっきり前回の本編の内容の中に入っていると勘違いしてしまいました」
チャリティ「あの時私も聞いてて訳が分からなかったわ」
takeshi「本当にすみませんでした。で、本編の話なのですが今回は空を滑空する機械、つまり飛行機が出てきましたね。本編中に何度も出てくるディスカバリーポイントの記録によると古代の文明で本当に使われていたとのことです」
チャリティ「今じゃ考えられないわね」
takeshi「ゲーム本編ではシャオルーンが飛行機でしたからね。更に他のディスカバリーポイントもこの小説内においては重要な役割を担っていきます」
チャリティ「ちなみにディスカバリーポイントっていうのはフィールドを歩いていると突然発見するオブジェクトとか観光名所のことよ」
takeshi「そして今回宿屋の受付を兵士がやっていましたが、これもリバースの世界ではよくあることです。ラジルダが軍に占拠された時やベルサスで処刑未遂が起きた時、宿屋の店主が兵士に変わったことがあるんです」
チャリティ「あぁ、そういえばラジルダといえばアレよね・・・・・・」
takeshi「そうなんです。ここで一度は書いておかないとと思っていたのですが、震災が起きてからラジルダで起きたことをどう表記すれば良いのかずっと悩んでいました。リバースが発売された当初はもちろん、この小説を書き始めた頃はまさか現実世界でも同じことが起きるとは思ってもみなかったので安易に取り上げていましたが、実際に起きてしまうとラジルダの話題を出す度にいたたまれない気持ちになります。ただ、物語の進行上どうしても避けては通れない道であり、その過去があるからこそ彼女達の今があります。なので不謹慎と思う方もいらっしゃるとは思いますが、彼女達がその傷にどう立ち向かっていくのか、見守ってくださると幸いです」
チャリティ「私達は東北を全力で応援しています!!」
takeshi「それはなんかあざとすぎる気が・・・・・・」
チャリティ「あら?」
takeshi「さて、それは兎も角としてですね。ここでチャリティさんとはしばらくお別れです!」
チャリティ「え!?」
takeshi「ここは本編中に出番もなく、サイドストーリーが進行している訳でもない人がくる場所なので、この台本を持ってさっさとお行きなさい」
チャリティ「台本!?」
takeshi「恐らく今回の更新分の最後辺りにまた帰ってこられると思いますが、最後に一言どうぞ」
チャリティ「えぇっと、ロディ!同じスターチャイルドとして負けるんじゃないわよ!!」
takeshi「あぁ、それで前回仲良くなってたんですね・・・・・・。ではまた〜」
―――おまけ―――
ロンドリーネ「さて!次はシンフォニアのテーブルが注文する番だよ!ご注文をどうぞ☆」
エミル「僕、唐揚げが食べたいな」
マルタ「それはエミルじゃなくて中の人が、でしょ?」
シェリア「中の人?・・・・・・ねぇアスベル、中に人がいるの?」
アスベル「いないから!!中に人なんているわけないじゃないか!!」
シェリア「・・・・・・本当に?」
アスベル「当たり前だろ!?だから早くその鉈を捨てるんだ!!」
エステリーゼ「鉈?」
キール「ん?なんか喉がむずむずするような・・・・・・」
プレセア「これだけ種類があると悩みますね」
ジーニアス「プ、プレセアは、この中だったら何が好きなの?」
リーガル「アリシアはハンバーグを作るのが得意だった」
ゼロス「おっさん・・・・・・暗い話を差し込むのはやめようぜ?」
レイヴン「呼んだ?」
ゼロス「呼んでねぇよ!!」
ラザリス「で?結局誰が1番歌が上手いの?」
ロンドリーネ「ちょうどいいわ。二枚抜きしても良いからシンフォニアは悩んでいなさい!その間にこの勝負にかたを付けてやる!チャリティの後押しもあるしね!」
ローエン「しかしアカペラで歌うのですか?」
リッちゃん「ドラムは私がやるよん♪」
