第54話『羽と空中庭園』
12人の中で1番上を浮上していたのはジークだった。
やはりパーティの中で俊足の持ち主なだけに脚力もそれだけ強いのだろう。
そのジークの腰の辺りにヴェイグの頭があった。
本来ならばティトレイが二番目かトップにいていいはずなのだが、彼は力の伝え方を間違えたのか洗濯機の中の洗濯物のようにグルングルン回っており、その分浮上するスピードはゆっくりだった。
そんな中、ジークの目の前にある山脈は段々と鋭さを増していき、頂上が近いことを表していた。
周囲を見渡してみても同じ高さの山脈が連なっており、しばらく浮上を続けると地上でユージーンが見上げていた山脈とは反対側の山脈の向こう側に海が見えた。
その海は夕日を反射し赤く染まり、光が乱反射し輝いていた。
「すっげぇ〜」
「絶景だな……」
ジークと同じ景色を見ていたヴェイグも目を見開いていた。
山脈の高さを少し越えた高度までくるとノルゼン地方から西の方角にあるカレギア全土が一望することができた。
視界を南に向ければ桃色のキョグエンがあり、そこから南西に視界を移動させるとバビログラードの蒼の神殿が見える。
更にそこから西へ視界を移動させると砂漠地に竜巻が発生しているアニカマル、北上させるとサニイタウンや今は緑色のミナールが見えた。
「あれは何だ?」
ヴェイグが指差す方向、厚い雲が覆う最北端の地域から、光るミミズのような物体がニョロニョロとスールズに向かって移動していた。
ここからではミミズのようにしか見えないが、接近すればまた別の物に見えていただろう。
2人がそんな光景を眺めていると、不意に体が少し重くなった感覚がしたのと同時に浮上が止まった。
下を見ると全員山頂付近の高さまで来ており、ブライトの重力操作により全員停止していた。
そして海とは反対側の山脈、先程からユージーンが気にしていた山脈を見てみると山頂に丸い屋根の小屋のような遺跡のようなものが建っていた。
「多少バラけたが許容範囲だな。各自、俺の近くに集まれるように引っ張り合えるか?」
ブライトは自分の肩の高さにいるカインの足を掴む。
そしてカインの頭の高さにいるヴェイグの足を彼は掴むとヴェイグはジークのベルトを掴み、ブライトがカインの足を引くとすんなりとジーク達はブライトの傍へと手繰り寄せられる。
同様にして他のメンバーもブライトの周囲に手繰り寄せると、ユージーンは30m先斜め下に位置する遺跡のような箇所を指差した。
「あそこへ行きたいのだができるか?」
「ここまで来たらやるしかねぇだろ。お前らしっかりつかまってろよ?」
12人はお互いの体を密着させると、ブライトは遺跡のある方向とは逆方向へ両手で銃口を向け発砲した。
すると、その衝撃によりブライト達は遺跡側へと吹っ飛ぶ。
無重力エリアを抜け、体に鉛のようなものがのしかかる感覚が襲ってくると直線ラインで飛んでいたはずが放物線を描き落下を始めた。
「先生通り過ぎちゃう!!」
ブライトの腰にしがみついていたルルが真下を通りすぎようとする植物園のような遺跡を見下ろしながら叫ぶ。
高度に対し勢いが強すぎたらしい。
「心配すんな!」
ブライトは遺跡の真上まで来たことを確認すると不適な笑みを浮かべる。
すると放物線を描いて通り過ぎるはずが、突然体が重くなったと感じた瞬間に遺跡に吸い寄せられるかのように垂直に落下した。
5mはあった高さから一気に叩きつけられた12人は重たい音を立てながら目を回していた。
「む、無茶しやがって……」
重なり合った状態から退くため、ティトレイは立ち上がるが少し歩いてからやはりまだ目が回っており仰向けに倒れた。
「だから結構無茶するって最初に言っただろうが……」
12人の中の一番下で伸びていたブライトが苦痛に顔をゆがませながら苦笑いを浮かべた。
すると、小屋の方から誰かが慌てて走ってくる音が聞こえた。
「ヴェ、ヴェイグさん!?」
足音の主はピンクのズボンにピンクの民族衣装を羽織っており、赤いポニーテールを揺らしながら走ってくるなり口を両手の翼で覆ってヴェイグ達が仰向けになって倒れている惨状に驚愕した。
「久しぶり……ニノン」
マオは苦笑いしながら言うがニノンと呼ばれたガジュマの少女は羽をばたばたさせながら混乱していた。
「えぇっと、えぇっと……とりあえず家まで運びますね!」
ニノンはそう言って一度家に戻りロープを持ってくると12人の体を直列に繋がるように結んだ。
「ふぇっ!?ど、どうするの!?」
どうすると聞いたがルルにはこの質問の仕方であっているのかさえ分からない。
本当にロープで皆の体と繋いで何をするのか見当もつかないのだから。
「ご、ごめんなさい!悪いようにはしませんから……」
ルルは見た目的にニノンより年下か同年代あたりだというのに酷く恐縮した様子だった。
それでもニノンは一旦深呼吸すると、両手の翼を12人に向かって伸ばした。
すると、12人の体がまるで『羽』のように軽くなり宙に浮いた。
ただブライトの浮かせ方と違い、ヴェイグ達は少しも力を入れていない上に浮上し続けることもなくある一定の高さで浮遊していた。
「ニノンさん、フォルスを使いこなせるようになったんですね」
「へへへへ、皆さんのおかげです♪」
ニノンは照れたようにもじもじしながら先頭に伸びた余分なロープを掴み小屋まで引っ張ると12人は子供の電車ゴッコのように宙を浮きながら小屋へ連行されて行った。
「そうか……俺ももう用無しか……」
小屋の中で手当てを受けながらブライトはぼそっと呟いた。
小屋の中は外見と丸い屋根のまんまで丸い造りになっており、更にここでは1人暮らしなのかとても狭かった。
小屋の中にはキッチンと大きな壷が5つほどあり、床やテーブルは木製だった。
柱は小屋の中央を貫くように立つ大黒柱一本だけでその柱を囲むようにして木製のテーブルは作られていた。
