第41話『リヒトワームとリヒトモスインセクト』
ブライトは適当に地面に向かって発砲した。
すると、その銃声にリヒトワームは驚くとワシャワシャ鳴きながら慌しく動き始めた。
ブライトの足元にいたリヒトワームにいたっては早速糸を吐き始める。
「ブライト!」
ヴェイグがテディホビンを投げるとブライトはキャッチする。
そして糸を防ぐようにテディホビンを突き出すとホビンは自動で回転し始め糸を巻き取った。
「こいつはすげぇな」
ブライトが感心している傍ら、リヒトワームは糸を吐くのをやめると調度ホビン一周分の糸を回収できた。
「一匹でこの程度か……」
ホビンも大きいせいかあまり回収できていない気がした。
しかしそれでも糸を吐きつかれたリヒトワームの代わりに2匹目、3匹目と威嚇のために次々とリヒトーワームがブライトの周りに集まり糸を吐く。
それを遠巻きに見守りつつ足元を高速で通り過ぎていくリヒトワームを踏まないようにしていたヴェイグ達だったが、不意に足元が地鳴りのような細かく震えるのを感じた。
「地震か?」
ヴェイグは天井から吊るさっている巨大な繭を見るが特に揺れている様子はない。
つまり一部の地面の下だけが振動していることになる。
ヴェイグは足元を見てみる。
その瞬間ヴェイグの足元から強靭のアゴを開いたリヒトワームがロケットのように飛び出した。
「っ!!」
ヴェイグは咄嗟に仰け反るとリヒトワームはヴェイグの前髪を切り裂きながら勢いを殺すことなく天井に突っ込み、しかし激突することなくその強靭なアゴで天井を掘り進むように潜っていった。
その一匹を合図にして今までのんびりと生活していたはずのリヒトワーム数百匹が地面や壁、天井という360度から特攻を始めた。
「俺達はどうやら重要なことを見落としていたようだ」
ユージーンが槍でリヒトワームを払いながら言う。
「重要なこと!?」
ジンが剣でアゴを払うと金属音と共にリヒトワームは弾かれる。
今の音でリヒトワームのアゴが鋼でできていることが分かるとジンに嫌な汗が流れた。
「俺達が歩いてきたこの洞窟を掘った主だ」
ユージーンの言葉に全員が顔を青く染めた。
「それならこの頑丈な歯も納得だ!老後がうらやましいぜ!」
ティトレイは冗談混じりにリヒトワームのアゴよりしたの本体、柔らかい部分を狙って蹴り飛ばす。
しかしロケットのように突っ込んでくる虫の中には噛み砕くのではなく、わざと軌道をずらして糸を吐きながら通り過ぎる虫もいた。
その糸がティトレイの足に絡むとティトレイはバランスを崩して地面に倒れる。
「ティトレイ!!」
ジークは叫ぶが距離が離れているためどうしようもない。
「ちっ!」
ヴェイグは舌打ちしながら地面に片手をつくとそこからフォルスを流しティトレイの背中の下の地面を凍らせる。
しかしリヒトワームは氷などものともせずにぶち破りながらティトレイの腰にロケット頭突きした。
「ぐあっ!」
ティトレイは衝撃で体がえびぞりになりながら宙に浮くが、幸い噛み砕かれてはいなかった。
今ティトレイに激突したリヒトワームを見てみると糸を吐いており、運が良いことに糸を撒き散らすために出てくる虫とぶつかっただけのようだった。
「ティトレイ!」
ブライトがテディホビンを投げるとティトレイはキャッチし糸を巻き取らせる。
その後、ホビンをラグビーボールのように各々パスをまわしながら糸を回収しつつ、どうしようも無い時は虫を斬るなり潰すなりして凌いだ。
「絶滅しちゃわないかな……」
危惧しながらカインはジンにホビンを投げる。
「これだけいれば平気っていうか、俺達が絶滅するよりマシでしょ」
そう言ってジンは右手でホビンをキャッチしてから左手でリヒトワームを切り裂く。
この作業をどれくらい続けているのかはもう覚えていないがだんだんと慣れてきた気がした。
しかし、トラブルというのは慣れたころにやってくる。
「みなさん、気をつけて!」
アニーに注意され周囲に気を配ってみるとまばらに散らばっているリヒトワームの何匹かがギャーギャー言いながら尻尾立ちしている。
しかし最も注目するべき点はその下に赤色の魔方陣が浮き上がっているということ。
「あいつら導術も使えんのか!?」
ブライトが驚いている間にもリヒトワームは詠唱を終えた合図のように飛び上がった。
すると、リヒトワームの口から小さな火の粉が発射された。
「な、なんだ、驚かしやがって……!」
リヒトワームが作り出すマッチに灯る火のような大きさの導術にブライトは安心していた。
さらにその火の粉はヴェイグ達に当たることはないが、相変わらずロケットのように飛び出す仲間に当たっていた。
「所詮虫っつうか、やっぱ知能は低いんだな」
ティトレイは自分のことを棚にあげつつ、最早ルーティーンワークとなったロケットを蹴り飛ばす作業を淡々とこなす。
そしてカインも背後から突出してくる気配を感じ、回転しながら蹴り飛ばそうとする。
「避けろカイン!!」
ジークが怒鳴るもカインの足は既にリヒトワームをとらえていた。
しかしこのリヒトワームは今まで散々蹴散らしてきた紫色の体をしたものとは違い、銀色の鋼で全身をコーティングされたリヒトワームだった。
「ぐぁっ!」
何とか蹴り飛ばしはしたが鋼鉄を蹴った反動が足に返ってきた。
地面に落ちてたアルミ缶を蹴ろうとしたら鉄の棒で固定されていたようなものである。
柔らかい物を蹴ろうとしていた分、反動も大きい。
カインは足をおさえながらうずくまるとアニーが駆け寄りヒールレーゲンを施す。
「あいつら、バカじゃねぇようだぞ」
ジークは叩き落すように正面から飛んできたリヒトワームを上から殴る。
すると、地面でのたうちまわるリヒトワームも鋼鉄にコーティングされていた。
