第49話『解除と敗走』
「なんだジーク君か!フィレンツェが一本背負いとかするからおかしいと思ったんだよねぇ」
それをまともに受けたというのにピンピンしているカインにジークは腹が立ち、鳩尾に拳をめり込ませた。
「ま、まさか、ジーク君も幻覚に……」
「俺は正気だっつの。それより……」
ジークはヴェイグとマオを見た。
マオは詠唱をしており、ヴェイグも大剣を構え冷気を収束し始めている。
このまま2人がぶつかりあえば片方は無事ではすまない。
「確かマオが一本パナシーアボトルを持ってたよな!?」
ジークは問いながら駆け出すと、カインも肯定しながらジークの後に続く。
しかし、カインの目の前を突如突風が襲うとジークは見事にさらわれ、ヒューマとガジュマを巻き込みながら壁に衝突した。
「がっ!!」
肺から酸素が押し出され、息が出来なくなる。
床にくずれ落ちた後、咳き込むように呼吸を整えながら風が襲ってきた方を見ると、フィオナが更に扇をふるっていた。
「ジーク君!」
ジークは飛ばされないように腕をクロスさせながら踏ん張るが、疾風の刃がジークの全身を切り刻む。
「カイン!お前だけでもマオのところに行け!フィオナは俺が止める!」
カインは先程ヒルダ達がいた会場の隅を見るが、彼女達もブライトを止めに動いている。
さらにこのままのんびりしていてはまたフィレンツェの香りを嗅いでしまい、幻覚に陥ってしまう。
カインは舌打ちをしてから天井すれすれまで跳躍する。
「いくぞマオ!」
「裁きの十字よ、敵を討て!」
マオはトンファーを天井に掲げる。
「ブラッディ・クロス!」
ヴェイグも限界まで収縮させた氷の大剣を手に、床を蹴り出す。
その瞬間、
「飛天翔駆!!」
急降下してきたカインがヴェイグと衝突すると、2人は転がりながらガジュマとヒューマの乱闘という壁に衝突した。
その直後にヴェイグが走っていたラインに血の十字架がそびえ立つ。
衝突と転がった衝撃で目を回したヴェイグはかぶりを振った後すぐさま立ち上がり大剣を構えた。
「カイン!最早お前も……」
「違う違う違う!!」
カインは座ったまま急いで手と首を振った。
「マオは僕が相手するから、ヴェイグはティトレイを助けに行って!」
ヴェイグがティトレイに視線を移している間にカインはすぐさま立ち上がる。
「分かった。だが相手はあのマオだ、無理はするな」
それだけ言い残してヴェイグは乱闘を掻き分けながら主催者の机へと向かい、カインはフィレンツェの姿を見失ってキョロキョロしているマオの前に出る。
「ちょこまかとうざったいわね!動きがジークそっくりじゃない!」
(本人だからな……)
ジークは心の中で突っ込みながらフィオナの風を左右にステップすることで回避していた。
これまで何度も秘密の特訓をしたおかげでフィオナの戦い方は覚えている。
彼女は動き回る敵に対しては小さく鋭い風を送る。
なので軌道さえ分かればスピードのあるジークにとってよけるのは容易い。
だがフィオナもジークの戦い方を把握している分、動きを読まれ、回避した所に辻風が待機しているということが何度もあった。
それでも幸いなことにフィオナは相手がフィレンツェだと思い込んでいる。
そこにジークの勝機があった。
「これで、終わりよ!!」
小さい風を何発も送るのは疲れる。
そのためフィオナは一気にかたをつけるためにしびれを切らすと大技を繰り出す癖がある。
「サイクロン!!」
「ここだ!!」
フィオナは一瞬ためを作る。
その隙にジークは一気に加速し、床が花火のような強く蹴られた音が響いた頃にはジークはフィオナの背後にいた。
「なっ!?何で私の癖を……!!」
呆気にとられたフィオナは扇を振り遅れる。
その瞬間にジークは低い大勢のままフィオナの足を払う。
「いった!」
勢いよく転んだフィオナは後頭部を床に打ち付ける。
フィオナはなぜジークしか知らない癖をフィレンツェが知っているのか気になったが、まずは急いで立ち上がろうとする。
しかしあろうことかフィレンツェはドレスなのにもかかわらず足を大きく開きフィオナの上に馬乗りになり、肩を床に押さえつけてきた。
「な、何…?何なの?」
さすがに恐怖を覚え、フィオナの体に力が入らなくなる。
するとフィレンツェは今度はフィオナの腰やら脇やらをまさぐり始めた。
「ちょっ、ちょっと!私にそんな気はまったく……」
フィオナが顔を紅潮させながら何かを呟いているがジークはフィオナのアイテムポーチを探すので精一杯だった。
普通ならば腰に下げておくものだが腰にも、可能性が限りなく低かったが脇も探したがどこにも見当たらなかった。
「ったく、どこだよ……。つうかこいつ、何で手で顔を隠してんだ?」
ジークはおもむろに、フィオナの手へ自分の手を伸ばす。
「裂駆槍!」