その円卓の上には多種多様な本が並べられており、その中の一つ『今日からあなたも園芸マスター!』という本をブライトは手に取り眺めながら溜息をついた。
「ぇえっ!?わ、私の力が必要って……ぜ、絶対無理です!!」
ニノンは顔を真っ赤にして首を物凄い勢いで何回も振った。
「そんなことねぇって!お前の『羽』のフォルスは3つ星以上だって俺が保証するぜ!」
そう、ユージーンの目的はニノンに協力を仰ぐことだった。
彼女もラドラスの落日にフォルスが暴走してしまった1人であり、それまで静かに暮らしていた彼女だったが村人に迷惑をかけてしまった所為で散々な仕打ちを受け、ここレンパオ空中庭園でひっそりと暮らしていた。
その所為でヴェイグ達と出会った頃は完全に心を閉ざしており、フォルスの制御もできずにいた。
しかしヴェイグ達がこまめに顔を出し、ニノンに必要なものを与えていっている内に打ち解けあい、心を開いていったのだという。
「先生のフォルスより役に立つのは事実だしな」
ジークがブライトを尻目に言うとブライトは本をパタンと閉じた。
以前にも触れたがブライトのフォルスは場所を絞り発動させるもののため、物体自体を軽くすることはできない。
しかしニノンの『羽』のフォルスは物体に作用するためエンジンを軽くすることができる。
「俺……ここの庭師になるわ」
いつもならつかみ掛かる勢いで反論してくるブライトが潮らしい。
ジークは寒気を感じずにはいられなかった。
「そ、そんな……庭師なら私がなりますから!」
「いや、そういう問題じゃないから……」
ヒルダは呆れながら言うがニノンを説得するのは難しく思えた。
こういう時こそブライトの説教タイムの出番なのだが、何故か落ち込んでいるため使い物にならない。
「まぁでも、自分に自信がない気持ちは分かるよ」
そんな時、カインが軽く微笑んだ。
「僕のフォルスは戦闘向きじゃないから戦闘が始まったらフォルスは使い物にならないし、ジーク君とユージーンにはもうフォルスは使うなって言われる始末だし。そんな僕が皆と一緒にいて何か役に立つのかってよく考えるんだよね」
ニノンは何度も頷きながら真剣にカインの話を聞いていた。
「でもさ、役に立ってるか立ってないかなんて些細な問題なんじゃないかな。仲間っていうのは損得じゃないんだよ、きっと。君はヴェイグ達を仲間だとは思ってないの?」
ニノンは両手の翼を重ね合わせ、俯いた。
「わ、私がヴェイグさん達の仲間だなんてそんな……図々しい……です」
「そっか……。でもヴェイグ達が傷付くのは嫌なんだよね?」
「も、勿論です!!」
ニノンは自分の胸の前で羽を拳のように握り締めた。
「だったら、ここでヴェイグ達の期待を裏切るのはヴェイグ達を傷つけることになるんじゃないかな?ヴェイグ達は君の力を頼るために君に期待してここまで来たんだよ?それなのに自信がないから無理ってやる前から決め付けるのは、ヴェイグ達だけじゃない、君自信も傷付けてしまうんだよ」
「そ、それは……」
「カイン、もういい……」
瞳に涙をためて俯くニノンを見てヴェイグが首を横に振る。
「ニノン、ようやくフォルスの制御ができるようになり、笑えるようになったお前をいきなり遠くへ連れ出すのは流石に早かったようだ。焦りすぎだ俺達がわ……」
「あ、あのッ!!」
ヴェイグが頭を下げようとした時、ニノンは震える声を精一杯張り上げた。
「わわ、私なんかでよければ、その、同行させていただいても……よ、よろしいでしょうか?」
やはり自信無そうに言うニノンだったが、ヴェイグ達はしばらくの間自分の耳を疑っていた。
初めて会った時は壷に隠れていたあのニノンが。
誰にも会いたくないからという理由で誰も辿り着けなかった幻の庭園にまで逃げ込んだあのニノンが。
今も足がガタガタと震えているが一緒に行きたいと言ってくれた。
経験したことはないがヴェイグ達は引き篭もりから立ち直った息子を持つ母親のような気分だった。
「えっと……あの……」
なかなか返事が返ってこないことに不安を抱いたニノンが再び瞳に涙を溜め始めるとヴェイグ達のフリーズ状態が一斉に解除された。
「勿論だよニノン!でも何かあったらすぐ言ってネ!」
「は、はい!」
マオはニノンと力強く握手すると、そのマオの背後でルルの毛並みが一瞬で逆立った。
「あの、今日はもう遅いですしここに泊まっていってください。それと、明日出発する時ノルゼンに寄っていただいても良いですか?」
「構わないが、ノルゼンに何かあるのか?」
ヴェイグが訪ねるとニノンは頷いた。
「て、庭園で育てている植物のお世話を、その…と、友達にお願いしに行きたいんです……」
ニノンは若干照れながら言うと、またもやヴェイグ達は驚きのあまり目を見開いた。
「ほう、いつのまにか友達までできていたのか」
ユージーンが嬉しそうに言うとニノンもまた嬉しそうに頷く。
「勇気を出してノルゼンに買い物に行った時に知り合ったんです。その時とてもよくしてくれて……」
「良かったですね、ニノンさん♪」
アニーは首を傾げながら微笑むとニノンは再び顔を赤くした。
そんな微笑ましい光景が広がる傍らで、ジークはカインを見ていた。
「やっぱお前のスカウト力ってすげぇな……」
「……何のこと?」
カインは首を傾げる。
「天然でやるところが余計にこえぇよ」
「それ同感ね」
ジークとフィオナはジト目でカインを見るがやはり彼は首を傾げるだけだった。
【※ニノンがキャラクター名鑑・中に登録されました】
〜続く〜
やはりパーティの中で俊足の持ち主なだけに脚力もそれだけ強いのだろう。
そのジークの腰の辺りにヴェイグの頭があった。
本来ならばティトレイが二番目かトップにいていいはずなのだが、彼は力の伝え方を間違えたのか洗濯機の中の洗濯物のようにグルングルン回っており、その分浮上するスピードはゆっくりだった。