そのリヒトワームは先ほど仲間からの火の粉をかぶったはずのリヒトワームだった。
「糸が鉄になるのなら本体も鉄になるんですね」
そう、リヒトワームは決して無闇に火の粉を撒き散らしているわけではかった。
仲間に振り掛けることによって柔らかい皮膚を硬化させるためだった。
「ユージーン!ここは一旦引くべきだ!」
ヴェイグの言葉を受け、ユージーンは一瞬考えた後ホビンの行き先を追った。
「ジン!糸は今どれくらい回収できている!?」
「まだ4分の1くらいしかたまってない!!」
ホビンの大きさに大してリヒトワーム一匹が吐く糸が少なすぎる。
しかしメタル化してから強気になったのか虫達が吐く糸の量も増え始めている。
「もう少し踏ん張ってくれ!無理と判断したら即座に退却する!」
ユージーンの号令に全員頷き、カインも戦線に復帰した。
これまではフォルスを使うまでもなかったが、相手がメタル化した今となっては使わざるを得ない。
「絶氷斬!」
極限まで凍気を込めた大剣で突っ込んでくる虫を切り裂く。
するとリヒトワームは見事に真っ二つになり、四方から飛んできた虫達も拡散した冷機により凍り付き壁を掘り進むことなく激突し、ぼとりと地面に落ちて動かなくなる。
「アサルト・パレッド!!」
ブライトは左手の拳銃と右手のライフルを交互に連射し詠唱するリヒトワームごと一掃する。
ただブライトの場合は重力のフォルスを使えば洞窟が崩れる恐れがあるため歯痒い思いをしていた。
そして奮闘することしばらくしてリヒトワームの攻撃がやんだ。
全員肩で息を切らし、周囲を見渡す。
壁に開いた小さな穴からは更に小さい光が多数見えるが出てくる様子はない。
どうやら敵わぬ相手と悟って防衛本能が働いているのだろうと結論付けた。
「カイン、今どれくらい集まったんだ?」
ティトレイは座り込みながら訊ねる。
「やっと半分くらいかな」
これだけやってまだ半分なのかとティトレイは落胆した。
「今日はもう無理なんじゃねぇか?」
ブライトが穴に視線を送りながら言うとユージーンも頷いた。
「また明日出直すとしよう。少し休憩したらピピスタに帰ろう」
「あの店主が気長に待つと言っていた理由が分かったな」
ヴェイグ達は1日で集めきるつもりだったのに対して店主が、はなから期待をする素振りもみせず気長に待つと言ったことに引っかかりを感じていた。
そしてその答えが現状である。
こんなにも集まりにくいものならばすぐに沢山集まるのを期待するだけ無駄だということはやってみて痛感した。
「でもこの糸を全部テディホビンに巻けたら満タンになりそうだけどね」
気付けばジンとジークが巨大な繭の前に立っており、ジンが繭をさすっていた。
「お…おい……」
嫌な予感がするブライトは届かないと分かっていながらも二人に向かって手を伸ばす。
「いっそのこと孵化させちまった方が楽かもな」
ジークは冗談を言いながらもジン同様に繭に触れる。
普段なら触ることをためらうが朝方骨董屋でフォルスは滅多に発動しないことに安心感を覚えている。
故に今は何の恐れもなく触ることができる。
しかし、フラグとは滅多な場合に関してのみ異常なまでに効力を発揮する。
「ん?」
ジークは右手から何か懐かしい力が流れるのを感じる。
その正体を確かめることもなく、右手から黒いオーラが発せられていることに気付く。
「兄さん……」
ジークは手をゆっくりと離すと右手のオーラは一瞬で消えたが、今まで手を置いていた箇所を起点にして巨大な繭に亀裂が縦一文字に入る。
ジークはその亀裂を見上げながら一歩後ずさる。
すると、何か硬いような柔らかいようなカルシウムの塊を踏んだような感触がしたので視線を落としてみる。
するとそこには白骨が転がっていた。
さらに近くにはマントらしき布も落ちており、その上にメモ書きのようなものが置いてあった。
おそらく店主が言っていた冒険家がここを訪れた時のものだろう。
ジークがメモを拾い上げている間にも繭のヒビは中から広げられていき、座り込んで休憩していたヴェイグ達は目を見開いた。
繭から銀色の羽を4枚広げるとその大きさは空間の殆どを占め、長い触角を頭で揺らし、体長は洞窟の高さとほぼ同じだった。
「リヒトモスインセクト……」
ジークがメモを読み上げるのと同時に繭から孵化した蝶のような蛾のような虫は銀色の羽を擦り合わせながら羽ばたく。
すると、ギィィイイイイイイ!!!!という金属を削るような音が洞窟に響き渡る。
「ポンコツ兄弟!!さっさとこっちに来い!!」
ブライトが耳をふさぎながら怒鳴ると、ジークとジンは我に返ったようにヴェイグ達のもとへダッシュした。
そしてヴェイグ達同様に武器を構える。
「これで生きて返れたら僕たちこいつの第一発見者になれるね!」
カインは引きつった笑いを浮かべながら言うがジークがメモをカインに見せた。
「どうやら名付け親はもういるようだぜ。今はカルシウムだけの体になっちまったがな」
「リヒトモスインセクトか……」
カインが読み上げている間にも負けを認めたはずのリヒトワームまでもが穴からぞろぞろと這い出て来た。
「あいつら諦めたんじゃなかったのか!?」
「形勢逆転と感じたのか、それともクイーンを護るナイト気取りなのかもな」
ヴェイグが一層眉間に皺を寄せる一方で、ブライトの言葉を聞いてティトレイは両の拳をぶつけた。
「おもしれぇ!そういうの嫌いじゃないぜ?」
「発見してしまったものは仕方ない。故人のためにも生きて名前を持ち帰るぞ!」
ユージーンの鼓舞に応じるように8人は自分達より数倍大きいリヒトモスインセクトを見据える。
「みんな、頑張りましょう!」
そしてリヒトモスインセクトが再び金属音を発するのを合図に8人は飛び出した。
〜続く〜
すると、その銃声にリヒトワームは驚くとワシャワシャ鳴きながら慌しく動き始めた。
