第31話『付き合いが長いと分かってしまうこともある(ver.ジン)』
既に日課となった授業が終わり、少し頭を冷やそうとジークは二階の小さなテラスに出た。
黒い霧が薄くなったとはいえバルカ特有の霧も手伝って空を仰いでも星は一つも見えなかった。
「やっぱりここにいたんだ」
振り返るとジンがテラスへの入口のガラス戸を開けていた。
「やっぱりって何だよ?」
ジークは手すりに背中を預けると、ジンも同じように隣で背中を預けた。
「兄さんってよく夜になると外に出て行くクセがあるんだよね」
「そうか?」
言われて思い返してみれば旅に出てから結構な出没率だったことに気付く。
「・・・・・・よく見てんな」
「長い間一緒にいるしね。よく見てれば分かるっていうか、分かっちゃうこともあるんだよ」
「まぁ、そうかもな」
返事はしたものの生返事だった。
フィオナのことはよく見ているつもりだが未だに何を考えているのか分からない時がある。
たまに彼女のフォルスで心の声が聞こえてしまう時もあるが、それでも分からない時は分からない。
そんなことを思っていると、ジンが何かを言いたそうにチラチラとこちらを見ていた。
「言いたいことあるならさっさと言えよ。溜め込んでても気持ち悪いだろ?」
「あぁ、うん。えっと、昼間はありがとう。フォルスのこと黙っててくれて嬉しかった。俺もあの時どうしたらいいか分からなかったから」
「お前はいつも落ち着いてるくせに土壇場に弱いからな」
ジークは笑うとジンも苦笑いした。
「あと、俺がヒューマのヒトを殴った時かばってくれたでしょ?覚悟はしてたけどハーフを蔑むあの目を直接見てたら正直キツかったと思う」
「ハーフが蔑まれてるって知ってたのか?」
「俺はクインシェルを出た後カイン君と一緒にいたからさ。サレやトーマからいろいろ聞いた」
「そういやそうだったな」
カインがユリスを再生して世界を滅ぼそうと6芒星を引き連れていたことがもう遠い昔のように感じる。
「イーリスに会いたくなっちゃったな。今頃何してるんだろ」
「帰るか?」
これはジークの些細な嫌味だった。
たとえ弟だろうと幸せ発言には苛立つものがある。
「こんな中途半端なところで帰ったら嫌われるだろうね」
イーリスの人格には二つあるが、どちらが出てきても結局は優しく軽蔑されるか、散々に罵られるかのどちらかで、ジンにとっての明るい未来等待っていなかった。
「それとさ」
ジンは話の流れを変えるかのように、体をジークの方へ向けた。
「兄さんはいつまでシスコンのフリを続けるの?」
「・・・・・・は?」
ジークもジンの方へ体を向ける。
「これまで黙って見てたけどさ、やっぱり無理があるんじゃない?」
「意味分からねぇな。シスコンかどうかは兎も角として俺はルルを大事にしているだけだ」
「だからそれが無理あるんだって。ルルも迷惑してんじゃん」
「あれはただの反抗期だ」
「じゃあさ、もしルルに好きな人ができたらどうする?いや、できてたらどうする?結婚したいって言ったら?」
「まずは相手を殴る。話はそこからだな」
「それはテンプレ・・・・・・いや、ただの受け売りにすぎないよね」
「なんだと!?」
ジークは拳を強く握りながら怒鳴るがジンは一歩も引かず冷静なままだ。
「ルルはもう1人でも大丈夫だよ。性格はあんなだけど、それでも兄さんを追って1人で集落を出たんだ。昔のルルなら考えられないだろ?」
「てめぇは迷いの森でルルに会わなかったからそんなことが言えるんだろうが!!」
何が起きたかはあらすじ参照です。
ジークとジンは睨み合い、しばらくその均衡が続いた。
しかし一瞬だけジンの耳がピクッと動くと彼は溜息をついてテラスから宿屋の廊下へと繋がるガラス戸をくぐった。
「言いたいことは言ったよ。あとはごゆっくり」
ジンはそのまま階段を下っていくとフィオナとすれ違った。
一方でジークもヒートした呼吸を沈めようと海を見ながら深呼吸した。
「こんなところで深呼吸?煙吸うわよ?」
ジークが飛び跳ねるように振り返ると、そこにはフィオナがいた。
「何でここに・・・・・・?」
「ん?あんたならここかな〜と思って」
フィオナにも読まれていた。
しかし彼女の場合ジークと同じで勉強で熱くなった頭を冷やしにきたら偶然会ったという可能性も否定できない。
「今日は自主練どうすんの?」
フィオナの言う自主練には特訓と勉強会の二つの意味が込められている。
しかし今日はバイラスの大群を退治したうえにサレとトーマとも戦い、そこまで体力は残っていない。
それを察して今日のブライトの授業も少し短目だったぐらいだ。
「今日はいいんじゃねぇか。それにもう勉強の方は大丈夫そうだしな」
ジークは授業中フィオナの様子を見ていたがきちんと付いていけているようだった。
勉強会は元々フィオナが授業に付いていけるように基礎を固めるために行っていたため、もうその必要性はなくなってしまった。
「ジークも、結構戦えるようになったじゃない」
お互い秘密特訓の成果はあった。
あとは実践経験を積むのみと言わざるをえないほどに。
「自主練も、もう必要無いかもな」
ジークは平然を装いながら言うが、内心では否定してもらいたかった。
だがもう自主練を続ける必要がないのは確かな話で、フィオナもそれは気付いているはずだ。
「そうね。でも・・・・・・またたまには自主練だけでも・・・・・・」
フィオナはストレス発散のためにも特訓だけはしたかった。
しかし、何故か言い淀んでしまいボソボソとしか声にならなかった。
フォルスを使って直接心に訴えかける手もあったが小さくても声に出してしまえばそれは心の声ではなくなりフォルスには乗っていかない。
(もう!面倒ね、このシスコン!!)
