第35話『問題点と必要な材料』
「そこにあるものはお前が造ったのか?」
ブライトは木材でできた翼を広げる模型を指すとカイトは頷いた。
それまで大切そうに握っていたフィオナの腕をそっと離すと模型に歩み寄り、先端に付いているプロペラを撫でる。
「ただの模型と思うかもしれないけど、やっと飛べるようになったんだ。と言ってもプロペラが止まっちゃえば後は風任せだから飛ぶというより格好つけて落ちてるだけなんだけどね」
プロペラで風を起こし、それを羽で受けて飛ぶ仕組みのようだが、この模型は所詮木造。
プロペラを回すのは人力であり、プロペラをコックビットから回すようなからくりも見受けられない。
つまり陸地で一度プロペラを回した時は浮力の恩恵を受けられるが、空に上がった後はひたすらに落ちていくだけということらしい。
「だったらこのエンジンを使えば問題解決だネ!」
マオがカイトに向かって親指をグッと突き出す後ろでヴェイグがアイテムポーチからエンジンを取り出した。
「す、すごいじゃないか!!これ本物!?」
カイトはエンジンを見るなり興奮し、鉄塊をペチペチ叩いたり眺めたりした。
しかし何かに気付いたのか急に腕を組み眉間に皺を寄せた。
「でもこんなのを載せたらエンジンの熱でボディが燃えちゃうんじゃないかな・・・・・・」
「た、確かに・・・・・・」
ブライトも盲点だったらしく、拳に顎を乗せる。
「それにこんな重そうな物載せたら飛ばなくなっちゃうんじゃないかな?」
「重量の問題か・・・・・・。ちなみに現状での定員は?」
ユージーンが訊ねるとカイトは答えにくそうに苦笑いを浮かべた。
「えっと・・・・・・僕1人・・・・・・」
「そうか・・・・・・」
ユージーンが落胆するのと同時に全員俯き、状況を飲み込めないカイトはあたふたするだけだった。
「ど、どうしたの?」
「実は・・・・・・」
ヴェイグが事の顛末(てんまつ)を説明し、飛ぶためのものを探している事を言うとカイトは更に申し訳無さそうな表情を浮かべた。
「ごめん・・・・・・力になれなくて」
「ううん、勝手に私達が期待しちゃってたのが悪いの」
フィオナがカイトを慰めようとする姿を見たジークは何故か胸がモヤモヤし、思わず舌打ちを打った。
「重量の問題ならブライトのフォルスで何とかすれば良いんじゃねぇの」
とりあえずジークは適当なことを言ってみた。
しかしこれが無茶だということはジークも分かっている。
そして案の定、ブライトから否定の意見が出される。
「お前なぁ、簡単に言うが俺の重力操作ってのは『物』にかけるんじゃなくて『場』にかけるんだぞ?」
分かりやすくすると重力操作の対照が時速180km以上で進む新幹線にかけるか、進路の線路にかけるかの違いである。
新幹線という物体を軽くできるのならば、出発前に一度フォルスをかければ良い。
しかし、重力というものは星全体にかかっている、言うなれば星と物体との引っ張り合いから生まれる力なため物体だけにフォルスをかけても意味がない。
動いている新幹線に重力のフォルスをかけたいのであれば進路方向へ重力をかけなければならない。
つまり、新幹線が目的地に着くまでのルート全てを無重力化する必要があるのである。
「そんなことしたら俺死ぬぞ?」
しかし何とかならいものかとカイトはブツブツ呟きながら思案を巡らせた。
「飛ぶための理論と設計図は完成してるから材質と大きささえ何とかなれば定員の問題は何とかなるかも・・・・・・」
「本当ですか!?」
アニーが両手を組みながら確認するとカイトは自信無さそうに頷いた。
「う、うん・・・・・・。ただ、その材質と大きさが問題なんだけどね」
「もしかして手に入りにくい物・・・・・・とか?」
カインの問いにカイトは頷いた。
「あまり重量を重くしたくないからね。できれば羽みたいに軽い金属を使いたい。あと大きさなんだけどこれだけの人数を乗せるとなると結構な大きさが必要だから僕1人では流石に造れない」
「特殊な金属と技師が必要ということか・・・・・・」
ヴェイグは確認するように呟くが勿論両方共当てはない。
と、思ったが眉間に指を当てていたティトレイが指を鳴らした。
「そういや工場でやけに軽い金属を製鉄したことがあったぜ!」
「工場って、ペトナジャンカにあったやつ?」
ジンが確認するとティトレイは「他に何処にあるんだ?」と返し、その後はお決まりのパターンである。
「その金属が鉄とは思えないぐらい軽くてよぉ。ただその分耐久性も無いから取り引き先も少なくて滅多にその金属の素材を輸入することがなかったんだ」
「じゃあ、その輸入先に行けば素材が手に入るのね?」
ヒルダは半信半疑の様子で問いかける。
恐らくティトレイの言うことなだけにいまいち信じられないのだろう。
「まぁな!つっても、そのままじゃ金属として使えないから加工する必要があるけどな!」
「どういうこと?」
咄嗟にルルが質問したが全員が要領を得ていなかった。
「あぁっと、加工する前の状態ってのが金属っぽくねぇんだよ。なんたって虫の繭だからな」
ティトレイもどう説明したら良いのか迷っているようで両手を動かしながらしどろもどろに説明した。
「虫の繭が鉄になるなんて、聞いたことねぇけどな」
学校の教師をやっているだけあって一通りの文献に目を通しているブライトも、よく図書館を利用するアニーでさえも首を傾げた。
「結構特殊な虫らしいぜ?しかもパッと見ただけじゃあ普通の繭と変わらないらしい。高温の熱を加えて鍛えることでやっと鉄の見た目になるらしいぜ?」