ミラ「ふむ、では私がギターをやろう」
フレン「ピアノではないのですか!?」
メル「あ、じゃあ私ベースやるよ」
ロンドリーネ「何ですって!?じゃあ私もギター兼ボーカルをやるわ!そうすればガールズ・デッド・ティータイムっていうユニットが組めるわ!」
ミラ「放課後・デッド・モンスターズの方が良いのではないか?」
レイア「そんな放課後嫌だよ!!」
カノンノE「メルがギターやれば私ベースやるよ?ユニット名は2Bティータイム!」
レイア「そこは放課後ペンシルズにしようよ・・・・・・」
ローエン「演奏には指揮者が必要。ここは私が・・・・・・」
スタン「俺がやるよ!」
グリューネ「ぎゃぼっ!!なら私がピアノやります!」
クロエ「グリューネさんのテンションが壊れたぞ!」
グリューネ「キーボードでも良いわよぉ〜」
チェスター「トランペットなら吹けるぜ?」
アーチェ「え〜、あんたがトランペット〜?リコーダーの間違いじゃないの?」
チェスター「お前は精々カスタネットだろ?」
アーチェ「むき〜!!!」
チャット「これだけ楽器を弾ける人がいるなら十分歌えるんじゃないんですか?」
メルディ「でも楽器ないな」
ヴェイグ「それなら俺達のを使うと良い」
シャオルーン「イレギュラー派生した武器だね」
メル「武器?」
ユージーン「多少生臭いかもしれんが、音は出るはずだ」
カノンノE「そういえばカノンノも楽器使えたよね?最近活動休止みたいだけど」
カノンノG「え?私!?」
ヴェイグ「そうか、ならばお前にこのギターを託そう」
アニー「あ、それって確か最後にフナムシみたいなバイラスを切ったやつですよね!」
カノンノG「いやーーーー!!!!!」
ヒルダ「残念ね。この場にチェロがあれば私も披露できたのだけれど」
ルーティ「ねぇねぇ。考えたんだけど、流石にお腹も膨れてきたし不味い料理が運ばれて来てもロニ1人じゃ対処しきれないだろうから今のうちに助っ人呼ばない?」
ロニ「流石ルーティさん!でも俺は食べる前提なんですね・・・・・・」
マリー「私もまだ食べられるぞ!」
ウッドロウ「マリーさんに無理をさせる訳にはいくまい。それに、1皿増えた所で何、気にすることはない。ロニ君、呼びたまえ」
ロニ「分かりました!口寄せの術!!」
ディオ「ん?誰か来たぞ?」
ダリス「富竹フラッシュ!」
マリー「ダリス!」
ダリス「やぁマリー。呼ばれた気がしたので来てしまったよ」
ジューダス「これはいい処理係が来たな」
ハロルド「ディムロス生きてる〜?」
ディムロス『ハロルドよ・・・・・・。死ぬことができないというのは残酷なものなのだな・・・・・・』
ウィル「よし、俺達も呼ぶぞ!やれセネル!」
セネル「何で俺なんだよ!?こういうのはクロエが・・・・・・て、クロエはどこだ?」
ジェイ「クロエさんならミミーさんに連れられてアイスクリームがどうのとか言いながら歌いに行きましたよ?」
カイル「友情の物語だな」
ウィル「仕方が無い。不本意だが俺がやろう」
モーゼス「なんじゃと!?」
ウィル「アウェイキング!!」
エトス「また誰か来たミたいだけド・・・・・・」
ウィル「ちなみに途中文は元ネタアニメのイメージを壊しかけないので中略した」
ヴァーツラフ「是非もなし」
セネル「ヴァーツラフ!!」
ヴァーツラフ「案ずるなセネル。今日のところは飯を食いに来ただけだ」
ユーリ「何だあいつ、咄嗟に剣を構えちまったが別人なのか?」
リタ「油断はしないほうが良いわね」
デューク「貴様等は食事も落ち着いてできないのか」
エステリーゼ「そういうデュークはさっきから一口も食事してません・・・・・・」
ローエン「どれ、我々も1人増やしましょうか」
アルヴィン「おいおい、勝手にそんなことして良いのかよ?」
ローエン「皆さん歌いに行ってしまったようですし、人海戦術というのも立派な戦術の一つです」
ティポ「でも誰が呼ぶの?」