ブライトの足元にいたリヒトワームにいたっては早速糸を吐き始める。
「ブライト!」
ヴェイグがテディホビンを投げるとブライトはキャッチする。
そして糸を防ぐようにテディホビンを突き出すとホビンは自動で回転し始め糸を巻き取った。
「こいつはすげぇな」
ブライトが感心している傍ら、リヒトワームは糸を吐くのをやめると調度ホビン一周分の糸を回収できた。
「一匹でこの程度か……」
ホビンも大きいせいかあまり回収できていない気がした。
しかしそれでも糸を吐きつかれたリヒトワームの代わりに2匹目、3匹目と威嚇のために次々とリヒトーワームがブライトの周りに集まり糸を吐く。
それを遠巻きに見守りつつ足元を高速で通り過ぎていくリヒトワームを踏まないようにしていたヴェイグ達だったが、不意に足元が地鳴りのような細かく震えるのを感じた。
「地震か?」
ヴェイグは天井から吊るさっている巨大な繭を見るが特に揺れている様子はない。
つまり一部の地面の下だけが振動していることになる。
ヴェイグは足元を見てみる。
その瞬間ヴェイグの足元から強靭のアゴを開いたリヒトワームがロケットのように飛び出した。
「っ!!」
ヴェイグは咄嗟に仰け反るとリヒトワームはヴェイグの前髪を切り裂きながら勢いを殺すことなく天井に突っ込み、しかし激突することなくその強靭なアゴで天井を掘り進むように潜っていった。
その一匹を合図にして今までのんびりと生活していたはずのリヒトワーム数百匹が地面や壁、天井という360度から特攻を始めた。
「俺達はどうやら重要なことを見落としていたようだ」
ユージーンが槍でリヒトワームを払いながら言う。
「重要なこと!?」
ジンが剣でアゴを払うと金属音と共にリヒトワームは弾かれる。
今の音でリヒトワームのアゴが鋼でできていることが分かるとジンに嫌な汗が流れた。
「俺達が歩いてきたこの洞窟を掘った主だ」
ユージーンの言葉に全員が顔を青く染めた。
「それならこの頑丈な歯も納得だ!老後がうらやましいぜ!」
ティトレイは冗談混じりにリヒトワームのアゴよりしたの本体、柔らかい部分を狙って蹴り飛ばす。
しかしロケットのように突っ込んでくる虫の中には噛み砕くのではなく、わざと軌道をずらして糸を吐きながら通り過ぎる虫もいた。
その糸がティトレイの足に絡むとティトレイはバランスを崩して地面に倒れる。
「ティトレイ!!」
ジークは叫ぶが距離が離れているためどうしようもない。
「ちっ!」
ヴェイグは舌打ちしながら地面に片手をつくとそこからフォルスを流しティトレイの背中の下の地面を凍らせる。
しかしリヒトワームは氷などものともせずにぶち破りながらティトレイの腰にロケット頭突きした。
「ぐあっ!」
ティトレイは衝撃で体がえびぞりになりながら宙に浮くが、幸い噛み砕かれてはいなかった。
今ティトレイに激突したリヒトワームを見てみると糸を吐いており、運が良いことに糸を撒き散らすために出てくる虫とぶつかっただけのようだった。
「ティトレイ!」
ブライトがテディホビンを投げるとティトレイはキャッチし糸を巻き取らせる。
その後、ホビンをラグビーボールのように各々パスをまわしながら糸を回収しつつ、どうしようも無い時は虫を斬るなり潰すなりして凌いだ。
「絶滅しちゃわないかな……」
危惧しながらカインはジンにホビンを投げる。
「これだけいれば平気っていうか、俺達が絶滅するよりマシでしょ」
そう言ってジンは右手でホビンをキャッチしてから左手でリヒトワームを切り裂く。
この作業をどれくらい続けているのかはもう覚えていないがだんだんと慣れてきた気がした。
しかし、トラブルというのは慣れたころにやってくる。
「みなさん、気をつけて!」
アニーに注意され周囲に気を配ってみるとまばらに散らばっているリヒトワームの何匹かがギャーギャー言いながら尻尾立ちしている。
しかし最も注目するべき点はその下に赤色の魔方陣が浮き上がっているということ。
「あいつら導術も使えんのか!?」
ブライトが驚いている間にもリヒトワームは詠唱を終えた合図のように飛び上がった。
すると、リヒトワームの口から小さな火の粉が発射された。
「な、なんだ、驚かしやがって……!」
リヒトワームが作り出すマッチに灯る火のような大きさの導術にブライトは安心していた。
さらにその火の粉はヴェイグ達に当たることはないが、相変わらずロケットのように飛び出す仲間に当たっていた。
「所詮虫っつうか、やっぱ知能は低いんだな」
ティトレイは自分のことを棚にあげつつ、最早ルーティーンワークとなったロケットを蹴り飛ばす作業を淡々とこなす。
そしてカインも背後から突出してくる気配を感じ、回転しながら蹴り飛ばそうとする。
「避けろカイン!!」
ジークが怒鳴るもカインの足は既にリヒトワームをとらえていた。
しかしこのリヒトワームは今まで散々蹴散らしてきた紫色の体をしたものとは違い、銀色の鋼で全身をコーティングされたリヒトワームだった。
「ぐぁっ!」
何とか蹴り飛ばしはしたが鋼鉄を蹴った反動が足に返ってきた。
地面に落ちてたアルミ缶を蹴ろうとしたら鉄の棒で固定されていたようなものである。
柔らかい物を蹴ろうとしていた分、反動も大きい。
カインは足をおさえながらうずくまるとアニーが駆け寄りヒールレーゲンを施す。
「あいつら、バカじゃねぇようだぞ」
ジークは叩き落すように正面から飛んできたリヒトワームを上から殴る。
すると、地面でのたうちまわるリヒトワームも鋼鉄にコーティングされていた。
そのリヒトワームは先ほど仲間からの火の粉をかぶったはずのリヒトワームだった。
「糸が鉄になるのなら本体も鉄になるんですね」
そう、リヒトワームは決して無闇に火の粉を撒き散らしているわけではかった。
