第64話『大切だったモノと大切なモノ』
「何?」
フィオナはとりあえず聞いてみたが聞かずとも自分を心配して追ってきてくれたことくらい分かっている。
では何を期待しているのか。
これ以上、一体なにを。
「お前、1人で抱え込んでねぇか?」
フィオナの鼓動が一瞬強くなる。
「また……私のフォルスで聞こえちゃったのね……」
いつもジークのフォルスは不安定だと言っているが、フィオナも安定しているわけではない。
予想外のところで心の『声』が周囲に聞こえてしまい、それで助かった時もある。
しかし、今のように余計なところで聞かれては迷惑なだけである。
だがジークは首を横に振った。
「違う。聞こえねぇからこうして直接聞いてんだ。俺はいつもフィオナの『声』を聞けるわけじゃねぇんだぞ」
「そっか……」
何故か、少し寂しさのようなものを感じた。
さっきまで『声』が勝手に聞こえてしまうのは迷惑だと思っていたはずなのに。
しかし、ジークはこうして直接聞きに来た。
ならば、その誠意には応えても罰は当たらないだろう。
「でも、私も分からないの」
「自分の気持ちがか?」
「それもあるけど……どうするべきなのかも」
「お前はギュナルスを説得して連れて帰るって何回も言ってたじゃねぇか。それなのに何を今更悩むんだよ?」
「今更じゃない……今だからよ」
フィオナは拳に力を込める。
「だって『あの』お父さんよ?今のお父さんは話が通じる相手じゃない。それが今回戦ってみてようやく分かった。だったら捻じ伏せてからじっくり話そうっていうヒルダの言い分にも賛成できてる。でも……それじゃだめなのよ」
フィオナは悔しさを隠すように目を伏せると、ジークが歩み寄る。
「ダメって、何で?」
「そんなの、みんなが優しすぎるからに決まってるじゃない!!」
ジークを近付けさえないように、胸にしまいこんでいた爆弾が爆発したかのようにフィオナは叫ぶ。
「生捕りにするとかそんな甘い考えじゃダメなのよ!!優しさじゃアイツには勝てないの!!命を奪う覚悟がないと……息の根を止めようとしなきゃ、今度こそみんなが死んじゃうじゃない!!!」
父親を大犯罪者にしたくない。失いたくない。
だが、目の前にいる彼も同じぐらい失いたくない。
アニカマルで助けてもらってからヴェイグやヒルダといった沢山の仲間ができた。
沢山笑ったし、沢山怒りもした。
ラジルダが沈んでからまたこんな日々を過ごせるなんて夢にも思っていなかった。
だが、フィオナにとって大切であった存在が大切な存在を消そうとする。
それだけは絶対に耐えられない。
絶対に許さない。
だから彼女は決意する。
「私はお父さんを……」
「フィオナ……?」
フィオナは俯いたまま掌に爪が食い込むほど拳を握りしめる。
それに対してジークはフィオナに手を差し伸べようとする。
そして、決意を固めたフィオナが顔を正面に上げる。
「私は……ギュナルスを殺すわ」
刹那、パァーン!という乾いた音が白い粉雪が舞い散る白い空に木霊する。
* * *
テーゼンは目をぎゅっと閉じて耳を塞いでいた。
隣ではブライトが銃口を斜め下に向け、トリガーは引き終わった後だった。
直後、2人の前に立ちはだかる倉庫の入り口の南京錠がカランと音を立てて地面に落ちた。
「ちょっ、あんた急に何すんねん!?」
「何って、鍵がかかってたけど合鍵もなくて困ってたから壊してやったんだろうが」
「そやかて一言あるやん!急にぶっぱなされたら驚くわ!!」
テーゼンがブライトに掴みかかるのをよそに、レベッカは倉庫の扉を開けた。
中は密閉されており暗闇が広がっていた。
長く放置されていたのか湿った空気が充満しており、木と土の臭いが混ざっていた。
レベッカは入ってすぐに回れ右した所にあるスイッチを入れると天井の照明に明りが灯る。
光に照らされた倉庫の中は大体9帖の縦長になっており、幸いなことに何も無かった。
何も無いというのは本当に何も無く、床さえもなかった。
そう、茶色い土が剥き出しの状態だった。
おそらく牧畜用に設計されたものだったのだろう。
菜園には打って付けである。
「で、でもやっぱり寒いですね……」