ティトレイとユージーンの間合いが空いている中、彼は槍を振り回しながら突進してくる。
3メートルの間合いもユージーンのこの技の前ではゼロ距離に等しく、すぐさま接近されてしまう。
「ぐっ!」
ティトレイは避けようと思ったが思いのほか血を流しすぎたため膝に力が入らず、更に目眩もしたため力が入らず肩膝を床に付けてしまう。
そこへ横からヴェイグが大剣を横凪に振り切ると不意打ちにもかかわらずユージーンは進路をすぐさま変更しヴェイグへ向き直ると槍と大剣が衝突した。
「ヴェイグ!」
「無事かティトレイ!?」
訪ねたものの、視界の端で見ただけでもティトレイはまだ立ち上がれず傷は深いようだった。
「分身か。ミリッツァとは違う原理のようだな」
ユージーンは鍔迫り合いをしながらヴェイグとティトレイを交互に見て冷静に仮説を立てる。
しかしそれでもユージーンの圧倒的なパワーにヴェイグも必死に対抗する。
そんな姿にフィレンツェは感心したように溜息をついた。
「ほう、ティトレイと違ってなかなか好戦的ではないか」
「俺だって本当ならば仲間に刃を向けたくは無い。だが、ユージーンならば俺の太刀をうけたところで傷一つ付かないと俺は信じている!」
ヴェイグはマオと対峙した時に始めて村を出たときのことを一緒に思い出していた。
その中の記憶の一つに、アニーとユージーンがミナール近郊で出会った時、アニーが何回もナイフでユージーンの体を刺したというのに最後まで立っていた。
そんなユージーンならばヴェイグの大剣を受けても大事には至らない。
その確信があった。
「覚えておくんだなフィレンツェ。お前が今座っている場所は俺の間合いの中だということを」
フィレンツェは再びバカにするように鼻で笑う。
しかし奇妙なことに今まで自分の目の前で膝を突いていたティトレイの姿が消えていた。
ヴェイグと鍔迫り合いをしているユージーンを見てみれば、その脇にティトレイは立っており、両手に闘気を溜めていた。
「轟裂破!!」
ティトレイが両手を突き出すと、ユージーンの脇にて闘気が溢れ出した。
「むおォ!!」
吹き飛んだユージーンは壁と激突し、穴を開けた。
一方、倉庫の前で突っ立っていた着物の女性はあくびをしていた。
「暇やね〜」
廊下の先ではヒトの大声や金属音など賑やかそうな音が響いている。
「まさか、もうオークションが始まっとったりせんやろな?」
着物の女性はカランコロンと草履の音を立てながら廊下を歩いていき、そっと大広間に顔を出してみる。
するとヒューマとガジュマが乱戦を繰り広げており、その中でも何故かヴェイグ達はヒューマとガジュマ両種族から攻撃を受けていた。
更にはそのヴェイグ達でさえも昨夜は仲間だと言っていたのに仲間同士で戦っている。
そんな様子を眺めていた着物の女性だったが、不意に鼻を摘んだ。
「こん香りはなんなん?ウチ、嫌いやわ」
そう言って着物の袖(そで)の中から神楽鈴という30cmの棒に鈴がクリスマスツリーのように大量に飾られているものを取り出した。
そしてそれを手首のスナップで小さく振ると、シャンと小気味良い音を奏でる。
すると女性を中心に暖かい風と共に円陣が広がると一瞬で壁を越え見えなくなってしまった。
「これでええわ♪」
着物の女性はニコリと笑みを浮かべ、再び倉庫の前へ戻って行った。
「お?」
ジンと鍔迫り合いをしていたブライトが気の抜けた声を出す。
と同時に力を弱め、突然相手の押す力が弱くなったことでバランスを崩したジンは前のめりに転びそうになる。
「何?」
フィレンツェが眉をひそめる。
「むぅ、あれはティトレイの技のようだったが……」
ユージーンが頭を押さえながら破れた壁から会場内に戻ってくる。
そしてティトレイの姿を見るなりユージーンは金色の眼を見開いた。
「その傷はどうしたティトレイ!?お前ほどの男が遅れをとる輩がこの中にいるというのか!?」
ユージーンの幻覚が完全に解けており、フォルスを解いた覚えのないフィレンツェは自分の思い通りにならない展開に唇を噛み締めた。
すると、フィレンツェの胸元にブオンという空気を切り裂く音と共に冷気が通り過ぎていった。
彼女はゆっくりと自分の胸元を見下ろすと、左の胸に付けていた花のブローチが真っ二つに切り裂かれた。
「言ったはずだフィレンツェ。お前が座っているそこは、俺の間合いの中だと」
「チィ!!」
フィレンツェはすぐさま机の上に立ち上がるとヴェイグ達とは反対側へ飛び降りた。
そして主催者の机とは反対側の壁へと走ろうとする。
しかし、走り出そうとした足元へ銃弾が刺さる。
「おっと、逃げられると思うなよ?」
こちらもやはり正気に戻ったブライトの銃弾だった。
フィレンツェは周辺を見渡すが最早乱闘をしようとするヒューマもガジュマもいない。