仲間に振り掛けることによって柔らかい皮膚を硬化させるためだった。
「ユージーン!ここは一旦引くべきだ!」
ヴェイグの言葉を受け、ユージーンは一瞬考えた後ホビンの行き先を追った。
「ジン!糸は今どれくらい回収できている!?」
「まだ4分の1くらいしかたまってない!!」
ホビンの大きさに大してリヒトワーム一匹が吐く糸が少なすぎる。
しかしメタル化してから強気になったのか虫達が吐く糸の量も増え始めている。
「もう少し踏ん張ってくれ!無理と判断したら即座に退却する!」
ユージーンの号令に全員頷き、カインも戦線に復帰した。
これまではフォルスを使うまでもなかったが、相手がメタル化した今となっては使わざるを得ない。
「絶氷斬!」
極限まで凍気を込めた大剣で突っ込んでくる虫を切り裂く。
するとリヒトワームは見事に真っ二つになり、四方から飛んできた虫達も拡散した冷機により凍り付き壁を掘り進むことなく激突し、ぼとりと地面に落ちて動かなくなる。
「アサルト・パレッド!!」
ブライトは左手の拳銃と右手のライフルを交互に連射し詠唱するリヒトワームごと一掃する。
ただブライトの場合は重力のフォルスを使えば洞窟が崩れる恐れがあるため歯痒い思いをしていた。
そして奮闘することしばらくしてリヒトワームの攻撃がやんだ。
全員肩で息を切らし、周囲を見渡す。
壁に開いた小さな穴からは更に小さい光が多数見えるが出てくる様子はない。
どうやら敵わぬ相手と悟って防衛本能が働いているのだろうと結論付けた。
「カイン、今どれくらい集まったんだ?」
ティトレイは座り込みながら訊ねる。
「やっと半分くらいかな」
これだけやってまだ半分なのかとティトレイは落胆した。
「今日はもう無理なんじゃねぇか?」
ブライトが穴に視線を送りながら言うとユージーンも頷いた。
「また明日出直すとしよう。少し休憩したらピピスタに帰ろう」
「あの店主が気長に待つと言っていた理由が分かったな」
ヴェイグ達は1日で集めきるつもりだったのに対して店主が、はなから期待をする素振りもみせず気長に待つと言ったことに引っかかりを感じていた。
そしてその答えが現状である。
こんなにも集まりにくいものならばすぐに沢山集まるのを期待するだけ無駄だということはやってみて痛感した。
「でもこの糸を全部テディホビンに巻けたら満タンになりそうだけどね」
気付けばジンとジークが巨大な繭の前に立っており、ジンが繭をさすっていた。
「お…おい……」
嫌な予感がするブライトは届かないと分かっていながらも二人に向かって手を伸ばす。
「いっそのこと孵化させちまった方が楽かもな」
ジークは冗談を言いながらもジン同様に繭に触れる。
普段なら触ることをためらうが朝方骨董屋でフォルスは滅多に発動しないことに安心感を覚えている。
故に今は何の恐れもなく触ることができる。
しかし、フラグとは滅多な場合に関してのみ異常なまでに効力を発揮する。
「ん?」
ジークは右手から何か懐かしい力が流れるのを感じる。
その正体を確かめることもなく、右手から黒いオーラが発せられていることに気付く。
「兄さん……」
ジークは手をゆっくりと離すと右手のオーラは一瞬で消えたが、今まで手を置いていた箇所を起点にして巨大な繭に亀裂が縦一文字に入る。
ジークはその亀裂を見上げながら一歩後ずさる。
すると、何か硬いような柔らかいようなカルシウムの塊を踏んだような感触がしたので視線を落としてみる。
するとそこには白骨が転がっていた。
さらに近くにはマントらしき布も落ちており、その上にメモ書きのようなものが置いてあった。
おそらく店主が言っていた冒険家がここを訪れた時のものだろう。
ジークがメモを拾い上げている間にも繭のヒビは中から広げられていき、座り込んで休憩していたヴェイグ達は目を見開いた。
繭から銀色の羽を4枚広げるとその大きさは空間の殆どを占め、長い触角を頭で揺らし、体長は洞窟の高さとほぼ同じだった。
「リヒトモスインセクト……」
ジークがメモを読み上げるのと同時に繭から孵化した蝶のような蛾のような虫は銀色の羽を擦り合わせながら羽ばたく。
すると、ギィィイイイイイイ!!!!という金属を削るような音が洞窟に響き渡る。
「ポンコツ兄弟!!さっさとこっちに来い!!」
ブライトが耳をふさぎながら怒鳴ると、ジークとジンは我に返ったようにヴェイグ達のもとへダッシュした。
そしてヴェイグ達同様に武器を構える。
「これで生きて返れたら僕たちこいつの第一発見者になれるね!」
カインは引きつった笑いを浮かべながら言うがジークがメモをカインに見せた。
「どうやら名付け親はもういるようだぜ。今はカルシウムだけの体になっちまったがな」
「リヒトモスインセクトか……」
カインが読み上げている間にも負けを認めたはずのリヒトワームまでもが穴からぞろぞろと這い出て来た。
「あいつら諦めたんじゃなかったのか!?」
「形勢逆転と感じたのか、それともクイーンを護るナイト気取りなのかもな」
ヴェイグが一層眉間に皺を寄せる一方で、ブライトの言葉を聞いてティトレイは両の拳をぶつけた。
「おもしれぇ!そういうの嫌いじゃないぜ?」
「発見してしまったものは仕方ない。故人のためにも生きて名前を持ち帰るぞ!」
ユージーンの鼓舞に応じるように8人は自分達より数倍大きいリヒトモスインセクトを見据える。
「みんな、頑張りましょう!」
そしてリヒトモスインセクトが再び金属音を発するのを合図に8人は飛び出した。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート24】
takeshi「ども〜!今回はパート24ということで西(ニシ)へ向かうと良いことがあるような気がするtakeshiです」
