第34話『付き合いが長いと分かってしまうこともある(ver.ジーク)』
翌日になっても船は動かなかった。
復旧の目処は立たず、他の港からの連絡も無い。
ヴェイグ達はバルカから出られずにいた。
そんな時、
「入港許可を求める信号を確認!」
「何処の船だ!?」
突然港が騒がしくなると兵士が右往左往飛び回り始めた。
「ナンバー登録されていない船です!」
「アンノーンか!」
「いえ、以前にも入港記録があります!」
「一体どうなっている!?」
部下の情報に上司の兵隊らしき者が苛立ちを覚えていた。
「少し待てと信号を送ったところ、了解と返信がありました!」
それを聞いて上司は胸をなでおろす。
しかし、
「大変です!未確認の戦艦が港へ進入しました!」
「何だと!?」
上司は急いで船着場へ向かい、ヴェイグ達もその後を追った。
そして、船着場には黒い戦艦が接岸していた。
「あれって・・・・・・」
マオが指を指すと甲板に三つの人影が見えた。
「「ハーハッハッハハ!!!」」
「おいデジャヴを感じるぞ」
ブライトが誰ともなしに言うとヴェイグは呆れたように額に手をあてる。
「放っておけ。恒例行事だ」
「とうっ!」
真ん中の影の声と共に三人はジャンプし、港にいるヴェイグ達の前に着地した。
「漆黒トリオじゃん!元気〜?」
「貴様!前口上ぐらい言わせろ!それと俺達は漆黒の翼だ!」
マオに邪魔をされたことに青い髪を持つギンナルは腹を立てて地団駄を踏んだ。
「マオ大佐の知人でしたか。しかし入港はしばらく待つようにと信号を送ったはずですが・・・・・・」
「兄貴が信号の意味なんて分かるわけないでヤンス」
ギンナルの隣にいた肉塊のドルンブがお腹を揺らしながら笑う。
「あたしたちは適当に信号を打っただけだよ」
ギンナルの左にいる金髪のユシアは髪をかきあげながら言う。
(この人達バカなのかしら・・・・・・)
「フィオナ、思ってても言っちゃだめだよ?」
マオは笑いながら言ったが、フィオナはきょとんとしていた。
「私何も言ってないわよ?」
「でも今こいつらのことバカって・・・・・・」
ティトレイが確認するように全員を見回すと、兵士と漆黒の翼以外全員が頷いた。
「今のはフィオナの心の声だろ?またフォルスに乗っちまったんだろ」
「今のがフィオナの『声』なのね」
始めて聞いた一同は少し感動していた。
「でも何故急に聞こえるようになったんでしょうか?」
「多分俺達とフィオナの信頼度が上がった証拠なんじゃねぇのか?一緒に旅をするようになってもう長いからな」
「待て待てマテ待て!俺達を置いて何の話しだ?」
「フィオナのフォルスの話だヨ!フィオナのフォルスは『声』のフォルスなんだけどやっと僕達にも聞こえるようになったんだよ!」
マオはグッと親指を立てるが、それを聞いてもなお要領の得ないギンナルは眉をしかめた。
「『声』のフォルスか。ならば俺と同じだな」
「お前も『声』のフォルスを持っていたのか・・・・・・」
ユージーンは驚いたように呟く。
「とはいえ、俺は誰かの声を真似する程度だがな」
「戦闘向きじゃないのよね」
「使いものにならないでヤンス」
2人の散々な言いようにギンナルのこめかみに血管が浮き出した。
「えぇい黙れ!それより本題に入るぞ!」
本題?と全員が首を傾げた。
「俺達は、お前等が海を渡る手伝いをするようにと言われて遠路はるばる来てやったのだ!」
「言われたって、誰に?」
ルルが更に首を傾げると、ギンナル達三人も困ったように眉間に皺を寄せた。
「それが俺達もよくは知らんのだ。気付いたらそこにいて、気付いたら消えていたからな」
「影の中から出てきたでヤンス」
「ズボンだったことに舌打ちされたわ」
「あぁ・・・・・・」
この情報でヴェイグ達には特定の人物が連想された。
ナイラだ。
「で?どこまで行きたいんだ?」
「ラジルダ跡へ行きたい」
ヴェイグが言うと、ギンナルは腕を組んだ。
「ラジルダ跡だと?あそこは港がないぞ?」
「近くの岸へ接岸してもらえれば後は勝手に降りる。難しいか?」
ユージーンの問いにギンナルは「それなら構わない」と答えた。
しかし、
「いや、ラジルダ跡は今港を作り直そうと骨組みを組み立ててた。でかい船で近づいて大きな波を立てないほうがいいと思う」
ジークは先日ラジルダ跡に行った際、少しずつ修復していた港を見ていた。
「だから少し南下した辺りに接岸するべきだ」
「接岸できるかは行ってみないことには分からないが、試してみるか?」
ギンナルは訊ねると、全員了解というように頷いた。
こうして、全員漆黒の船に乗り込むと兵士達の敬礼により見送られながら汽笛を上げて出航した。
漆黒の船には以前ノルゼンに行った際に乗ったがその時は1時間ほどで到着した。
どうやらこの船は特殊なチューンナップが施されているらしく、他の船に比べて早く進めるとのことだった。
今回はノルゼンよりも近いラジルダ方面ということで更に早く着くらしい。
その間各々はやることもないので自由にすごしフィオナは操舵室へ向かった。
操舵室に入るとドルンブが舵をとっており、ユシアは信号の教本のようなものを読んでいた。
そしてフィオナのお目当ての人物は地図をくるくる回しながら眺めていた。
「ちょっといい?」
「なんだ、貴様か」
フィオナが話しかけるとギンナルはピンクのマフラーを揺らしながら顔を上げた。
「それって・・・・・・」
さっきまで気付かなかったフィオナはピンクのマフラーを指差した。
するとギンナルは視線の意図を読み取り、手にとってみせた。
「これか?これは家族の筐(かたみ)なのだ」
「え・・・・・・」
フィオナはまずいことを聞いたと思ったがギンナルは首を横に振った。
「いや筐といっても別に死んでいる訳ではない。ただ俺が知らないだけだ」
「知らない?」
「俺達三人は孤児なのだ。三人共同じ孤児院で育てられてな。このマフラーは俺が拾われる前からずっと握っていたらしい」
「そう・・・・・・なんだ・・・・・・」
あまり明るい話でもなく、フォオナは言葉に詰まってしまった。