ローエン「そこは今順番待ちしているジュードさんに手伝ってもらいましょう。ジュードさん!!」
ジュード「分かったよローエン!立ち上がれ僕の分身!ライド!!」
シャーリィ「今度は誰かな?」
イバル「俺様華麗に登場―!!」
ガイ「何だ?俺の真似か?」
イバル「真似だと?違うな。今のは俺のオリジナルだ。そもそもお前が偽物だろ!」
ローエン「おやおやイバルさんが来ましたか。なるほど、イバルさんはジュードさんの分身だったのですね」
イバル「気持ちの悪いことをぬかすな!誰があんな偽巫子の分身か!」
コレット「え?あなたも偽神子なの?私もよく偽神子って言われるんだ〜」
ジュード「え?あ・・・・・・はぁ・・・・・・」
ロイド「なぁなぁ!確かこういうのって1番頭の悪い人間が二枚抜きとかできる特権を持ってたよな!?」
ジーニアス「あ〜、あったねそんなの」
しいな「確かにあんたはテイルズ1の馬鹿かもしれないけど、まさか二つも頼むのかい?」
ジューダス「待て。馬鹿さ加減ならばこの親子がダントツだろう」
ジェイド「おやおや、うちのルークも負けていませんよ?」
ジェイ「いえいえ、モーゼスさん以上のバカはどこにもいないでしょう」
ジーニアス「じゃあ今言われた4人に聞くけど、剣を二つ持ったら強さも二倍になると思う?」
モーゼス「ワイ、剣は使わんから分からんわ」
スタン「剣を二つじゃなくて、剣と槍とかだったらもっと強くなるんじゃないか?」
カイル「そのネタ、レディアントマイソロジーでやらなかった?」
ルーク「剣を二つも持ち歩いてたら重すぎて街ん中歩くだけで疲れちまうんじゃねぇの?」
ジュード「なんか論点がずれてる!?」
ユーリ「要するに、全員同類ってことだろ」
クラトス「待てロイド。本当に二枚抜きをするのか?」
ロイド「当たり前だ!最後まで残るなんてクラトスも嫌だろう!?」
クラトス「それは・・・・・・そうなのだが・・・・・・」
リーガル「確かにあの番組では二枚抜きをすれば順位が当たる可能性も上がるだろうが、料理人を当てる場合、無意味なのだと思うのだが」
ジーニアス「そうだよね・・・・・・」
ロイド「馬鹿野郎!一つの料理を頼むよりも二つ頼んだ方が当たる確率だって二倍になるだろ!!」
コレット「二刀流と一緒だね!」
ゼロス「いや二つ頼んでも確率上がらねぇから!!」
ロイド「ゼロス」
ゼロス「な、なんだよ・・・・・・」
ロイド「俺を信じろ!お前が信じるお前でもねぇ、俺が信じるお前でもねぇ。俺が信じる俺を信じろ!!」
メル「そんなセリフだったっけ?」
ゼロス「ロイド・・・・・・」
ロイド「俺達を!」
ロイド&ゼロス&カメニン「「誰だと思っていやがる!!!」」
ロイド「さぁ注文だぁ!!」
リアラ「ちょっと待ってください!私達もう助っ人カード使っちゃったんですけど、二皿注文した場合、ペナルティはどうなるんですか?」
ナナリー「リアラ久しぶりに喋ったね・・・・・・」
ウッドロウ「私よりもセリフが無かったのではないか?」
ルーティ「作者のボケはどうでも良いから結局ペナルティはどうなんのよ!?」
ロンドリーネ「二皿で1セットだから勿論2セットになるよ。つまり合計4皿になるね!」
プレザ「これってまずいんじゃない?」
ジェイ「ちっ、これだからバカは嫌いなんです」
ティポー「やめてー!!」
ロイド「どこまでも掘り進む!それが俺達!」
ロイド&ゼロス&カメニン「「「グレン団だ!!」」」
ソフィ「カメニン、楽しそう」
ロンドリーネ「オッケー!じゃあ注文を言ってみよっか!」
〜続く〜
takeshi「ども〜!衝撃のファーストブリッドなtakeshiです」
チャリティ「は?」
takeshi「今回は話の流れ的に時間を置いて読まずに一気に読んでいただきたく、沢山書きました!なのでここから先は一気に読んでくださいね!」
チャリティ「本編を書いた分だけおまけもあるから大変よね」