チャリティ「それってどこかのラジオパーソナリティのパクリじゃない」
takehsi「というかチャリティさんちゃんと仕事してくださいよ!」
チャリティ「は!?前回はあんたが食べてて良いって言ったんじゃない!!」
takeshi「いえ、そのことではなくてですね!まぁ……いいでしょう」
チャリティ「それより、結局フラグ回収したわね」
takeshi「折れませんでしたね〜」
チャリティ「それと前回食べてたから突っ込めなかったけど、緑のモブ子ってここまで出たらもうレギュラーじゃない」
takeshi「レギュラーだから人物名鑑に載ってるんじゃないですか。何言ってるんです?バカなんです?」
チャリティ「広くなった分殴りにいけないのが悔しいわ……!!」
takeshi「そうそう、前回だか前々回に新生活スタートって話をした時に話し忘れたことがあったのですが、新しく一人暮らしを始めると不安とかあると想うんですよ」
チャリティ「そうなの?」
takeshi「大学に入学したばかりで一人暮らしを始めたばかりだと知り合いが誰もいませんからね。案外寂しいものなんですよ。でも大丈夫!大学は高校に比べてたくさんのサークルがあるので自分の趣味とあったサークルを見つけて入ればすぐに友達ができますよ!逆に友達なんていらねーしという孤高の狼君も大学は高校と違って友達を作らなくてもなんら支障はないのでそのまま卒業できちゃうんです!」
チャリティ「あんた文字に入れてないけど言葉では孤高の狼君(笑)になってるわよ?」
takeshi「高校までの教育課程と大学からの勉学での大きな違いってやはりクラスにあると想うんですよね。高校まではクラス単位で生活していかなければならなかったのでコミュニケーションをとらなければならないので少なからず自分を殺す必要があるじゃないですか」
チャリティ「そう?私は自由気ままにいたけど」
takeshi「チャリティさんのような人は良いですけど、あまり口外できない趣味をお持ちの方とかいるじゃないですか」
チャリティ「あぁ、オタク趣味とか」
takeshi「そこは空気読んでオブラートに包みましょうぜチャリティさん。今私のハートがばっさり切られましたよ?」
チャリティ「だって私空気読めるけど読まない設定だから」
takeshi「設定言うな。とにかく一部では堂々とそのような話をしているグループもいますが少なからず引かれるわけですよ。そのため大衆の趣味に合わせるなり何なりするわけですよ」
チャリティ「最後の何なりって具体的に何ナリ?」
takeshi「コ○助か……。それは画面の前のお友達何人かに心の傷を負わせてしまうかもしれないのでスルーです。このようにクラスで3年間を過ごすために肩身の狭い思いしてきたわけですよね。でも大学になると受ける授業も人によってバラバラなので無理に仲良くなる必要がないんです。仲良くなりたい人とだけ仲良くなっていればそれだけで十分なんです」
チャリティ「じゃあ高校とかもそういう制度にすればいいのに」
takeshi「そういうドラマもありましたけど、逆にそれだと社会に出てから苦労するんですよ。社会に出たら課があり組織ですから、またグループで生活するわけです。その時、高校までで培ってきたコミュニケーション力とか他に合わせる力が必要になるわけです」
チャリティ「逆に個性を重要視する会社もあるけどね。ってワッシー先輩が言ってた」
takeshi「つまり大学の4年間というのは人生の中で最もフリーダムでジャスティスやデスティニーに縛られることなくレジェンドになれる時期なのです!」
チャリティ「いろいろぶっこんだわね……」
takeshi「てな訳で大学に入学ほやほやのそこの君!今すぐサークルかバイトにゴー!」
チャリティ「バイト!?」
takeshi「大学での思い出はすべて財産になりますからね。ちなみに2年からでも全然遅くないですよ!そして3年の君!さっさと就活しなさい!」
チャリティ「早くない!?」
takeshi「インターンシップとかあるのでそれには絶対に行くべきです。さもないとワッシー先輩みたいになりますよ!」
チャリティ「ワッシー先輩、今何してるのかしら?」
takeshi「こんなんで新生活に対する不安を少しでも解消できたら幸いです」
チャリティ「就活生は逆に焦っちゃうんじゃない?」
takeshi「少しぐらい焦ったほうが良いんですよ!私もそろそろ療養生活を脱して焦らなくてはならないですし」
チャリティ「せいぜい頑張りなさい」
takeshi「さて!オマケの方では残り4組ということでいよいよ最終ラウンド突入です!!」
チャリティ「本当に終わるのかしらね?」
takeshi「いい加減終わらせたいですね。オマケのせいで計らずとも掛け持ちしてる状態ですし……。ではまた〜」
―――オマケ―――
ユーリ「ヨーデル、てめぇ何敵に塩送ってんだ?あのまま不正解だったら俺達がビリになる確率も下がったじゃねぇか」
フレン「ユーリ!殿下に失礼だぞ!」
ヨーデル「いいのですフレン。ここでは僕は一市民にすぎませんから」
ローエン「結局私達の料理を作ってくださったのはどなただったのでしょうか?」
ミミー「小生だパン!」
レイア「あちゃ〜!3はミミーの3だったか〜」
ミラ「おぉ!確かにそういう考え方もできるな!」
ジュード「レイア……それ没収ね」
レイア「ガーン!!」
ディオ「ところで今残ってるのってどこの世界なんだ?」
メル「えっと、レジェンディアとヴェイスペリアと、グレイセスにエクシリアだよ」
ロンドリーネ「おや?私達がイチャイチャしている間にずいぶん減ったね」
ダオス「さりげなく私を巻き込むな!」