しかしそんなことは露知らず、ギンナルは笑った。
「貴様、そんな事を聞きにここへ来たのか?暇人め」
「ち、違うわよ!ただ、私と同じフォルスを持っている人と始めて会ったからどうやって使っているか聞きたかっただけなんだから!」
フィオナに怒鳴られた後、ギンナルは考え込むように腕を組んだ。
「む、難しい質問だな・・・・・・。いつも感覚で使っているからな」
「適当に使ってんのね」
「何だと!?だったら貴様は戦闘中に武器をどのように使っているんだ?」
ギンナルが質問するとフィオナは考え込むように腕を組んだ。
「・・・・・・感覚・・・・・・よね」
「そらみろ!ヒトのことを言えないではないか!」
「う、うるさい!!」
フィオナは耳まで赤くして否定するが、ギンナルと話していると何となく落ち着く気分だった。
フォルスは精神や性格から起因するという説もある。
そのため、フォルスが同じな2人は何処か共通する部分があるからかもしれない。
「そろそろ到着するでヤンス」
操舵室から見える窓を見ると、大陸が段々と近付いてきていた。
「何か相談事があればいつでも頼ると良い。貴様よりもフォルスを使いこなしているこの俺にな!」
「お生憎様!相談相手なら間に合ってます!」
フィオナはそれだけ言って操舵室を後にした。
それから間もなくして船はピピスタの砂丘とラジルダの湿地の境目辺りに着岸した。
「降りられそうか?」
甲板にてギンナルが訊ねると縄梯子を下ろしたティトレイがOKサインを出した。
「どうやら大丈夫のようだ。世話になったな」
「うむ、この借りは必ず返してもらうからな!」
恩着せがましいのは流石漆黒の翼である。
本来ならばこのまま一緒に同行してもらい船で移動できるようになれば便利なのだが、ギンナル達もバビログラードへ物資を取りに行く用事があるらしく、同行はできないとのことだった。
まずは安全を確かめるためユージーンが降りる。
そうして安全が確かめられるとルル、ヒルダ、アニー、マオ、ジーク、フィオナ、ヴェイグ、ティトレイの順に降りた。
「ジーク!上見たら抹殺するわよ!!」
「じゃあ何で俺を先に行かせたんだよ!?」
「落ちたら怖いじゃない!!」
「つうか、何で俺が最後なんだ?」
「お前は信用が無いからだろう。主に女性陣からな」
ティトレイのハートに傷が付いたところで全員降り終わり、縄梯子を回収した後、漆黒の船は出航した。
「さらばだ!!」
いつもの去り文句を残して。
ヴェイグ達が今居る場所は砂丘のすぐ近くということもあって足場は比較的安定していた。
ただ懸念すべきなのはバルカを出ても黒い霧がうっすらと広がっていることだった。
別に視界が遮断されるほどではないが、ユリスの影響がここまで広がってると思うと焦らずにはいられない。
「急ごう」
ヴェイグの号令と共に一同は北上し、ラジルダ跡を目指す。
北上すればする程、地面はぬかるんでいき、足が地面に沈んでいった。
それはもう田んぼの中をブーツで歩く行為に近かった。
「うひゃ〜ドロドロ〜」
ルルは嫌そうに自分の靴を引っ張り上げる。
「おんぶしてやろうか?」
「イヤ」
ジークの気遣いは即座に拒否されてしまった。
昨夜ジークから過去の話を聞いていたフィオナはアレがどうしてこうなったのか訳が分からなかった。
「前に来た時よりも酷くなってませんか?」
杖で靴の泥を落としながらアニーが言うと ヴェイグ達6人は確かにと頷いた。
そういえば前回来た時はユリスに刺され病み上がりの状態でここを歩いた所為で酷く疲労したものだと、ジークは回想に浸った。
今はそれほど疲れることもなく、そろそろ見覚えのある三日月型をした浜辺が見えてきた。
「あそこだな」
ジーク達の先には三日月型の浜辺が広がり、左側、要するに南側の先端部では港の土台となる骨組みが組まれており、反対の右側、北側には丘が見えた。
その丘へと登っていくと芝生は生い茂り、陸から少し離れているからか地面もフカフカしていた。
ここでサッカーをすればよくボールが転がりそうである。
そんな丘を登って海の見える崖付近まで行くと木造の模型の隣で金髪の青年が空を見上げていた。
「あいつだ」
ジークが指を差しながら近付くと、足音で気付いたのか青年はこちらを振り向いた。
「ん?」
青年の顔を見るとフィオナは眉をしかめた。
対して青年はジークの顔を見ると嬉しそうに駆け寄ってきた。
「やぁまた会ったね!探し人は見つかったのかい?」
「あ、あぁ。まぁな」
相変わらずジークはこの青年に苦手意識を感じていた。
「そっかぁ。僕の方はまだまだだよ・・・・・・」
青年は苦笑いしながら何気なく視線を移すとフィオナと目が合った。
「・・・・・・あれ?もしかして・・・・・・フィオナ?」
「・・・・・・カイト?」
フィオナが青年の名前を呟くと、青年は飛ぶようにフィオナの腕を掴んだ。
「やっぱりフィオナだ!良かった、無事だったんだ!ずっと探しに行こうと思ってたんだよ!!」
それを聞いてジークは反射的にカイトという金髪の青年の肩を掴んだ。
「ちょっと待て!じゃあお前が探してるっていう幼馴染みって・・・・・・」
「そう、フィオナのことさ」
カイトはフィオナの腕を離そうとせず満面の笑みで言う。
「そっか・・・・・・幼馴染と思っててくれてたんだ・・・・・・」
俯いているフィオナの顔を見ると今まで見たことのないような、恥ずかしいような嬉しいような、謙虚さの見える笑みを浮かべていた。
それを見てジークは悟ってしまった。
ジンが言っていた昨夜の言葉が何故か脳裏に浮かぶ。
付き合いが長いと分かってしまうこともある。
多分、そういうことだ。
確証は無い。
「あんたも頑張らないとね」
ヒルダが囁いてくる。
しかしジークは首を傾げるとヒルダは眉をしかめた。
「あんた、今のフィオナの『声』を聞いてなかったの?」
「・・・・・・え?」
フィオナの声が、聞こえなくなっていた。
〜続く〜
【※キャラクター名鑑・上にて金髪の青年がカイト・ゲラーカに更新されました】
復旧の目処は立たず、他の港からの連絡も無い。