takeshi「それと一つ謝罪があります。前回のおまけにてエクシリア勢が四季(指揮)の件について触れていますが、それは今回の本編の内容とリンクしています。前回のおまけを書いている時には既に今回の本編内容までは書き終わっていた状態だったので、でっきり前回の本編の内容の中に入っていると勘違いしてしまいました」
チャリティ「あの時私も聞いてて訳が分からなかったわ」
takeshi「本当にすみませんでした。で、本編の話なのですが今回は空を滑空する機械、つまり飛行機が出てきましたね。本編中に何度も出てくるディスカバリーポイントの記録によると古代の文明で本当に使われていたとのことです」
チャリティ「今じゃ考えられないわね」
takeshi「ゲーム本編ではシャオルーンが飛行機でしたからね。更に他のディスカバリーポイントもこの小説内においては重要な役割を担っていきます」
チャリティ「ちなみにディスカバリーポイントっていうのはフィールドを歩いていると突然発見するオブジェクトとか観光名所のことよ」
takeshi「そして今回宿屋の受付を兵士がやっていましたが、これもリバースの世界ではよくあることです。ラジルダが軍に占拠された時やベルサスで処刑未遂が起きた時、宿屋の店主が兵士に変わったことがあるんです」
チャリティ「あぁ、そういえばラジルダといえばアレよね・・・・・・」
takeshi「そうなんです。ここで一度は書いておかないとと思っていたのですが、震災が起きてからラジルダで起きたことをどう表記すれば良いのかずっと悩んでいました。リバースが発売された当初はもちろん、この小説を書き始めた頃はまさか現実世界でも同じことが起きるとは思ってもみなかったので安易に取り上げていましたが、実際に起きてしまうとラジルダの話題を出す度にいたたまれない気持ちになります。ただ、物語の進行上どうしても避けては通れない道であり、その過去があるからこそ彼女達の今があります。なので不謹慎と思う方もいらっしゃるとは思いますが、彼女達がその傷にどう立ち向かっていくのか、見守ってくださると幸いです」
チャリティ「私達は東北を全力で応援しています!!」
takeshi「それはなんかあざとすぎる気が・・・・・・」
チャリティ「あら?」
takeshi「さて、それは兎も角としてですね。ここでチャリティさんとはしばらくお別れです!」
チャリティ「え!?」
takeshi「ここは本編中に出番もなく、サイドストーリーが進行している訳でもない人がくる場所なので、この台本を持ってさっさとお行きなさい」
チャリティ「台本!?」
takeshi「恐らく今回の更新分の最後辺りにまた帰ってこられると思いますが、最後に一言どうぞ」
チャリティ「えぇっと、ロディ!同じスターチャイルドとして負けるんじゃないわよ!!」
takeshi「あぁ、それで前回仲良くなってたんですね・・・・・・。ではまた〜」
―――おまけ―――
ロンドリーネ「さて!次はシンフォニアのテーブルが注文する番だよ!ご注文をどうぞ☆」
エミル「僕、唐揚げが食べたいな」
マルタ「それはエミルじゃなくて中の人が、でしょ?」
シェリア「中の人?・・・・・・ねぇアスベル、中に人がいるの?」
アスベル「いないから!!中に人なんているわけないじゃないか!!」
シェリア「・・・・・・本当に?」
アスベル「当たり前だろ!?だから早くその鉈を捨てるんだ!!」
エステリーゼ「鉈?」
キール「ん?なんか喉がむずむずするような・・・・・・」
プレセア「これだけ種類があると悩みますね」
ジーニアス「プ、プレセアは、この中だったら何が好きなの?」
リーガル「アリシアはハンバーグを作るのが得意だった」
ゼロス「おっさん・・・・・・暗い話を差し込むのはやめようぜ?」
レイヴン「呼んだ?」
ゼロス「呼んでねぇよ!!」