「さっきジンにも同じようなことを言ったが、俺はシスコンじゃねぇ」
別に届かなくてもいい声が届いてしまい、脱力感からフィオナはうなだれながら腕をブランとぶら下げた。
「ていうか、あんた達本当に仲良いわよね」
視線を落としたことでジークの手が視界に入ったフィオナは、極自然にジークの右手を握った。
「なっ!?」
ジークは動揺するがここで急に振り解くのも不自然かと思い、眉をピクピクさせながらポーカーフェイスを装った。
「あんたの手、昼間も思ったけど相変わらず冷たいわね」
そういえば昼間フィオナの手を握ったことを今頃になって思い出した。
あの時は無自覚だったため何とも思わなかったが、今は柔らかくて暖かい感触に無駄に意識してしまう。
「私ね、たまに思うの。私にも姉妹とかいたら一緒にお父さんを支えることができて、今みたいな状況にはならなかったんじゃないかって」
フィオナは無意識なのかギュっと強く握ってくる。
ジークは悩んだ。
フィオナの今の悩みは恐らく誰にも解決できない。
何もしてやれない。
できるのは、ただただ声をかけることだけ。
「無いものねだりしたって仕方ねぇだろ。それに、あぁしておけば良かったなんてのはただの結果論にすぎない。過去を後悔している暇があるなら一歩でも多く歩くのが賢明で、理想の未来に近づく近道なんじゃねぇの」
「後悔と反省の違い・・・・・・」
フィオナは相変わらずジークの手を握ったまま俯きながら呟くとジークは首を傾げた。
「マティアスが宿題だって。なんか分かりそうで分からないけど、進むしかないわよね!」
フィオナの表情がパッと明るくなり、笑顔が戻る。
「それにしても、ジークもたまには良い事言うのね?」
「歩き続けろってのは姉さんの受け売りだけどな」
そう、ジークはいつも姉にそう言い聞かされてきた。
母を失い悩んだ時も。
また別のことで悩んだ時も。
フィオナはジークの手を離すと舞うように回りながらテラスに設けられている簡易テーブルとイスのセットの内の奥側のイスに座った。
「昼間はありがとう。お礼に、ジークの過去話を聞いてあげる」
「その言い方、マティアスっぽいぞ?」
「良いからさっさと話す!ジークのお姉さんの話しも聞いてみたいし」
ジークは渋々フィオナの対面にあるイスに座ると、ジンの言葉を思い出しながら過去を思い出した。
ルルは昔と違って1人でもクインシェルを出れるという言葉を思い出しながら。
時は6年前、ジークが13歳の時代へ遡る。
「えー!?ジークお兄ちゃん来てくれないの!?」
星が瞬くクインシェルの海岸から少し離れた所に住居を構えるフリィース家の中から当時7歳のルルの声が響き渡った。
夕食後だったのかジークとジンはキッチンで食器を洗っており、そこに隣接するリビングのソファーではチャリティがアイスを食べていた。
その隣ではソファーの肘掛に身を乗り出しながらルルがジークの方を見ていた。
「うっせぇな。そもそも行くなんて一度も言ってねぇだろ」
ジーク達の通う学校では何年かに一度、10歳を境目に学年を分けて校外学習というものがある。
校外学習とは言っても所詮はクインシェルの中のみなため行く所は限られ、簡単に言ってしまえばピクニックのようなものである。
そして明日は10歳以下は校外学習(ピクニック)に行く事となっている。
勿論教師が先導するが他は全員10歳以下と大変不安なため保護者も同伴することになっている。
しかしフリィース家には母親はおらず父親も入院中のため保護者は不在なため、毎回ブライトが先導兼保護者の役をしていた。
ルルは学校に入って初めてのピクニック(校外学習)ということもあるが、家族と一緒にという点に大変惹かれていた。
そのためルルは1ヶ月前からピクニックの話題をする始末で、流石にジークもルルが校外学習を楽しみにしているのは分かっていた。
しかし、
「どうせ港までだろ?行こうと思えばいつでも行けるじゃねぇか」
「違うもん・・・・・・。いつもの港じゃないもん・・・・・・」
拗ねるように頬を膨らませるルルの頭を当時17歳のチャリティは棒アイスを咥えながら撫でる。
「じゃあお姉ちゃんと行こっか!ルルちゃんとピクニックだなんて超楽しみ♪」
「は?姉さん行くのかよ。じゃあ俺も行く」
食器を洗い終わり蛇口をしめるジークをジンは苦笑いしながら見た。
「いやいや、付いていける保護者は1人まででしょ?それに二人共授業はどうするのさ?」
「「休む!」」
チャリティとジークの即答は同時だった。
「1人だけなら私が付いて行くからジークはたまには学校へ行きなさいよ」
「明日はブライト先生がいないからリノア先生の授業か。姉さんの言うとおり、学校へ行くか」
「ダメ!!」
弟が珍しく学校に行くと言い、よしよしと頷いていたチャリティの隣でルルは指をグーにして否定した。
「・・・・・・じゃあジークが行く?」
困ったようにチャリティは向かい側のソファーに腰をかけるジークに問いかけるがジークは目を背けた。
「姉さんが行かねぇなら行かねぇよ」
「む〜〜〜〜!!!」
ルルは更に頬を膨らませ、目には涙を溜めていた。
そんな爆発寸前の爆弾を処理するためにジークの隣に座っていた当時9歳のジンが申し訳なさそうに手を上げた。
「一応・・・・・・俺も行くんだけど・・・・・・」
「「あ」」
チャリティとジークはこれまた揃って目を見開いた。
これでピクニックに行く生徒は2人。
つまり同伴できる保護者も2人となりジークとチャリティ両方が付いていくことができる。
これでルルも泣かずに済む。
しかし、
「ジン君が一緒に行くなら安心ね!」
「だな」
「ふぇっ?」
何故か二人共行かない方向になってしまった。
「え?あの?ジークお兄ちゃん?」
何とか流れを戻そうとルルは手をあたふたさせながらジークに話しかけるがジークはおもむろに立ち上がった。
「そういや明日の弁当作らねぇとな。何が良い?」
「卵焼き!!」
明日のお弁当に意識を持っていかれたルルは目を輝かせ、もう当初の目的等頭の片隅にも残っていなかった。
「ジンは?」
「あぁ、俺の分はいいよ」
ジンはさらっと言うと、ジークはぽかんとした。
弁当がいらないということは昼飯がいらないということなのだろうか?