二種族とも、自分の体に何が起きたのか戸惑っているだけだった。
今もフィレンツェの香りは会場内に漂っている。
しかし幻覚も、洗脳も効かない。
予定外の展開にフィレンツェは怒りのあまり腕が震えだす。
だがそんなことをしている間にもティトレイがフィレンツェの目の前で拳を振りかざす。
「こいつは仲間を振り回してくれた礼だ!!」
ティトレイの拳はフィレンツェの整った顔を歪め、その余波からフィレンツェの体は床を何度も転がり壁にぶつかることでようやく止まった。
床を転がった際、金属音が鳴ったため床を見てみると鍵のような物が落ちていた。
ヴェイグはそれを拾うと確かにそれは鍵のような形状をしていた。
「ヴェイグさん!その鍵をこちらに投げてください!」
気付くとアニーは倉庫へと繋がる廊下への入り口付近で倒れている人質のそばにいた。
ヴェイグはその鍵をアニーに渡すと、アニーは鍵を解錠した。
「ご令嬢、恩に着る」
相変わらず年の割りに偉そうな話方をする青年にアニーは苦笑いした。
「あれ?もしかして……」
ルルは猫耳のハーフを見て歩み寄ろうとする。
青年もルルに気付き、声をかけようとする。
そんな中、フィレンツェがむくりと起き上がる。
「おのれ……よくも私の顔を!!!」
フィレンツェは近くにいたヒューマの男性に鞭を打った。
すると、男性は突然武器を構えるとルルに切りかかる。
「「ルル!!」」
ルルの近くには誰もいない。
ルルは咄嗟に振り返るが今から如意棒を伸ばしていては間に合わない。
そんな時、
「頭が高いぞ!!」
ハーフの青年が言い放つとヒューマの男性の動きが突然鈍くなり、スローモーションを見ているような感覚だった。
その隙にルルは男から剣を取り上げると、床に捨て遠くへ蹴り飛ばした。
「てめぇ、まだやんのかよ!?」
ティトレイは再び拳を構える。
「待て!」
だがハーフの男の制止が入る。
「俺の前で女性を殺すことはこの俺が許さん。貴様も命が惜しくばさっさと立ち去れ」
ハーフの男はアゴで入り口へ行くよう促すと、フィレンツェは心底悔しそうに顔を歪めた後、入り口へ走って行った。
〜続く〜
それをまともに受けたというのにピンピンしているカインにジークは腹が立ち、鳩尾に拳をめり込ませた。
「ま、まさか、ジーク君も幻覚に……」
「俺は正気だっつの。それより……」
ジークはヴェイグとマオを見た。
マオは詠唱をしており、ヴェイグも大剣を構え冷気を収束し始めている。
このまま2人がぶつかりあえば片方は無事ではすまない。
「確かマオが一本パナシーアボトルを持ってたよな!?」
ジークは問いながら駆け出すと、カインも肯定しながらジークの後に続く。
しかし、カインの目の前を突如突風が襲うとジークは見事にさらわれ、ヒューマとガジュマを巻き込みながら壁に衝突した。
「がっ!!」
肺から酸素が押し出され、息が出来なくなる。
床にくずれ落ちた後、咳き込むように呼吸を整えながら風が襲ってきた方を見ると、フィオナが更に扇をふるっていた。
「ジーク君!」
ジークは飛ばされないように腕をクロスさせながら踏ん張るが、疾風の刃がジークの全身を切り刻む。
「カイン!お前だけでもマオのところに行け!フィオナは俺が止める!」
カインは先程ヒルダ達がいた会場の隅を見るが、彼女達もブライトを止めに動いている。
さらにこのままのんびりしていてはまたフィレンツェの香りを嗅いでしまい、幻覚に陥ってしまう。
カインは舌打ちをしてから天井すれすれまで跳躍する。
「いくぞマオ!」
「裁きの十字よ、敵を討て!」
マオはトンファーを天井に掲げる。
「ブラッディ・クロス!」
ヴェイグも限界まで収縮させた氷の大剣を手に、床を蹴り出す。
その瞬間、
「飛天翔駆!!」
急降下してきたカインがヴェイグと衝突すると、2人は転がりながらガジュマとヒューマの乱闘という壁に衝突した。
その直後にヴェイグが走っていたラインに血の十字架がそびえ立つ。
衝突と転がった衝撃で目を回したヴェイグはかぶりを振った後すぐさま立ち上がり大剣を構えた。
「カイン!最早お前も……」
「違う違う違う!!」
カインは座ったまま急いで手と首を振った。
「マオは僕が相手するから、ヴェイグはティトレイを助けに行って!」
ヴェイグがティトレイに視線を移している間にカインはすぐさま立ち上がる。
「分かった。だが相手はあのマオだ、無理はするな」
それだけ言い残してヴェイグは乱闘を掻き分けながら主催者の机へと向かい、カインはフィレンツェの姿を見失ってキョロキョロしているマオの前に出る。
「ちょこまかとうざったいわね!動きがジークそっくりじゃない!」
(本人だからな……)
ジークは心の中で突っ込みながらフィオナの風を左右にステップすることで回避していた。