ラザリス「で?結局誰が1番歌が上手いの?」
ロンドリーネ「ちょうどいいわ。二枚抜きしても良いからシンフォニアは悩んでいなさい!その間にこの勝負にかたを付けてやる!チャリティの後押しもあるしね!」
ローエン「しかしアカペラで歌うのですか?」
リッちゃん「ドラムは私がやるよん♪」
ミラ「ふむ、では私がギターをやろう」
フレン「ピアノではないのですか!?」
メル「あ、じゃあ私ベースやるよ」
ロンドリーネ「何ですって!?じゃあ私もギター兼ボーカルをやるわ!そうすればガールズ・デッド・ティータイムっていうユニットが組めるわ!」
ミラ「放課後・デッド・モンスターズの方が良いのではないか?」
レイア「そんな放課後嫌だよ!!」
カノンノE「メルがギターやれば私ベースやるよ?ユニット名は2Bティータイム!」
レイア「そこは放課後ペンシルズにしようよ・・・・・・」
ローエン「演奏には指揮者が必要。ここは私が・・・・・・」
スタン「俺がやるよ!」
グリューネ「ぎゃぼっ!!なら私がピアノやります!」
クロエ「グリューネさんのテンションが壊れたぞ!」
グリューネ「キーボードでも良いわよぉ〜」
チェスター「トランペットなら吹けるぜ?」
アーチェ「え〜、あんたがトランペット〜?リコーダーの間違いじゃないの?」
チェスター「お前は精々カスタネットだろ?」
アーチェ「むき〜!!!」
チャット「これだけ楽器を弾ける人がいるなら十分歌えるんじゃないんですか?」
メルディ「でも楽器ないな」
ヴェイグ「それなら俺達のを使うと良い」
シャオルーン「イレギュラー派生した武器だね」
メル「武器?」
ユージーン「多少生臭いかもしれんが、音は出るはずだ」
カノンノE「そういえばカノンノも楽器使えたよね?最近活動休止みたいだけど」
カノンノG「え?私!?」
ヴェイグ「そうか、ならばお前にこのギターを託そう」
アニー「あ、それって確か最後にフナムシみたいなバイラスを切ったやつですよね!」
カノンノG「いやーーーー!!!!!」
ヒルダ「残念ね。この場にチェロがあれば私も披露できたのだけれど」
ルーティ「ねぇねぇ。考えたんだけど、流石にお腹も膨れてきたし不味い料理が運ばれて来てもロニ1人じゃ対処しきれないだろうから今のうちに助っ人呼ばない?」
ロニ「流石ルーティさん!でも俺は食べる前提なんですね・・・・・・」
マリー「私もまだ食べられるぞ!」
ウッドロウ「マリーさんに無理をさせる訳にはいくまい。それに、1皿増えた所で何、気にすることはない。ロニ君、呼びたまえ」
ロニ「分かりました!口寄せの術!!」
ディオ「ん?誰か来たぞ?」
ダリス「富竹フラッシュ!」
マリー「ダリス!」
ダリス「やぁマリー。呼ばれた気がしたので来てしまったよ」
ジューダス「これはいい処理係が来たな」
ハロルド「ディムロス生きてる〜?」
ディムロス『ハロルドよ・・・・・・。死ぬことができないというのは残酷なものなのだな・・・・・・』
ウィル「よし、俺達も呼ぶぞ!やれセネル!」
セネル「何で俺なんだよ!?こういうのはクロエが・・・・・・て、クロエはどこだ?」
ジェイ「クロエさんならミミーさんに連れられてアイスクリームがどうのとか言いながら歌いに行きましたよ?」
カイル「友情の物語だな」
ウィル「仕方が無い。不本意だが俺がやろう」
モーゼス「なんじゃと!?」
ウィル「アウェイキング!!」
エトス「また誰か来たミたいだけド・・・・・・」
ウィル「ちなみに途中文は元ネタアニメのイメージを壊しかけないので中略した」
ヴァーツラフ「是非もなし」
セネル「ヴァーツラフ!!」
ヴァーツラフ「案ずるなセネル。今日のところは飯を食いに来ただけだ」
ユーリ「何だあいつ、咄嗟に剣を構えちまったが別人なのか?」
リタ「油断はしないほうが良いわね」
デューク「貴様等は食事も落ち着いてできないのか」