ヴェイグ達はバルカから出られずにいた。
そんな時、
「入港許可を求める信号を確認!」
「何処の船だ!?」
突然港が騒がしくなると兵士が右往左往飛び回り始めた。
「ナンバー登録されていない船です!」
「アンノーンか!」
「いえ、以前にも入港記録があります!」
「一体どうなっている!?」
部下の情報に上司の兵隊らしき者が苛立ちを覚えていた。
「少し待てと信号を送ったところ、了解と返信がありました!」
それを聞いて上司は胸をなでおろす。
しかし、
「大変です!未確認の戦艦が港へ進入しました!」
「何だと!?」
上司は急いで船着場へ向かい、ヴェイグ達もその後を追った。
そして、船着場には黒い戦艦が接岸していた。
「あれって・・・・・・」
マオが指を指すと甲板に三つの人影が見えた。
「「ハーハッハッハハ!!!」」
「おいデジャヴを感じるぞ」
ブライトが誰ともなしに言うとヴェイグは呆れたように額に手をあてる。
「放っておけ。恒例行事だ」
「とうっ!」
真ん中の影の声と共に三人はジャンプし、港にいるヴェイグ達の前に着地した。
「漆黒トリオじゃん!元気〜?」
「貴様!前口上ぐらい言わせろ!それと俺達は漆黒の翼だ!」
マオに邪魔をされたことに青い髪を持つギンナルは腹を立てて地団駄を踏んだ。
「マオ大佐の知人でしたか。しかし入港はしばらく待つようにと信号を送ったはずですが・・・・・・」
「兄貴が信号の意味なんて分かるわけないでヤンス」
ギンナルの隣にいた肉塊のドルンブがお腹を揺らしながら笑う。
「あたしたちは適当に信号を打っただけだよ」
ギンナルの左にいる金髪のユシアは髪をかきあげながら言う。
(この人達バカなのかしら・・・・・・)
「フィオナ、思ってても言っちゃだめだよ?」
マオは笑いながら言ったが、フィオナはきょとんとしていた。
「私何も言ってないわよ?」
「でも今こいつらのことバカって・・・・・・」
ティトレイが確認するように全員を見回すと、兵士と漆黒の翼以外全員が頷いた。
「今のはフィオナの心の声だろ?またフォルスに乗っちまったんだろ」
「今のがフィオナの『声』なのね」
始めて聞いた一同は少し感動していた。
「でも何故急に聞こえるようになったんでしょうか?」
「多分俺達とフィオナの信頼度が上がった証拠なんじゃねぇのか?一緒に旅をするようになってもう長いからな」
「待て待てマテ待て!俺達を置いて何の話しだ?」
「フィオナのフォルスの話だヨ!フィオナのフォルスは『声』のフォルスなんだけどやっと僕達にも聞こえるようになったんだよ!」
マオはグッと親指を立てるが、それを聞いてもなお要領の得ないギンナルは眉をしかめた。
「『声』のフォルスか。ならば俺と同じだな」
「お前も『声』のフォルスを持っていたのか・・・・・・」
ユージーンは驚いたように呟く。
「とはいえ、俺は誰かの声を真似する程度だがな」
「戦闘向きじゃないのよね」
「使いものにならないでヤンス」
2人の散々な言いようにギンナルのこめかみに血管が浮き出した。
「えぇい黙れ!それより本題に入るぞ!」
本題?と全員が首を傾げた。
「俺達は、お前等が海を渡る手伝いをするようにと言われて遠路はるばる来てやったのだ!」
「言われたって、誰に?」
ルルが更に首を傾げると、ギンナル達三人も困ったように眉間に皺を寄せた。
「それが俺達もよくは知らんのだ。気付いたらそこにいて、気付いたら消えていたからな」
「影の中から出てきたでヤンス」
「ズボンだったことに舌打ちされたわ」
「あぁ・・・・・・」
この情報でヴェイグ達には特定の人物が連想された。
ナイラだ。
「で?どこまで行きたいんだ?」
「ラジルダ跡へ行きたい」
ヴェイグが言うと、ギンナルは腕を組んだ。
「ラジルダ跡だと?あそこは港がないぞ?」
「近くの岸へ接岸してもらえれば後は勝手に降りる。難しいか?」
ユージーンの問いにギンナルは「それなら構わない」と答えた。
しかし、
「いや、ラジルダ跡は今港を作り直そうと骨組みを組み立ててた。でかい船で近づいて大きな波を立てないほうがいいと思う」
ジークは先日ラジルダ跡に行った際、少しずつ修復していた港を見ていた。
「だから少し南下した辺りに接岸するべきだ」
「接岸できるかは行ってみないことには分からないが、試してみるか?」
ギンナルは訊ねると、全員了解というように頷いた。
こうして、全員漆黒の船に乗り込むと兵士達の敬礼により見送られながら汽笛を上げて出航した。
漆黒の船には以前ノルゼンに行った際に乗ったがその時は1時間ほどで到着した。
どうやらこの船は特殊なチューンナップが施されているらしく、他の船に比べて早く進めるとのことだった。
今回はノルゼンよりも近いラジルダ方面ということで更に早く着くらしい。
その間各々はやることもないので自由にすごしフィオナは操舵室へ向かった。
操舵室に入るとドルンブが舵をとっており、ユシアは信号の教本のようなものを読んでいた。
そしてフィオナのお目当ての人物は地図をくるくる回しながら眺めていた。
「ちょっといい?」
「なんだ、貴様か」
フィオナが話しかけるとギンナルはピンクのマフラーを揺らしながら顔を上げた。
「それって・・・・・・」
さっきまで気付かなかったフィオナはピンクのマフラーを指差した。
するとギンナルは視線の意図を読み取り、手にとってみせた。
「これか?これは家族の筐(かたみ)なのだ」
「え・・・・・・」
フィオナはまずいことを聞いたと思ったがギンナルは首を横に振った。
「いや筐といっても別に死んでいる訳ではない。ただ俺が知らないだけだ」
「知らない?」
「俺達三人は孤児なのだ。三人共同じ孤児院で育てられてな。このマフラーは俺が拾われる前からずっと握っていたらしい」
「そう・・・・・・なんだ・・・・・・」
あまり明るい話でもなく、フォオナは言葉に詰まってしまった。
しかしそんなことは露知らず、ギンナルは笑った。
「貴様、そんな事を聞きにここへ来たのか?暇人め」
「ち、違うわよ!ただ、私と同じフォルスを持っている人と始めて会ったからどうやって使っているか聞きたかっただけなんだから!」
