第47話『討論と乱闘』
「あんたらとはもっと早く会うべきだったぜ。まさかあのフィレンツェって娘がユリスの仲間だったなんてな……」
イゴルは悔やむように額の黄色いバンダナをクシャっと握った。
「この街の気候がおかしくなったのもユリスの影響なのか?」
クウ・ホウが訪ねるとユージーンは首を横に振った。
「いや、それはまた別の問題が起因していてだな」
「フィレンツェは今どこだ?」
ティトレイが苛立ちを隠そうともせず問いかけるがクウ・ホウは首を横に振った。
「ヒューマとガジュマが乱闘を始めた辺りから何処かに姿をくらましたのか見ていない」
ティトレイは舌打ちしながら掌に拳をぶつける。
「だがヤツは明日必ずオークション会場に現れるはずだ」
「なぜ言い切れる?」
ユージーンが問うと、イゴルはまた悔しそうな表情をして奥歯をかみしめた。
「議論の続きと人質の受け渡しがあるんだ。議論の続きと言っても、こっちはもう無条件であっちの提案を呑むしかないんだけどな」
「人質?」
マオは首を傾げる。
「二つの種族の間に入って乱闘を止めてくれたハーフの男がいたんだ。そいつのおかげで俺達は誰も死人が出ずにすんだんだが、一瞬の隙をつかれてそのハーフがガジュマ達に捕まっちまったんだ」
この時、ヴェイグ達はそのハーフの男に感心し、興味を抱いた。
乱闘にフィレンツェが関わっているということは思念が影響していることは間違いない。
ヴェイグ達は思念によって突き動かされたヒト達とバルカにて対峙したがとても止めるどころの話ではなかった。
それをハーフの男は1人でやってのけたというのだ。
結局捕虜になってしまったことを考えると少し抜けているところもあるようだが、一度会ってみたいと思った。
「そのハーフはどこで捕まってるか分かるか?」
ヴェイグは助けに行く気満々の調子で訪ねた。
表情はクウ・ホウと良い勝負ができる程に変わらないが、言葉の抑揚から気持ちが出ていた。
クウ・ホウは頷く。
「あんたらがここまで来るまでに宿屋を通ってきたと思うんだが、今そこはガジュマ達が占拠している。そこにハーフもいるはずだ」
「さっきの中に居たんだ。無理してでも入っちゃえば良かったね」
ジンが冗談半分に言うと、イゴルは首を横に振った。
「いや、そうしてまた騒ぎを起こすと彼が人質になった意味がない。悔しいが明日まで待ってくれ」
明日オークション会場にて行われる取引にはフィレンツェももう一度乱闘を起こさせ、思念を膨張させるために必ず現れる。
今はその時を待つしかない。
「それに、結果はどうなろうが決着は明朝の取引で着く。午後からは外部の客も招いたオークションが控えているからな」
「こんな時にもオークションやるのか?」
ブライトが呆れながら言う。
「貴重なお宝が流れてきたのでな。むしろ明日も再び乱闘になった場合、商品が巻き添いを食わないかのほうが不安だ」
そんな話をしていると、カランコロンと草履の音を立てながらピンクの着物を着たヒューマの女性がこちらに歩み寄ってきた。
「話は聞かせてもろたわ。うちも手伝わせてもらおうかしら?」
ピンクの髪を揺らしながら小首を傾げる女性の着物には桜の木の刺繍が入っており、生地の染め上げ方、質感からして高級なものだということはすぐに分かる上物だった。
「あんた、ここの人間じゃないな」
クウ・ホウが言うと女性は片手で口元を隠しながらクスリと笑った。
「そないよ。ウチもオークション目当てに来やはったんやもん。せやかて、そんオークションが危うい言うならあんたらに協力させてもらうって言うてるんやないの」
「しかしあんた協力するって言っても何ができるんだ?乱闘になったら女のあんたじゃかえって危険だろ」
イゴルが男女差別的なことを言うと着物の女性は困ったように頬に手を当てた。
「そやねぇ、もともと暴力は好きではおまへんし……。やて商品を護るくらいはできると思うわ」
「そ、そうか。ならば対談中は倉庫の前の警護を頼む」
さすがのクウ・ホウも動揺しながら依頼すると、着物の女性はニコリと笑って了承した。
「でも人質さん、大丈夫かな?今頃乱暴とかされてるんじゃ……」
「それなら大丈夫だと思うよ?人質は明日の交渉のために必要なんだし、向こうも下手なことはできないはずだよ!」
マオは宿屋の方を見ながら言うと、ルルは胸を撫で下ろした。
「とにかく問題は明日だ。今日は休んでいってくれ」
クウ・ホウの言葉にヴェイグ達は頷いたがどうも落ち着かないため一通りアニーの手伝いをした後、床に着いた。
そして明朝、宿屋からガジュマ達が赤い橋を渡りオークション会場に向かうのを見計らってからヒューマ達もオークション会場へと向かった。
オークション会場の外見は天下一武闘会のような造りになっていた。
やはり入り口や中の各所は吹き抜けになっている。
しかし、入り口から入って奥へ進み細い廊下を左に曲がった所には扉付きの部屋が二つ並んでいた。
どうやらここが倉庫のようで、着物の女性はここで待つことにしヴェイグ達に小さく手を振った。
その廊下を更に奥へ進んでいくと開けた空間に繋がっており、そこが実際にオークションが行われる広場である。
今ヴェイグ達が出てきた側とは反対側にも出入り口があり、そこはさっき入ってきた正面玄関のロビーに繋がっている。
今ヴェイグ達がいる大広間は通路を挟んでテーブルが二列並んでおり、壁側の中央に一つ、主催者用の机が設けられている。