これまで何度も秘密の特訓をしたおかげでフィオナの戦い方は覚えている。
彼女は動き回る敵に対しては小さく鋭い風を送る。
なので軌道さえ分かればスピードのあるジークにとってよけるのは容易い。
だがフィオナもジークの戦い方を把握している分、動きを読まれ、回避した所に辻風が待機しているということが何度もあった。
それでも幸いなことにフィオナは相手がフィレンツェだと思い込んでいる。
そこにジークの勝機があった。
「これで、終わりよ!!」
小さい風を何発も送るのは疲れる。
そのためフィオナは一気にかたをつけるためにしびれを切らすと大技を繰り出す癖がある。
「サイクロン!!」
「ここだ!!」
フィオナは一瞬ためを作る。
その隙にジークは一気に加速し、床が花火のような強く蹴られた音が響いた頃にはジークはフィオナの背後にいた。
「なっ!?何で私の癖を……!!」
呆気にとられたフィオナは扇を振り遅れる。
その瞬間にジークは低い大勢のままフィオナの足を払う。
「いった!」
勢いよく転んだフィオナは後頭部を床に打ち付ける。
フィオナはなぜジークしか知らない癖をフィレンツェが知っているのか気になったが、まずは急いで立ち上がろうとする。
しかしあろうことかフィレンツェはドレスなのにもかかわらず足を大きく開きフィオナの上に馬乗りになり、肩を床に押さえつけてきた。
「な、何…?何なの?」
さすがに恐怖を覚え、フィオナの体に力が入らなくなる。
するとフィレンツェは今度はフィオナの腰やら脇やらをまさぐり始めた。
「ちょっ、ちょっと!私にそんな気はまったく……」
フィオナが顔を紅潮させながら何かを呟いているがジークはフィオナのアイテムポーチを探すので精一杯だった。
普通ならば腰に下げておくものだが腰にも、可能性が限りなく低かったが脇も探したがどこにも見当たらなかった。
「ったく、どこだよ……。つうかこいつ、何で手で顔を隠してんだ?」
ジークはおもむろに、フィオナの手へ自分の手を伸ばす。
「裂駆槍!」
ティトレイとユージーンの間合いが空いている中、彼は槍を振り回しながら突進してくる。
3メートルの間合いもユージーンのこの技の前ではゼロ距離に等しく、すぐさま接近されてしまう。
「ぐっ!」
ティトレイは避けようと思ったが思いのほか血を流しすぎたため膝に力が入らず、更に目眩もしたため力が入らず肩膝を床に付けてしまう。
そこへ横からヴェイグが大剣を横凪に振り切ると不意打ちにもかかわらずユージーンは進路をすぐさま変更しヴェイグへ向き直ると槍と大剣が衝突した。
「ヴェイグ!」
「無事かティトレイ!?」
訪ねたものの、視界の端で見ただけでもティトレイはまだ立ち上がれず傷は深いようだった。
「分身か。ミリッツァとは違う原理のようだな」
ユージーンは鍔迫り合いをしながらヴェイグとティトレイを交互に見て冷静に仮説を立てる。
しかしそれでもユージーンの圧倒的なパワーにヴェイグも必死に対抗する。
そんな姿にフィレンツェは感心したように溜息をついた。
「ほう、ティトレイと違ってなかなか好戦的ではないか」
「俺だって本当ならば仲間に刃を向けたくは無い。だが、ユージーンならば俺の太刀をうけたところで傷一つ付かないと俺は信じている!」
ヴェイグはマオと対峙した時に始めて村を出たときのことを一緒に思い出していた。
その中の記憶の一つに、アニーとユージーンがミナール近郊で出会った時、アニーが何回もナイフでユージーンの体を刺したというのに最後まで立っていた。
そんなユージーンならばヴェイグの大剣を受けても大事には至らない。
その確信があった。
「覚えておくんだなフィレンツェ。お前が今座っている場所は俺の間合いの中だということを」
フィレンツェは再びバカにするように鼻で笑う。
しかし奇妙なことに今まで自分の目の前で膝を突いていたティトレイの姿が消えていた。
ヴェイグと鍔迫り合いをしているユージーンを見てみれば、その脇にティトレイは立っており、両手に闘気を溜めていた。
「轟裂破!!」
ティトレイが両手を突き出すと、ユージーンの脇にて闘気が溢れ出した。
「むおォ!!」
吹き飛んだユージーンは壁と激突し、穴を開けた。
一方、倉庫の前で突っ立っていた着物の女性はあくびをしていた。
「暇やね〜」
廊下の先ではヒトの大声や金属音など賑やかそうな音が響いている。
「まさか、もうオークションが始まっとったりせんやろな?」
着物の女性はカランコロンと草履の音を立てながら廊下を歩いていき、そっと大広間に顔を出してみる。
するとヒューマとガジュマが乱戦を繰り広げており、その中でも何故かヴェイグ達はヒューマとガジュマ両種族から攻撃を受けていた。
更にはそのヴェイグ達でさえも昨夜は仲間だと言っていたのに仲間同士で戦っている。