フィオナに怒鳴られた後、ギンナルは考え込むように腕を組んだ。
「む、難しい質問だな・・・・・・。いつも感覚で使っているからな」
「適当に使ってんのね」
「何だと!?だったら貴様は戦闘中に武器をどのように使っているんだ?」
ギンナルが質問するとフィオナは考え込むように腕を組んだ。
「・・・・・・感覚・・・・・・よね」
「そらみろ!ヒトのことを言えないではないか!」
「う、うるさい!!」
フィオナは耳まで赤くして否定するが、ギンナルと話していると何となく落ち着く気分だった。
フォルスは精神や性格から起因するという説もある。
そのため、フォルスが同じな2人は何処か共通する部分があるからかもしれない。
「そろそろ到着するでヤンス」
操舵室から見える窓を見ると、大陸が段々と近付いてきていた。
「何か相談事があればいつでも頼ると良い。貴様よりもフォルスを使いこなしているこの俺にな!」
「お生憎様!相談相手なら間に合ってます!」
フィオナはそれだけ言って操舵室を後にした。
それから間もなくして船はピピスタの砂丘とラジルダの湿地の境目辺りに着岸した。
「降りられそうか?」
甲板にてギンナルが訊ねると縄梯子を下ろしたティトレイがOKサインを出した。
「どうやら大丈夫のようだ。世話になったな」
「うむ、この借りは必ず返してもらうからな!」
恩着せがましいのは流石漆黒の翼である。
本来ならばこのまま一緒に同行してもらい船で移動できるようになれば便利なのだが、ギンナル達もバビログラードへ物資を取りに行く用事があるらしく、同行はできないとのことだった。
まずは安全を確かめるためユージーンが降りる。
そうして安全が確かめられるとルル、ヒルダ、アニー、マオ、ジーク、フィオナ、ヴェイグ、ティトレイの順に降りた。
「ジーク!上見たら抹殺するわよ!!」
「じゃあ何で俺を先に行かせたんだよ!?」
「落ちたら怖いじゃない!!」
「つうか、何で俺が最後なんだ?」
「お前は信用が無いからだろう。主に女性陣からな」
ティトレイのハートに傷が付いたところで全員降り終わり、縄梯子を回収した後、漆黒の船は出航した。
「さらばだ!!」
いつもの去り文句を残して。
ヴェイグ達が今居る場所は砂丘のすぐ近くということもあって足場は比較的安定していた。
ただ懸念すべきなのはバルカを出ても黒い霧がうっすらと広がっていることだった。
別に視界が遮断されるほどではないが、ユリスの影響がここまで広がってると思うと焦らずにはいられない。
「急ごう」
ヴェイグの号令と共に一同は北上し、ラジルダ跡を目指す。
北上すればする程、地面はぬかるんでいき、足が地面に沈んでいった。
それはもう田んぼの中をブーツで歩く行為に近かった。
「うひゃ〜ドロドロ〜」
ルルは嫌そうに自分の靴を引っ張り上げる。
「おんぶしてやろうか?」
「イヤ」
ジークの気遣いは即座に拒否されてしまった。
昨夜ジークから過去の話を聞いていたフィオナはアレがどうしてこうなったのか訳が分からなかった。
「前に来た時よりも酷くなってませんか?」
杖で靴の泥を落としながらアニーが言うと ヴェイグ達6人は確かにと頷いた。
そういえば前回来た時はユリスに刺され病み上がりの状態でここを歩いた所為で酷く疲労したものだと、ジークは回想に浸った。
今はそれほど疲れることもなく、そろそろ見覚えのある三日月型をした浜辺が見えてきた。
「あそこだな」
ジーク達の先には三日月型の浜辺が広がり、左側、要するに南側の先端部では港の土台となる骨組みが組まれており、反対の右側、北側には丘が見えた。
その丘へと登っていくと芝生は生い茂り、陸から少し離れているからか地面もフカフカしていた。
ここでサッカーをすればよくボールが転がりそうである。
そんな丘を登って海の見える崖付近まで行くと木造の模型の隣で金髪の青年が空を見上げていた。
「あいつだ」
ジークが指を差しながら近付くと、足音で気付いたのか青年はこちらを振り向いた。
「ん?」
青年の顔を見るとフィオナは眉をしかめた。
対して青年はジークの顔を見ると嬉しそうに駆け寄ってきた。
「やぁまた会ったね!探し人は見つかったのかい?」
「あ、あぁ。まぁな」
相変わらずジークはこの青年に苦手意識を感じていた。
「そっかぁ。僕の方はまだまだだよ・・・・・・」
青年は苦笑いしながら何気なく視線を移すとフィオナと目が合った。
「・・・・・・あれ?もしかして・・・・・・フィオナ?」
「・・・・・・カイト?」
フィオナが青年の名前を呟くと、青年は飛ぶようにフィオナの腕を掴んだ。
「やっぱりフィオナだ!良かった、無事だったんだ!ずっと探しに行こうと思ってたんだよ!!」
それを聞いてジークは反射的にカイトという金髪の青年の肩を掴んだ。
「ちょっと待て!じゃあお前が探してるっていう幼馴染みって・・・・・・」
「そう、フィオナのことさ」
カイトはフィオナの腕を離そうとせず満面の笑みで言う。
「そっか・・・・・・幼馴染と思っててくれてたんだ・・・・・・」
俯いているフィオナの顔を見ると今まで見たことのないような、恥ずかしいような嬉しいような、謙虚さの見える笑みを浮かべていた。
それを見てジークは悟ってしまった。
ジンが言っていた昨夜の言葉が何故か脳裏に浮かぶ。
付き合いが長いと分かってしまうこともある。
多分、そういうことだ。
確証は無い。
「あんたも頑張らないとね」
ヒルダが囁いてくる。
しかしジークは首を傾げるとヒルダは眉をしかめた。
「あんた、今のフィオナの『声』を聞いてなかったの?」
「・・・・・・え?」
フィオナの声が、聞こえなくなっていた。
〜続く〜
【※キャラクター名鑑・上にて金髪の青年がカイト・ゲラーカに更新されました】
■作者メッセージ
【楽談パート18】