「ふふ〜ん、イーリスちゃんに作ってもらうのね?」
チャリティが足を組みながら悪戯っ子のような表情で言うとジンの顔が瞬時に真っ赤に染まった。
「そっ、そんなんじゃねぇし!!」
「最近イーリスちゃんと仲良いもんねぇ。あ〜あっついあっつい。アイスまだあったかしら?」
「だから違うって!!」
ジンがバンッとテーブルを叩くがチャリティは悪戯が成功したかのようにご機嫌に、鼻歌交じりに冷蔵庫へ向かった。
〜続く〜
黒い霧が薄くなったとはいえバルカ特有の霧も手伝って空を仰いでも星は一つも見えなかった。
「やっぱりここにいたんだ」
振り返るとジンがテラスへの入口のガラス戸を開けていた。
「やっぱりって何だよ?」
ジークは手すりに背中を預けると、ジンも同じように隣で背中を預けた。
「兄さんってよく夜になると外に出て行くクセがあるんだよね」
「そうか?」
言われて思い返してみれば旅に出てから結構な出没率だったことに気付く。
「・・・・・・よく見てんな」
「長い間一緒にいるしね。よく見てれば分かるっていうか、分かっちゃうこともあるんだよ」
「まぁ、そうかもな」
返事はしたものの生返事だった。
フィオナのことはよく見ているつもりだが未だに何を考えているのか分からない時がある。
たまに彼女のフォルスで心の声が聞こえてしまう時もあるが、それでも分からない時は分からない。
そんなことを思っていると、ジンが何かを言いたそうにチラチラとこちらを見ていた。
「言いたいことあるならさっさと言えよ。溜め込んでても気持ち悪いだろ?」
「あぁ、うん。えっと、昼間はありがとう。フォルスのこと黙っててくれて嬉しかった。俺もあの時どうしたらいいか分からなかったから」
「お前はいつも落ち着いてるくせに土壇場に弱いからな」
ジークは笑うとジンも苦笑いした。
「あと、俺がヒューマのヒトを殴った時かばってくれたでしょ?覚悟はしてたけどハーフを蔑むあの目を直接見てたら正直キツかったと思う」
「ハーフが蔑まれてるって知ってたのか?」
「俺はクインシェルを出た後カイン君と一緒にいたからさ。サレやトーマからいろいろ聞いた」
「そういやそうだったな」
カインがユリスを再生して世界を滅ぼそうと6芒星を引き連れていたことがもう遠い昔のように感じる。
「イーリスに会いたくなっちゃったな。今頃何してるんだろ」
「帰るか?」
これはジークの些細な嫌味だった。
たとえ弟だろうと幸せ発言には苛立つものがある。
「こんな中途半端なところで帰ったら嫌われるだろうね」
イーリスの人格には二つあるが、どちらが出てきても結局は優しく軽蔑されるか、散々に罵られるかのどちらかで、ジンにとっての明るい未来等待っていなかった。
「それとさ」
ジンは話の流れを変えるかのように、体をジークの方へ向けた。
「兄さんはいつまでシスコンのフリを続けるの?」
「・・・・・・は?」
ジークもジンの方へ体を向ける。
「これまで黙って見てたけどさ、やっぱり無理があるんじゃない?」
「意味分からねぇな。シスコンかどうかは兎も角として俺はルルを大事にしているだけだ」
「だからそれが無理あるんだって。ルルも迷惑してんじゃん」
「あれはただの反抗期だ」
「じゃあさ、もしルルに好きな人ができたらどうする?いや、できてたらどうする?結婚したいって言ったら?」
「まずは相手を殴る。話はそこからだな」
「それはテンプレ・・・・・・いや、ただの受け売りにすぎないよね」
「なんだと!?」
ジークは拳を強く握りながら怒鳴るがジンは一歩も引かず冷静なままだ。
「ルルはもう1人でも大丈夫だよ。性格はあんなだけど、それでも兄さんを追って1人で集落を出たんだ。昔のルルなら考えられないだろ?」
「てめぇは迷いの森でルルに会わなかったからそんなことが言えるんだろうが!!」
何が起きたかはあらすじ参照です。
ジークとジンは睨み合い、しばらくその均衡が続いた。
しかし一瞬だけジンの耳がピクッと動くと彼は溜息をついてテラスから宿屋の廊下へと繋がるガラス戸をくぐった。
「言いたいことは言ったよ。あとはごゆっくり」
ジンはそのまま階段を下っていくとフィオナとすれ違った。
一方でジークもヒートした呼吸を沈めようと海を見ながら深呼吸した。
「こんなところで深呼吸?煙吸うわよ?」
ジークが飛び跳ねるように振り返ると、そこにはフィオナがいた。
「何でここに・・・・・・?」
「ん?あんたならここかな〜と思って」
フィオナにも読まれていた。
しかし彼女の場合ジークと同じで勉強で熱くなった頭を冷やしにきたら偶然会ったという可能性も否定できない。
「今日は自主練どうすんの?」
フィオナの言う自主練には特訓と勉強会の二つの意味が込められている。
しかし今日はバイラスの大群を退治したうえにサレとトーマとも戦い、そこまで体力は残っていない。
それを察して今日のブライトの授業も少し短目だったぐらいだ。
「今日はいいんじゃねぇか。それにもう勉強の方は大丈夫そうだしな」
ジークは授業中フィオナの様子を見ていたがきちんと付いていけているようだった。
勉強会は元々フィオナが授業に付いていけるように基礎を固めるために行っていたため、もうその必要性はなくなってしまった。
「ジークも、結構戦えるようになったじゃない」
お互い秘密特訓の成果はあった。
あとは実践経験を積むのみと言わざるをえないほどに。
「自主練も、もう必要無いかもな」
ジークは平然を装いながら言うが、内心では否定してもらいたかった。
だがもう自主練を続ける必要がないのは確かな話で、フィオナもそれは気付いているはずだ。
「そうね。でも・・・・・・またたまには自主練だけでも・・・・・・」
フィオナはストレス発散のためにも特訓だけはしたかった。
しかし、何故か言い淀んでしまいボソボソとしか声にならなかった。
フォルスを使って直接心に訴えかける手もあったが小さくても声に出してしまえばそれは心の声ではなくなりフォルスには乗っていかない。
(もう!面倒ね、このシスコン!!)