そんな中、ジークの目の前にある山脈は段々と鋭さを増していき、頂上が近いことを表していた。
周囲を見渡してみても同じ高さの山脈が連なっており、しばらく浮上を続けると地上でユージーンが見上げていた山脈とは反対側の山脈の向こう側に海が見えた。
その海は夕日を反射し赤く染まり、光が乱反射し輝いていた。
「すっげぇ〜」
「絶景だな……」
ジークと同じ景色を見ていたヴェイグも目を見開いていた。
山脈の高さを少し越えた高度までくるとノルゼン地方から西の方角にあるカレギア全土が一望することができた。
視界を南に向ければ桃色のキョグエンがあり、そこから南西に視界を移動させるとバビログラードの蒼の神殿が見える。
更にそこから西へ視界を移動させると砂漠地に竜巻が発生しているアニカマル、北上させるとサニイタウンや今は緑色のミナールが見えた。
「あれは何だ?」
ヴェイグが指差す方向、厚い雲が覆う最北端の地域から、光るミミズのような物体がニョロニョロとスールズに向かって移動していた。
ここからではミミズのようにしか見えないが、接近すればまた別の物に見えていただろう。
2人がそんな光景を眺めていると、不意に体が少し重くなった感覚がしたのと同時に浮上が止まった。
下を見ると全員山頂付近の高さまで来ており、ブライトの重力操作により全員停止していた。
そして海とは反対側の山脈、先程からユージーンが気にしていた山脈を見てみると山頂に丸い屋根の小屋のような遺跡のようなものが建っていた。
「多少バラけたが許容範囲だな。各自、俺の近くに集まれるように引っ張り合えるか?」
ブライトは自分の肩の高さにいるカインの足を掴む。
そしてカインの頭の高さにいるヴェイグの足を彼は掴むとヴェイグはジークのベルトを掴み、ブライトがカインの足を引くとすんなりとジーク達はブライトの傍へと手繰り寄せられる。
同様にして他のメンバーもブライトの周囲に手繰り寄せると、ユージーンは30m先斜め下に位置する遺跡のような箇所を指差した。
「あそこへ行きたいのだができるか?」
「ここまで来たらやるしかねぇだろ。お前らしっかりつかまってろよ?」
12人はお互いの体を密着させると、ブライトは遺跡のある方向とは逆方向へ両手で銃口を向け発砲した。
すると、その衝撃によりブライト達は遺跡側へと吹っ飛ぶ。
無重力エリアを抜け、体に鉛のようなものがのしかかる感覚が襲ってくると直線ラインで飛んでいたはずが放物線を描き落下を始めた。
「先生通り過ぎちゃう!!」
ブライトの腰にしがみついていたルルが真下を通りすぎようとする植物園のような遺跡を見下ろしながら叫ぶ。
高度に対し勢いが強すぎたらしい。
「心配すんな!」
ブライトは遺跡の真上まで来たことを確認すると不適な笑みを浮かべる。
すると放物線を描いて通り過ぎるはずが、突然体が重くなったと感じた瞬間に遺跡に吸い寄せられるかのように垂直に落下した。
5mはあった高さから一気に叩きつけられた12人は重たい音を立てながら目を回していた。
「む、無茶しやがって……」
重なり合った状態から退くため、ティトレイは立ち上がるが少し歩いてからやはりまだ目が回っており仰向けに倒れた。
「だから結構無茶するって最初に言っただろうが……」
12人の中の一番下で伸びていたブライトが苦痛に顔をゆがませながら苦笑いを浮かべた。
すると、小屋の方から誰かが慌てて走ってくる音が聞こえた。
「ヴェ、ヴェイグさん!?」
足音の主はピンクのズボンにピンクの民族衣装を羽織っており、赤いポニーテールを揺らしながら走ってくるなり口を両手の翼で覆ってヴェイグ達が仰向けになって倒れている惨状に驚愕した。
「久しぶり……ニノン」
マオは苦笑いしながら言うがニノンと呼ばれたガジュマの少女は羽をばたばたさせながら混乱していた。
「えぇっと、えぇっと……とりあえず家まで運びますね!」
ニノンはそう言って一度家に戻りロープを持ってくると12人の体を直列に繋がるように結んだ。
「ふぇっ!?ど、どうするの!?」
どうすると聞いたがルルにはこの質問の仕方であっているのかさえ分からない。
本当にロープで皆の体と繋いで何をするのか見当もつかないのだから。
「ご、ごめんなさい!悪いようにはしませんから……」
ルルは見た目的にニノンより年下か同年代あたりだというのに酷く恐縮した様子だった。
それでもニノンは一旦深呼吸すると、両手の翼を12人に向かって伸ばした。
すると、12人の体がまるで『羽』のように軽くなり宙に浮いた。
ただブライトの浮かせ方と違い、ヴェイグ達は少しも力を入れていない上に浮上し続けることもなくある一定の高さで浮遊していた。
「ニノンさん、フォルスを使いこなせるようになったんですね」
「へへへへ、皆さんのおかげです♪」
ニノンは照れたようにもじもじしながら先頭に伸びた余分なロープを掴み小屋まで引っ張ると12人は子供の電車ゴッコのように宙を浮きながら小屋へ連行されて行った。
「そうか……俺ももう用無しか……」
小屋の中で手当てを受けながらブライトはぼそっと呟いた。
小屋の中は外見と丸い屋根のまんまで丸い造りになっており、更にここでは1人暮らしなのかとても狭かった。
小屋の中にはキッチンと大きな壷が5つほどあり、床やテーブルは木製だった。
柱は小屋の中央を貫くように立つ大黒柱一本だけでその柱を囲むようにして木製のテーブルは作られていた。
その円卓の上には多種多様な本が並べられており、その中の一つ『今日からあなたも園芸マスター!』という本をブライトは手に取り眺めながら溜息をついた。
「ぇえっ!?わ、私の力が必要って……ぜ、絶対無理です!!」
ニノンは顔を真っ赤にして首を物凄い勢いで何回も振った。
「そんなことねぇって!お前の『羽』のフォルスは3つ星以上だって俺が保証するぜ!」