エステリーゼ「そういうデュークはさっきから一口も食事してません・・・・・・」
ローエン「どれ、我々も1人増やしましょうか」
アルヴィン「おいおい、勝手にそんなことして良いのかよ?」
ローエン「皆さん歌いに行ってしまったようですし、人海戦術というのも立派な戦術の一つです」
ティポ「でも誰が呼ぶの?」
ローエン「そこは今順番待ちしているジュードさんに手伝ってもらいましょう。ジュードさん!!」
ジュード「分かったよローエン!立ち上がれ僕の分身!ライド!!」
シャーリィ「今度は誰かな?」
イバル「俺様華麗に登場―!!」
ガイ「何だ?俺の真似か?」
イバル「真似だと?違うな。今のは俺のオリジナルだ。そもそもお前が偽物だろ!」
ローエン「おやおやイバルさんが来ましたか。なるほど、イバルさんはジュードさんの分身だったのですね」
イバル「気持ちの悪いことをぬかすな!誰があんな偽巫子の分身か!」
コレット「え?あなたも偽神子なの?私もよく偽神子って言われるんだ〜」
ジュード「え?あ・・・・・・はぁ・・・・・・」
ロイド「なぁなぁ!確かこういうのって1番頭の悪い人間が二枚抜きとかできる特権を持ってたよな!?」
ジーニアス「あ〜、あったねそんなの」
しいな「確かにあんたはテイルズ1の馬鹿かもしれないけど、まさか二つも頼むのかい?」
ジューダス「待て。馬鹿さ加減ならばこの親子がダントツだろう」
ジェイド「おやおや、うちのルークも負けていませんよ?」
ジェイ「いえいえ、モーゼスさん以上のバカはどこにもいないでしょう」
ジーニアス「じゃあ今言われた4人に聞くけど、剣を二つ持ったら強さも二倍になると思う?」
モーゼス「ワイ、剣は使わんから分からんわ」
スタン「剣を二つじゃなくて、剣と槍とかだったらもっと強くなるんじゃないか?」
カイル「そのネタ、レディアントマイソロジーでやらなかった?」
ルーク「剣を二つも持ち歩いてたら重すぎて街ん中歩くだけで疲れちまうんじゃねぇの?」
ジュード「なんか論点がずれてる!?」
ユーリ「要するに、全員同類ってことだろ」
クラトス「待てロイド。本当に二枚抜きをするのか?」
ロイド「当たり前だ!最後まで残るなんてクラトスも嫌だろう!?」
クラトス「それは・・・・・・そうなのだが・・・・・・」
リーガル「確かにあの番組では二枚抜きをすれば順位が当たる可能性も上がるだろうが、料理人を当てる場合、無意味なのだと思うのだが」
ジーニアス「そうだよね・・・・・・」
ロイド「馬鹿野郎!一つの料理を頼むよりも二つ頼んだ方が当たる確率だって二倍になるだろ!!」
コレット「二刀流と一緒だね!」
ゼロス「いや二つ頼んでも確率上がらねぇから!!」
ロイド「ゼロス」
ゼロス「な、なんだよ・・・・・・」
ロイド「俺を信じろ!お前が信じるお前でもねぇ、俺が信じるお前でもねぇ。俺が信じる俺を信じろ!!」
メル「そんなセリフだったっけ?」
ゼロス「ロイド・・・・・・」
ロイド「俺達を!」
ロイド&ゼロス&カメニン「「誰だと思っていやがる!!!」」
ロイド「さぁ注文だぁ!!」
リアラ「ちょっと待ってください!私達もう助っ人カード使っちゃったんですけど、二皿注文した場合、ペナルティはどうなるんですか?」
ナナリー「リアラ久しぶりに喋ったね・・・・・・」
ウッドロウ「私よりもセリフが無かったのではないか?」
ルーティ「作者のボケはどうでも良いから結局ペナルティはどうなんのよ!?」
ロンドリーネ「二皿で1セットだから勿論2セットになるよ。つまり合計4皿になるね!」
プレザ「これってまずいんじゃない?」
ジェイ「ちっ、これだからバカは嫌いなんです」
ティポー「やめてー!!」
ロイド「どこまでも掘り進む!それが俺達!」
ロイド&ゼロス&カメニン「「「グレン団だ!!」」」
ソフィ「カメニン、楽しそう」
ロンドリーネ「オッケー!じゃあ注文を言ってみよっか!」
〜続く〜