「さっきジンにも同じようなことを言ったが、俺はシスコンじゃねぇ」
別に届かなくてもいい声が届いてしまい、脱力感からフィオナはうなだれながら腕をブランとぶら下げた。
「ていうか、あんた達本当に仲良いわよね」
視線を落としたことでジークの手が視界に入ったフィオナは、極自然にジークの右手を握った。
「なっ!?」
ジークは動揺するがここで急に振り解くのも不自然かと思い、眉をピクピクさせながらポーカーフェイスを装った。
「あんたの手、昼間も思ったけど相変わらず冷たいわね」
そういえば昼間フィオナの手を握ったことを今頃になって思い出した。
あの時は無自覚だったため何とも思わなかったが、今は柔らかくて暖かい感触に無駄に意識してしまう。
「私ね、たまに思うの。私にも姉妹とかいたら一緒にお父さんを支えることができて、今みたいな状況にはならなかったんじゃないかって」
フィオナは無意識なのかギュっと強く握ってくる。
ジークは悩んだ。
フィオナの今の悩みは恐らく誰にも解決できない。
何もしてやれない。
できるのは、ただただ声をかけることだけ。
「無いものねだりしたって仕方ねぇだろ。それに、あぁしておけば良かったなんてのはただの結果論にすぎない。過去を後悔している暇があるなら一歩でも多く歩くのが賢明で、理想の未来に近づく近道なんじゃねぇの」
「後悔と反省の違い・・・・・・」
フィオナは相変わらずジークの手を握ったまま俯きながら呟くとジークは首を傾げた。
「マティアスが宿題だって。なんか分かりそうで分からないけど、進むしかないわよね!」
フィオナの表情がパッと明るくなり、笑顔が戻る。
「それにしても、ジークもたまには良い事言うのね?」
「歩き続けろってのは姉さんの受け売りだけどな」
そう、ジークはいつも姉にそう言い聞かされてきた。
母を失い悩んだ時も。
また別のことで悩んだ時も。
フィオナはジークの手を離すと舞うように回りながらテラスに設けられている簡易テーブルとイスのセットの内の奥側のイスに座った。
「昼間はありがとう。お礼に、ジークの過去話を聞いてあげる」
「その言い方、マティアスっぽいぞ?」
「良いからさっさと話す!ジークのお姉さんの話しも聞いてみたいし」
ジークは渋々フィオナの対面にあるイスに座ると、ジンの言葉を思い出しながら過去を思い出した。
ルルは昔と違って1人でもクインシェルを出れるという言葉を思い出しながら。
時は6年前、ジークが13歳の時代へ遡る。
「えー!?ジークお兄ちゃん来てくれないの!?」
星が瞬くクインシェルの海岸から少し離れた所に住居を構えるフリィース家の中から当時7歳のルルの声が響き渡った。
夕食後だったのかジークとジンはキッチンで食器を洗っており、そこに隣接するリビングのソファーではチャリティがアイスを食べていた。
その隣ではソファーの肘掛に身を乗り出しながらルルがジークの方を見ていた。
「うっせぇな。そもそも行くなんて一度も言ってねぇだろ」
ジーク達の通う学校では何年かに一度、10歳を境目に学年を分けて校外学習というものがある。
校外学習とは言っても所詮はクインシェルの中のみなため行く所は限られ、簡単に言ってしまえばピクニックのようなものである。
そして明日は10歳以下は校外学習(ピクニック)に行く事となっている。
勿論教師が先導するが他は全員10歳以下と大変不安なため保護者も同伴することになっている。
しかしフリィース家には母親はおらず父親も入院中のため保護者は不在なため、毎回ブライトが先導兼保護者の役をしていた。
ルルは学校に入って初めてのピクニック(校外学習)ということもあるが、家族と一緒にという点に大変惹かれていた。
そのためルルは1ヶ月前からピクニックの話題をする始末で、流石にジークもルルが校外学習を楽しみにしているのは分かっていた。
しかし、
「どうせ港までだろ?行こうと思えばいつでも行けるじゃねぇか」
「違うもん・・・・・・。いつもの港じゃないもん・・・・・・」
拗ねるように頬を膨らませるルルの頭を当時17歳のチャリティは棒アイスを咥えながら撫でる。
「じゃあお姉ちゃんと行こっか!ルルちゃんとピクニックだなんて超楽しみ♪」
「は?姉さん行くのかよ。じゃあ俺も行く」
食器を洗い終わり蛇口をしめるジークをジンは苦笑いしながら見た。
「いやいや、付いていける保護者は1人まででしょ?それに二人共授業はどうするのさ?」
「「休む!」」
チャリティとジークの即答は同時だった。
「1人だけなら私が付いて行くからジークはたまには学校へ行きなさいよ」
「明日はブライト先生がいないからリノア先生の授業か。姉さんの言うとおり、学校へ行くか」
「ダメ!!」
弟が珍しく学校に行くと言い、よしよしと頷いていたチャリティの隣でルルは指をグーにして否定した。
「・・・・・・じゃあジークが行く?」
困ったようにチャリティは向かい側のソファーに腰をかけるジークに問いかけるがジークは目を背けた。
「姉さんが行かねぇなら行かねぇよ」
「む〜〜〜〜!!!」
ルルは更に頬を膨らませ、目には涙を溜めていた。
そんな爆発寸前の爆弾を処理するためにジークの隣に座っていた当時9歳のジンが申し訳なさそうに手を上げた。
「一応・・・・・・俺も行くんだけど・・・・・・」
「「あ」」
チャリティとジークはこれまた揃って目を見開いた。
これでピクニックに行く生徒は2人。
つまり同伴できる保護者も2人となりジークとチャリティ両方が付いていくことができる。
これでルルも泣かずに済む。
しかし、
「ジン君が一緒に行くなら安心ね!」
「だな」
「ふぇっ?」
何故か二人共行かない方向になってしまった。
「え?あの?ジークお兄ちゃん?」
何とか流れを戻そうとルルは手をあたふたさせながらジークに話しかけるがジークはおもむろに立ち上がった。
「そういや明日の弁当作らねぇとな。何が良い?」
「卵焼き!!」
明日のお弁当に意識を持っていかれたルルは目を輝かせ、もう当初の目的等頭の片隅にも残っていなかった。
「ジンは?」
「あぁ、俺の分はいいよ」
ジンはさらっと言うと、ジークはぽかんとした。
弁当がいらないということは昼飯がいらないということなのだろうか?