一同から「へぇ〜」という感嘆の声が思わず漏れた。
「で?その特殊な虫ってのはどこにいるんだ?」
「あんまり遠い所だと虫探しで世界が滅んじゃうわよね」
ジークに同調するようにフィオナはジークの顔を見ながら言うが、何故かジークは目を合わせようとしなかった。
「そんなに遠くないから安心して良いぜ?何たって輸入先はピピスタだからな!」
「すぐそこじゃん!」
決して近いと言える距離でもないが、ここからだと1番近くにある街ではある。
マオが歓喜するとユージーンも納得したように頷く。
「うむ、ではまずピピスタに向かうとするか。暴動が起きている可能性もあるしな。技師については後々考えるとして、重量の問題に関しては俺に考えがある。金属を手に入れたらノルゼンへ向かおう」
「げっ・・・・・・」
嫌そうな声を上げたのは勿論ジークである。
それを見てフィオナは笑みを浮かべながらジークを肘で小突いた。
「何嫌そうな顔してんのよ?世界を救うためでしょ?」
「世界を救う前に俺が凍死するかもな」
「そんな大袈裟な・・・・・・」
そんなやり取りをカイトは見ていると、何かを思い立ったかのように口を開いた。
「あ、あのさぁ!僕も連れてってくれないかな!?」
予想外の申し出に全員がカイトに注目する。
「僕はみんなと違って戦うことはできないけど設計図もあるし、ここで待っているよりかは力になれると思うんだ!」
「確かに全部揃ってからまたここまで戻ってくるのも面倒だよね」
マオは後ろ髪をかきながら言うと、ヴェイグも頷いた。
「戦うことだけが力じゃない。カイト、これからよろしく頼む」
「で、でも良いの?その・・・・・・カイトまで巻き込んじゃって・・・・・・」
フィオナは緊張しているのか言い淀んではいたが、カイトは満面の笑みで返す。
「当たり前じゃないか!それに、ギュナルスさんも関わってるんでしょ?ギュナルスさんにはよくお世話になってたし、何よりフィオナのためだもん。どんどん巻き込んじゃって!」
「そっか・・・・・・。うん、ありがとう」
フィオナは小さく笑う。
そしてそれを見ていたジークの髪が一瞬ではあったが逆立った。
(何であいつはあんなセリフを当然のように言えんだ!?)
「よし、では早速ピピスタへ向かうぞ。のんびりしているとこの沼地で野営をすることになってしまうからな」
「沼地で悪かったわね」
フィオナがユージーンを睨むと、ユージーンは恐縮したように頭を下げた。
「そのようなつもりで言ったのではなかったのだが、確かに失言だったな。すまない」
「湿原だけに失言ってか!ガハハハハハ!!!」
「お前は少し黙れ」
1人で爆笑するティトレイの後頭部をヴェイグが叩く。
そんな様子を見ていたフィオナは溜息を吐いた。
「ま、腫れ物扱いされるよりかはマシだけどね」
「それもそうだね」
こうして、カイトを同行者として加えた一同はピピスタへと向かうことになり、来た道を再び戻ることとなった。
「あの・・・・・・来た時よりも水が深くなってませんか?」
アニーの言うとおり、来た時よりも歩きずらくなっていた。
その証拠に足の沈み具合がラジルダに向かう時はブーツが隠れる程度だったのに対して、今は膝下まで沈んでいる。
「多分潮の満ち干きが関係しているんじゃないかな。いつもこの時間になると水かさが増えるんだ」
空を飛ぶために何回もこの道を往復したのだろう。
カイトは歩きやすい道を案内するように先頭を歩いていた。
「こんなところでバイラスに囲まれたらひとたまりもないな」
ここら辺のバイラスはカエル型やらヌメヌメした詠唱型やら、湿地でも十分に動けるバイラスが生息している。
対称的にヴェイグ達は一歩踏み出すだけでも苦労する状態であり、ここでバイラスと遭遇しようものなら敵の詠唱を止めるどころではなく、タコ殴りにされるだろう。
ヴェイグの一言により沈黙が走る。
「おいヴェイグ、死亡フラグって知ってるか?」
ブライトの言葉にヴェイグは首を傾げる。
だが妙だった。
先程からバイラスに一匹たりとも遭遇していない。
「いや、どうやら俺達はもうバイラスに囲まれてるみたいだよ?」
ジンの言葉に全員瞬時に武器を構えた。
しかしジンだけは武器を構えようとはせず、代わりに足元をよく見るように下へ指をさした。
すると、羽虫のようなバイラスが泥沼の上を浮いていた。
恐らく羽が泥を吸ってしまい、飛べなくなってしまったのだろう。
また、今までヴェイグ達はできるだけ浅瀬を選んで進んできたが、深い所ではブラキオサウルスのようなバイラスがどっぷりとハマっていた。
「・・・・・・」
あまりの光景に誰も声を出せなかった。
普通、バイラスが地形に苦しむなどありえない。
何故なら、その土地に適応するように進化してきた生物達がバイラスになったのだから。
ではなぜそんなバイラスが環境に適応できていないのか。
バルカでワルトゥは四季のフォルスの持ち主が動き回っているせいで大陸のバイラスの生息地がバラバラになっていると言っていた。
そして、泥沼の中で賢明にバタ足をして進もうとするアヒルのような小さなダチョウのようなバイラスにジークは見覚えがあった。
あれはヴェイグを仲間にした後、ミナールに向かう途中の馬車を襲ってきたバイラスと瓜二つだった。
慣れない環境に足掻く姿は少し可哀想ではあったが、助ければ襲われるのは明らかである。
それに、無駄な戦闘は避けられるなら避けるに越したことはない。
ヴェイグ達は見ないふりをして先を急いだ。
〜続く〜