今回の対談ではその主催者用の机が使われることはなく、既に1列のテーブルの前にはガジュマ達が揃っているため反対側のテーブルにヒューマ達は並ぶ。
ジークは対面に向かうガジュマ達を改めて見る。
ヒューマ達に比べて怪我人が圧倒的に少ない。
乱闘ではそれだけ圧倒的だったのだろう。
そのガジュマ達の中にロープで腕を背中で縛られ、口をテープで止められた猫のような耳を生やしたハーフの男の姿もあった。
見た目的にはジークとそんなに変わらない年齢に見えるが、ジーク達が広間に入った瞬間から彼がじーっとこちらを見つめているのが気になった。
(あいつもガジュマとハーフとヒューマが一緒にいるのが信じられないタイプなのか……)
クインシェルを出てから三種族が一緒にいることの珍しさを初めて知った。
そして、今もこうしてガジュマとヒューマというヒト同士が争うという奇妙な場面に立ち会っている。
ガジュマからは特異なものを見るような視線が飛んでくる。
しかし、彼の視線は少し違うような気がした。
「さて、そろそろ取引を始めようか」
羊のような姿をしたガジュマは議論ではなく取引と言った。
もはや話し合うまでもないということなのだろう。
ガジュマ達の中の1人がハーフの青年を引っ張り、テーブルの中央から壁側へ移動し主催者の机の前で待つ。
こちらもクウ・ホウが主催者の机の対面に立つ。
これで人質を受け取ればガジュマ達の言い分を呑み込むことになる。
ヒューマ達としては悔しいだろうが、これで解決すれば今回の議論に終止符が打たれ思念も膨張せずに済む。
しかし、案の定ヴェイグ達の思案どおりにはならなかった。
「待て!!」
ヴェイグ達が先程入ってきた、主催者の机がある側にある入り口とは反対側、ロビーと繋がる入り口から、肩まで伸びる金色の髪をなびかせたドレスの女性が入ってきた。
フィレンツェである。
彼女はヴェイグ達を視界に入れながらテーブルとテーブルの間にある通路をカツカツと音を立てながら歩いて行き、主催者の机までくるとその机をバンッと片手で叩いた。
そしてすぐさま後ろの今通ってきた通路を振り返る。
「貴様等はこれで良いのか!?」
フィレンツェの言葉に会場内がざわつく。
そんな中、フィレンツェはヒューマ側のテーブルへ体を向けた。
「このまま条件を呑んでみろ、貴様らは一生こいつらの下僕として過ごすことになるんだぞ!?」
「それは嫌だけど……」
ヒューマの女性は男性と顔を見合わせる。
クウ・ホウとイゴルの一晩の説得によりフィレンツェの言葉を聞いてもヒューマ達は簡単に決意を曲げたりしはなかった。
しかし、ガジュマ側のテーブルで怒号が上がる。
「おいあんた!昨日は俺達が正しいようなこと言ってたじゃねぇか!今更その言い方は何だ!?」
フィレンツェはそれを聞いてニヤリと笑みを浮かべ、鼻で笑う。
「ハッ、貴様等の目は節穴か?私はヒューマだぞ?昨日は形勢が悪かった故、貴様等を擁護したが私達は傭兵を雇った。節穴の目でも見えるだろ?そこにいるガジュマと一緒にいる奴等は少しばかり骨が折れるが覚悟しておくんだな」
フィレンツェはユージーン達を指差す。
「チッ、俺達がこの街に来てることがばれてたのか!!」
ブライトは自分達が出汁に使われたことを悔やむように舌打ちをした。
フィレンツェの言葉によりヒューマ達もヴェイグ達を見てざわつき始める。
無理も無い。
いくらクウ・ホウの友人とはいえ昨夜会ったばかりで何の情報も無い異分子である。
信じろというほうが難しい。
「あんたら……雇われて来たのか?」
「違う!!」
ヒューマが震える声で言うのに対してヴェイグは即座に否定するがざわつきが収まる様子は無い。
「そうか、元々取引する気は無かったってことだな?どうせ人質を受け取った後襲ってくる算段だったんだろ。さすが、ヒューマは悪知恵が働くぜ」
ガジュマは言いながら武器を取る。
その武器を見てヒューマ達も武器を構える。
「お前等こそ、しっかりと武器なんて持ってきてる辺り、対話なんてする気なかったんだろ?人質をとることでしか俺達を説き伏せられないもんなぁ」
ヒューマ達の挑発にガジュマ達はぶち切れ、境界線の役目も担っていたテーブルが張り倒される。
「そうだ!気に食わぬ者、従わぬ者、そして使えぬ者など切り捨ててしまえ!貴様等は金の力で人員などいくらでも補充できるのだろう?」
フィレンツェは一層感情を込めて言い放つ。
すると、まるで最後の砦が崩れたかのように二つの種族は交錯した。
「結局こうなるのか!」
ヴェイグは大剣を抜きながら種族の間に割って入る。
他の11人も割って入り、止めようとするが12人が40人近くを止めるのは物理的に無理があった。
さらに黒い霧も体中から噴出しており、思念の力も後押ししていた。
そんな中、人質として捕らえられていたハーフの青年は会場の隅のほうで転んでおり、陸に上がった魚のようにもがいていた。
このままでは誰かに踏まれてしまうと思ったアニーは急いで青年に駆け寄った。
「今外しますね」
アニーはまず口のテープを外した後、背中で拘束されている腕を見た。
すると、その腕はロープで縛られているのではなく手錠のような物で拘束されていた。
しかもこの手錠の材質は以前留置所の牢に監禁された時に見たフォルスを無効化させる扉と同じ材質だった。
(フォルスを封印されてる……?)