「ふふ〜ん、イーリスちゃんに作ってもらうのね?」
チャリティが足を組みながら悪戯っ子のような表情で言うとジンの顔が瞬時に真っ赤に染まった。
「そっ、そんなんじゃねぇし!!」
「最近イーリスちゃんと仲良いもんねぇ。あ〜あっついあっつい。アイスまだあったかしら?」
「だから違うって!!」
ジンがバンッとテーブルを叩くがチャリティは悪戯が成功したかのようにご機嫌に、鼻歌交じりに冷蔵庫へ向かった。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート15】
takeshi「ども〜!撃滅のセカンドブリットなtakeshiです。衝撃から読んでくださっている方はお久しぶりです。今回から過去編へ突入します。本来ならこの回で終わるはずだったのですが、思いのほか長くなってしまいました。そんな訳で過去編でしか出番の無いチャリティさんは今回いないので、代わりにこの人に来ていただきました!」
ケナード「クインシェルの酋長、ケナードじゃ。しかし老体を働かせるとはどういう神経をしとるんじゃまったく」
takeshi「働くというか、ただ喋るだけなんですけどね。ただ、今回呼んだのは何というかその、あまりオリジナルキャラを使って声優ネタをしたくはないのですが、ご冥福を祈らせていただきたいというかなんというか」
ケナード「いやわし死んどらんし」
takesh「2月9日のサザエさん見ました!最後は波平さんらしい実に良いお話でしたね。ただの偶然でしょうけども」
ケナード「人には親切にせんといかんよ」
takeshi「さて、本編の話なのですが夜にジークがよく出歩くことに気付いた方は果たしていらっしゃるのでしょうか。気付くと夜のシーンが多かったり、夜中に出歩くことが多いのはただ単に私が夜が好きなだけだったりします」
ケナード「わしも夜のほうがよく見えるのう」
takeshi「さすが夜行性・・・・・・。そして過去編では6年前にスポットライトを当ててみました。前回行った過去編と読み比べてみるとちょっとした違いがあるので、見つけてみるのも面白いかもしれません。面白くないかもしれません」
ケナード「悲観的じゃな」
takeshi「考えてみたら、そんなに大きな違いがあるわけでもなかったので・・・・・・。ちなみに今回は10歳以下の学年をまとめたピクニックですが、勿論10歳以上の校外学習も存在しますし行き先も違います。ただ、何も事件が起きることはないので本編では触れないと思います」
ケナード「そうかの?しかしおぬし、1話前の楽談から随分と真面目じゃのう。いつものように関係の無い話などはせんのか?」
takeshi「今回過去編に入るにあたって少し前回の過去編を読み返したんですよ。その頃はまだおまけも始まったばかりだったのですが、すごく真面目(?)にコメントしてたんですよ」
ケナード「当時もアニメや映画の感想を散々言っていたように見えたが・・・・・・」
takeshi「それで思ったんですよ!なんて堕落してしまったんだと!確かにダラダラやってても怒られませんし、怒る人もいませんけどね?怒られてから直すのって子供と一緒じゃないですか!」
ケナード「わしから見たら主などまだまだ子供じゃよ」
takeshi「むしろ孫にしてください!じゃなくて!これからは締める所は締めていきますよ!!」
ケナード「まっ、期待せんで見守っとるよ。精々出し忘れるキャラとか出さんようにな」
takeshi「お、おまけの事ですね・・・・・・。影の薄いという特徴の無い特徴を持ったキャラに気を取られすぎてヒロインを忘れるというあるまじき行為に関しては反省しています」
ケナード「一体彼女は何話分セリフが無かったのかのぅ」
takeshi「本当にすみませんでした!」
ケナード「土下座するかの?」
takeshi「いえ、私は生まれつきこういう人間なんで」
ケナード「お前さんはどこのダディじゃ・・・・・・」
takeshi「土下座はしませんが、まぁ、流行語には乗ってみましょうか」
ケナード「おぉ、ゲッツというやつじゃな!」
takeshi「あれ?このケナードさんも6年前から来たのかな?まぁ良いでしょう!ではまた〜」
ケナード「ゲッチュ!」
―――おまけ―――
ロイド「まずはミックスグリルだ!それと」
エミル「唐揚げ!!」
ロイド「おいエミル!違うだろ!そもそも唐揚げなんてあるわけねぇだろ?」
ロンドリーネ「サイドメニューにあるよ?じゃあ注文はミックスグリルと唐揚げね。オーダー!!」
ロイド「エミル・・・・・・万死に値する・・・・・・」
ゼロス「久しぶりに聞いたなそのセリフ。しかもロイド君本人から聞くことになるとはな」
エミル「上等だロイド!!かかってきやがれ!!」
リアラ「あらら。フレンさん達も料理作るから歌合戦は中止になっちゃったわね」
ジューダス「おい今胡椒が飛んできたぞ!?」
ロイド「あ、悪い!」
ジューダス「闇の炎に抱かれて消えろ!!」
カイル「やぁああぁあめぇぇええろおおおおお!!!!」
リアラ「どうしたのカイル!?ジューダスのいつものセリフじゃない!」
エステリーゼ「えっと、だーくふれいむますたあ?」
カイル「ギャーーーー!!!!」
リタ「あんた知ってんの?」
エステリーゼ「夢で見たような・・・・・・見てないような?」
キール「あぁ、彼女とイチャつく時によくやってるやつか」
カイル「いちゃついていないし、よくやってない!!」
リアラ「カイル?彼女ってどういうこと?少なくとも私の前ではそんなことやったことないよね?」
カイル「ち、違うんだリアラ!って言い訳するだけ無駄か!武装錬金!!」
リアラ「ハラワタをぶちまけろ!!」
デューク「ふっ、所詮は人間か」
スタン「しっかし、指揮を振るのに夢中になってたとはいえ4皿は流石に多くないか?」
ルーティ「あの一見馬鹿そうにしか見えないやつにはめられた気分よね」
リアラ「ルーティさん、私に任せてください!」
スタン「あれ?カイルはもう良いのか?」
リアラ「カイルはデュークさんと戦い始めちゃったので大丈夫です」
スタン「む〜ん、それは良いのか?」
リアラ「では行きます!」
イバル「む?あの印は!」
チェスター「まさかあいつ!」
リアラ「心転身の術!」
プレセア「あ・・・・・・」
ジーニアス「プレセア?」
プレセア「・・・・・・」
ロイド「待てエミル!一時休戦だ!」
エミル「ちっ」
マルタ「プレセア?」
ロイド「どうした!?一体何があった!?」
プレセア「きゃる〜ん☆何でもないよ!えへへ。わたし、ちょっとぼうっとしちゃっただけだよん。てへぺろ☆」
ジーニアス(誰!?)