ブライトは木材でできた翼を広げる模型を指すとカイトは頷いた。
それまで大切そうに握っていたフィオナの腕をそっと離すと模型に歩み寄り、先端に付いているプロペラを撫でる。
「ただの模型と思うかもしれないけど、やっと飛べるようになったんだ。と言ってもプロペラが止まっちゃえば後は風任せだから飛ぶというより格好つけて落ちてるだけなんだけどね」
プロペラで風を起こし、それを羽で受けて飛ぶ仕組みのようだが、この模型は所詮木造。
プロペラを回すのは人力であり、プロペラをコックビットから回すようなからくりも見受けられない。
つまり陸地で一度プロペラを回した時は浮力の恩恵を受けられるが、空に上がった後はひたすらに落ちていくだけということらしい。
「だったらこのエンジンを使えば問題解決だネ!」
マオがカイトに向かって親指をグッと突き出す後ろでヴェイグがアイテムポーチからエンジンを取り出した。
「す、すごいじゃないか!!これ本物!?」
カイトはエンジンを見るなり興奮し、鉄塊をペチペチ叩いたり眺めたりした。
しかし何かに気付いたのか急に腕を組み眉間に皺を寄せた。
「でもこんなのを載せたらエンジンの熱でボディが燃えちゃうんじゃないかな・・・・・・」
「た、確かに・・・・・・」
ブライトも盲点だったらしく、拳に顎を乗せる。
「それにこんな重そうな物載せたら飛ばなくなっちゃうんじゃないかな?」
「重量の問題か・・・・・・。ちなみに現状での定員は?」
ユージーンが訊ねるとカイトは答えにくそうに苦笑いを浮かべた。
「えっと・・・・・・僕1人・・・・・・」
「そうか・・・・・・」
ユージーンが落胆するのと同時に全員俯き、状況を飲み込めないカイトはあたふたするだけだった。
「ど、どうしたの?」
「実は・・・・・・」
ヴェイグが事の顛末(てんまつ)を説明し、飛ぶためのものを探している事を言うとカイトは更に申し訳無さそうな表情を浮かべた。
「ごめん・・・・・・力になれなくて」
「ううん、勝手に私達が期待しちゃってたのが悪いの」
フィオナがカイトを慰めようとする姿を見たジークは何故か胸がモヤモヤし、思わず舌打ちを打った。
「重量の問題ならブライトのフォルスで何とかすれば良いんじゃねぇの」
とりあえずジークは適当なことを言ってみた。
しかしこれが無茶だということはジークも分かっている。
そして案の定、ブライトから否定の意見が出される。
「お前なぁ、簡単に言うが俺の重力操作ってのは『物』にかけるんじゃなくて『場』にかけるんだぞ?」
分かりやすくすると重力操作の対照が時速180km以上で進む新幹線にかけるか、進路の線路にかけるかの違いである。
新幹線という物体を軽くできるのならば、出発前に一度フォルスをかければ良い。
しかし、重力というものは星全体にかかっている、言うなれば星と物体との引っ張り合いから生まれる力なため物体だけにフォルスをかけても意味がない。
動いている新幹線に重力のフォルスをかけたいのであれば進路方向へ重力をかけなければならない。
つまり、新幹線が目的地に着くまでのルート全てを無重力化する必要があるのである。
「そんなことしたら俺死ぬぞ?」
しかし何とかならいものかとカイトはブツブツ呟きながら思案を巡らせた。
「飛ぶための理論と設計図は完成してるから材質と大きささえ何とかなれば定員の問題は何とかなるかも・・・・・・」
「本当ですか!?」
アニーが両手を組みながら確認するとカイトは自信無さそうに頷いた。
「う、うん・・・・・・。ただ、その材質と大きさが問題なんだけどね」
「もしかして手に入りにくい物・・・・・・とか?」
カインの問いにカイトは頷いた。
「あまり重量を重くしたくないからね。できれば羽みたいに軽い金属を使いたい。あと大きさなんだけどこれだけの人数を乗せるとなると結構な大きさが必要だから僕1人では流石に造れない」
「特殊な金属と技師が必要ということか・・・・・・」
ヴェイグは確認するように呟くが勿論両方共当てはない。
と、思ったが眉間に指を当てていたティトレイが指を鳴らした。
「そういや工場でやけに軽い金属を製鉄したことがあったぜ!」
「工場って、ペトナジャンカにあったやつ?」
ジンが確認するとティトレイは「他に何処にあるんだ?」と返し、その後はお決まりのパターンである。
「その金属が鉄とは思えないぐらい軽くてよぉ。ただその分耐久性も無いから取り引き先も少なくて滅多にその金属の素材を輸入することがなかったんだ」
「じゃあ、その輸入先に行けば素材が手に入るのね?」
ヒルダは半信半疑の様子で問いかける。
恐らくティトレイの言うことなだけにいまいち信じられないのだろう。
「まぁな!つっても、そのままじゃ金属として使えないから加工する必要があるけどな!」
「どういうこと?」
咄嗟にルルが質問したが全員が要領を得ていなかった。
「あぁっと、加工する前の状態ってのが金属っぽくねぇんだよ。なんたって虫の繭だからな」
ティトレイもどう説明したら良いのか迷っているようで両手を動かしながらしどろもどろに説明した。
「虫の繭が鉄になるなんて、聞いたことねぇけどな」
学校の教師をやっているだけあって一通りの文献に目を通しているブライトも、よく図書館を利用するアニーでさえも首を傾げた。
「結構特殊な虫らしいぜ?しかもパッと見ただけじゃあ普通の繭と変わらないらしい。高温の熱を加えて鍛えることでやっと鉄の見た目になるらしいぜ?」
一同から「へぇ〜」という感嘆の声が思わず漏れた。