takeshi「ども〜!今回は結局5話連続更新になってしまったtakeshiです。シェルブリットを抜け、アニメランキングまでもを抜けてここまで読んでくださった方は本日はここがゴールです。お疲れ様でした!逆にここから読み始めて、どういうことだおい・・・・・・となっている方は5話分遡って衝撃のファーストブリットから読み始めてください。さてさて、前回まではケナードさんと楽談をしていましたが、今回から再びチャリティさんが帰ってきました!」
チャリティ「・・・・・・」
takeshi「・・・・・・おや?折角本日ラストだというのに暗いですね?」
チャリティ「本日って、前回のオマケを書いてから何日空いたと思ってんの?」
takeshi「いや〜、前回オマケを執筆している最中に体調を崩してしまったので実は前回のおまけを執筆してから今回の楽談まで一週間空いてしまっているんです。ケナードさんに体調には気をつけてくださいねと言った手前、私が崩してしまっては元も子もないですよね!ハッハッハ!」
チャリティ「笑い事じゃないでしょ?あんた、また入院したらこの小説の続きどうすんのよ?ニコちゃん泣いちゃうわよ?」
takeshi「いやホントにすみません・・・・・・。ニコちゃんの話題を出すのはやめてください。謝るしかないので。ただ、体調管理もプロの一貫ですからね。いえ、プロじゃありませんけど。ただ、私も夢を叶えようとしていた時期に体調管理の意識は高くもっていたので、ちょっと気を付けようと思います」
チャリティ「よろしい。でも久しぶりに私の出番が来たわね!ルルちゃんと絡めて楽しかったわ!」
takeshi「それは何よりです」
チャリティ「ただ今回の本編を書いていた時って確かバレンタイン週間だったじゃない?そんな時にジークのあの状況はどうなの?」
takeshi「ほんと報われませんよね〜。ただ私だってね!バレンタイン周辺は体調を崩して寝てたら知らぬ間に終わってたんですよ!お互い様じゃないですか!!」
チャリティ「それと、私達の世界って季節あったのね」
takeshi「まぁ日本みたいに春夏秋冬が巡るわけではありませんが、季節という概念はあるみたいですよ?ゲーム本編では遺跡を復活させるキーワードが季節の花でしたし」
チャリティ「遺跡って?」
takeshi「聖獣の住処みたいな所です。詳しく言ってしまうと今後のネタバレにもなりかねないので言えませんが」
チャリティ「オマケは兎も角として楽談は何人の人が読んでいるのかしらね?」
takeshi「へ?この楽談だけ飛ばされてるんですか?確かに読んでも何の価値にもならない、正に雑談ではありますけど・・・・・・。実際に言われるとショックかも・・・・・・」
チャリティ「そ、そういえば!久しぶりに漆黒の翼が出てきたわね!しかもギンナルってフィオナと同じフォルスだったのねぇ〜」
takeshi「あの世界で同じフォルスなんて珍しくもなんともないですよ。ゲームで城に突入したは良いものの兵士に囲まれた時に全員雷を落としてきましたからね」
チャリティ「じゃあ氷のフォルスも他に持っている人がいるの?」
takeshi「トーマがヴェイグと会った時、初めて見たぜって言ってたので、希少なんじゃないですか?知らないですけど」
チャリティ「えぇい!いつまでもひねくれてんじゃないわよ!暴れちゃうぞ!?」
takeshi「そんなことしたら楽談が無くなってしまうのでやめてください!!そ、そだ!私今気付いたんですけど、最近更新するのが月末になっている気がするんですよね」
チャリティ「まぁそうね」
takeshi「これってもしかしてCMとかでいう「TOR〜あなたは何を守りたいのですか?〜毎月月末発売!」みたいな月刊誌みたいな売り文句が使えるんじゃないですか?しかも毎月1話ずつ更新だったのに今回は5話連続更新だったので、これから4ヶ月は休載!?みたいな!?」
チャリティ「暴れちゃうぞ!?」
takeshi「ジョーク!!takeshiジョーク!!でもこれだけ頑張ったので自分にご褒美をあげないと割りに合わないですよ。そんな訳で打ち上げとかしたいですね」
チャリティ「肉パーティね!!」
takeshi「病み上がりに肉はちょっと・・・・・・。でもお酒は飲みたいですね」
チャリティ「あんたはお酒でも飲んでなさい!ジュースみたいなやつ!その分私は肉を食べるわ!」
takeshi「それ子供のビールじゃないですか!ふっ、どうしても打ち上げに来たいのでしたらまず3次元に出てくることですね!」
チャリティ「チッ、良いわよ。私はさっき運ばれてきたミックスグリルと唐揚げで我慢するから」
takeshi「さて、本編の話に戻りますが金髪の青年というモブキャラに名前が付き正式な登場人物となりました。というか読者の方々も薄々、いえ、結構な濃度で気付いていたと思うのですが最初からきちんとした登場キャラクターになる予定でした」
チャリティ「ということはつまり、この前出てきた緑のモブ子ちゃんもモブじゃないってことよね?」
takeshi「はい。その緑のモブ子ちゃんが今後どのように本編に絡んでくるのか、期待していてくださると幸いです」
チャリティ「それじゃあ今回はこの辺で!」
takeshi「ではまた〜」
―――おまけ―――
デューク「私達の料理を作った犯人。それはフレン、お前だァ!」
エステリーゼ「えっと、つまりデュークは何が言いたいんです?」
ヴァン「それは、貴様の回答と受け取っても良いのだな?」
デューク「無論」
フレン「えぇっと、ヴェスペリアのテーブルの料理は作っていないよ」
ユーリ「おいデューク!違うじゃねぇか!」
デューク「む!?そうではない!私はシンフォニアの答えを述べたのだが」
エステリーゼ「何故デュークがシンフォニアのテーブルの答えを推理するんです?」
デューク「やっべ!」
リタ「キャラ壊れた!!」
ミトス「危ない危ない」
コレット「ミトス、さっきから蝶ネクタイに向かって何を喋ってたの?」
ミトス「な、何でもないさ」
ヴァン「まだ食べ終わってもいない内から答えたためヴェスペリアはお手つきとして今回の回答権を剥奪させてもらう」
エステリーゼ「そ、そんな!待ってください!今のは・・・・・・」