そう、ユージーンの目的はニノンに協力を仰ぐことだった。
彼女もラドラスの落日にフォルスが暴走してしまった1人であり、それまで静かに暮らしていた彼女だったが村人に迷惑をかけてしまった所為で散々な仕打ちを受け、ここレンパオ空中庭園でひっそりと暮らしていた。
その所為でヴェイグ達と出会った頃は完全に心を閉ざしており、フォルスの制御もできずにいた。
しかしヴェイグ達がこまめに顔を出し、ニノンに必要なものを与えていっている内に打ち解けあい、心を開いていったのだという。
「先生のフォルスより役に立つのは事実だしな」
ジークがブライトを尻目に言うとブライトは本をパタンと閉じた。
以前にも触れたがブライトのフォルスは場所を絞り発動させるもののため、物体自体を軽くすることはできない。
しかしニノンの『羽』のフォルスは物体に作用するためエンジンを軽くすることができる。
「俺……ここの庭師になるわ」
いつもならつかみ掛かる勢いで反論してくるブライトが潮らしい。
ジークは寒気を感じずにはいられなかった。
「そ、そんな……庭師なら私がなりますから!」
「いや、そういう問題じゃないから……」
ヒルダは呆れながら言うがニノンを説得するのは難しく思えた。
こういう時こそブライトの説教タイムの出番なのだが、何故か落ち込んでいるため使い物にならない。
「まぁでも、自分に自信がない気持ちは分かるよ」
そんな時、カインが軽く微笑んだ。
「僕のフォルスは戦闘向きじゃないから戦闘が始まったらフォルスは使い物にならないし、ジーク君とユージーンにはもうフォルスは使うなって言われる始末だし。そんな僕が皆と一緒にいて何か役に立つのかってよく考えるんだよね」
ニノンは何度も頷きながら真剣にカインの話を聞いていた。
「でもさ、役に立ってるか立ってないかなんて些細な問題なんじゃないかな。仲間っていうのは損得じゃないんだよ、きっと。君はヴェイグ達を仲間だとは思ってないの?」
ニノンは両手の翼を重ね合わせ、俯いた。
「わ、私がヴェイグさん達の仲間だなんてそんな……図々しい……です」
「そっか……。でもヴェイグ達が傷付くのは嫌なんだよね?」
「も、勿論です!!」
ニノンは自分の胸の前で羽を拳のように握り締めた。
「だったら、ここでヴェイグ達の期待を裏切るのはヴェイグ達を傷つけることになるんじゃないかな?ヴェイグ達は君の力を頼るために君に期待してここまで来たんだよ?それなのに自信がないから無理ってやる前から決め付けるのは、ヴェイグ達だけじゃない、君自信も傷付けてしまうんだよ」
「そ、それは……」
「カイン、もういい……」
瞳に涙をためて俯くニノンを見てヴェイグが首を横に振る。
「ニノン、ようやくフォルスの制御ができるようになり、笑えるようになったお前をいきなり遠くへ連れ出すのは流石に早かったようだ。焦りすぎだ俺達がわ……」
「あ、あのッ!!」
ヴェイグが頭を下げようとした時、ニノンは震える声を精一杯張り上げた。
「わわ、私なんかでよければ、その、同行させていただいても……よ、よろしいでしょうか?」
やはり自信無そうに言うニノンだったが、ヴェイグ達はしばらくの間自分の耳を疑っていた。
初めて会った時は壷に隠れていたあのニノンが。
誰にも会いたくないからという理由で誰も辿り着けなかった幻の庭園にまで逃げ込んだあのニノンが。
今も足がガタガタと震えているが一緒に行きたいと言ってくれた。
経験したことはないがヴェイグ達は引き篭もりから立ち直った息子を持つ母親のような気分だった。
「えっと……あの……」
なかなか返事が返ってこないことに不安を抱いたニノンが再び瞳に涙を溜め始めるとヴェイグ達のフリーズ状態が一斉に解除された。
「勿論だよニノン!でも何かあったらすぐ言ってネ!」
「は、はい!」
マオはニノンと力強く握手すると、そのマオの背後でルルの毛並みが一瞬で逆立った。
「あの、今日はもう遅いですしここに泊まっていってください。それと、明日出発する時ノルゼンに寄っていただいても良いですか?」
「構わないが、ノルゼンに何かあるのか?」
ヴェイグが訪ねるとニノンは頷いた。
「て、庭園で育てている植物のお世話を、その…と、友達にお願いしに行きたいんです……」
ニノンは若干照れながら言うと、またもやヴェイグ達は驚きのあまり目を見開いた。
「ほう、いつのまにか友達までできていたのか」
ユージーンが嬉しそうに言うとニノンもまた嬉しそうに頷く。
「勇気を出してノルゼンに買い物に行った時に知り合ったんです。その時とてもよくしてくれて……」
「良かったですね、ニノンさん♪」
アニーは首を傾げながら微笑むとニノンは再び顔を赤くした。
そんな微笑ましい光景が広がる傍らで、ジークはカインを見ていた。
「やっぱお前のスカウト力ってすげぇな……」
「……何のこと?」
カインは首を傾げる。
「天然でやるところが余計にこえぇよ」
「それ同感ね」
ジークとフィオナはジト目でカインを見るがやはり彼は首を傾げるだけだった。
【※ニノンがキャラクター名鑑・中に登録されました】
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート37】
takeshi「ども〜!ようやくここへ帰ってこれたtakeshiです。で!帰ってきて早々謝らせてください!雷電さん申し訳ありませんでした!!とんでもない誤字というかホントに言い訳しようにも何故あのようなミスが起きたのかさっぱり分からず私にはもう謝ることしかできません・・・」
ガルム「お前は実に馬鹿だな〜」
takeshi「もう二度とこのようなミスはないよう投稿する前に最低三回は読み直します!」
チャリティ「原因はチェック不足だって分かってるじゃない」
takeshi「本当に確認大事ですね・・・」