「で?その特殊な虫ってのはどこにいるんだ?」
「あんまり遠い所だと虫探しで世界が滅んじゃうわよね」
ジークに同調するようにフィオナはジークの顔を見ながら言うが、何故かジークは目を合わせようとしなかった。
「そんなに遠くないから安心して良いぜ?何たって輸入先はピピスタだからな!」
「すぐそこじゃん!」
決して近いと言える距離でもないが、ここからだと1番近くにある街ではある。
マオが歓喜するとユージーンも納得したように頷く。
「うむ、ではまずピピスタに向かうとするか。暴動が起きている可能性もあるしな。技師については後々考えるとして、重量の問題に関しては俺に考えがある。金属を手に入れたらノルゼンへ向かおう」
「げっ・・・・・・」
嫌そうな声を上げたのは勿論ジークである。
それを見てフィオナは笑みを浮かべながらジークを肘で小突いた。
「何嫌そうな顔してんのよ?世界を救うためでしょ?」
「世界を救う前に俺が凍死するかもな」
「そんな大袈裟な・・・・・・」
そんなやり取りをカイトは見ていると、何かを思い立ったかのように口を開いた。
「あ、あのさぁ!僕も連れてってくれないかな!?」
予想外の申し出に全員がカイトに注目する。
「僕はみんなと違って戦うことはできないけど設計図もあるし、ここで待っているよりかは力になれると思うんだ!」
「確かに全部揃ってからまたここまで戻ってくるのも面倒だよね」
マオは後ろ髪をかきながら言うと、ヴェイグも頷いた。
「戦うことだけが力じゃない。カイト、これからよろしく頼む」
「で、でも良いの?その・・・・・・カイトまで巻き込んじゃって・・・・・・」
フィオナは緊張しているのか言い淀んではいたが、カイトは満面の笑みで返す。
「当たり前じゃないか!それに、ギュナルスさんも関わってるんでしょ?ギュナルスさんにはよくお世話になってたし、何よりフィオナのためだもん。どんどん巻き込んじゃって!」
「そっか・・・・・・。うん、ありがとう」
フィオナは小さく笑う。
そしてそれを見ていたジークの髪が一瞬ではあったが逆立った。
(何であいつはあんなセリフを当然のように言えんだ!?)
「よし、では早速ピピスタへ向かうぞ。のんびりしているとこの沼地で野営をすることになってしまうからな」
「沼地で悪かったわね」
フィオナがユージーンを睨むと、ユージーンは恐縮したように頭を下げた。
「そのようなつもりで言ったのではなかったのだが、確かに失言だったな。すまない」
「湿原だけに失言ってか!ガハハハハハ!!!」
「お前は少し黙れ」
1人で爆笑するティトレイの後頭部をヴェイグが叩く。
そんな様子を見ていたフィオナは溜息を吐いた。
「ま、腫れ物扱いされるよりかはマシだけどね」
「それもそうだね」
こうして、カイトを同行者として加えた一同はピピスタへと向かうことになり、来た道を再び戻ることとなった。
「あの・・・・・・来た時よりも水が深くなってませんか?」
アニーの言うとおり、来た時よりも歩きずらくなっていた。
その証拠に足の沈み具合がラジルダに向かう時はブーツが隠れる程度だったのに対して、今は膝下まで沈んでいる。
「多分潮の満ち干きが関係しているんじゃないかな。いつもこの時間になると水かさが増えるんだ」
空を飛ぶために何回もこの道を往復したのだろう。
カイトは歩きやすい道を案内するように先頭を歩いていた。
「こんなところでバイラスに囲まれたらひとたまりもないな」
ここら辺のバイラスはカエル型やらヌメヌメした詠唱型やら、湿地でも十分に動けるバイラスが生息している。
対称的にヴェイグ達は一歩踏み出すだけでも苦労する状態であり、ここでバイラスと遭遇しようものなら敵の詠唱を止めるどころではなく、タコ殴りにされるだろう。
ヴェイグの一言により沈黙が走る。
「おいヴェイグ、死亡フラグって知ってるか?」
ブライトの言葉にヴェイグは首を傾げる。
だが妙だった。
先程からバイラスに一匹たりとも遭遇していない。
「いや、どうやら俺達はもうバイラスに囲まれてるみたいだよ?」
ジンの言葉に全員瞬時に武器を構えた。
しかしジンだけは武器を構えようとはせず、代わりに足元をよく見るように下へ指をさした。
すると、羽虫のようなバイラスが泥沼の上を浮いていた。
恐らく羽が泥を吸ってしまい、飛べなくなってしまったのだろう。
また、今までヴェイグ達はできるだけ浅瀬を選んで進んできたが、深い所ではブラキオサウルスのようなバイラスがどっぷりとハマっていた。
「・・・・・・」
あまりの光景に誰も声を出せなかった。
普通、バイラスが地形に苦しむなどありえない。
何故なら、その土地に適応するように進化してきた生物達がバイラスになったのだから。
ではなぜそんなバイラスが環境に適応できていないのか。
バルカでワルトゥは四季のフォルスの持ち主が動き回っているせいで大陸のバイラスの生息地がバラバラになっていると言っていた。
そして、泥沼の中で賢明にバタ足をして進もうとするアヒルのような小さなダチョウのようなバイラスにジークは見覚えがあった。
あれはヴェイグを仲間にした後、ミナールに向かう途中の馬車を襲ってきたバイラスと瓜二つだった。
慣れない環境に足掻く姿は少し可哀想ではあったが、助ければ襲われるのは明らかである。
それに、無駄な戦闘は避けられるなら避けるに越したことはない。
ヴェイグ達は見ないふりをして先を急いだ。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート19】