ロンドリーネ「それじゃ!ここからスペシャルルールを適用するよ!」
パティ「おぉ!そこはかとなくゴージャスな響きなのじゃ!」
ロンドリーネ「それじゃ、オーナー説明よろしくぅ♪」
ヴァン「残り4組となったことでここからはサドンデスマッチとする。つまり、今までは3組が回答したところで正誤問わず回答権が終了していたが、今回は3組が正解するまで回答権は持続する」
チャット「ということは、今回で必ずビリが決まるんですね?」
ロンドリーネ「そういうこと。で、次のオーダーなんだけど本当ならアビスの人達が選ぶはずだったんだけどもう正解してるからヴェスペリアが選んでね!」
セネル「それは不公平なんじゃないか?」
ディオ「何でだよ?」
セネル「この料理で全てが決まるんだったらメニューを選べるヴェスペリアにアドバンテージがあるだろ」
アスベル「セネルに同感だ」
セネル「お前に同感されるとむずがゆいな……」
アスベル「なぜだセネル?俺は善意で同意してるだけだ」
セネル「いや、それは分かっているんだが……」
ノーマ「ベルベル、ちょっとセネセネの名前を叫んでみてよ」
アスベル「よく分からないが分かった、やってみよう」
アグリア「ついでに羽も付けてみるか?」
ダオス「髪も金髪にするべきだ」
クレア「一体何が始まるのかしら……」
ノーマ「さぁどうぞ!」
アスベル「セネル!!!」
セネル「ワルター!!」
クロエ「何なんだ……このやり取りは……?」
グリューネ「アスベルちゃん、と〜ってもそっくりよぉ〜」
アスベル「そ、そんなに似てるのか?」
ソフィ「アスベル、私の名前も叫んでみて」
アスベル「ソフィもか?いくぞ。ソフィ!!!」
ソフィ「どう?」
クロエ「いや、どうと聞かれても……」
グリューネ「お上手だわぁ〜♪」
レイア「はいはいは〜い!じゃあ次、これ読んでみて!」
アスベル「これを読めば良いのか?」
レイア「セネルの名前を叫んだ時と同じ感じでね!」
アスベル「コネクティブヒナ!!って、何を言わせるんだっ!!」
レイア「もう一回!もっと憎しみを込めて!!」
ウィル「いい加減にせんか!!」
レイア「アイタッ!」
アスベル「な、なんで俺まで……」
ノーマ「ちょっとウィルッチ!あたしは悪くないっしょ!?」
ウィル「お前が原因だろうが!!」
レイア「さっき見てたけど結構痛いんだね〜」
ノーマ「でしょ〜」
ソフィ「私は拳骨されてない……」
ノーマ「あー!オヤジエコヒイキだぁ!!」
ウィル「ち、違う!!」
ノーマ「じゃあ拳骨してみなさいよ!さぁさぁさぁ!!」
ウィル「わ、分かっている」
ハリエット「ちょっとパパ!まさかハティと同い年くらいの子を殴ろうとしてるんじゃないでしょうね!?」
ウィル「ち、違うぞハリエット!断じて俺は!」
ノーマ「やっぱりエコヒイキだー!!」
レイア「ヒイキだヒイキだー!」
ジュード「なんかうちのレイアがすみません……」
セネル「いや、うちのノーマこそ」
ハリエット「殴るのパパ!?」
ノーマ「殴らないの!?」
ウィル「む、むぅ……」
ノーマ&レイア「「どっち!?」」
ウィル「むおおおおお!!!!男女共同パンチができる主人公が憎ィイイイイ!!!!」
マオ「ユージーンの真似だ〜!」
ユージーン「俺はあんなふぅに見えていたのか……」
ミラ「収集がつかなくなってしまったな。ユーリ、ここはロンドリーネの言うとおり君が選んでくれ」
ユーリ「良いのかよ?俺達が選ぶと有利になっちまうぜ?」
パティ「ユーリは既にユーリじゃないのか?」
リタ「あんたはちょっと黙ってなさい」
クロエ「騒がせてしまったのは私達の責任だ。私からは何も言うまい」
ヒューバート「僕達も同罪のようなものですからね」
パスカル「何でもいいからパッパと選んじゃいなよ!」
ユーリ「そんじゃ、お言葉に甘えるとしますか。後悔してもしらねぇからな」
ロンドリーネ「後悔なんて、あるはずない」
パティ「不吉なこと言わないでほしいのじゃ!」
ジュディス「それで、何にするのかしら?」
リタ「最後なんだしデザートで良いんじゃな〜い?」
レイヴン「おっさん、最初に甘い物食べたからもう見るのも嫌なんだけど……」
ユーリ「じゃあデザートにすっか」
レイヴン「『じゃあ』が機能してない!!」
ユーリ「冗談だおっさん」
ラピード「バウ!」
ユーリ「あ?あぁ、そうだな。それが妥当かもなラピード」
ゴーシュ「お前犬と喋れるのか!?」
ユーリ「んなわけねぇだろ。忍者じゃあるまいし」
コレット「ワンちゃんと話せたら素敵だろうな〜」
ユーリ「このひれかつ煮Cセットで良いか?」
エステリーゼ「ユーリ?これ、ヒレカツの他にご飯やお味噌汁、漬物が付いてくるようなのですが……」
ユーリ「キールは良いのか?」
エステリーゼ「それどころじゃないようなので戻ってきたんです!私、こんなに食べられません!」
レイヴン「おっさんも!」
ユーリ「ったく分かってねぇな〜。このセットは切る、煮る、焼くの料理の基本が揃ってんだぜ?これなら今までの傾向を当てはめやすいだろうが。それに、限界なのは俺達だけじゃないんだぜ?」
アルヴィン「おいおい……セットメニューなんて誰が食うんだ?」
イバル「俺がっ……うっぷ」
ユーリ「そういう訳だロディ。ひれかつ煮Cセットをたのむぜ?」
ロンドリーネ「オッケー!オーダー!」
フレン「ユーリ、君はそのメニューを選ぶんだね」
ユーリ「選ぶんじゃねぇ。もう、選んだんだ」
レイア「ジュード、あの人当たり前のことをクールに言ってるけどあれが噂の中二病なのかな?」
ジュード「レイア声が大きいよ!きっとあれはユーリの名言か何かなんだよ!」
ユーリ「あいつらにはぜってぇ負けねぇ……!!」
カロル「ユーリが珍しく燃えてる!!」
〜続く〜