ロイド(明らかに別人だろ!!)
ゼロス(だがこれはこれであり!)
しいな(死ねアホ神子!!)
リーガル(私の知っているプレセアではない・・・・・・)
プレセア「ねぇジーニアス。私助っ人カードを使いたいの。・・・・・・ダメ?」
クラトス「気をつけろジーニアス!これはプレセアではない!!」
ジーニアス「どうぞどうぞ」
マルタ「ダメ!完全に顔がとろけちゃってる!!」
しいな「確かに、エミルに擦り寄ってる時のマルタの顔そっくりだね」
マルタ「私こんなにふにゃけてないもん!!」
エミル「そんなことよりプレセアを止めなきゃ!」
マルタ「そんなこと!?エミルにとって私の顔はどうでもいいことなの!?」
エミル「そういうことじゃないよ!」
リーガル「気は進まぬが、プレセアを抑えるぞ!」
ジーニアス「ゴー、シュート!!」
ロイド「カードを使うのはジーニアスかよ!!」
ジーニアス「いでよ!玄武―!」
ゼロス「ベイブレードとか懐かしすぎるでしょうよ!」
ガイ「ほら、誰か来たぞ」
リヒター「俺を呼んだのはどこのどいつだ?」
ノーマ「ししょー!かと思ったら人違いか〜」
エミル「リヒターさん!」
プレセア「わーい!これでたくさん食べられるね☆」
ロイド「くっ、まだ治らないのか!」
コレット「ロイド、私に任せて!白眼!!」
プレセア「ヤバッ!」
リアラ「ただいま〜」
ルーティ「よくやったわリアラ!よく分からないけど!」
クラース「さっさと正解して良かったな・・・・・・」
チェスター「まったくだぜ・・・・・・」
プレセア「私はいままで何を・・・・・・?」
クラトス「どうやら、戻ったようだな」
ジーニアス「プレセア!ボク、プレセアのためにカード使ったんだよ!」
プレセア「ジーニアス・・・・・・」
ジーニアス「ん?」
プレセア「最低です」
ジーニアス「ガーン!」
プレセア「しかし大体の状況は把握できました。どうやらジーニアスを陥れた人間がいるようですね」
ロンドリーネ「アッハッハッハ、こりゃ厨房は大変そうね・・・・・・」
ワンダーシェフ「一体どんだけ追加されるんだい!?元々が何時もの2倍の量なのに手が回らないYO!」
リッちゃん「同感だね!」
メル「なんかワンダーシェフの口調が変わってない?」
ロンドリーネ「多分OVA版シンフォニアバージョンのワンダーシェフにキャラ変えしたんだろうね」
ワンダーシェフ「ッエーイ☆ここから先は、一方通行だぁ!!」
プレザ「なんかムカつく声が聞こえたわね」
キール「それで、お前は今日はフレイム何とかというのはやらないのか?」
カイル「カイル・デュナミスの名において命ずる。つまらないダジャレでも言って滑ってろ!!」
キール「キールが木を切〜る〜」
エリーゼ「なんか今クレインが、絶対に言わない事を言ったような気がしました」
ミラ「エリーゼもか?実は私もさっきからガイアスが阿呆のような奇声を放っているような気がしてならないんだ」
ジュード「ここ、亡霊でもいるのかな?」
アニー「ぼ、亡霊!?」
イバル「はっ!亡霊などと馬鹿馬鹿しい。ミラ様、こんな役立たずなトライアスロン志望より、俺のほうが役に立ってみせます!」
ティトレイ「テレビの中でか?」
イバル「ここでだ!!」
ユーリ「よっし、俺もいっちょやってやるか!」
ジューダス「ふっ、口だけは達者のようだな」
ユーリ「んだと!?」
リッド&リチャード「「そっとしておこう」」
ファラ「ねぇキール。私達流石にお腹一杯だけどまだ助っ人カード使わないの?」
キール「問題無い。さっきの騒ぎをみて策を思いついたところだ」
ハリエット「料理できたわよ〜」
リアラ「ボリューム満天ね・・・・・・」
ロンドリーネ「では早速、実食!!」
マオ「ハンバーグにウィンナーにチキン、そして唐揚げ。流石にこれで不味いのとかもう1セットとか出てきたら食べきれなかったね」
ユージーン「まったくだ」
ヴァン『選べ!』
アニー「なに!?」
ヴァン『1.既に勝ち抜いているものの助っ人カードを使い、鉄人の作った料理を追加する』
アニー「そんな・・・・・・私の呪いはもう解けたはずじゃ・・・・・・」
ヴァン『2.この場でケツだけ星人をやる』
アニー「そんなの1に決まってるじゃないですか!」
ヴェイグ「どうした?アニー」
アニー「い、いえ・・・・・・何でも・・・・・・」
ヴァン『選べ!!』
アニー「分かりました!分かりましたから!!タスケテケスタ!」
ロンドリーネ「え?何で?本家を聞けて満足だけど」
マオ「どうしちゃったのさアニー!?」
クレア「何か事情があるの?」
アニー「はい・・・・・・」
ロンドリーネ「兎に角料理人は全員戻って!追加よ!」
アーチェ「え〜また作るの〜?」
ダークワンダーシェフ「まだ貴様が作ると決まったわけではあるまい」
ディオ「で、ちゃんと誰か来るんだな」
ミルハウスト「我が剣は肉球のため、強いてはアガーテ様のため!」
シャオルーン「大佐!」
ミルハウスト「おぉ、随分と大きくなったものだな」
ダリス「待て。大佐は私だ」
マルタ「あ、本当だ」
ミルハウスト「いいや私だ」
ダリス「私だ!」
ロンドリーネ「リメイクすると面倒よね〜」
〜続く〜
【楽談パート15.5】
takeshi「どうでしたか!?リアラのセリフが通常の倍ですよ!これぞまさに、倍返しだ!」
ケナード「返しておらんがの」
takeshi「では今度こそまた〜」
takeshi「ども〜!撃滅のセカンドブリットなtakeshiです。衝撃から読んでくださっている方はお久しぶりです。今回から過去編へ突入します。本来ならこの回で終わるはずだったのですが、思いのほか長くなってしまいました。そんな訳で過去編でしか出番の無いチャリティさんは今回いないので、代わりにこの人に来ていただきました!」