なぜそこまでする必要があるのか疑問に思っていると、青年は首を捻じ曲げアニーに向けた。
「すまない!この錠の鍵はあの金髪の令嬢が持っている!なんとか取り返してはくれぬだろうか!?」
「わ、分かりました!」
アニーはフィレンツェを探すと主催者の机の上に優雅に座っていた。
昨日姿を消した後乱闘が収まってしまったため、今日は最後まで見届けるつもりなのだろう。
どちらにしてもフィレンツェはたたかなければならない。
このまま鎮圧したとしてもフィレンツェがまた口を出せば再び乱闘が発生してしまう。
「皆さん!」
ヴェイグ達はアニーからの視線を受け取ると頷き、フィレンツェへとターゲットを変えた。
「愚民が。私が相手をするまでもない」
フィレンツェは主催者の机に座り、足を揺らしながら指をパチンと鳴らした。
すると、ヴェイグ達のことなど眼中にもないかのように争っていたガジュマとヒューマの1部がこちらに剣を向けてきた。
「ちょっ!私もヒューマなんだけど!?」
フィオナは同じヒューマであるはずの女性の昆を扇で受け止めた。
「ご、ごめんなさい!私にも何が何だか……」
女性の顔を見ると言葉通り何が起きてるのか分かっていないかのように怯えた表情をしていた。
しかし力は本気そのもので少しでも力を緩めれば押し切られてしまいそうだった。
〜続く〜
【※着物の女性がキャラクター名鑑・上に登録されました】
イゴルは悔やむように額の黄色いバンダナをクシャっと握った。
「この街の気候がおかしくなったのもユリスの影響なのか?」
クウ・ホウが訪ねるとユージーンは首を横に振った。
「いや、それはまた別の問題が起因していてだな」
「フィレンツェは今どこだ?」
ティトレイが苛立ちを隠そうともせず問いかけるがクウ・ホウは首を横に振った。
「ヒューマとガジュマが乱闘を始めた辺りから何処かに姿をくらましたのか見ていない」
ティトレイは舌打ちしながら掌に拳をぶつける。
「だがヤツは明日必ずオークション会場に現れるはずだ」
「なぜ言い切れる?」
ユージーンが問うと、イゴルはまた悔しそうな表情をして奥歯をかみしめた。
「議論の続きと人質の受け渡しがあるんだ。議論の続きと言っても、こっちはもう無条件であっちの提案を呑むしかないんだけどな」
「人質?」
マオは首を傾げる。
「二つの種族の間に入って乱闘を止めてくれたハーフの男がいたんだ。そいつのおかげで俺達は誰も死人が出ずにすんだんだが、一瞬の隙をつかれてそのハーフがガジュマ達に捕まっちまったんだ」
この時、ヴェイグ達はそのハーフの男に感心し、興味を抱いた。
乱闘にフィレンツェが関わっているということは思念が影響していることは間違いない。
ヴェイグ達は思念によって突き動かされたヒト達とバルカにて対峙したがとても止めるどころの話ではなかった。
それをハーフの男は1人でやってのけたというのだ。
結局捕虜になってしまったことを考えると少し抜けているところもあるようだが、一度会ってみたいと思った。
「そのハーフはどこで捕まってるか分かるか?」
ヴェイグは助けに行く気満々の調子で訪ねた。
表情はクウ・ホウと良い勝負ができる程に変わらないが、言葉の抑揚から気持ちが出ていた。
クウ・ホウは頷く。
「あんたらがここまで来るまでに宿屋を通ってきたと思うんだが、今そこはガジュマ達が占拠している。そこにハーフもいるはずだ」
「さっきの中に居たんだ。無理してでも入っちゃえば良かったね」
ジンが冗談半分に言うと、イゴルは首を横に振った。
「いや、そうしてまた騒ぎを起こすと彼が人質になった意味がない。悔しいが明日まで待ってくれ」
明日オークション会場にて行われる取引にはフィレンツェももう一度乱闘を起こさせ、思念を膨張させるために必ず現れる。
今はその時を待つしかない。
「それに、結果はどうなろうが決着は明朝の取引で着く。午後からは外部の客も招いたオークションが控えているからな」
「こんな時にもオークションやるのか?」
ブライトが呆れながら言う。
「貴重なお宝が流れてきたのでな。むしろ明日も再び乱闘になった場合、商品が巻き添いを食わないかのほうが不安だ」
そんな話をしていると、カランコロンと草履の音を立てながらピンクの着物を着たヒューマの女性がこちらに歩み寄ってきた。
「話は聞かせてもろたわ。うちも手伝わせてもらおうかしら?」
ピンクの髪を揺らしながら小首を傾げる女性の着物には桜の木の刺繍が入っており、生地の染め上げ方、質感からして高級なものだということはすぐに分かる上物だった。
「あんた、ここの人間じゃないな」
クウ・ホウが言うと女性は片手で口元を隠しながらクスリと笑った。
「そないよ。ウチもオークション目当てに来やはったんやもん。せやかて、そんオークションが危うい言うならあんたらに協力させてもらうって言うてるんやないの」
「しかしあんた協力するって言っても何ができるんだ?乱闘になったら女のあんたじゃかえって危険だろ」
イゴルが男女差別的なことを言うと着物の女性は困ったように頬に手を当てた。
「そやねぇ、もともと暴力は好きではおまへんし……。やて商品を護るくらいはできると思うわ」
「そ、そうか。ならば対談中は倉庫の前の警護を頼む」
さすがのクウ・ホウも動揺しながら依頼すると、着物の女性はニコリと笑って了承した。
「でも人質さん、大丈夫かな?今頃乱暴とかされてるんじゃ……」
「それなら大丈夫だと思うよ?人質は明日の交渉のために必要なんだし、向こうも下手なことはできないはずだよ!」
マオは宿屋の方を見ながら言うと、ルルは胸を撫で下ろした。
「とにかく問題は明日だ。今日は休んでいってくれ」
クウ・ホウの言葉にヴェイグ達は頷いたがどうも落ち着かないため一通りアニーの手伝いをした後、床に着いた。
そして明朝、宿屋からガジュマ達が赤い橋を渡りオークション会場に向かうのを見計らってからヒューマ達もオークション会場へと向かった。
オークション会場の外見は天下一武闘会のような造りになっていた。