takeshi「ども〜!今回はパート24ということで西(ニシ)へ向かうと良いことがあるような気がするtakeshiです」
チャリティ「それってどこかのラジオパーソナリティのパクリじゃない」
takehsi「というかチャリティさんちゃんと仕事してくださいよ!」
チャリティ「は!?前回はあんたが食べてて良いって言ったんじゃない!!」
takeshi「いえ、そのことではなくてですね!まぁ……いいでしょう」
チャリティ「それより、結局フラグ回収したわね」
takeshi「折れませんでしたね〜」
チャリティ「それと前回食べてたから突っ込めなかったけど、緑のモブ子ってここまで出たらもうレギュラーじゃない」
takeshi「レギュラーだから人物名鑑に載ってるんじゃないですか。何言ってるんです?バカなんです?」
チャリティ「広くなった分殴りにいけないのが悔しいわ……!!」
takeshi「そうそう、前回だか前々回に新生活スタートって話をした時に話し忘れたことがあったのですが、新しく一人暮らしを始めると不安とかあると想うんですよ」
チャリティ「そうなの?」
takeshi「大学に入学したばかりで一人暮らしを始めたばかりだと知り合いが誰もいませんからね。案外寂しいものなんですよ。でも大丈夫!大学は高校に比べてたくさんのサークルがあるので自分の趣味とあったサークルを見つけて入ればすぐに友達ができますよ!逆に友達なんていらねーしという孤高の狼君も大学は高校と違って友達を作らなくてもなんら支障はないのでそのまま卒業できちゃうんです!」
チャリティ「あんた文字に入れてないけど言葉では孤高の狼君(笑)になってるわよ?」
takeshi「高校までの教育課程と大学からの勉学での大きな違いってやはりクラスにあると想うんですよね。高校まではクラス単位で生活していかなければならなかったのでコミュニケーションをとらなければならないので少なからず自分を殺す必要があるじゃないですか」
チャリティ「そう?私は自由気ままにいたけど」
takeshi「チャリティさんのような人は良いですけど、あまり口外できない趣味をお持ちの方とかいるじゃないですか」
チャリティ「あぁ、オタク趣味とか」
takeshi「そこは空気読んでオブラートに包みましょうぜチャリティさん。今私のハートがばっさり切られましたよ?」
チャリティ「だって私空気読めるけど読まない設定だから」
takeshi「設定言うな。とにかく一部では堂々とそのような話をしているグループもいますが少なからず引かれるわけですよ。そのため大衆の趣味に合わせるなり何なりするわけですよ」
チャリティ「最後の何なりって具体的に何ナリ?」
takeshi「コ○助か……。それは画面の前のお友達何人かに心の傷を負わせてしまうかもしれないのでスルーです。このようにクラスで3年間を過ごすために肩身の狭い思いしてきたわけですよね。でも大学になると受ける授業も人によってバラバラなので無理に仲良くなる必要がないんです。仲良くなりたい人とだけ仲良くなっていればそれだけで十分なんです」
チャリティ「じゃあ高校とかもそういう制度にすればいいのに」
takeshi「そういうドラマもありましたけど、逆にそれだと社会に出てから苦労するんですよ。社会に出たら課があり組織ですから、またグループで生活するわけです。その時、高校までで培ってきたコミュニケーション力とか他に合わせる力が必要になるわけです」
チャリティ「逆に個性を重要視する会社もあるけどね。ってワッシー先輩が言ってた」
takeshi「つまり大学の4年間というのは人生の中で最もフリーダムでジャスティスやデスティニーに縛られることなくレジェンドになれる時期なのです!」
チャリティ「いろいろぶっこんだわね……」
takeshi「てな訳で大学に入学ほやほやのそこの君!今すぐサークルかバイトにゴー!」
チャリティ「バイト!?」
takeshi「大学での思い出はすべて財産になりますからね。ちなみに2年からでも全然遅くないですよ!そして3年の君!さっさと就活しなさい!」
チャリティ「早くない!?」
takeshi「インターンシップとかあるのでそれには絶対に行くべきです。さもないとワッシー先輩みたいになりますよ!」
チャリティ「ワッシー先輩、今何してるのかしら?」
takeshi「こんなんで新生活に対する不安を少しでも解消できたら幸いです」
チャリティ「就活生は逆に焦っちゃうんじゃない?」
takeshi「少しぐらい焦ったほうが良いんですよ!私もそろそろ療養生活を脱して焦らなくてはならないですし」
チャリティ「せいぜい頑張りなさい」
takeshi「さて!オマケの方では残り4組ということでいよいよ最終ラウンド突入です!!」
チャリティ「本当に終わるのかしらね?」
takeshi「いい加減終わらせたいですね。オマケのせいで計らずとも掛け持ちしてる状態ですし……。ではまた〜」
―――オマケ―――
ユーリ「ヨーデル、てめぇ何敵に塩送ってんだ?あのまま不正解だったら俺達がビリになる確率も下がったじゃねぇか」
フレン「ユーリ!殿下に失礼だぞ!」
ヨーデル「いいのですフレン。ここでは僕は一市民にすぎませんから」
ローエン「結局私達の料理を作ってくださったのはどなただったのでしょうか?」
ミミー「小生だパン!」
レイア「あちゃ〜!3はミミーの3だったか〜」
ミラ「おぉ!確かにそういう考え方もできるな!」
ジュード「レイア……それ没収ね」
レイア「ガーン!!」
ディオ「ところで今残ってるのってどこの世界なんだ?」
メル「えっと、レジェンディアとヴェイスペリアと、グレイセスにエクシリアだよ」
ロンドリーネ「おや?私達がイチャイチャしている間にずいぶん減ったね」
ダオス「さりげなく私を巻き込むな!」