takeshi「ども〜!限界ギリギリバトルのtakeshiです」
チャリティ「あれ?あんた4ヶ月休載するんじゃなかったの?」
takeshi「(´・ω・`)?」
チャリティ「ムカツクわねその顔!!ていうか何顔文字使ってんの!?またスランプ!?」
takeshi「何言ってんのかな?と思いまして」
チャリティ「いやだからあんた前回4ヶ月分更新したからその分休載するとか言ってたじゃない」
takeshi「本当にそんなバカな真似するわけないじゃないですか」
チャリティ「こ、このっ・・・・・・!!最近あんたが夢中になってるゲームの内容を事細かにここで喋っても良いんだけど?」
takeshi「あ、すいません。それホントにやめてください。ここを読んでる人がいないって分かっていても、もしもの場合を考えた時イメージ的にまずいので。それに、どうせスランプだろうと絶好調だろうと私の文章力は低いままですよ」
チャリティ「あんたって面倒よね」
takeshi「そんな私の面倒を見てくれる人募集中です」
チャリティ「つまり介護してほしいと」
takeshi「ちがうわ!!」
チャリティ「そういえばティトレイって工場で働いてたのね。すっかり忘れてたわ、そんな設定」
takeshi「公式の設定なんですから覚えててくださいよ・・・・・・。ちなみに姉のセレナも同じ工場で働いているんですよ?」
チャリティ「ふぅ〜ん」
takeshi「ちなみに、今回飛行機のボディを組み立てるために繭が出てきたじゃないですか」
チャリティ「繭を鍛えれば金属になるとかいう不思議物質ね。そんな虫のディスカバリーもあるの?」
takeshi「いえ、この虫はオリジナルなのですが、リアルの世界で飛んでる飛行機あるじゃないですか。あの機体って、ユニクロで有名なヒートテックと同じ素材でできてるんですよ?」
チャリティ「あ、あぶなっ!よく飛べるわね!」
takeshi「流石にヒートテックと同じ加工をされている訳ではありませんからね・・・・・・」
チャリティ「そういえば前回オマケの後に、料理の鉄人達の特徴を教えるとか言ってたけど、どうなったわけ?」
takeshi「さすがチャリティさん!いいパス回しです!」
チャリティ「うるさいわね。とっとと教えなさいよ」
takeshi「まずアーチェなのですがデザートが唯一得意です。後は壊滅的です。ただ、好奇心旺盛なので妙なチャレンジ精神や、悪戯心が芽生える時があります。同じハーフエルフのリフィル先生は途中まではレシピ通りに作ろうとするのですがそれではつまらないという理由でアレンジをしようとします。つまり、基本はできるということです。次にハリエットなのですが、彼女は得意料理はありません。料理のセンスが皆無です。同じくナタリアも努めてレシピ通りに作ろうとするのですが不器用なためうまくいきません。ただ、舌は本物ですし食材の知識もあります。そして最後の問題児、フレンは普通に作ればレシピ通りの普通の料理が作れます。ただ遊び心やいらぬ親切心が働くと一変します」
チャリティ「どうしてレシピ通りに作ろうとしないのかしらね?」
takeshi「それが鉄人が鉄人たる理由なのだと思います。で、後はワンダー職人達なのですが、これはもう勘ですね。まぁ約一名ポンコツがいますが」
チャリティ「そう?器用貧乏になるよりは一つのことに突出してる方が魅力的だと思うけど」
takeshi「な、なぜヤツの肩を持つようなことを・・・・・・」
チャリティ「別に人間性は兎も角として、努力は認めてるだけよ」
takeshi「・・・・・・ツンデレですか?」
チャリティ「えっと、あのゲームのタイトルは何だったかしら?確かk」
takeshi「そういえばこの前劇場版タイガー&バニーを見てきたんですよ!!今回のは完全新作ということで実に素晴らしかったです!!新キャラも素敵でしたし、勿論既存キャラは最高ですしおすし」
チャリティ「ふる・・・・・・」
takeshi「特に痺れたセリフがですね。「男は度胸、女は愛嬌って言うじゃない?じゃあオカマは何だと思う?」ていうセリフがあるんですよ」
チャリティ「ていうかよくも私のセリフに被せてくれたわね」
takeshi「何だと思います?」
チャリティ「何が?」
takeshi「男は度胸、女は愛嬌。じゃあオカマは?」
チャリティ「『○きょう』ってなれば良いのよね?そうね・・・・・・大凶とか?」
takeshi「燃やされてしまえ!!」
チャリティ「誰によ!?」
takeshi「まったく・・・・・・。とりあえず、答えは各々確認してもらうとして。もしちゃんと涙が出るようになっていれば絶対に号泣していましたよ、あのシーンは」
チャリティ「涙出ないの?」
takeshi「ビックリするくらい出ないんですよ。この前眼科で目蓋をつねられたのですが、それでも出ませんでしたからね」
チャリティ「ちょっと、痛々しいからそういう話はやめてくれない?」
takeshi「きっと今なら大人帝国を見ようと、動物が死んでしまう映画を見ようと涙は出ませんよ」
チャリティ「でもそんな時に今まで一途に恋してきた人に告白されて涙が出たらドラマチックよね」
takeshi「何言ってるんですかチャリティさん。リアルにそんな恋をする人なんている訳ないじゃないですか。なんだかんだ言ってチャリティさんも乙女なんですねぇ〜」
チャリティ「恋h」
takeshi「ヒョォォォオオオオオオッ!!!!」