ケナード「クインシェルの酋長、ケナードじゃ。しかし老体を働かせるとはどういう神経をしとるんじゃまったく」
takeshi「働くというか、ただ喋るだけなんですけどね。ただ、今回呼んだのは何というかその、あまりオリジナルキャラを使って声優ネタをしたくはないのですが、ご冥福を祈らせていただきたいというかなんというか」
ケナード「いやわし死んどらんし」
takesh「2月9日のサザエさん見ました!最後は波平さんらしい実に良いお話でしたね。ただの偶然でしょうけども」
ケナード「人には親切にせんといかんよ」
takeshi「さて、本編の話なのですが夜にジークがよく出歩くことに気付いた方は果たしていらっしゃるのでしょうか。気付くと夜のシーンが多かったり、夜中に出歩くことが多いのはただ単に私が夜が好きなだけだったりします」
ケナード「わしも夜のほうがよく見えるのう」
takeshi「さすが夜行性・・・・・・。そして過去編では6年前にスポットライトを当ててみました。前回行った過去編と読み比べてみるとちょっとした違いがあるので、見つけてみるのも面白いかもしれません。面白くないかもしれません」
ケナード「悲観的じゃな」
takeshi「考えてみたら、そんなに大きな違いがあるわけでもなかったので・・・・・・。ちなみに今回は10歳以下の学年をまとめたピクニックですが、勿論10歳以上の校外学習も存在しますし行き先も違います。ただ、何も事件が起きることはないので本編では触れないと思います」
ケナード「そうかの?しかしおぬし、1話前の楽談から随分と真面目じゃのう。いつものように関係の無い話などはせんのか?」
takeshi「今回過去編に入るにあたって少し前回の過去編を読み返したんですよ。その頃はまだおまけも始まったばかりだったのですが、すごく真面目(?)にコメントしてたんですよ」
ケナード「当時もアニメや映画の感想を散々言っていたように見えたが・・・・・・」
takeshi「それで思ったんですよ!なんて堕落してしまったんだと!確かにダラダラやってても怒られませんし、怒る人もいませんけどね?怒られてから直すのって子供と一緒じゃないですか!」
ケナード「わしから見たら主などまだまだ子供じゃよ」
takeshi「むしろ孫にしてください!じゃなくて!これからは締める所は締めていきますよ!!」
ケナード「まっ、期待せんで見守っとるよ。精々出し忘れるキャラとか出さんようにな」
takeshi「お、おまけの事ですね・・・・・・。影の薄いという特徴の無い特徴を持ったキャラに気を取られすぎてヒロインを忘れるというあるまじき行為に関しては反省しています」
ケナード「一体彼女は何話分セリフが無かったのかのぅ」
takeshi「本当にすみませんでした!」
ケナード「土下座するかの?」
takeshi「いえ、私は生まれつきこういう人間なんで」
ケナード「お前さんはどこのダディじゃ・・・・・・」
takeshi「土下座はしませんが、まぁ、流行語には乗ってみましょうか」
ケナード「おぉ、ゲッツというやつじゃな!」
takeshi「あれ?このケナードさんも6年前から来たのかな?まぁ良いでしょう!ではまた〜」
ケナード「ゲッチュ!」
―――おまけ―――
ロイド「まずはミックスグリルだ!それと」
エミル「唐揚げ!!」
ロイド「おいエミル!違うだろ!そもそも唐揚げなんてあるわけねぇだろ?」
ロンドリーネ「サイドメニューにあるよ?じゃあ注文はミックスグリルと唐揚げね。オーダー!!」
ロイド「エミル・・・・・・万死に値する・・・・・・」
ゼロス「久しぶりに聞いたなそのセリフ。しかもロイド君本人から聞くことになるとはな」
エミル「上等だロイド!!かかってきやがれ!!」
リアラ「あらら。フレンさん達も料理作るから歌合戦は中止になっちゃったわね」
ジューダス「おい今胡椒が飛んできたぞ!?」
ロイド「あ、悪い!」
ジューダス「闇の炎に抱かれて消えろ!!」
カイル「やぁああぁあめぇぇええろおおおおお!!!!」
リアラ「どうしたのカイル!?ジューダスのいつものセリフじゃない!」
エステリーゼ「えっと、だーくふれいむますたあ?」
カイル「ギャーーーー!!!!」
リタ「あんた知ってんの?」
エステリーゼ「夢で見たような・・・・・・見てないような?」
キール「あぁ、彼女とイチャつく時によくやってるやつか」
カイル「いちゃついていないし、よくやってない!!」
リアラ「カイル?彼女ってどういうこと?少なくとも私の前ではそんなことやったことないよね?」
カイル「ち、違うんだリアラ!って言い訳するだけ無駄か!武装錬金!!」
リアラ「ハラワタをぶちまけろ!!」
デューク「ふっ、所詮は人間か」
スタン「しっかし、指揮を振るのに夢中になってたとはいえ4皿は流石に多くないか?」
ルーティ「あの一見馬鹿そうにしか見えないやつにはめられた気分よね」
リアラ「ルーティさん、私に任せてください!」
スタン「あれ?カイルはもう良いのか?」
リアラ「カイルはデュークさんと戦い始めちゃったので大丈夫です」
スタン「む〜ん、それは良いのか?」
リアラ「では行きます!」
イバル「む?あの印は!」
チェスター「まさかあいつ!」
リアラ「心転身の術!」
プレセア「あ・・・・・・」
ジーニアス「プレセア?」
プレセア「・・・・・・」
ロイド「待てエミル!一時休戦だ!」
エミル「ちっ」
マルタ「プレセア?」
ロイド「どうした!?一体何があった!?」
プレセア「きゃる〜ん☆何でもないよ!えへへ。わたし、ちょっとぼうっとしちゃっただけだよん。てへぺろ☆」
ジーニアス(誰!?)