やはり入り口や中の各所は吹き抜けになっている。
しかし、入り口から入って奥へ進み細い廊下を左に曲がった所には扉付きの部屋が二つ並んでいた。
どうやらここが倉庫のようで、着物の女性はここで待つことにしヴェイグ達に小さく手を振った。
その廊下を更に奥へ進んでいくと開けた空間に繋がっており、そこが実際にオークションが行われる広場である。
今ヴェイグ達が出てきた側とは反対側にも出入り口があり、そこはさっき入ってきた正面玄関のロビーに繋がっている。
今ヴェイグ達がいる大広間は通路を挟んでテーブルが二列並んでおり、壁側の中央に一つ、主催者用の机が設けられている。
今回の対談ではその主催者用の机が使われることはなく、既に1列のテーブルの前にはガジュマ達が揃っているため反対側のテーブルにヒューマ達は並ぶ。
ジークは対面に向かうガジュマ達を改めて見る。
ヒューマ達に比べて怪我人が圧倒的に少ない。
乱闘ではそれだけ圧倒的だったのだろう。
そのガジュマ達の中にロープで腕を背中で縛られ、口をテープで止められた猫のような耳を生やしたハーフの男の姿もあった。
見た目的にはジークとそんなに変わらない年齢に見えるが、ジーク達が広間に入った瞬間から彼がじーっとこちらを見つめているのが気になった。
(あいつもガジュマとハーフとヒューマが一緒にいるのが信じられないタイプなのか……)
クインシェルを出てから三種族が一緒にいることの珍しさを初めて知った。
そして、今もこうしてガジュマとヒューマというヒト同士が争うという奇妙な場面に立ち会っている。
ガジュマからは特異なものを見るような視線が飛んでくる。
しかし、彼の視線は少し違うような気がした。
「さて、そろそろ取引を始めようか」
羊のような姿をしたガジュマは議論ではなく取引と言った。
もはや話し合うまでもないということなのだろう。
ガジュマ達の中の1人がハーフの青年を引っ張り、テーブルの中央から壁側へ移動し主催者の机の前で待つ。
こちらもクウ・ホウが主催者の机の対面に立つ。
これで人質を受け取ればガジュマ達の言い分を呑み込むことになる。
ヒューマ達としては悔しいだろうが、これで解決すれば今回の議論に終止符が打たれ思念も膨張せずに済む。
しかし、案の定ヴェイグ達の思案どおりにはならなかった。
「待て!!」
ヴェイグ達が先程入ってきた、主催者の机がある側にある入り口とは反対側、ロビーと繋がる入り口から、肩まで伸びる金色の髪をなびかせたドレスの女性が入ってきた。
フィレンツェである。
彼女はヴェイグ達を視界に入れながらテーブルとテーブルの間にある通路をカツカツと音を立てながら歩いて行き、主催者の机までくるとその机をバンッと片手で叩いた。
そしてすぐさま後ろの今通ってきた通路を振り返る。
「貴様等はこれで良いのか!?」
フィレンツェの言葉に会場内がざわつく。
そんな中、フィレンツェはヒューマ側のテーブルへ体を向けた。
「このまま条件を呑んでみろ、貴様らは一生こいつらの下僕として過ごすことになるんだぞ!?」
「それは嫌だけど……」
ヒューマの女性は男性と顔を見合わせる。
クウ・ホウとイゴルの一晩の説得によりフィレンツェの言葉を聞いてもヒューマ達は簡単に決意を曲げたりしはなかった。
しかし、ガジュマ側のテーブルで怒号が上がる。
「おいあんた!昨日は俺達が正しいようなこと言ってたじゃねぇか!今更その言い方は何だ!?」
フィレンツェはそれを聞いてニヤリと笑みを浮かべ、鼻で笑う。
「ハッ、貴様等の目は節穴か?私はヒューマだぞ?昨日は形勢が悪かった故、貴様等を擁護したが私達は傭兵を雇った。節穴の目でも見えるだろ?そこにいるガジュマと一緒にいる奴等は少しばかり骨が折れるが覚悟しておくんだな」
フィレンツェはユージーン達を指差す。
「チッ、俺達がこの街に来てることがばれてたのか!!」
ブライトは自分達が出汁に使われたことを悔やむように舌打ちをした。
フィレンツェの言葉によりヒューマ達もヴェイグ達を見てざわつき始める。
無理も無い。
いくらクウ・ホウの友人とはいえ昨夜会ったばかりで何の情報も無い異分子である。
信じろというほうが難しい。
「あんたら……雇われて来たのか?」
「違う!!」
ヒューマが震える声で言うのに対してヴェイグは即座に否定するがざわつきが収まる様子は無い。
「そうか、元々取引する気は無かったってことだな?どうせ人質を受け取った後襲ってくる算段だったんだろ。さすが、ヒューマは悪知恵が働くぜ」
ガジュマは言いながら武器を取る。
その武器を見てヒューマ達も武器を構える。
「お前等こそ、しっかりと武器なんて持ってきてる辺り、対話なんてする気なかったんだろ?人質をとることでしか俺達を説き伏せられないもんなぁ」
ヒューマ達の挑発にガジュマ達はぶち切れ、境界線の役目も担っていたテーブルが張り倒される。
「そうだ!気に食わぬ者、従わぬ者、そして使えぬ者など切り捨ててしまえ!貴様等は金の力で人員などいくらでも補充できるのだろう?」
フィレンツェは一層感情を込めて言い放つ。
すると、まるで最後の砦が崩れたかのように二つの種族は交錯した。
「結局こうなるのか!」
ヴェイグは大剣を抜きながら種族の間に割って入る。
他の11人も割って入り、止めようとするが12人が40人近くを止めるのは物理的に無理があった。
さらに黒い霧も体中から噴出しており、思念の力も後押ししていた。
そんな中、人質として捕らえられていたハーフの青年は会場の隅のほうで転んでおり、陸に上がった魚のようにもがいていた。
このままでは誰かに踏まれてしまうと思ったアニーは急いで青年に駆け寄った。
「今外しますね」
アニーはまず口のテープを外した後、背中で拘束されている腕を見た。
すると、その腕はロープで縛られているのではなく手錠のような物で拘束されていた。
しかもこの手錠の材質は以前留置所の牢に監禁された時に見たフォルスを無効化させる扉と同じ材質だった。
(フォルスを封印されてる……?)