そんな様子を眺めていた着物の女性だったが、不意に鼻を摘んだ。
「こん香りはなんなん?ウチ、嫌いやわ」
そう言って着物の袖(そで)の中から神楽鈴という30cmの棒に鈴がクリスマスツリーのように大量に飾られているものを取り出した。
そしてそれを手首のスナップで小さく振ると、シャンと小気味良い音を奏でる。
すると女性を中心に暖かい風と共に円陣が広がると一瞬で壁を越え見えなくなってしまった。
「これでええわ♪」
着物の女性はニコリと笑みを浮かべ、再び倉庫の前へ戻って行った。
「お?」
ジンと鍔迫り合いをしていたブライトが気の抜けた声を出す。
と同時に力を弱め、突然相手の押す力が弱くなったことでバランスを崩したジンは前のめりに転びそうになる。
「何?」
フィレンツェが眉をひそめる。
「むぅ、あれはティトレイの技のようだったが……」
ユージーンが頭を押さえながら破れた壁から会場内に戻ってくる。
そしてティトレイの姿を見るなりユージーンは金色の眼を見開いた。
「その傷はどうしたティトレイ!?お前ほどの男が遅れをとる輩がこの中にいるというのか!?」
ユージーンの幻覚が完全に解けており、フォルスを解いた覚えのないフィレンツェは自分の思い通りにならない展開に唇を噛み締めた。
すると、フィレンツェの胸元にブオンという空気を切り裂く音と共に冷気が通り過ぎていった。
彼女はゆっくりと自分の胸元を見下ろすと、左の胸に付けていた花のブローチが真っ二つに切り裂かれた。
「言ったはずだフィレンツェ。お前が座っているそこは、俺の間合いの中だと」
「チィ!!」
フィレンツェはすぐさま机の上に立ち上がるとヴェイグ達とは反対側へ飛び降りた。
そして主催者の机とは反対側の壁へと走ろうとする。
しかし、走り出そうとした足元へ銃弾が刺さる。
「おっと、逃げられると思うなよ?」
こちらもやはり正気に戻ったブライトの銃弾だった。
フィレンツェは周辺を見渡すが最早乱闘をしようとするヒューマもガジュマもいない。
二種族とも、自分の体に何が起きたのか戸惑っているだけだった。
今もフィレンツェの香りは会場内に漂っている。
しかし幻覚も、洗脳も効かない。
予定外の展開にフィレンツェは怒りのあまり腕が震えだす。
だがそんなことをしている間にもティトレイがフィレンツェの目の前で拳を振りかざす。
「こいつは仲間を振り回してくれた礼だ!!」
ティトレイの拳はフィレンツェの整った顔を歪め、その余波からフィレンツェの体は床を何度も転がり壁にぶつかることでようやく止まった。
床を転がった際、金属音が鳴ったため床を見てみると鍵のような物が落ちていた。
ヴェイグはそれを拾うと確かにそれは鍵のような形状をしていた。
「ヴェイグさん!その鍵をこちらに投げてください!」
気付くとアニーは倉庫へと繋がる廊下への入り口付近で倒れている人質のそばにいた。
ヴェイグはその鍵をアニーに渡すと、アニーは鍵を解錠した。
「ご令嬢、恩に着る」
相変わらず年の割りに偉そうな話方をする青年にアニーは苦笑いした。
「あれ?もしかして……」
ルルは猫耳のハーフを見て歩み寄ろうとする。
青年もルルに気付き、声をかけようとする。
そんな中、フィレンツェがむくりと起き上がる。
「おのれ……よくも私の顔を!!!」
フィレンツェは近くにいたヒューマの男性に鞭を打った。
すると、男性は突然武器を構えるとルルに切りかかる。
「「ルル!!」」
ルルの近くには誰もいない。
ルルは咄嗟に振り返るが今から如意棒を伸ばしていては間に合わない。
そんな時、
「頭が高いぞ!!」
ハーフの青年が言い放つとヒューマの男性の動きが突然鈍くなり、スローモーションを見ているような感覚だった。
その隙にルルは男から剣を取り上げると、床に捨て遠くへ蹴り飛ばした。
「てめぇ、まだやんのかよ!?」
ティトレイは再び拳を構える。
「待て!」
だがハーフの男の制止が入る。
「俺の前で女性を殺すことはこの俺が許さん。貴様も命が惜しくばさっさと立ち去れ」
ハーフの男はアゴで入り口へ行くよう促すと、フィレンツェは心底悔しそうに顔を歪めた後、入り口へ走って行った。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート32】
takeshi「北村一輝やっぱかっけぇよ。ていうか阿部寛との共演って時点でもう反則なんだよ。しかも声優まで無駄に豪華に使いやがってまったくもう……」
マリア「あらあら、挨拶もしないで何をブツブツ言ってるのかしら?」
チャリティ「お仕置きが必要よね!」
マリア「梅雨は好き。雲が私を隠してくれるから」
チャリティ「それ私のポエムだから!!!」