リタ「無駄よエステル。私達はどこかの名探偵に完璧にハメられたみたい」
マルタ「今がチャンス!早く食べよ!!」
エミル「でももうみんなお腹いっぱいだよ〜」
リヒター「弱音を吐くな。そんな暇があったらフォークを動かすんだな」
ミトス「だったら君が全部食べなよ。できるだろ?」
リヒター「無敵のコーラサワー!ここに推参!!」
フレン「世界の歪みを・・・・・・感じないか」
エミル「すごい、料理があっという間に無くなってく・・・・・・」
リヒター「ゴホッゴホッ!ゴブホォッ!!」
マルタ「もう少しのとこでむせた!?なんて頼りにならないの!?」
ロイド「あとは俺に任せろ!!ミラ!」
ミラ「だぶ?」
ロイド「ゼブルブラストォオオオオ!!!」
ヒューバート「最後は力技ですか!?」
ロイド「さぁこれで何もなくなったぞ!」
ジーニアス「テーブルもね・・・・・・」
ディオ「それで、答えは?」
ミトス「犯人はフレン・シーフォ。お前だ!!」
ロンドリーネ「合ってますかー!?」
フレン「犯人じゃないけど、正解だよ」
コレット「グー!だね♪」
ディオ「んじゃ、勝利の一言」
コレット「私達の武器は愛と!」
ジーニアス「勇気と!」
クラトス「・・・き、希望・・・・・・」
ディオ「一言になってねぇじゃん・・・・・・」
コレット「じゃあクラトスさん代表してどうぞ☆」
クラトス「ジャッジメント!」
ミュウ「ジャッジメントですの?」
ゴーシュ「ジャッジメントですの!」
フレン「僕が料理にアレンジを加えてた理由はさっきミトスが言った通りだよ。しかし、こうも当ててしまうなんて、君は何者なんだい?」
ミトス「江戸川ミトス。探偵さ」
ノーマ「だぁもう!全然減らないし誰が作ったか全然分からん!!ジェージェー情報屋なんでしょ〜?何か分からないの?」
ジェイ「言われなくても今情報を集めてますよ。ただ、遣いの者がなかなか帰ってこないだけです」
ウィル「遣いの者?スパイのことか?」
ジェイ「えぇ」
セネル「しっかし、何度見てもぺったんこだな」
ノーマ「だから私の胸を見ながら言うなっての!!」
セネル「見てないだろ!!」
クラース「若いねぇ。女性は胸が全てだと思ってるあたり、まだまだ子供だな」
セネル「じゃああんたはどうなんだよ?」
クラース「私か?私は胸より足の方に魅力を感じるな。ちょっとだけな」
ノーマ「さいて〜」
アルヴィン「何?オタク胸を大きくしたいの?じゃあとっておきの呪文があるぜ?」
プレザ「アル?」
ノーマ「え〜?嘘臭」
アルヴィン「嘘じゃねぇって。俺の隣にいるこいつも、その呪文を使って大きくしたんだぜ?」
プレザ「なっ!?」
ジェイ「あぁ、それなら僕も聞いたことがありますよ?」
ノーマ「ぜひ教えてください!!」
アルヴィン「いいぜ。今回は特別にただで教えてやるよ」
ノーマ「よろしくお願いします」
アルヴィン「まずモケーレモベンペと10回唱える」
ノーマ「モケーレモベンペモケーレモベンペモケーレモベンペモケーレモベンペモケーレ・・・・・・」
アルヴィン「そして最後にこう叫ぶ。私は人類史上最も広大な地平線の持ち主です!!」
ノーマ「私は人類史上最も・・・・・・」
ノーマ「って、言えるかぁ!!!」
ジェイ「大きくなったじゃないですか」
ノーマ「字がね!!あたしは胸が大きくなりたいの!つうか戻せコルァ!!」
ジェイ「そんなに慌てなくても、次の瞬間には戻っていますよ」
ノーマ「あ、本当だ」
ヴェイグ「うるさいやつだ・・・・・・」
メル「ね、ねぇイアハート。私達何時まで変身していないといけないの?」
カノンノE「主人公君が食べ終わるまでだよ?」
カノンノG「主人公君、水飲む?」
主人公「頼む」
カノンノG「じゃあ口移しで飲ませてあげるね♪」
主人公「いいえ」
ロックス「ホント、テンプレの返事しかしませんね」
Pカノンノ「じゃあ私が魔法で元気にしてげるよ!」
モルモ「君はもう手遅れだよ・・・・・・」
ラザリス「腹パン・・・・・・する?」
カノンノG「それ1番やっちゃダメだから!!」
ディオ「よ〜し!メルがやるなら俺もやってやるぜ!ワンダーシェフ!!」
ワンダーシェフ「何だい?」
ディオ「俺の心、アンロック!」
メル「ディオも!?」
ディオ&ワンダーシェフ「「キャラなり!サムライソウル」」
リアラ「それで、どうするの?」
ディオ「別にどうもしねぇけど?」
主人公「全部食べ終わったよ」
カノンノE「主人公君えらい!」
Pカノンノ「なんか主人公君すごく嬉しそうなんだけど・・・・・・」
カノンノE「さぁワンダーシェフ。この料理、誰が作ったのか教えてもらうわよ?」
ディオ「お前、そう簡単に教えられるわけないだろ?」
カノンノE「それはどうかな?君とキャラなりしてる今のワンダーシェフは侍なんだよ?侍は嘘吐かないよね?」
ワンダーシェフ「ここで偽れば武士の名折れ」
ディオ「お、おい!」
ワンダーシェフ「その料理は何を隠そう僕が作ったのさ☆」
ディオ「おい!!」
カノンノE「ということで、私達の料理を作ったのはワンダーシェフだよ!」
ワンダーシェフ「ところで君、さっきから応援するたびにパンツ見えてるよ」
カノンノE「二回死ねぇ!!」
ロンドリーネ「合ってますかーっ!」
ワンダーシェフ「あ・・・あってまず・・・・・・」
メル「だよね・・・・・・。じゃあキャラなりを解いて勝利の一言をどうぞ」
カノンノE「パンツ履いてるか〜?」
カノンノG「キャー!小説で見えないからってスカートめくらないでよ!!」
Pカノンノ「パ、パンツじゃないから恥ずかしくないもん」
〜続く〜
【楽談パート18.5】
takeshi「うまく大きくなりましたねぇ」
チャリティ「それより料理人の法則性みたいなものがあるみたいだけど全然分からないのだけど」
takeshi「結構タネも明かし始めてきましたし、読者の皆様にも予想しやすいようにちょっとここで各料理人の特徴を述べようと思います。ただ今回はもう字数がないのでまた次回!」