なぜそこまでする必要があるのか疑問に思っていると、青年は首を捻じ曲げアニーに向けた。
「すまない!この錠の鍵はあの金髪の令嬢が持っている!なんとか取り返してはくれぬだろうか!?」
「わ、分かりました!」
アニーはフィレンツェを探すと主催者の机の上に優雅に座っていた。
昨日姿を消した後乱闘が収まってしまったため、今日は最後まで見届けるつもりなのだろう。
どちらにしてもフィレンツェはたたかなければならない。
このまま鎮圧したとしてもフィレンツェがまた口を出せば再び乱闘が発生してしまう。
「皆さん!」
ヴェイグ達はアニーからの視線を受け取ると頷き、フィレンツェへとターゲットを変えた。
「愚民が。私が相手をするまでもない」
フィレンツェは主催者の机に座り、足を揺らしながら指をパチンと鳴らした。
すると、ヴェイグ達のことなど眼中にもないかのように争っていたガジュマとヒューマの1部がこちらに剣を向けてきた。
「ちょっ!私もヒューマなんだけど!?」
フィオナは同じヒューマであるはずの女性の昆を扇で受け止めた。
「ご、ごめんなさい!私にも何が何だか……」
女性の顔を見ると言葉通り何が起きてるのか分かっていないかのように怯えた表情をしていた。
しかし力は本気そのもので少しでも力を緩めれば押し切られてしまいそうだった。
〜続く〜
【※着物の女性がキャラクター名鑑・上に登録されました】
■作者メッセージ
【楽談パート30】
マリア「みなさんごきげんよう。マリア・フリィースです。今回は2人ともいないので私がお相手を務めさせていただきますね?あぁ、ちょっとこのカッコと名前邪魔ですね。よっこい……」
しょっと。これで少しはスッキリしたかしら?
どうせ今日は私1人ですし、この様式で十分よね。
あら?今誰かよっこいしょとかおばさん臭いとか思いやがったかしら?ふふふ、失礼しちゃうわね、まったく。えぇ、本当に……。
それにしても、私がここにいられるのは今月だけだというのに2人ともどこへ行ってしまったのかしら?悲しいわ。
そうだわ!確かここに置き手紙があったのよね。えぇっと……『着物の女性の話』?
また仮名のキャラクターを出して……お説教が足りなかったのかしら?
おそらく今頃はキャラクター名鑑に登録されていると思うから見てほしいのだけど、説明文に「エセ京都弁」って書いてないかしら。何かしら「エセ」って。エセと言えば少しくらい間違ってても許されると思ってるのかしらね?
帰ってきたらお仕置きをしなきゃだわ、ふふふ。
そういえばフィレンツェちゃんも久しぶりに登場できたみたいね。
久しぶりすぎて忘れられていければ良いのだけど……。
でも、センチッツァちゃんよりはマシなのかしらね。
あら?キロッツァちゃんだったかしら?
ミクロッツァちゃんじゃないわよね……。
まぁいいわよね、些細なことだわ♪
さてさて!ここからは私のコーナーをやっていくわよ!
あら?どことなく乗り気ではない雰囲気を感じるのは何故かしら?
確かに雑談ばかりしてるのは良くないけれど、それはそれ。これはこれよ。
そんなわけで記念すべき第一回目は『教えて☆マリアちゃん』よ!
嫌だわ、そんなに喜ばなくても今からコーナーの説明をするからもう少し待ってて頂戴。
これは私に送られてきた質問を私が何でも答えちゃう嬉し恥ずかしコーナーなの!
まったく、こんなコーナーを作ってくれちゃって、本当に後でお仕置きしなくちゃいけないわね♪
ちなみに誰からの質問かは内緒なの。ごめんなさいね、恨むなら時代を恨んでね☆
それでは早速1問目!ジャジャン!
【マリアさんは享年何歳ですか?】
18歳です☆
……何かしら?言いたいことがあるならいつでも相手になってあげるわよ?
順調の滑り出しで第2問!ババン!
【マリアさんのスリーサイズを教えてください】
乙女の、な・い・しょ☆
うふふ、大丈夫かしら?みんなここまで付いてこれてるかしら?