takeshi「おっと始まっていたのですね。ども〜!最近ラジオばっかり聞いてるtakeshiです。前回あまり掘り下げることができなかったので、今回はコーナーに行く前に状態異状チャームについて解説させていただいても良いですか?」
マリア「許可するわ」
チャリティ「一体どこに隠し持ってるの……?」
takeshi「チャーム状態、もしくは魅了状態とも言いますがヴェスペリアが初登場です。なのでアビス以前のテイルズにはチャーム効果を与えてくる敵がいなかったため勿論対抗手段もありません。新種のワクチンは新種のウィルスが発生してからでないと発明できないのと同じ原理ですね。ただ、ヴェスペリアとエクシリアで大きく違う点はプレイヤーキャラがチャームになった場合操作が可能か不可能かというところです。エクシリアの場合操作不能になってしまうため控えのキャラと交換するか操作キャラを変更するかで対処できるのですが、正常なキャラを間違えて既にチャームにかかっていた控えのキャラと交換した時全員チャーム状態になってしまい、「こりゃ全滅だな」と思ってたらエリーゼが敵味方全てを薙ぎ払うという地獄絵図を見せ、それからというものエリーゼ先輩には頭が上がりません」
エリーゼ「こ、怖かった…です」
ミラ(お前が言うな)
takeshi「てな感じでした。ちなみに今回の本編ではエクシリアの方のチャーム状態を採用させていただいており、かかっている側の心境としてはメロメロというより本人はいたって真剣という形にアレンジしました。さすがに戦闘中にヴェイグが「フィレンツェたん萌え〜!!」とか「我々の業界ではご褒美であります!!」とか言い出したら気持ち悪いですからね……。って、聞いてます?」
マリア「紅茶が美味しいわ〜」
チャリティ(私の詩集、どこに隠してるのかしら……)
マリア「チャリティちゃん、そんなに私の胸ばっかり見て、もしかして甘えたいのかしら?」
チャリティ「お母さん、なんかいつもより胸大きくない?」
マリア「あらあら?」
takeshi「さぁでは!本編の補足も終わったことですしコーナーに参りましょう!!」
マリア「マリアの『教えて☆マリアちゃん!』」
チャリティ「それ絶対言うのね……」
takeshi「前回マリアさんに言われた通り本当ならジーク達を呼べれば良かったのですが、それでも結構無理をして質問をもらってきました!」
チャリティ「いつのまに……。ていうかよく答えたわね、ジーク達も」
takeshi「いやぁ、戦場をかいくぐりながら取材するのは骨が折れましたよ!」
チャリティ「あの場に行ったの!?」
takeshi「オークション会場を映像化するとヒューマの中に私が混ざっています。そんなことよりまずは長男のジークからの質問です!」
マリア「あら、楽しみね♪」
【妹の様子が最近ちょっとおかしいんだが】
takeshi「……」
チャリティ「……」
マリア「こんなタイトルのアニメが最近放送されてなかったかしら?」
takeshi「気のせいでしょう!!」
チャリティ「ルルちゃんの気持ちに気付かないなんて、あいつも鈍感よねー!」
マリア「そう…なの?でも、チャリティちゃんの言うとおり、妹の恋心にも気付けないようじゃお兄ちゃん失格ね。たまにはルルちゃんとお風呂に入ってあげなさい」
takeshi「それはさすがにアウトです……」
チャリティ「次行くわよ次」
【その中に1人偽乳がいる】
マリア「これは……誰かしら?」
takeshi「ジンですね」
チャリティ「私はいつも胸を張って生きてるわよ?」
takeshi「張ってようやく一人前の女性サイズですけどね」
チャリティ「うるさい!!」
takeshi「……マリアさん?」
マリア「な、何かしら!?」
takeshi「顔色悪いですけど、どうかしました?」
マリア「べつにどうもしないわよ?まったくジン君もラノベみたいなこと言っちゃって困ったものね!」
チャリティ「あっ……」
マリア「なぁに?チャリティちゃん。今の「あっ」ていうのは?タイミング的に勘違いされてしまうでしょ?」
チャリティ「な、何でもないわママ!!」
マリア「まったく、ジン君もおっぱいばっかり見て困ったものだわ」
takeshi「ちょっとぉ!さすがに言い方変えてください!!」
チャリティ「次は……ルルちゃんね」
マリア「ルルちゃん、私は信じてますからね?」
【プレゼントでもらったら一番嬉しい物を教えてください】
マリア「ルルちゃんマジ天使!!」
チャリティ「お母さん喜びすぎ!!」
takeshi(文頭に「マオへプレゼントを上げたいから」って書いてあったのを消しといて正解でしたね……)
チャリティ「まだ続きがあるみたいよ?」
takeshi「あぁ、二枚あったんですね」
【あとママがよくお父さんと行ってたデートスポットを教えてください】
takeshi(デートまで行く気なのか!!)