takeshi「ども〜!今回は結局5話連続更新になってしまったtakeshiです。シェルブリットを抜け、アニメランキングまでもを抜けてここまで読んでくださった方は本日はここがゴールです。お疲れ様でした!逆にここから読み始めて、どういうことだおい・・・・・・となっている方は5話分遡って衝撃のファーストブリットから読み始めてください。さてさて、前回まではケナードさんと楽談をしていましたが、今回から再びチャリティさんが帰ってきました!」
チャリティ「・・・・・・」
takeshi「・・・・・・おや?折角本日ラストだというのに暗いですね?」
チャリティ「本日って、前回のオマケを書いてから何日空いたと思ってんの?」
takeshi「いや〜、前回オマケを執筆している最中に体調を崩してしまったので実は前回のおまけを執筆してから今回の楽談まで一週間空いてしまっているんです。ケナードさんに体調には気をつけてくださいねと言った手前、私が崩してしまっては元も子もないですよね!ハッハッハ!」
チャリティ「笑い事じゃないでしょ?あんた、また入院したらこの小説の続きどうすんのよ?ニコちゃん泣いちゃうわよ?」
takeshi「いやホントにすみません・・・・・・。ニコちゃんの話題を出すのはやめてください。謝るしかないので。ただ、体調管理もプロの一貫ですからね。いえ、プロじゃありませんけど。ただ、私も夢を叶えようとしていた時期に体調管理の意識は高くもっていたので、ちょっと気を付けようと思います」
チャリティ「よろしい。でも久しぶりに私の出番が来たわね!ルルちゃんと絡めて楽しかったわ!」
takeshi「それは何よりです」
チャリティ「ただ今回の本編を書いていた時って確かバレンタイン週間だったじゃない?そんな時にジークのあの状況はどうなの?」
takeshi「ほんと報われませんよね〜。ただ私だってね!バレンタイン周辺は体調を崩して寝てたら知らぬ間に終わってたんですよ!お互い様じゃないですか!!」
チャリティ「それと、私達の世界って季節あったのね」
takeshi「まぁ日本みたいに春夏秋冬が巡るわけではありませんが、季節という概念はあるみたいですよ?ゲーム本編では遺跡を復活させるキーワードが季節の花でしたし」
チャリティ「遺跡って?」
takeshi「聖獣の住処みたいな所です。詳しく言ってしまうと今後のネタバレにもなりかねないので言えませんが」
チャリティ「オマケは兎も角として楽談は何人の人が読んでいるのかしらね?」
takeshi「へ?この楽談だけ飛ばされてるんですか?確かに読んでも何の価値にもならない、正に雑談ではありますけど・・・・・・。実際に言われるとショックかも・・・・・・」
チャリティ「そ、そういえば!久しぶりに漆黒の翼が出てきたわね!しかもギンナルってフィオナと同じフォルスだったのねぇ〜」
takeshi「あの世界で同じフォルスなんて珍しくもなんともないですよ。ゲームで城に突入したは良いものの兵士に囲まれた時に全員雷を落としてきましたからね」
チャリティ「じゃあ氷のフォルスも他に持っている人がいるの?」
takeshi「トーマがヴェイグと会った時、初めて見たぜって言ってたので、希少なんじゃないですか?知らないですけど」
チャリティ「えぇい!いつまでもひねくれてんじゃないわよ!暴れちゃうぞ!?」
takeshi「そんなことしたら楽談が無くなってしまうのでやめてください!!そ、そだ!私今気付いたんですけど、最近更新するのが月末になっている気がするんですよね」
チャリティ「まぁそうね」
takeshi「これってもしかしてCMとかでいう「TOR〜あなたは何を守りたいのですか?〜毎月月末発売!」みたいな月刊誌みたいな売り文句が使えるんじゃないですか?しかも毎月1話ずつ更新だったのに今回は5話連続更新だったので、これから4ヶ月は休載!?みたいな!?」
チャリティ「暴れちゃうぞ!?」
takeshi「ジョーク!!takeshiジョーク!!でもこれだけ頑張ったので自分にご褒美をあげないと割りに合わないですよ。そんな訳で打ち上げとかしたいですね」
チャリティ「肉パーティね!!」
takeshi「病み上がりに肉はちょっと・・・・・・。でもお酒は飲みたいですね」
チャリティ「あんたはお酒でも飲んでなさい!ジュースみたいなやつ!その分私は肉を食べるわ!」
takeshi「それ子供のビールじゃないですか!ふっ、どうしても打ち上げに来たいのでしたらまず3次元に出てくることですね!」
チャリティ「チッ、良いわよ。私はさっき運ばれてきたミックスグリルと唐揚げで我慢するから」
takeshi「さて、本編の話に戻りますが金髪の青年というモブキャラに名前が付き正式な登場人物となりました。というか読者の方々も薄々、いえ、結構な濃度で気付いていたと思うのですが最初からきちんとした登場キャラクターになる予定でした」
チャリティ「ということはつまり、この前出てきた緑のモブ子ちゃんもモブじゃないってことよね?」
takeshi「はい。その緑のモブ子ちゃんが今後どのように本編に絡んでくるのか、期待していてくださると幸いです」
チャリティ「それじゃあ今回はこの辺で!」
takeshi「ではまた〜」
―――おまけ―――
デューク「私達の料理を作った犯人。それはフレン、お前だァ!」
エステリーゼ「えっと、つまりデュークは何が言いたいんです?」
ヴァン「それは、貴様の回答と受け取っても良いのだな?」
デューク「無論」
フレン「えぇっと、ヴェスペリアのテーブルの料理は作っていないよ」
ユーリ「おいデューク!違うじゃねぇか!」
デューク「む!?そうではない!私はシンフォニアの答えを述べたのだが」
エステリーゼ「何故デュークがシンフォニアのテーブルの答えを推理するんです?」
デューク「やっべ!」
リタ「キャラ壊れた!!」
ミトス「危ない危ない」
コレット「ミトス、さっきから蝶ネクタイに向かって何を喋ってたの?」
ミトス「な、何でもないさ」
ヴァン「まだ食べ終わってもいない内から答えたためヴェスペリアはお手つきとして今回の回答権を剥奪させてもらう」