今のはちょっと刺激が強すぎたかしらね。
鼻血を出しすぎて貧血だなんてなっていなければいいのだけど……。
さぁ次はどんな過激な質問かしら?下着の色とかきかれたらどうしましょう!?
張り切って3問目!ドドン!
【次のマティアスの出番はいつですか?】
……はい?
えっと〜、これは質問先を間違えてしまったのかしら?
でも安心して?私は心が広いの。こういう間違えは誰にもあるものだから気にする必要はないのよ?
では気を取り直して第3問目!デデン!
【フィオナって結局誰が好きなんですか?】
あ〜〜……これはどういうことかしら?
ていうか何?フィオナの好きなヒト?
そんなものストーリー読んで自分で考えなさい?
聞けばなんでも解決すると思ったら大間違いよ?なに?ゆとりなの?
そもそも最近のゆとりってゆとりって言われても何も思わないそうね。
私、そういうのよくないと思うの。
まったく、次が最後ですからね?
次変な質問だったら大変なことになりますよ?
私知りませんからね?本当にアレ、大変なことになるんですからね?
アレなんですからね!?
【マッティのスリーサイズを/ビリビリビリ
あらあら、こんなに細かく破けてしまっては読めないわね〜残念♪
ちょっと!他に質問ないんですか!?
私と主人のなり染めとか聞きたくないの!?
私の勝負下着とか!!
ちなみに今日の下着はですねぇ……
―――オマケ―――
ロンドリーネ「あぶなっ!ナイスカットイン!!」
ディオ「あいつらどこ行ったんだ!?この前の楽談で裏に呼ばれた後何があったんだ!?」
メル「ディオ、あそこ……」
ディオ「ん?」
チャリティ「何も聞こえない何も聞こえない何も聞こえない何も聞こえない私は風私は風私は風そうただの風」
アニー「チャリティさん、テーブルの下で丸くなってないで出てきたらどうです?」
エトス「チャリティがここにいるってことは……」
takeshi「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!私はヤツに呼び出されて裏へ行ったと思ったらいつのまにか泣かされていた。な…何を言ってるのか分からねーと思うが私も何をされたのか分からなかった……。頭がどうにかなりそうだった……威圧とか腹黒とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
ジェイド「おや、ポルナレフ状態ですか?」
ヴァン「よく分からんが邪魔なのでバックヤードに居てもらおうか」
ロンドリーネ「あんた達、あんなド天然なお母様に何されたのよ……?」
ヒルダ「ていうかマリア…さんが言ってたキロッツァってたぶんミリッツアのことよね?」
ヴェイグ「そういえばいたな、そんなやつも」
ヒルダ「一応私の幼馴染なのだけど……」
アグリア「それよか答えはどうしたんだよ!?とっとと答えやがれ!!」
ロンドリーネ「えぇっと……何だっけ?」
ジュード「僕達の料理を作ったのはアーチェだと答えて前回終わりました」
ロンドリーネ「あぁ、そうだったね」
ティポ「ふぁいなるあんさーとかは、もう無しだよ?」
ロンドリーネ「んじゃ改めて、エクシリアの料理を作ったのはアーチェで合ってますかー!?」
アーチェ「正解!何で私の料理って分かりやすいのかな〜……?」
ユーリ「うっし、飯もたらふく食ったことだし帰るか!」
リタ「そ、そうね!まったくさんざんだったわよ」
ヴァン「そうはいかんな」
エステリーゼ「そうです2人とも。負けは負け、です」
ユーリ「わぁってるっての」
リタ「ほんの冗談じゃない」
ロンドリーネ「そんじゃ、勝利の一言をどうぞ!」
レイア「おつかレイア〜」
リッド「おつかレックス〜」
レイア「その返しはやめてよ!!」
リッちゃん「なんだもう終わりか〜。私も注文とってみたかったよ〜」
ウッドロウ「では私が注文させてもらおう。すまない」
リッちゃん「はーい!ご注文は、うさぎですか?」
レイア「それ言いたかっただけでしょ!?」
アーチェ「ねぇ何で私だって分かったわけ?」
ジュード「一番の決め手は味噌汁かな。僕達の味噌汁には味噌が入っていなかったんだけど、それってアーチェが食べちゃったからでしょ?」
アーチェ「え゛っ!?」
クラース「それは本当かアーチェ!?」
チェスター「てめぇ1人だけずりぃぞ!!」
アーチェ「ちょ、ちょっと!私食べてないって!そもそもどこに証拠があんのさ?」
ジュード「さっきアーチェはやたらと喉が渇くって言ってたよね?それは味噌を生で食べたからだったんだ」
アーチェ「うぅ……」
ミント「アーチェさん……」
アーチェ「だってミソが珍しかったんだもん!しょうがないじゃん!私達は滅多に食べられないんだからさぁ!!」
ミトス「まるでサスペンスドラマの犯人みたいだね」
アーチェ「私は悪くない!私は悪くない!」
ルーク「おいやめろ!俺の心が痛むっつうの!!」
takeshi「終わりました?」
メル「もう平気なの!?」
takeshi「いつまでもくよくよしているわけにもいきませんので」
ロンドリーネ「何とかワ○キング三期が始まる前に終わったよ♪あれ?次は4期だったっけ?」
takeshi「それさえも忘れてしまいましたが、約1年続いたこの帰れまテンも無事に終わることができてなによりです。ただ、とある魔術の3期がいまだに始まっていないのが気がかりですが……」
ユーリ「俺達に莫大な請求書がくることが果たして無事と言えんのかね」