マリア「まぁまぁまぁ!!母の日だものね!ママとお買い物した後お出かけしたいのね!!」
チャリティ「でもお母さんおでかけできないわよね?何でこんな質問にしたのかしら?」
takeshi「卓上旅行みたいに想像の中だけでも楽しみたかったんですよ!きっと!!」
チャリティ「何慌ててんの?」
マリア「そうねぇ、妄想の中ならあんなことやこんなこともやりたい放題だものねぇ」
takeshi「ちょっとさっきから何言ってるんですか!?フリィース一族はこんなんばっかなんですか!?」
マリア「今のは特にいやらしい意味を含めたつもりはないわよ?」
チャリティ「不潔よ不潔」
takeshi「お、おのれ……」
マリア「プレゼントはお花なんてもらえると嬉しいわね」
takeshi「今時花なんかで喜ぶ人いるんですね……」
チャリティ「それに関しては同感だわ……」
マリア「デートスポットは……」
takeshi「それについては結構です!!嫌な予感しかしないので!!」
マリア「あら、そう?」
takeshi「まだまだ他の人からも質問もらってきたので続きはまた次回にしましょう!」
チャリティ「よく集めてきたわね」
takeshi「風のごとく世界中を舞ってきました。そう、風のごとくね」
チャリティ「や・め・ろ!!」
takeshi「ではまた〜」
―――オマケAfter story―――
エトス「みんなー!ありがと〜☆」
ディオ「一瞬、王国が見えたぜ……」
メル「エトカッコイー!!」
メルディ「たくさん踊ったヨ〜。これでボビー呼ばれなくてすむか?」
ノーマ「だからそんなあだ名付けないって」
クロエ「では何と呼ぶんだ?」
ノーマ「そりゃメルルっしょ!」
メルディ「ばいば!メルディ、気に入ったな!」
エトス「なんか星屑ウィッチみたいな名前だね……」
メル「じゃあ私は?」
ノーマ「え〜っと〜……」
ウィル「シャーリィとリリアンのように被らせるなよ?」
リッちゃん「私は別にかまわないよ?」
シャーリィ「私も特には困らないけど……」
ノーマ「じゃあ、メルリンでどうよ!?」
メル「メルリン……」
ロイド「ゼロスもニックネーム付けてもってこいよ」
リフィル「確かに、ゼロスという名前はニックネームを付けにくいだけに気になるわね」
ゼロス「ノーマちゃん、クールなやつ頼むぜ?」
ノーマ「あぁ、あんたは決まってるから平気」
モーゼス「偶然じゃのうしゃぼん娘、ワイも一目見た時から決まっとったぞ」
ミミー「山賊と黄色いのもかパン!?」
グリューネ「じゃあみんな仲良く、せーので言ってみてはどうかしら?」
ノーマ「じゃあいくよ?」
モーゼス「おう!」
ミミー「どっからでもかかってこいだパン!」
ノーマ「せーのっ!」
ノーマ&モーゼス&ミミー「「「お喋りクソ野郎(だパン)」」」
ゼロス「てめぇら有吉かよ!!」
ロイド「よ!お喋りクソ野郎!」
ゼロス「ぐはっ!!」
ヴァン「いい加減に店を閉めたいのだが……」
〜終わりたい〜
takeshi「北村一輝やっぱかっけぇよ。ていうか阿部寛との共演って時点でもう反則なんだよ。しかも声優まで無駄に豪華に使いやがってまったくもう……」
マリア「あらあら、挨拶もしないで何をブツブツ言ってるのかしら?」
チャリティ「お仕置きが必要よね!」
マリア「梅雨は好き。雲が私を隠してくれるから」
チャリティ「それ私のポエムだから!!!」
takeshi「おっと始まっていたのですね。ども〜!最近ラジオばっかり聞いてるtakeshiです。前回あまり掘り下げることができなかったので、今回はコーナーに行く前に状態異状チャームについて解説させていただいても良いですか?」
マリア「許可するわ」
チャリティ「一体どこに隠し持ってるの……?」
takeshi「チャーム状態、もしくは魅了状態とも言いますがヴェスペリアが初登場です。なのでアビス以前のテイルズにはチャーム効果を与えてくる敵がいなかったため勿論対抗手段もありません。新種のワクチンは新種のウィルスが発生してからでないと発明できないのと同じ原理ですね。ただ、ヴェスペリアとエクシリアで大きく違う点はプレイヤーキャラがチャームになった場合操作が可能か不可能かというところです。エクシリアの場合操作不能になってしまうため控えのキャラと交換するか操作キャラを変更するかで対処できるのですが、正常なキャラを間違えて既にチャームにかかっていた控えのキャラと交換した時全員チャーム状態になってしまい、「こりゃ全滅だな」と思ってたらエリーゼが敵味方全てを薙ぎ払うという地獄絵図を見せ、それからというものエリーゼ先輩には頭が上がりません」
エリーゼ「こ、怖かった…です」
ミラ(お前が言うな)
takeshi「てな感じでした。ちなみに今回の本編ではエクシリアの方のチャーム状態を採用させていただいており、かかっている側の心境としてはメロメロというより本人はいたって真剣という形にアレンジしました。さすがに戦闘中にヴェイグが「フィレンツェたん萌え〜!!」とか「我々の業界ではご褒美であります!!」とか言い出したら気持ち悪いですからね……。って、聞いてます?」
マリア「紅茶が美味しいわ〜」
チャリティ(私の詩集、どこに隠してるのかしら……)
マリア「チャリティちゃん、そんなに私の胸ばっかり見て、もしかして甘えたいのかしら?」
チャリティ「お母さん、なんかいつもより胸大きくない?」
マリア「あらあら?」
takeshi「さぁでは!本編の補足も終わったことですしコーナーに参りましょう!!」
マリア「マリアの『教えて☆マリアちゃん!』」
チャリティ「それ絶対言うのね……」