チャリティ「うるさい!!急に叫ぶなっての!!」
takeshi「きょ、今日はこの辺にしましょうか!ではまた〜」
チャリティ「恋姫m」
takeshi「ラストレクイエム!!!」
―――オマケ―――
ディオ「あれはもう全部言っちまったようなもんだろ・・・・・・」
シャーリィ「えっと、次は私達の番だよね?お兄ちゃん、注文をどうぞ」
ノーマ「セネセネ〜。妹のウェイトレス姿を見てぶっちゃけどうよ?」
セネル「ど、どうだって良いだろ、そんなこと。それより今は注文するのが先だろ?」
シャーリィ「・・・・・・そんなこと?」
ウィル「まずい!シャーリィが猛るぞ!!」
ジェイ「今日何日だと思ってるんですか!?シャーリィさんがメルネスになったらシャレになりませんよ!!」
クロエ「クーリッジ!何でも良いから気の利いたことを言うんだ!」
セネル「とっさに言われてもなぁ・・・・・・」
ジュード「なんだかよく分からないけどとりあえず大変そうだから、ローエン助けてあげてよ」
ローエン「気の利いた一言ですか。そうですね、では・・・・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・・・・と言ってみてはどうでしょうか?」
セネル「そ、そんなことを俺が言うのか?」
シャーリィ「折角お兄ちゃんのためにウェイターになったのに・・・・・・そっかそっか、どうでも良いんだ・・・・・・」
モーゼス「セの字早くするんじゃ!!」
セネル「分かったよ!!言えば良いんだろう!言えば!!・・・・・・シャ、シャーリィ」
シャーリィ「・・・・・・何?」
セネル「今のお前の姿に俺のハートは萌え萌えキュンだぜ☆」
シャーリィ「は・・・・・・?」
クロエ「し、しらけた!?しらけたぞクーリッジ!!」
セネル「俺が知るかよ!俺はあのじいさんに言われたことをそのまま言っただけだ!」
ローエン「ほっほ。おさまったのですから万事解決ではないですか」
ゼロス「でっひゃっひゃっひゃ!!普通言う前に気付くだろ!」
アルヴィン「恋に鈍いのは主人公補正なのかねぇ?」
レイア「そういえばジュード、ちょっと顔色がよくなったんじゃない?」
ジュード「しばらくカードファイトしなくてよくなったからかな?でもこれでインターハイに集中できるよ」
イバル「勝つのは俺達っしょ!」
ソフィ「みんな楽しそう」
シェリア「ソフィは何か部活やってないの?」
アスベル「そういえば、色々な学校に行ってる割りにそういう話は聞かないな」
パスカル「ソフィは学校が好きなんだね〜」
ヒューバート「学校の掛け持ちなんて聞いたことがありませんよ・・・・・・」
マリク「どうだソフィ。これを機に野球を始めてみるというのは?」
ソフィ「少し前にバスケをやってたから大丈夫。それに今は隣のエミル君を見てるから」
エミル「何で僕、今君付けされたの?」
ソフィ「あと最近ラザリスとも友達になったよ」
カノンノE「ラザリスとは元々超能力を使う学校で友達だったんじゃないの?」
ソフィ「あ、そうだった」
グリューネ「それより、歌の決着はどうなったのかしら?お姉さん、と〜っても気になるわぁ〜」
クロエ「今はメニューのことを気にしたほうが良いんじゃ・・・・・・」
ロンドリーネ「だから私に決まってるでしょ!?」
リトルクイーン「いいえ、私」
ラザリス「いつまでも同じことで争って。本当に人間は愚かだ」
ロックス「種をまいたのは貴方ですけど・・・・・・」
プレザ「まったく、いつまでもそんなことしてたら肉体言語で黙らせるわよ?」
ティポ「何それ怖い!!」
レイア「もっと穏便にやろうよ」
プレザ「では魔法でも使おうかしら?」
カノンノP「もしかしてあの人も魔法少女なの!?」
ジェイ「あの人の場合、魔法少女ではなく魔法使いの先生ですけどね」
プレザ「シス・メア・パルス!」
ジュード「って、ただ助っ人カードを使っただけ!?」
メル「いらっしゃいませ〜」
アグリア「タダ飯が食えるっつうから来てやったけど、ちんけな所だな」
ロンドリーネ「プ、プロが来た!!」
リトルクイーン「ま、まだ・・・・・・まだ私は負けていない・・・・・・」
ノーマ「だぁもう分からん!どうせ何頼んでも同じっしょ!?」
ジェイ「そんなこと言って、変なものが出てきたらどうするんですか?」
ノーマ「そん時はモー助ヨロシク!てな訳でリッちゃん!」
シャーリィ&リッちゃん「「何?」」
ノーマ「いや私が呼んだのはワンダーじゃなくてセネセネが好きな方のリッちゃんだから」
リッちゃん「え?そんな・・・・・・急に好きとか言われても今日会ったばかりだし・・・シスコンとか頭おかしーし・・・・・・」
セネル「おかしくねぇし!いや、そうじゃなくて、俺はお前のことなんか好きじゃない!!」
リッちゃん「へへへ〜、知ってる〜♪」
セネル「くっ!!」
シャーリィ「それで、注文は?」
ノーマ「明太子と大葉の和風スパゲティで!」
クロエ「適当に選んだにしては美味しそうだな」
クラース「ここまで油物が続いてたからな。ここであっさり風味の物とはありがたい」
チェスター「言うことが完全におっさんだな」
クラース「何!?」
〜続く〜
※今回の投稿日が偶然にも3月11日となり、あれから3年経ちました。
今これを読んでる方がいつ、どんな時に読んでるのかは分かりませんし、はたまた未来の私が読み返しているのかもしれませんが、絶対に色褪せてはいけない日にちであることは間違いありません。
この場をお借りしてご冥福をお祈りすると共に黙祷を捧げたいと思います。