takeshi「よもや第3次世界大戦を吹っ飛ばしてグレムリン編から始める気ではあるまいな……」
ユーリ「聞けよおい!」
takeshi「あぁ1億5千万ベリーですか?それなら暫くした後にチャリティさん発案の企画が始まるので、それに出演してください。そのギャラでチャラとしましょう」
チャリティ「私の企画やるの!?」
アニー「何も聞こえないんじゃ……」
takeshi「上の方で企画が通ったのでただ今絶賛構成中です!次回からやるのはさすがに憚れるので少々お待ちくださいね」
ローエン「それでは行く行くは私の企画も……」
takeshi「それは無いです。断じて」
ローエン「じじいは泣きそうです」
エリーゼ「ローエンをいじめないでください!」
takeshi「さて、そろそろ戻らなければなりませんね」
チャリティ「え?あそこに戻るの……?」
ジェイド「マリアさんがいられるのが5月の間だけならば、来月まで待てばいいのでは?どうせ来月まで本編は更新ないでしょう」
takeshi「それがもう既に後3話分くらい本編が完成してしまっているんですよ。しかもオマケがない分さっさと更新できてしまうので残り3話分もここで時間を潰すわけにもいきません。そんなわけでチャリティさん、我々の場所を取り戻しに行きますよ!!」
チャリティ「頑張ってね〜」
takeshi「あれ!?」
ロンドリーネ「それじゃあ最後はお決まりのあのセリフで締めようか!!」
「「「ゴチになります!!」」」
エステリーゼ「おそまつさまでした」
ジュディス「エステル?そこはかしこまるところじゃなくってよ」
ラザリス「ごちうさ?」
エトス「違うよ……」
〜おしまい♪〜
マリア「みなさんごきげんよう。マリア・フリィースです。今回は2人ともいないので私がお相手を務めさせていただきますね?あぁ、ちょっとこのカッコと名前邪魔ですね。よっこい……」
しょっと。これで少しはスッキリしたかしら?
どうせ今日は私1人ですし、この様式で十分よね。
あら?今誰かよっこいしょとかおばさん臭いとか思いやがったかしら?ふふふ、失礼しちゃうわね、まったく。えぇ、本当に……。
それにしても、私がここにいられるのは今月だけだというのに2人ともどこへ行ってしまったのかしら?悲しいわ。
そうだわ!確かここに置き手紙があったのよね。えぇっと……『着物の女性の話』?
また仮名のキャラクターを出して……お説教が足りなかったのかしら?
おそらく今頃はキャラクター名鑑に登録されていると思うから見てほしいのだけど、説明文に「エセ京都弁」って書いてないかしら。何かしら「エセ」って。エセと言えば少しくらい間違ってても許されると思ってるのかしらね?
帰ってきたらお仕置きをしなきゃだわ、ふふふ。
そういえばフィレンツェちゃんも久しぶりに登場できたみたいね。
久しぶりすぎて忘れられていければ良いのだけど……。
でも、センチッツァちゃんよりはマシなのかしらね。
あら?キロッツァちゃんだったかしら?
ミクロッツァちゃんじゃないわよね……。
まぁいいわよね、些細なことだわ♪
さてさて!ここからは私のコーナーをやっていくわよ!
あら?どことなく乗り気ではない雰囲気を感じるのは何故かしら?
確かに雑談ばかりしてるのは良くないけれど、それはそれ。これはこれよ。
そんなわけで記念すべき第一回目は『教えて☆マリアちゃん』よ!
嫌だわ、そんなに喜ばなくても今からコーナーの説明をするからもう少し待ってて頂戴。
これは私に送られてきた質問を私が何でも答えちゃう嬉し恥ずかしコーナーなの!
まったく、こんなコーナーを作ってくれちゃって、本当に後でお仕置きしなくちゃいけないわね♪
ちなみに誰からの質問かは内緒なの。ごめんなさいね、恨むなら時代を恨んでね☆
それでは早速1問目!ジャジャン!
【マリアさんは享年何歳ですか?】
18歳です☆
……何かしら?言いたいことがあるならいつでも相手になってあげるわよ?
順調の滑り出しで第2問!ババン!
【マリアさんのスリーサイズを教えてください】
乙女の、な・い・しょ☆
うふふ、大丈夫かしら?みんなここまで付いてこれてるかしら?
今のはちょっと刺激が強すぎたかしらね。
鼻血を出しすぎて貧血だなんてなっていなければいいのだけど……。
さぁ次はどんな過激な質問かしら?下着の色とかきかれたらどうしましょう!?
張り切って3問目!ドドン!
【次のマティアスの出番はいつですか?】
……はい?
えっと〜、これは質問先を間違えてしまったのかしら?
でも安心して?私は心が広いの。こういう間違えは誰にもあるものだから気にする必要はないのよ?
では気を取り直して第3問目!デデン!
【フィオナって結局誰が好きなんですか?】
あ〜〜……これはどういうことかしら?
ていうか何?フィオナの好きなヒト?
そんなものストーリー読んで自分で考えなさい?
聞けばなんでも解決すると思ったら大間違いよ?なに?ゆとりなの?
そもそも最近のゆとりってゆとりって言われても何も思わないそうね。
私、そういうのよくないと思うの。
まったく、次が最後ですからね?
次変な質問だったら大変なことになりますよ?
私知りませんからね?本当にアレ、大変なことになるんですからね?
アレなんですからね!?
【マッティのスリーサイズを/ビリビリビリ
あらあら、こんなに細かく破けてしまっては読めないわね〜残念♪
ちょっと!他に質問ないんですか!?
私と主人のなり染めとか聞きたくないの!?
私の勝負下着とか!!