takeshi「前回マリアさんに言われた通り本当ならジーク達を呼べれば良かったのですが、それでも結構無理をして質問をもらってきました!」
チャリティ「いつのまに……。ていうかよく答えたわね、ジーク達も」
takeshi「いやぁ、戦場をかいくぐりながら取材するのは骨が折れましたよ!」
チャリティ「あの場に行ったの!?」
takeshi「オークション会場を映像化するとヒューマの中に私が混ざっています。そんなことよりまずは長男のジークからの質問です!」
マリア「あら、楽しみね♪」
【妹の様子が最近ちょっとおかしいんだが】
takeshi「……」
チャリティ「……」
マリア「こんなタイトルのアニメが最近放送されてなかったかしら?」
takeshi「気のせいでしょう!!」
チャリティ「ルルちゃんの気持ちに気付かないなんて、あいつも鈍感よねー!」
マリア「そう…なの?でも、チャリティちゃんの言うとおり、妹の恋心にも気付けないようじゃお兄ちゃん失格ね。たまにはルルちゃんとお風呂に入ってあげなさい」
takeshi「それはさすがにアウトです……」
チャリティ「次行くわよ次」
【その中に1人偽乳がいる】
マリア「これは……誰かしら?」
takeshi「ジンですね」
チャリティ「私はいつも胸を張って生きてるわよ?」
takeshi「張ってようやく一人前の女性サイズですけどね」
チャリティ「うるさい!!」
takeshi「……マリアさん?」
マリア「な、何かしら!?」
takeshi「顔色悪いですけど、どうかしました?」
マリア「べつにどうもしないわよ?まったくジン君もラノベみたいなこと言っちゃって困ったものね!」
チャリティ「あっ……」
マリア「なぁに?チャリティちゃん。今の「あっ」ていうのは?タイミング的に勘違いされてしまうでしょ?」
チャリティ「な、何でもないわママ!!」
マリア「まったく、ジン君もおっぱいばっかり見て困ったものだわ」
takeshi「ちょっとぉ!さすがに言い方変えてください!!」
チャリティ「次は……ルルちゃんね」
マリア「ルルちゃん、私は信じてますからね?」
【プレゼントでもらったら一番嬉しい物を教えてください】
マリア「ルルちゃんマジ天使!!」
チャリティ「お母さん喜びすぎ!!」
takeshi(文頭に「マオへプレゼントを上げたいから」って書いてあったのを消しといて正解でしたね……)
チャリティ「まだ続きがあるみたいよ?」
takeshi「あぁ、二枚あったんですね」
【あとママがよくお父さんと行ってたデートスポットを教えてください】
takeshi(デートまで行く気なのか!!)
マリア「まぁまぁまぁ!!母の日だものね!ママとお買い物した後お出かけしたいのね!!」
チャリティ「でもお母さんおでかけできないわよね?何でこんな質問にしたのかしら?」
takeshi「卓上旅行みたいに想像の中だけでも楽しみたかったんですよ!きっと!!」
チャリティ「何慌ててんの?」
マリア「そうねぇ、妄想の中ならあんなことやこんなこともやりたい放題だものねぇ」
takeshi「ちょっとさっきから何言ってるんですか!?フリィース一族はこんなんばっかなんですか!?」
マリア「今のは特にいやらしい意味を含めたつもりはないわよ?」
チャリティ「不潔よ不潔」
takeshi「お、おのれ……」
マリア「プレゼントはお花なんてもらえると嬉しいわね」
takeshi「今時花なんかで喜ぶ人いるんですね……」
チャリティ「それに関しては同感だわ……」
マリア「デートスポットは……」
takeshi「それについては結構です!!嫌な予感しかしないので!!」
マリア「あら、そう?」
takeshi「まだまだ他の人からも質問もらってきたので続きはまた次回にしましょう!」
チャリティ「よく集めてきたわね」
takeshi「風のごとく世界中を舞ってきました。そう、風のごとくね」
チャリティ「や・め・ろ!!」
takeshi「ではまた〜」
―――オマケAfter story―――
エトス「みんなー!ありがと〜☆」
ディオ「一瞬、王国が見えたぜ……」
メル「エトカッコイー!!」
メルディ「たくさん踊ったヨ〜。これでボビー呼ばれなくてすむか?」
ノーマ「だからそんなあだ名付けないって」
クロエ「では何と呼ぶんだ?」
ノーマ「そりゃメルルっしょ!」
メルディ「ばいば!メルディ、気に入ったな!」
エトス「なんか星屑ウィッチみたいな名前だね……」
メル「じゃあ私は?」
ノーマ「え〜っと〜……」
ウィル「シャーリィとリリアンのように被らせるなよ?」
リッちゃん「私は別にかまわないよ?」
シャーリィ「私も特には困らないけど……」
ノーマ「じゃあ、メルリンでどうよ!?」
メル「メルリン……」
ロイド「ゼロスもニックネーム付けてもってこいよ」
リフィル「確かに、ゼロスという名前はニックネームを付けにくいだけに気になるわね」
ゼロス「ノーマちゃん、クールなやつ頼むぜ?」
ノーマ「あぁ、あんたは決まってるから平気」
モーゼス「偶然じゃのうしゃぼん娘、ワイも一目見た時から決まっとったぞ」
ミミー「山賊と黄色いのもかパン!?」
グリューネ「じゃあみんな仲良く、せーので言ってみてはどうかしら?」
ノーマ「じゃあいくよ?」
モーゼス「おう!」
ミミー「どっからでもかかってこいだパン!」
ノーマ「せーのっ!」
ノーマ&モーゼス&ミミー「「「お喋りクソ野郎(だパン)」」」
ゼロス「てめぇら有吉かよ!!」
ロイド「よ!お喋りクソ野郎!」
ゼロス「ぐはっ!!」
ヴァン「いい加減に店を閉めたいのだが……」
〜終わりたい〜