ロンドリーネ「それじゃ!ここからスペシャルルールを適用するよ!」
パティ「おぉ!そこはかとなくゴージャスな響きなのじゃ!」
ロンドリーネ「それじゃ、オーナー説明よろしくぅ♪」
ヴァン「残り4組となったことでここからはサドンデスマッチとする。つまり、今までは3組が回答したところで正誤問わず回答権が終了していたが、今回は3組が正解するまで回答権は持続する」
チャット「ということは、今回で必ずビリが決まるんですね?」
ロンドリーネ「そういうこと。で、次のオーダーなんだけど本当ならアビスの人達が選ぶはずだったんだけどもう正解してるからヴェスペリアが選んでね!」
セネル「それは不公平なんじゃないか?」
ディオ「何でだよ?」
セネル「この料理で全てが決まるんだったらメニューを選べるヴェスペリアにアドバンテージがあるだろ」
アスベル「セネルに同感だ」
セネル「お前に同感されるとむずがゆいな……」
アスベル「なぜだセネル?俺は善意で同意してるだけだ」
セネル「いや、それは分かっているんだが……」
ノーマ「ベルベル、ちょっとセネセネの名前を叫んでみてよ」
アスベル「よく分からないが分かった、やってみよう」
アグリア「ついでに羽も付けてみるか?」
ダオス「髪も金髪にするべきだ」
クレア「一体何が始まるのかしら……」
ノーマ「さぁどうぞ!」
アスベル「セネル!!!」
セネル「ワルター!!」
クロエ「何なんだ……このやり取りは……?」
グリューネ「アスベルちゃん、と〜ってもそっくりよぉ〜」
アスベル「そ、そんなに似てるのか?」
ソフィ「アスベル、私の名前も叫んでみて」
アスベル「ソフィもか?いくぞ。ソフィ!!!」
ソフィ「どう?」
クロエ「いや、どうと聞かれても……」
グリューネ「お上手だわぁ〜♪」
レイア「はいはいは〜い!じゃあ次、これ読んでみて!」
アスベル「これを読めば良いのか?」
レイア「セネルの名前を叫んだ時と同じ感じでね!」
アスベル「コネクティブヒナ!!って、何を言わせるんだっ!!」
レイア「もう一回!もっと憎しみを込めて!!」
ウィル「いい加減にせんか!!」
レイア「アイタッ!」
アスベル「な、なんで俺まで……」
ノーマ「ちょっとウィルッチ!あたしは悪くないっしょ!?」
ウィル「お前が原因だろうが!!」
レイア「さっき見てたけど結構痛いんだね〜」
ノーマ「でしょ〜」
ソフィ「私は拳骨されてない……」
ノーマ「あー!オヤジエコヒイキだぁ!!」
ウィル「ち、違う!!」
ノーマ「じゃあ拳骨してみなさいよ!さぁさぁさぁ!!」
ウィル「わ、分かっている」
ハリエット「ちょっとパパ!まさかハティと同い年くらいの子を殴ろうとしてるんじゃないでしょうね!?」
ウィル「ち、違うぞハリエット!断じて俺は!」
ノーマ「やっぱりエコヒイキだー!!」
レイア「ヒイキだヒイキだー!」
ジュード「なんかうちのレイアがすみません……」
セネル「いや、うちのノーマこそ」
ハリエット「殴るのパパ!?」
ノーマ「殴らないの!?」
ウィル「む、むぅ……」
ノーマ&レイア「「どっち!?」」
ウィル「むおおおおお!!!!男女共同パンチができる主人公が憎ィイイイイ!!!!」
マオ「ユージーンの真似だ〜!」
ユージーン「俺はあんなふぅに見えていたのか……」
ミラ「収集がつかなくなってしまったな。ユーリ、ここはロンドリーネの言うとおり君が選んでくれ」
ユーリ「良いのかよ?俺達が選ぶと有利になっちまうぜ?」
パティ「ユーリは既にユーリじゃないのか?」
リタ「あんたはちょっと黙ってなさい」
クロエ「騒がせてしまったのは私達の責任だ。私からは何も言うまい」
ヒューバート「僕達も同罪のようなものですからね」
パスカル「何でもいいからパッパと選んじゃいなよ!」
ユーリ「そんじゃ、お言葉に甘えるとしますか。後悔してもしらねぇからな」
ロンドリーネ「後悔なんて、あるはずない」
パティ「不吉なこと言わないでほしいのじゃ!」
ジュディス「それで、何にするのかしら?」
リタ「最後なんだしデザートで良いんじゃな〜い?」
レイヴン「おっさん、最初に甘い物食べたからもう見るのも嫌なんだけど……」
ユーリ「じゃあデザートにすっか」
レイヴン「『じゃあ』が機能してない!!」
ユーリ「冗談だおっさん」
ラピード「バウ!」
ユーリ「あ?あぁ、そうだな。それが妥当かもなラピード」
ゴーシュ「お前犬と喋れるのか!?」
ユーリ「んなわけねぇだろ。忍者じゃあるまいし」
コレット「ワンちゃんと話せたら素敵だろうな〜」
ユーリ「このひれかつ煮Cセットで良いか?」
エステリーゼ「ユーリ?これ、ヒレカツの他にご飯やお味噌汁、漬物が付いてくるようなのですが……」
ユーリ「キールは良いのか?」
エステリーゼ「それどころじゃないようなので戻ってきたんです!私、こんなに食べられません!」
レイヴン「おっさんも!」
ユーリ「ったく分かってねぇな〜。このセットは切る、煮る、焼くの料理の基本が揃ってんだぜ?これなら今までの傾向を当てはめやすいだろうが。それに、限界なのは俺達だけじゃないんだぜ?」
アルヴィン「おいおい……セットメニューなんて誰が食うんだ?」
イバル「俺がっ……うっぷ」
ユーリ「そういう訳だロディ。ひれかつ煮Cセットをたのむぜ?」
ロンドリーネ「オッケー!オーダー!」
フレン「ユーリ、君はそのメニューを選ぶんだね」
ユーリ「選ぶんじゃねぇ。もう、選んだんだ」
レイア「ジュード、あの人当たり前のことをクールに言ってるけどあれが噂の中二病なのかな?」
ジュード「レイア声が大きいよ!きっとあれはユーリの名言か何かなんだよ!」
ユーリ「あいつらにはぜってぇ負けねぇ……!!」
カロル「ユーリが珍しく燃えてる!!」
〜続く〜