ちなみに今日の下着はですねぇ……
―――オマケ―――
ロンドリーネ「あぶなっ!ナイスカットイン!!」
ディオ「あいつらどこ行ったんだ!?この前の楽談で裏に呼ばれた後何があったんだ!?」
メル「ディオ、あそこ……」
ディオ「ん?」
チャリティ「何も聞こえない何も聞こえない何も聞こえない何も聞こえない私は風私は風私は風そうただの風」
アニー「チャリティさん、テーブルの下で丸くなってないで出てきたらどうです?」
エトス「チャリティがここにいるってことは……」
takeshi「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!私はヤツに呼び出されて裏へ行ったと思ったらいつのまにか泣かされていた。な…何を言ってるのか分からねーと思うが私も何をされたのか分からなかった……。頭がどうにかなりそうだった……威圧とか腹黒とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
ジェイド「おや、ポルナレフ状態ですか?」
ヴァン「よく分からんが邪魔なのでバックヤードに居てもらおうか」
ロンドリーネ「あんた達、あんなド天然なお母様に何されたのよ……?」
ヒルダ「ていうかマリア…さんが言ってたキロッツァってたぶんミリッツアのことよね?」
ヴェイグ「そういえばいたな、そんなやつも」
ヒルダ「一応私の幼馴染なのだけど……」
アグリア「それよか答えはどうしたんだよ!?とっとと答えやがれ!!」
ロンドリーネ「えぇっと……何だっけ?」
ジュード「僕達の料理を作ったのはアーチェだと答えて前回終わりました」
ロンドリーネ「あぁ、そうだったね」
ティポ「ふぁいなるあんさーとかは、もう無しだよ?」
ロンドリーネ「んじゃ改めて、エクシリアの料理を作ったのはアーチェで合ってますかー!?」
アーチェ「正解!何で私の料理って分かりやすいのかな〜……?」
ユーリ「うっし、飯もたらふく食ったことだし帰るか!」
リタ「そ、そうね!まったくさんざんだったわよ」
ヴァン「そうはいかんな」
エステリーゼ「そうです2人とも。負けは負け、です」
ユーリ「わぁってるっての」
リタ「ほんの冗談じゃない」
ロンドリーネ「そんじゃ、勝利の一言をどうぞ!」
レイア「おつかレイア〜」
リッド「おつかレックス〜」
レイア「その返しはやめてよ!!」
リッちゃん「なんだもう終わりか〜。私も注文とってみたかったよ〜」
ウッドロウ「では私が注文させてもらおう。すまない」
リッちゃん「はーい!ご注文は、うさぎですか?」
レイア「それ言いたかっただけでしょ!?」
アーチェ「ねぇ何で私だって分かったわけ?」
ジュード「一番の決め手は味噌汁かな。僕達の味噌汁には味噌が入っていなかったんだけど、それってアーチェが食べちゃったからでしょ?」
アーチェ「え゛っ!?」
クラース「それは本当かアーチェ!?」
チェスター「てめぇ1人だけずりぃぞ!!」
アーチェ「ちょ、ちょっと!私食べてないって!そもそもどこに証拠があんのさ?」
ジュード「さっきアーチェはやたらと喉が渇くって言ってたよね?それは味噌を生で食べたからだったんだ」
アーチェ「うぅ……」
ミント「アーチェさん……」
アーチェ「だってミソが珍しかったんだもん!しょうがないじゃん!私達は滅多に食べられないんだからさぁ!!」
ミトス「まるでサスペンスドラマの犯人みたいだね」
アーチェ「私は悪くない!私は悪くない!」
ルーク「おいやめろ!俺の心が痛むっつうの!!」
takeshi「終わりました?」
メル「もう平気なの!?」
takeshi「いつまでもくよくよしているわけにもいきませんので」
ロンドリーネ「何とかワ○キング三期が始まる前に終わったよ♪あれ?次は4期だったっけ?」
takeshi「それさえも忘れてしまいましたが、約1年続いたこの帰れまテンも無事に終わることができてなによりです。ただ、とある魔術の3期がいまだに始まっていないのが気がかりですが……」
ユーリ「俺達に莫大な請求書がくることが果たして無事と言えんのかね」
takeshi「よもや第3次世界大戦を吹っ飛ばしてグレムリン編から始める気ではあるまいな……」
ユーリ「聞けよおい!」
takeshi「あぁ1億5千万ベリーですか?それなら暫くした後にチャリティさん発案の企画が始まるので、それに出演してください。そのギャラでチャラとしましょう」
チャリティ「私の企画やるの!?」
アニー「何も聞こえないんじゃ……」
takeshi「上の方で企画が通ったのでただ今絶賛構成中です!次回からやるのはさすがに憚れるので少々お待ちくださいね」
ローエン「それでは行く行くは私の企画も……」
takeshi「それは無いです。断じて」
ローエン「じじいは泣きそうです」
エリーゼ「ローエンをいじめないでください!」
takeshi「さて、そろそろ戻らなければなりませんね」
チャリティ「え?あそこに戻るの……?」
ジェイド「マリアさんがいられるのが5月の間だけならば、来月まで待てばいいのでは?どうせ来月まで本編は更新ないでしょう」
takeshi「それがもう既に後3話分くらい本編が完成してしまっているんですよ。しかもオマケがない分さっさと更新できてしまうので残り3話分もここで時間を潰すわけにもいきません。そんなわけでチャリティさん、我々の場所を取り戻しに行きますよ!!」
チャリティ「頑張ってね〜」
takeshi「あれ!?」
ロンドリーネ「それじゃあ最後はお決まりのあのセリフで締めようか!!」
「「「ゴチになります!!」」」
エステリーゼ「おそまつさまでした」
ジュディス「エステル?そこはかしこまるところじゃなくってよ」
ラザリス「ごちうさ?」
エトス「違うよ……」
〜おしまい♪〜