チャリティ「まぁくよくよしてても怒られる時は怒られるんだし、楽談やるわよ。前回オマケで私の企画が始まったわね!」
ガルム「あれチャリティが考えた企画なのか」
takeshi「その話は一先ず置いといて……。やっと出せたよニノンちゃーん!!!」
ガルム「そんなにテンション上がるようなことか?」
チャリティ「なんかウジウジしててパッとしない子ねぇ」
takeshi「本っ当に何を言ってるんですかあなた達は!?ゲーム本編をプレイしていると次々と沸いて出てくるひねくれたクソみたいなキャラと出会っていく中で唯一癒してくれる純情サブキャラクターですよ!?もしかしたらそれを考慮してリバースの中で最長のサブイベなのかもしれませんが私的にはもっと長くて良い!」
チャリティ「でも「ニノン100%」とかいうCDを出したら売れそうね」
takeshi「それただ単に元ネタのキャラと名前が似てるだけですよね?本編では声が無いのですがイメージCVは違う人で設定してるので混乱するようなこと言わないでください」
ガルム「そういや前回の本編で場面転換時の合図を入れ始めたんだな」
takeshi「ドヤ( ̄ー  ̄)」
チャリティ「ドヤ顔すんな!」
takeshi「早速導入してみたのですが如何でしたでしょうか?色々試してみるつもりでしたが、いきなり良い感じなのでしばらくこれでいってみようと思います」
チャリティ「それより私の企画よ!戦闘システムも注文通りにできてるじゃない!」
takeshi「ドラクエとポケモンのミックスですね。ユーリも最初は戸惑っていましたが、3DSで出る新作はSRPGらしいので良い練習になるんじゃないですか?」
ガルム「いやシミュレーションとはまた戦い方がちげぇだろ……」
takeshi「一応買う予定ですが、ターン制バトルが苦手の私でもクリアできるのかとても不安です。スパロボとかやったことありませんし」
チャリティ「でもディスガイアはやったことあるじゃない」
takeshi「あれは私が好きな要素が多く含まれていたので買ったのですが執念と根性で何とか本編をクリアするので精一杯でした……。いや、本当にあれで本編クリアと言えるのかさえ怪しい。ていうか何時も思うのですが、何でニノンちゃんの話をしていたはずなのに何時の間にか話題が変わってるんですかね?皆さんB型なんですか?」
チャリティ「B型は話題がコロコロ変わるってやつ?」
ガルム「んなもん書いてるヤツがB型だからだろ」
takeshi「血には抗えないということか……!!」
チャリティ「でもそれって都市伝説なんでしょ?B型はマイペースっていうけど、O型の大らかさだって見方を変えればマイペースなのと変わらないし」
takeshi「ですね〜。いや血液の話をしたいわけじゃないんですよ!ニノンちゃんの話をしたいんですよ!ニノンちゃんはキャラクター名鑑に載せたのでかなり解説を省いてしまいましたが容姿はガジュマであることと服装の色以外は私の想像になっています」
ガルム「ニノンの写真とかねぇのかよ?」
takeshi「リバース唯一の純情癒しキャラにしては設定資料がどこにもないんですよね。攻略本の写真でさえもセリフと被ってて見えませんし……。なのでドット絵で見た感じのまま設定してみたのですが、多分大体合っていると思います。特に赤い髪までは合ってるはずなのですが、あれがポニーテールなのかどうなのかはちょっと不明です」
チャリティ「ていうかあんたさっきからニノンにだけはちゃん付けして気持ち悪いわよ?」
takeshi「いやニノンちゃんはニノンちゃんですから!もう本当にニノンちゃんを苛めるやつは私が許しませんよ!というかニノンちゃんを泣かせたカインは絶対に許さん!」
ガルム「ブライトのやつも何時までいじけてやがんだ。こっから殴りにいきてぇぐらいだ」
チャット「喋り方がアニーと若干被ってるせいでアニーはあまり喋らなくなるし、ニノンが登場してから散々ね……」
takeshi「ニノンちゃんを悪く言うんじゃない!!悪いのはきちんとキャラを確立できない私です!と言ってもニノンもアニーもナムコさんが作ったはずなんですけどね〜」
チャリティ「遠まわしに喧嘩売ってるわよね……」
takeshi「そんなことはないです。ではまた〜」
―――オマケ―――
カロル「あ、復活の呪文とか唱えなくても続きから始まるんだ」
ユーリ「どうせ呪文とか考えるのが面倒だっただけだろ」
ラピード「バウ」
ユーリ「とか言ってるうちにシャイコス遺跡が見えてきたぜ」
『シャイコス遺跡』
兵士A「止まれ!」
ユーリ「ん?あんた牢屋にいた兵士だろ。一山当てにいくんじゃなかったのかよ?」
兵士B「何の話か分からんな。それより、ここを通りたくば通行証を提示されよ」
カロル「通行証?何それ?」
兵士A「帝都で発行している国から許可を得たものだけがもらえる物だ。それがないのであれば通すわけにはいかん」
ユーリ「マジかよ……」
カロル「帝都で発行してるってことはエステルに頼めば何とかなるんじゃない?」
ユーリ「そのエステルに会わないようにしてきたんだが……。しかたねぇ、一旦帝都まで戻るか」
『帝都ザーフィアス』
ここは始まりの都、帝都ザーフィアス
通行人A「ようこそザーフィアスへ!城へはこの道をまっすぐだぜ!」
ユーリ「カロル、無闇に話しかけんな」
カロル「だって新しい人が街にいると声をかけたくなっちゃうんだもん。ユーリだってそうでしょ?」
ユーリ「まぁ、な。何でだろうな?」
『城内』
ユーリ「おっさん、エステルがどこにいるか知らねぇか?」
レイヴン「何でまずここに来んの!?」
ユーリ「入り口から入ったらたまたま近くを通ったから先にエステルの居場所を聞いておこうと思ってよ」
レイヴン「それ入り口じゃなくて抜け道ね?嬢ちゃんならこの時間は執務室にいるんじゃない?」
カロル「レイヴンなんで知ってんの……?」