takeshi「ども〜!限界ギリギリバトルのtakeshiです」
チャリティ「あれ?あんた4ヶ月休載するんじゃなかったの?」
takeshi「(´・ω・`)?」
チャリティ「ムカツクわねその顔!!ていうか何顔文字使ってんの!?またスランプ!?」
takeshi「何言ってんのかな?と思いまして」
チャリティ「いやだからあんた前回4ヶ月分更新したからその分休載するとか言ってたじゃない」
takeshi「本当にそんなバカな真似するわけないじゃないですか」
チャリティ「こ、このっ・・・・・・!!最近あんたが夢中になってるゲームの内容を事細かにここで喋っても良いんだけど?」
takeshi「あ、すいません。それホントにやめてください。ここを読んでる人がいないって分かっていても、もしもの場合を考えた時イメージ的にまずいので。それに、どうせスランプだろうと絶好調だろうと私の文章力は低いままですよ」
チャリティ「あんたって面倒よね」
takeshi「そんな私の面倒を見てくれる人募集中です」
チャリティ「つまり介護してほしいと」
takeshi「ちがうわ!!」
チャリティ「そういえばティトレイって工場で働いてたのね。すっかり忘れてたわ、そんな設定」
takeshi「公式の設定なんですから覚えててくださいよ・・・・・・。ちなみに姉のセレナも同じ工場で働いているんですよ?」
チャリティ「ふぅ〜ん」
takeshi「ちなみに、今回飛行機のボディを組み立てるために繭が出てきたじゃないですか」
チャリティ「繭を鍛えれば金属になるとかいう不思議物質ね。そんな虫のディスカバリーもあるの?」
takeshi「いえ、この虫はオリジナルなのですが、リアルの世界で飛んでる飛行機あるじゃないですか。あの機体って、ユニクロで有名なヒートテックと同じ素材でできてるんですよ?」
チャリティ「あ、あぶなっ!よく飛べるわね!」
takeshi「流石にヒートテックと同じ加工をされている訳ではありませんからね・・・・・・」
チャリティ「そういえば前回オマケの後に、料理の鉄人達の特徴を教えるとか言ってたけど、どうなったわけ?」
takeshi「さすがチャリティさん!いいパス回しです!」
チャリティ「うるさいわね。とっとと教えなさいよ」
takeshi「まずアーチェなのですがデザートが唯一得意です。後は壊滅的です。ただ、好奇心旺盛なので妙なチャレンジ精神や、悪戯心が芽生える時があります。同じハーフエルフのリフィル先生は途中まではレシピ通りに作ろうとするのですがそれではつまらないという理由でアレンジをしようとします。つまり、基本はできるということです。次にハリエットなのですが、彼女は得意料理はありません。料理のセンスが皆無です。同じくナタリアも努めてレシピ通りに作ろうとするのですが不器用なためうまくいきません。ただ、舌は本物ですし食材の知識もあります。そして最後の問題児、フレンは普通に作ればレシピ通りの普通の料理が作れます。ただ遊び心やいらぬ親切心が働くと一変します」
チャリティ「どうしてレシピ通りに作ろうとしないのかしらね?」
takeshi「それが鉄人が鉄人たる理由なのだと思います。で、後はワンダー職人達なのですが、これはもう勘ですね。まぁ約一名ポンコツがいますが」
チャリティ「そう?器用貧乏になるよりは一つのことに突出してる方が魅力的だと思うけど」
takeshi「な、なぜヤツの肩を持つようなことを・・・・・・」
チャリティ「別に人間性は兎も角として、努力は認めてるだけよ」
takeshi「・・・・・・ツンデレですか?」
チャリティ「えっと、あのゲームのタイトルは何だったかしら?確かk」
takeshi「そういえばこの前劇場版タイガー&バニーを見てきたんですよ!!今回のは完全新作ということで実に素晴らしかったです!!新キャラも素敵でしたし、勿論既存キャラは最高ですしおすし」
チャリティ「ふる・・・・・・」
takeshi「特に痺れたセリフがですね。「男は度胸、女は愛嬌って言うじゃない?じゃあオカマは何だと思う?」ていうセリフがあるんですよ」
チャリティ「ていうかよくも私のセリフに被せてくれたわね」
takeshi「何だと思います?」
チャリティ「何が?」
takeshi「男は度胸、女は愛嬌。じゃあオカマは?」
チャリティ「『○きょう』ってなれば良いのよね?そうね・・・・・・大凶とか?」
takeshi「燃やされてしまえ!!」
チャリティ「誰によ!?」
takeshi「まったく・・・・・・。とりあえず、答えは各々確認してもらうとして。もしちゃんと涙が出るようになっていれば絶対に号泣していましたよ、あのシーンは」
チャリティ「涙出ないの?」
takeshi「ビックリするくらい出ないんですよ。この前眼科で目蓋をつねられたのですが、それでも出ませんでしたからね」
チャリティ「ちょっと、痛々しいからそういう話はやめてくれない?」
takeshi「きっと今なら大人帝国を見ようと、動物が死んでしまう映画を見ようと涙は出ませんよ」
チャリティ「でもそんな時に今まで一途に恋してきた人に告白されて涙が出たらドラマチックよね」
takeshi「何言ってるんですかチャリティさん。リアルにそんな恋をする人なんている訳ないじゃないですか。なんだかんだ言ってチャリティさんも乙女なんですねぇ〜」
チャリティ「恋h」
takeshi「ヒョォォォオオオオオオッ!!!!」
チャリティ「うるさい!!急に叫ぶなっての!!」