エステリーゼ「そ、そんな!待ってください!今のは・・・・・・」
リタ「無駄よエステル。私達はどこかの名探偵に完璧にハメられたみたい」
マルタ「今がチャンス!早く食べよ!!」
エミル「でももうみんなお腹いっぱいだよ〜」
リヒター「弱音を吐くな。そんな暇があったらフォークを動かすんだな」
ミトス「だったら君が全部食べなよ。できるだろ?」
リヒター「無敵のコーラサワー!ここに推参!!」
フレン「世界の歪みを・・・・・・感じないか」
エミル「すごい、料理があっという間に無くなってく・・・・・・」
リヒター「ゴホッゴホッ!ゴブホォッ!!」
マルタ「もう少しのとこでむせた!?なんて頼りにならないの!?」
ロイド「あとは俺に任せろ!!ミラ!」
ミラ「だぶ?」
ロイド「ゼブルブラストォオオオオ!!!」
ヒューバート「最後は力技ですか!?」
ロイド「さぁこれで何もなくなったぞ!」
ジーニアス「テーブルもね・・・・・・」
ディオ「それで、答えは?」
ミトス「犯人はフレン・シーフォ。お前だ!!」
ロンドリーネ「合ってますかー!?」
フレン「犯人じゃないけど、正解だよ」
コレット「グー!だね♪」
ディオ「んじゃ、勝利の一言」
コレット「私達の武器は愛と!」
ジーニアス「勇気と!」
クラトス「・・・き、希望・・・・・・」
ディオ「一言になってねぇじゃん・・・・・・」
コレット「じゃあクラトスさん代表してどうぞ☆」
クラトス「ジャッジメント!」
ミュウ「ジャッジメントですの?」
ゴーシュ「ジャッジメントですの!」
フレン「僕が料理にアレンジを加えてた理由はさっきミトスが言った通りだよ。しかし、こうも当ててしまうなんて、君は何者なんだい?」
ミトス「江戸川ミトス。探偵さ」
ノーマ「だぁもう!全然減らないし誰が作ったか全然分からん!!ジェージェー情報屋なんでしょ〜?何か分からないの?」
ジェイ「言われなくても今情報を集めてますよ。ただ、遣いの者がなかなか帰ってこないだけです」
ウィル「遣いの者?スパイのことか?」
ジェイ「えぇ」
セネル「しっかし、何度見てもぺったんこだな」
ノーマ「だから私の胸を見ながら言うなっての!!」
セネル「見てないだろ!!」
クラース「若いねぇ。女性は胸が全てだと思ってるあたり、まだまだ子供だな」
セネル「じゃああんたはどうなんだよ?」
クラース「私か?私は胸より足の方に魅力を感じるな。ちょっとだけな」
ノーマ「さいて〜」
アルヴィン「何?オタク胸を大きくしたいの?じゃあとっておきの呪文があるぜ?」
プレザ「アル?」
ノーマ「え〜?嘘臭」
アルヴィン「嘘じゃねぇって。俺の隣にいるこいつも、その呪文を使って大きくしたんだぜ?」
プレザ「なっ!?」
ジェイ「あぁ、それなら僕も聞いたことがありますよ?」
ノーマ「ぜひ教えてください!!」
アルヴィン「いいぜ。今回は特別にただで教えてやるよ」
ノーマ「よろしくお願いします」
アルヴィン「まずモケーレモベンペと10回唱える」
ノーマ「モケーレモベンペモケーレモベンペモケーレモベンペモケーレモベンペモケーレ・・・・・・」
アルヴィン「そして最後にこう叫ぶ。私は人類史上最も広大な地平線の持ち主です!!」
ノーマ「私は人類史上最も・・・・・・」
ノーマ「って、言えるかぁ!!!」
ジェイ「大きくなったじゃないですか」
ノーマ「字がね!!あたしは胸が大きくなりたいの!つうか戻せコルァ!!」
ジェイ「そんなに慌てなくても、次の瞬間には戻っていますよ」
ノーマ「あ、本当だ」
ヴェイグ「うるさいやつだ・・・・・・」
メル「ね、ねぇイアハート。私達何時まで変身していないといけないの?」
カノンノE「主人公君が食べ終わるまでだよ?」
カノンノG「主人公君、水飲む?」
主人公「頼む」
カノンノG「じゃあ口移しで飲ませてあげるね♪」
主人公「いいえ」
ロックス「ホント、テンプレの返事しかしませんね」
Pカノンノ「じゃあ私が魔法で元気にしてげるよ!」
モルモ「君はもう手遅れだよ・・・・・・」
ラザリス「腹パン・・・・・・する?」
カノンノG「それ1番やっちゃダメだから!!」
ディオ「よ〜し!メルがやるなら俺もやってやるぜ!ワンダーシェフ!!」
ワンダーシェフ「何だい?」
ディオ「俺の心、アンロック!」
メル「ディオも!?」
ディオ&ワンダーシェフ「「キャラなり!サムライソウル」」
リアラ「それで、どうするの?」
ディオ「別にどうもしねぇけど?」
主人公「全部食べ終わったよ」
カノンノE「主人公君えらい!」
Pカノンノ「なんか主人公君すごく嬉しそうなんだけど・・・・・・」
カノンノE「さぁワンダーシェフ。この料理、誰が作ったのか教えてもらうわよ?」
ディオ「お前、そう簡単に教えられるわけないだろ?」
カノンノE「それはどうかな?君とキャラなりしてる今のワンダーシェフは侍なんだよ?侍は嘘吐かないよね?」
ワンダーシェフ「ここで偽れば武士の名折れ」
ディオ「お、おい!」
ワンダーシェフ「その料理は何を隠そう僕が作ったのさ☆」
ディオ「おい!!」
カノンノE「ということで、私達の料理を作ったのはワンダーシェフだよ!」
ワンダーシェフ「ところで君、さっきから応援するたびにパンツ見えてるよ」
カノンノE「二回死ねぇ!!」
ロンドリーネ「合ってますかーっ!」
ワンダーシェフ「あ・・・あってまず・・・・・・」
メル「だよね・・・・・・。じゃあキャラなりを解いて勝利の一言をどうぞ」
カノンノE「パンツ履いてるか〜?」
カノンノG「キャー!小説で見えないからってスカートめくらないでよ!!」
Pカノンノ「パ、パンツじゃないから恥ずかしくないもん」
〜続く〜
【楽談パート18.5】
takeshi「うまく大きくなりましたねぇ」
チャリティ「それより料理人の法則性みたいなものがあるみたいだけど全然分からないのだけど」
takeshi「結構タネも明かし始めてきましたし、読者の皆様にも予想しやすいようにちょっとここで各料理人の特徴を述べようと思います。ただ今回はもう字数がないのでまた次回!」