ユーリ「執務室か。サンキューな、おっさん」
レイヴン「で、俺様は出してくれないのね」
ラピード「バウ!」
『執務室』
エステル「キャー!!」
『廊下』
カロル「エステルの声だ!!何かあったのかな!?」
ユーリ「このシチュエーションで出てくるやつと言ったらアイツしかいねぇだろ!!」
『執務室』
ユーリ「エステル無事か!?」
エステリーゼ「ユーリ!!」
カロル「ん?君は確か……」
お喋りクソ野朗が現れた。
ゼロス「エステルちゃ〜ん!ガストでは折角俺様を呼んでくれたのにお話できなくてごめんね〜。その分た〜っぷり、お話しようぜ」
お喋りクソ野郎はエステルに夢中だ。
ユーリ「あいつ、本当にあのままのニックネームでいくのか?」
ラピード「ガウ!」
ラピードの魔神犬
ミス
ユーリ「こいつ……イベントモンスターか?」
ゼロス「まずは2人っきりになれるところに行こうか〜」
ゼロスの怪しい誘惑。
エステリーゼ「え?あの、えぇっと……」
エステルは混乱した。
エステリーゼ「わ、私っ!髪の長い男性は不潔だと思います!!」
ゼロス「ガーン!!!」
お喋りクソ野郎とユーリの精神に会心の一撃。
ユーリ「いや俺どうでもいいし」
カロル「今だ!」
カロルのハンマー
お喋りクソ野郎に500のダメージ。
ゼロス「お、覚えてろよ!バーカバーカ!」
ゼロスは逃げ出した。
エステリーゼ「ユーリ、助けてくれてありがとうございました」
ユーリ「いや、俺は精神にダメージを負っただけだしな」
エステリーゼ「あっ!違うんですユーリ!確かに男性の長髪は不潔だと思いますが、ユーリの髪は黒くてサラサラで逆に綺麗というかその……」
ユーリ「冗談だっての。別に気にしてねぇよ」
エステリーゼ「それは今流行の、べっ、別に気にしてないんだからねっ!?というツンデレというやつです?ということはやはり気にしてるんですね!?ごめんさいユーリ!!」
ユーリ「だ〜もう好きにしてくれ」
カロル「エステル、ツンデレはもうそんなに流行じゃないよ」
エステリーゼ「そうなんです?ではユーリは時代に取り残されてしまったんですね、可愛そうに……」
ユーリ「随分と絡んでくるな……。もしかしてビリになったことを根にもってんのか?」
エステリーゼ「いいえ、その件に関しては私も同罪です。ただ……か、勘違いしないでよねっ!?べ、別に、また私を置いて旅に出たことを怒ってるわけじゃないんだからね!?」
ユーリ「そっちか……」
カロル「ていうかエステルの声ってツンデレが似合うよね」
エステリーゼ「そ、それは私の声が時代遅れということです!?」
ラピード「バウ!」
エステリーゼ「ラピードまで酷いです!!」
ユーリ「おっ!エステルもラピードの気持ちが分かるようになってきたのか」
エステリーゼ「本当に肯定だったんですか!?余計にショックです……」
ユーリ「冗談だ」
カロル「それよりさ、僕達通行証がほしいんだけどエステル持ってる?」
エステリーゼ「残念ながら持ってません。通行証発行はキュモールが担当しているので、彼に取り次げば発行できるはずです」
ユーリ「よりにもよってあいつかよ……」
カロル「キュモールはどこにいるの?」
エステリーゼ「確かハルルに遠征(花見)しに行ったと聞きました」
ユーリ「おい、何だ今の()の中身は?つうか帝都発行のクセに帝都から動くんじゃねぇよ」
カロル「ハルルかぁ。二回も通り過ぎちゃってたね」
ラピード「バウ!」
カロル「ユーリが宿屋のお金をケチって泊まろうとしないから……」
エステリーゼ「そうなんです?」
ユーリ「二週目に入ったばっかの時とかよくやるだろ?宿屋に泊まらずにどこまでストーリーを進められるかってやつをよ」
エステリーゼ「ダメですよユーリ。最近ではレベルが上がるのと同時に体力が満タンになるシステムが導入されたせいで宿屋も経営不振なんですから。冒険者がお金を落とさないとそのうち宿屋のお部屋探索もできなくなってしまいますよ?」
ユーリ「そいつは確かに困るな」
エステリーゼ「では着替えてくるので少し待っててくださいね」
ユーリ「はいよ」
エステリーゼ「ちなみに覗こうとしたり、私を置いて先に行こうとしたらザギを呼びますからね?」
ユーリ「出てこねぇと思ったらエステルの飼い犬になってたのかよ!?」
カロル「ユーリ、作戦失敗だね」
ユーリ「しゃあねぇ、待っててやるからゆっくり着替えてこいよ」
エステリーゼ「はい♪」
『ハルル』
ユーリ「キュモールの野郎どこにもいねぇじゃねぇか」
街人A「ようこそハルルの街へ。この上にある桜はこの街のシンボルなんだぜ?」
ユーリ「カロル!」
カロル「ぼ、ボクじゃないよ!」
エステリーゼ「いつも来ている街に新しい人がいるとつい話しかけてしまいますよね?」
ユーリ「今度はエステルか……」
カロル「そういえばエステルは伝説の武器って何か知ってるの?」
エステリーゼ「設定資料によれば宙の戒典(デインノモス)のことのようです。ただデュークが死守しているせいでまだ誰も手にいれてないんだとか」
ユーリ「あいつとまた戦う必要があんのか」
街人B「そういえばさっきのキュモールって人、急にケーブモック大森林に行くとか言って飛び出してったけどどうしたのかしら?」
街人C「恋人に浮気がバレて説得にいくみたいよ?」
ユーリ「アイツ……見つけた瞬間に二度と蘇れないくらいに切り刻んでやる!」
カロル「ケーブモック大森林か〜。遠いね」
エステリーゼ「1億5千万のためです!頑張りましょう!」
〜続く〜
takeshi「ども〜!ようやくここへ帰ってこれたtakeshiです。で!帰ってきて早々謝らせてください!雷電さん申し訳ありませんでした!!とんでもない誤字というかホントに言い訳しようにも何故あのようなミスが起きたのかさっぱり分からず私にはもう謝ることしかできません・・・」