takeshi「きょ、今日はこの辺にしましょうか!ではまた〜」
チャリティ「恋姫m」
takeshi「ラストレクイエム!!!」
―――オマケ―――
ディオ「あれはもう全部言っちまったようなもんだろ・・・・・・」
シャーリィ「えっと、次は私達の番だよね?お兄ちゃん、注文をどうぞ」
ノーマ「セネセネ〜。妹のウェイトレス姿を見てぶっちゃけどうよ?」
セネル「ど、どうだって良いだろ、そんなこと。それより今は注文するのが先だろ?」
シャーリィ「・・・・・・そんなこと?」
ウィル「まずい!シャーリィが猛るぞ!!」
ジェイ「今日何日だと思ってるんですか!?シャーリィさんがメルネスになったらシャレになりませんよ!!」
クロエ「クーリッジ!何でも良いから気の利いたことを言うんだ!」
セネル「とっさに言われてもなぁ・・・・・・」
ジュード「なんだかよく分からないけどとりあえず大変そうだから、ローエン助けてあげてよ」
ローエン「気の利いた一言ですか。そうですね、では・・・・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・・・・と言ってみてはどうでしょうか?」
セネル「そ、そんなことを俺が言うのか?」
シャーリィ「折角お兄ちゃんのためにウェイターになったのに・・・・・・そっかそっか、どうでも良いんだ・・・・・・」
モーゼス「セの字早くするんじゃ!!」
セネル「分かったよ!!言えば良いんだろう!言えば!!・・・・・・シャ、シャーリィ」
シャーリィ「・・・・・・何?」
セネル「今のお前の姿に俺のハートは萌え萌えキュンだぜ☆」
シャーリィ「は・・・・・・?」
クロエ「し、しらけた!?しらけたぞクーリッジ!!」
セネル「俺が知るかよ!俺はあのじいさんに言われたことをそのまま言っただけだ!」
ローエン「ほっほ。おさまったのですから万事解決ではないですか」
ゼロス「でっひゃっひゃっひゃ!!普通言う前に気付くだろ!」
アルヴィン「恋に鈍いのは主人公補正なのかねぇ?」
レイア「そういえばジュード、ちょっと顔色がよくなったんじゃない?」
ジュード「しばらくカードファイトしなくてよくなったからかな?でもこれでインターハイに集中できるよ」
イバル「勝つのは俺達っしょ!」
ソフィ「みんな楽しそう」
シェリア「ソフィは何か部活やってないの?」
アスベル「そういえば、色々な学校に行ってる割りにそういう話は聞かないな」
パスカル「ソフィは学校が好きなんだね〜」
ヒューバート「学校の掛け持ちなんて聞いたことがありませんよ・・・・・・」
マリク「どうだソフィ。これを機に野球を始めてみるというのは?」
ソフィ「少し前にバスケをやってたから大丈夫。それに今は隣のエミル君を見てるから」
エミル「何で僕、今君付けされたの?」
ソフィ「あと最近ラザリスとも友達になったよ」
カノンノE「ラザリスとは元々超能力を使う学校で友達だったんじゃないの?」
ソフィ「あ、そうだった」
グリューネ「それより、歌の決着はどうなったのかしら?お姉さん、と〜っても気になるわぁ〜」
クロエ「今はメニューのことを気にしたほうが良いんじゃ・・・・・・」
ロンドリーネ「だから私に決まってるでしょ!?」
リトルクイーン「いいえ、私」
ラザリス「いつまでも同じことで争って。本当に人間は愚かだ」
ロックス「種をまいたのは貴方ですけど・・・・・・」
プレザ「まったく、いつまでもそんなことしてたら肉体言語で黙らせるわよ?」
ティポ「何それ怖い!!」
レイア「もっと穏便にやろうよ」
プレザ「では魔法でも使おうかしら?」
カノンノP「もしかしてあの人も魔法少女なの!?」
ジェイ「あの人の場合、魔法少女ではなく魔法使いの先生ですけどね」
プレザ「シス・メア・パルス!」
ジュード「って、ただ助っ人カードを使っただけ!?」
メル「いらっしゃいませ〜」
アグリア「タダ飯が食えるっつうから来てやったけど、ちんけな所だな」
ロンドリーネ「プ、プロが来た!!」
リトルクイーン「ま、まだ・・・・・・まだ私は負けていない・・・・・・」
ノーマ「だぁもう分からん!どうせ何頼んでも同じっしょ!?」
ジェイ「そんなこと言って、変なものが出てきたらどうするんですか?」
ノーマ「そん時はモー助ヨロシク!てな訳でリッちゃん!」
シャーリィ&リッちゃん「「何?」」
ノーマ「いや私が呼んだのはワンダーじゃなくてセネセネが好きな方のリッちゃんだから」
リッちゃん「え?そんな・・・・・・急に好きとか言われても今日会ったばかりだし・・・シスコンとか頭おかしーし・・・・・・」
セネル「おかしくねぇし!いや、そうじゃなくて、俺はお前のことなんか好きじゃない!!」
リッちゃん「へへへ〜、知ってる〜♪」
セネル「くっ!!」
シャーリィ「それで、注文は?」
ノーマ「明太子と大葉の和風スパゲティで!」
クロエ「適当に選んだにしては美味しそうだな」
クラース「ここまで油物が続いてたからな。ここであっさり風味の物とはありがたい」
チェスター「言うことが完全におっさんだな」
クラース「何!?」
〜続く〜
※今回の投稿日が偶然にも3月11日となり、あれから3年経ちました。
今これを読んでる方がいつ、どんな時に読んでるのかは分かりませんし、はたまた未来の私が読み返しているのかもしれませんが、絶対に色褪せてはいけない日にちであることは間違いありません。
この場をお借りしてご冥福をお祈りすると共に黙祷を捧げたいと思います。