ロイド(明らかに別人だろ!!)
ゼロス(だがこれはこれであり!)
しいな(死ねアホ神子!!)
リーガル(私の知っているプレセアではない・・・・・・)
プレセア「ねぇジーニアス。私助っ人カードを使いたいの。・・・・・・ダメ?」
クラトス「気をつけろジーニアス!これはプレセアではない!!」
ジーニアス「どうぞどうぞ」
マルタ「ダメ!完全に顔がとろけちゃってる!!」
しいな「確かに、エミルに擦り寄ってる時のマルタの顔そっくりだね」
マルタ「私こんなにふにゃけてないもん!!」
エミル「そんなことよりプレセアを止めなきゃ!」
マルタ「そんなこと!?エミルにとって私の顔はどうでもいいことなの!?」
エミル「そういうことじゃないよ!」
リーガル「気は進まぬが、プレセアを抑えるぞ!」
ジーニアス「ゴー、シュート!!」
ロイド「カードを使うのはジーニアスかよ!!」
ジーニアス「いでよ!玄武―!」
ゼロス「ベイブレードとか懐かしすぎるでしょうよ!」
ガイ「ほら、誰か来たぞ」
リヒター「俺を呼んだのはどこのどいつだ?」
ノーマ「ししょー!かと思ったら人違いか〜」
エミル「リヒターさん!」
プレセア「わーい!これでたくさん食べられるね☆」
ロイド「くっ、まだ治らないのか!」
コレット「ロイド、私に任せて!白眼!!」
プレセア「ヤバッ!」
リアラ「ただいま〜」
ルーティ「よくやったわリアラ!よく分からないけど!」
クラース「さっさと正解して良かったな・・・・・・」
チェスター「まったくだぜ・・・・・・」
プレセア「私はいままで何を・・・・・・?」
クラトス「どうやら、戻ったようだな」
ジーニアス「プレセア!ボク、プレセアのためにカード使ったんだよ!」
プレセア「ジーニアス・・・・・・」
ジーニアス「ん?」
プレセア「最低です」
ジーニアス「ガーン!」
プレセア「しかし大体の状況は把握できました。どうやらジーニアスを陥れた人間がいるようですね」
ロンドリーネ「アッハッハッハ、こりゃ厨房は大変そうね・・・・・・」
ワンダーシェフ「一体どんだけ追加されるんだい!?元々が何時もの2倍の量なのに手が回らないYO!」
リッちゃん「同感だね!」
メル「なんかワンダーシェフの口調が変わってない?」
ロンドリーネ「多分OVA版シンフォニアバージョンのワンダーシェフにキャラ変えしたんだろうね」
ワンダーシェフ「ッエーイ☆ここから先は、一方通行だぁ!!」
プレザ「なんかムカつく声が聞こえたわね」
キール「それで、お前は今日はフレイム何とかというのはやらないのか?」
カイル「カイル・デュナミスの名において命ずる。つまらないダジャレでも言って滑ってろ!!」
キール「キールが木を切〜る〜」
エリーゼ「なんか今クレインが、絶対に言わない事を言ったような気がしました」
ミラ「エリーゼもか?実は私もさっきからガイアスが阿呆のような奇声を放っているような気がしてならないんだ」
ジュード「ここ、亡霊でもいるのかな?」
アニー「ぼ、亡霊!?」
イバル「はっ!亡霊などと馬鹿馬鹿しい。ミラ様、こんな役立たずなトライアスロン志望より、俺のほうが役に立ってみせます!」
ティトレイ「テレビの中でか?」
イバル「ここでだ!!」
ユーリ「よっし、俺もいっちょやってやるか!」
ジューダス「ふっ、口だけは達者のようだな」
ユーリ「んだと!?」
リッド&リチャード「「そっとしておこう」」
ファラ「ねぇキール。私達流石にお腹一杯だけどまだ助っ人カード使わないの?」
キール「問題無い。さっきの騒ぎをみて策を思いついたところだ」
ハリエット「料理できたわよ〜」
リアラ「ボリューム満天ね・・・・・・」
ロンドリーネ「では早速、実食!!」
マオ「ハンバーグにウィンナーにチキン、そして唐揚げ。流石にこれで不味いのとかもう1セットとか出てきたら食べきれなかったね」
ユージーン「まったくだ」
ヴァン『選べ!』
アニー「なに!?」
ヴァン『1.既に勝ち抜いているものの助っ人カードを使い、鉄人の作った料理を追加する』
アニー「そんな・・・・・・私の呪いはもう解けたはずじゃ・・・・・・」
ヴァン『2.この場でケツだけ星人をやる』
アニー「そんなの1に決まってるじゃないですか!」
ヴェイグ「どうした?アニー」
アニー「い、いえ・・・・・・何でも・・・・・・」
ヴァン『選べ!!』
アニー「分かりました!分かりましたから!!タスケテケスタ!」
ロンドリーネ「え?何で?本家を聞けて満足だけど」
マオ「どうしちゃったのさアニー!?」
クレア「何か事情があるの?」
アニー「はい・・・・・・」
ロンドリーネ「兎に角料理人は全員戻って!追加よ!」
アーチェ「え〜また作るの〜?」
ダークワンダーシェフ「まだ貴様が作ると決まったわけではあるまい」
ディオ「で、ちゃんと誰か来るんだな」
ミルハウスト「我が剣は肉球のため、強いてはアガーテ様のため!」
シャオルーン「大佐!」
ミルハウスト「おぉ、随分と大きくなったものだな」
ダリス「待て。大佐は私だ」
マルタ「あ、本当だ」
ミルハウスト「いいや私だ」
ダリス「私だ!」
ロンドリーネ「リメイクすると面倒よね〜」
〜続く〜
【楽談パート15.5】
takeshi「どうでしたか!?リアラのセリフが通常の倍ですよ!これぞまさに、倍返しだ!」
ケナード「返しておらんがの」
takeshi「では今度こそまた〜」