ガルム「お前は実に馬鹿だな〜」
takeshi「もう二度とこのようなミスはないよう投稿する前に最低三回は読み直します!」
チャリティ「原因はチェック不足だって分かってるじゃない」
takeshi「本当に確認大事ですね・・・」
チャリティ「まぁくよくよしてても怒られる時は怒られるんだし、楽談やるわよ。前回オマケで私の企画が始まったわね!」
ガルム「あれチャリティが考えた企画なのか」
takeshi「その話は一先ず置いといて……。やっと出せたよニノンちゃーん!!!」
ガルム「そんなにテンション上がるようなことか?」
チャリティ「なんかウジウジしててパッとしない子ねぇ」
takeshi「本っ当に何を言ってるんですかあなた達は!?ゲーム本編をプレイしていると次々と沸いて出てくるひねくれたクソみたいなキャラと出会っていく中で唯一癒してくれる純情サブキャラクターですよ!?もしかしたらそれを考慮してリバースの中で最長のサブイベなのかもしれませんが私的にはもっと長くて良い!」
チャリティ「でも「ニノン100%」とかいうCDを出したら売れそうね」
takeshi「それただ単に元ネタのキャラと名前が似てるだけですよね?本編では声が無いのですがイメージCVは違う人で設定してるので混乱するようなこと言わないでください」
ガルム「そういや前回の本編で場面転換時の合図を入れ始めたんだな」
takeshi「ドヤ( ̄ー  ̄)」
チャリティ「ドヤ顔すんな!」
takeshi「早速導入してみたのですが如何でしたでしょうか?色々試してみるつもりでしたが、いきなり良い感じなのでしばらくこれでいってみようと思います」
チャリティ「それより私の企画よ!戦闘システムも注文通りにできてるじゃない!」
takeshi「ドラクエとポケモンのミックスですね。ユーリも最初は戸惑っていましたが、3DSで出る新作はSRPGらしいので良い練習になるんじゃないですか?」
ガルム「いやシミュレーションとはまた戦い方がちげぇだろ……」
takeshi「一応買う予定ですが、ターン制バトルが苦手の私でもクリアできるのかとても不安です。スパロボとかやったことありませんし」
チャリティ「でもディスガイアはやったことあるじゃない」
takeshi「あれは私が好きな要素が多く含まれていたので買ったのですが執念と根性で何とか本編をクリアするので精一杯でした……。いや、本当にあれで本編クリアと言えるのかさえ怪しい。ていうか何時も思うのですが、何でニノンちゃんの話をしていたはずなのに何時の間にか話題が変わってるんですかね?皆さんB型なんですか?」
チャリティ「B型は話題がコロコロ変わるってやつ?」
ガルム「んなもん書いてるヤツがB型だからだろ」
takeshi「血には抗えないということか……!!」
チャリティ「でもそれって都市伝説なんでしょ?B型はマイペースっていうけど、O型の大らかさだって見方を変えればマイペースなのと変わらないし」
takeshi「ですね〜。いや血液の話をしたいわけじゃないんですよ!ニノンちゃんの話をしたいんですよ!ニノンちゃんはキャラクター名鑑に載せたのでかなり解説を省いてしまいましたが容姿はガジュマであることと服装の色以外は私の想像になっています」
ガルム「ニノンの写真とかねぇのかよ?」
takeshi「リバース唯一の純情癒しキャラにしては設定資料がどこにもないんですよね。攻略本の写真でさえもセリフと被ってて見えませんし……。なのでドット絵で見た感じのまま設定してみたのですが、多分大体合っていると思います。特に赤い髪までは合ってるはずなのですが、あれがポニーテールなのかどうなのかはちょっと不明です」
チャリティ「ていうかあんたさっきからニノンにだけはちゃん付けして気持ち悪いわよ?」
takeshi「いやニノンちゃんはニノンちゃんですから!もう本当にニノンちゃんを苛めるやつは私が許しませんよ!というかニノンちゃんを泣かせたカインは絶対に許さん!」
ガルム「ブライトのやつも何時までいじけてやがんだ。こっから殴りにいきてぇぐらいだ」
チャット「喋り方がアニーと若干被ってるせいでアニーはあまり喋らなくなるし、ニノンが登場してから散々ね……」
takeshi「ニノンちゃんを悪く言うんじゃない!!悪いのはきちんとキャラを確立できない私です!と言ってもニノンもアニーもナムコさんが作ったはずなんですけどね〜」
チャリティ「遠まわしに喧嘩売ってるわよね……」
takeshi「そんなことはないです。ではまた〜」
―――オマケ―――
カロル「あ、復活の呪文とか唱えなくても続きから始まるんだ」
ユーリ「どうせ呪文とか考えるのが面倒だっただけだろ」
ラピード「バウ」
ユーリ「とか言ってるうちにシャイコス遺跡が見えてきたぜ」
『シャイコス遺跡』
兵士A「止まれ!」
ユーリ「ん?あんた牢屋にいた兵士だろ。一山当てにいくんじゃなかったのかよ?」
兵士B「何の話か分からんな。それより、ここを通りたくば通行証を提示されよ」
カロル「通行証?何それ?」
兵士A「帝都で発行している国から許可を得たものだけがもらえる物だ。それがないのであれば通すわけにはいかん」
ユーリ「マジかよ……」
カロル「帝都で発行してるってことはエステルに頼めば何とかなるんじゃない?」
ユーリ「そのエステルに会わないようにしてきたんだが……。しかたねぇ、一旦帝都まで戻るか」
『帝都ザーフィアス』
ここは始まりの都、帝都ザーフィアス
通行人A「ようこそザーフィアスへ!城へはこの道をまっすぐだぜ!」
ユーリ「カロル、無闇に話しかけんな」
カロル「だって新しい人が街にいると声をかけたくなっちゃうんだもん。ユーリだってそうでしょ?」
ユーリ「まぁ、な。何でだろうな?」
『城内』
ユーリ「おっさん、エステルがどこにいるか知らねぇか?」
レイヴン「何でまずここに来んの!?」
ユーリ「入り口から入ったらたまたま近くを通ったから先にエステルの居場所を聞いておこうと思ってよ」
レイヴン「それ入り口じゃなくて抜け道ね?嬢ちゃんならこの時間は執務室にいるんじゃない?」
カロル「レイヴンなんで知ってんの……?」
ユーリ「執務室か。サンキューな、おっさん」
レイヴン「で、俺様は出してくれないのね」
ラピード「バウ!」
『執務室』
エステル「キャー!!」
『廊下』
カロル「エステルの声だ!!何かあったのかな!?」
ユーリ「このシチュエーションで出てくるやつと言ったらアイツしかいねぇだろ!!」
『執務室』
ユーリ「エステル無事か!?」
エステリーゼ「ユーリ!!」
カロル「ん?君は確か……」
お喋りクソ野朗が現れた。
ゼロス「エステルちゃ〜ん!ガストでは折角俺様を呼んでくれたのにお話できなくてごめんね〜。その分た〜っぷり、お話しようぜ」
お喋りクソ野郎はエステルに夢中だ。
ユーリ「あいつ、本当にあのままのニックネームでいくのか?」
ラピード「ガウ!」
ラピードの魔神犬
ミス
ユーリ「こいつ……イベントモンスターか?」
ゼロス「まずは2人っきりになれるところに行こうか〜」
ゼロスの怪しい誘惑。
エステリーゼ「え?あの、えぇっと……」
エステルは混乱した。
エステリーゼ「わ、私っ!髪の長い男性は不潔だと思います!!」
ゼロス「ガーン!!!」
お喋りクソ野郎とユーリの精神に会心の一撃。
ユーリ「いや俺どうでもいいし」
カロル「今だ!」
カロルのハンマー
お喋りクソ野郎に500のダメージ。
ゼロス「お、覚えてろよ!バーカバーカ!」
ゼロスは逃げ出した。
エステリーゼ「ユーリ、助けてくれてありがとうございました」
ユーリ「いや、俺は精神にダメージを負っただけだしな」
エステリーゼ「あっ!違うんですユーリ!確かに男性の長髪は不潔だと思いますが、ユーリの髪は黒くてサラサラで逆に綺麗というかその……」
ユーリ「冗談だっての。別に気にしてねぇよ」
エステリーゼ「それは今流行の、べっ、別に気にしてないんだからねっ!?というツンデレというやつです?ということはやはり気にしてるんですね!?ごめんさいユーリ!!」
ユーリ「だ〜もう好きにしてくれ」
カロル「エステル、ツンデレはもうそんなに流行じゃないよ」
エステリーゼ「そうなんです?ではユーリは時代に取り残されてしまったんですね、可愛そうに……」
ユーリ「随分と絡んでくるな……。もしかしてビリになったことを根にもってんのか?」
エステリーゼ「いいえ、その件に関しては私も同罪です。ただ……か、勘違いしないでよねっ!?べ、別に、また私を置いて旅に出たことを怒ってるわけじゃないんだからね!?」
ユーリ「そっちか……」
カロル「ていうかエステルの声ってツンデレが似合うよね」
エステリーゼ「そ、それは私の声が時代遅れということです!?」
ラピード「バウ!」
エステリーゼ「ラピードまで酷いです!!」
ユーリ「おっ!エステルもラピードの気持ちが分かるようになってきたのか」
エステリーゼ「本当に肯定だったんですか!?余計にショックです……」
ユーリ「冗談だ」
カロル「それよりさ、僕達通行証がほしいんだけどエステル持ってる?」
エステリーゼ「残念ながら持ってません。通行証発行はキュモールが担当しているので、彼に取り次げば発行できるはずです」
ユーリ「よりにもよってあいつかよ……」
カロル「キュモールはどこにいるの?」
エステリーゼ「確かハルルに遠征(花見)しに行ったと聞きました」
ユーリ「おい、何だ今の()の中身は?つうか帝都発行のクセに帝都から動くんじゃねぇよ」
カロル「ハルルかぁ。二回も通り過ぎちゃってたね」
ラピード「バウ!」
カロル「ユーリが宿屋のお金をケチって泊まろうとしないから……」
エステリーゼ「そうなんです?」
ユーリ「二週目に入ったばっかの時とかよくやるだろ?宿屋に泊まらずにどこまでストーリーを進められるかってやつをよ」
エステリーゼ「ダメですよユーリ。最近ではレベルが上がるのと同時に体力が満タンになるシステムが導入されたせいで宿屋も経営不振なんですから。冒険者がお金を落とさないとそのうち宿屋のお部屋探索もできなくなってしまいますよ?」
ユーリ「そいつは確かに困るな」
エステリーゼ「では着替えてくるので少し待っててくださいね」
ユーリ「はいよ」
エステリーゼ「ちなみに覗こうとしたり、私を置いて先に行こうとしたらザギを呼びますからね?」
ユーリ「出てこねぇと思ったらエステルの飼い犬になってたのかよ!?」
カロル「ユーリ、作戦失敗だね」
ユーリ「しゃあねぇ、待っててやるからゆっくり着替えてこいよ」
エステリーゼ「はい♪」
『ハルル』
ユーリ「キュモールの野郎どこにもいねぇじゃねぇか」
街人A「ようこそハルルの街へ。この上にある桜はこの街のシンボルなんだぜ?」
ユーリ「カロル!」
カロル「ぼ、ボクじゃないよ!」
エステリーゼ「いつも来ている街に新しい人がいるとつい話しかけてしまいますよね?」
ユーリ「今度はエステルか……」
カロル「そういえばエステルは伝説の武器って何か知ってるの?」
エステリーゼ「設定資料によれば宙の戒典(デインノモス)のことのようです。ただデュークが死守しているせいでまだ誰も手にいれてないんだとか」
ユーリ「あいつとまた戦う必要があんのか」
街人B「そういえばさっきのキュモールって人、急にケーブモック大森林に行くとか言って飛び出してったけどどうしたのかしら?」
街人C「恋人に浮気がバレて説得にいくみたいよ?」
ユーリ「アイツ……見つけた瞬間に二度と蘇れないくらいに切り刻んでやる!」
カロル「ケーブモック大森林か〜。遠いね」
エステリーゼ「1億5千万のためです!頑張りましょう!」
〜続く〜