「天井があるからたまに晴れたとしても日光は届きそうにないですね」
ニノンが不安気に言う傍らでアニーも上を見上げながら追い討ちをかける。
だがテーゼンは「えぇからえぇから」と言ってプランターを並べるよう指示する。
それから暫くしてニノン監修のもと種類毎にプランターを並べ終わると、全員入り口付近に集まった。
「ほな、いくで?」
テーゼンはポンと両手を合わせるように叩く。
すると淡く発光する球体がふわりとテーゼンの目の前に出現した。
その球体からは暖かいものを感じ、テーゼンはその球体に息を吹きかけると倉庫の中央へとふわりふわり移動し始めた。
そこへすかさず神楽鈴を手に取り、シャンと鳴らす。
すると光は一つから二つ。二つから四つと鼠算式に増えていくとあっという間に倉庫内全体へ広がった。
すると倉庫内は少し汗ばむような気温まで上昇し、野菜達も生気を取り戻していった。
「どや?」
テーゼンは後ろにいる面子に振り返る。
「ホンマは小さい太陽とか出せたらえぇねんけど、それは『夏』のヒトやないとできひんねや。そやかて、これでも十分やと思うで?」
簡易性のビニールハウスを見てニノンは目を輝かせていた。
「あ、ありがとうございます!」
「ほな、100万ガルドな」
「……へ?」
右手を差し出すテーゼンにニノンは呆然とした。
「あ、かんにんな。ほんの冗談や♪」
「さて、広場に戻ろっか」
カインを先頭に皆倉庫を後にする。
「ちょっ、せやから冗談やって!これでも出血大サービスしたんやで!?誰か褒めてぇなぁ!」
* * *
フィオナの後頭部に衝撃がはしり、俯きながら両手で後頭部を押さえる。
なぜこんなことになったのか。
理由は分かっている。
ジークに叩かれた。
フィオナは怒りを抑えることができず顔をばっと上げる。
「いったいわね!!何すん……の……よ?」
怒る気満々だった。
向こうの出方によってはやり返そうとも思った。
だがしかし、ジークの手元にある物にどうしても意識が持っていかれてしまい、怒りの炎が消沈してしまう。
「何それ……?」
反射的に質問してしまったが聞かずとも知っている。
「見ての通りハリセンだな」
そう、ジークはハリセンを右手に持ち、教師が教鞭を左手に打ち付けるようにして弄んでいた。
「あんた、そんなの持ってたっけ?」
「さっきオーちゃんに押し付けられた」
そう、ジークがフィオナを追う直前にルーベルトから渡されたのはハリセンだった。
「つうかお前、口閉じてないと舌噛んでも知らねぇぞ?」
何で?と聞き返す前にジークからの第二撃がフィオナの後頭部を叩いた。
「に、二度も叩くことないじゃない!」
「うるせぇ!!」
今度こそ怒鳴ったフィオナだったがジークの喝と共にまた叩かれる。
「勝手に諦めてんじゃねぇぞフィオナ!!!」
ジークの怒号にフィオナはビクっと反射的に目を強く閉じる。
その姿を見てジークも感情的になりすぎたかと少し反省し、怒りを極力押さえ込むようにして声のトーンを落とす。
「さっきも言っただろ?まだやれることは沢山あるって。たかが一回失敗しただけじゃねぇか」
「一回失敗しただけですって……?」
フィオナは奥歯を噛み締め、ジークに一歩詰め寄り顔面を近付けた。
「その一回の失敗で全員死に掛けたのよ!?それなのにもう次なんて」
「俺達は死んでねぇ!!」
フィオナの言葉に被せるようにジークはお互いの鼻が当たりそうな距離で怒鳴り散らす。
「よく見ろフィオナ!俺達は全員生きてる!生きてれば何度だってチャンスはあるんだ!」
「そ、そんなの……」
ジークの気迫にフィオナは後ずさろうとする。
しかしジークはフィオナの肩をしっかりと掴み、距離をとらせない。
「俺達は絶対に死なない!だから信じろよ!何のための仲間だ!?何のための約束だ!?」
「約……束……」
そうジークはフィオナと約束していた。
必ず護ると。
ギュナルスを連れ戻すと。
そんな出来事がもう遥か昔のような気がした。
「……うるさいわね……」
「フィオナ……?」
ジークに肩を掴まれたままフィオナは俯き呟く。
ジークはそんな彼女に声をかけるがフィオナは不意にジークの腕を振り払った。
「うるさいうるさい!!何が約束よ!?そんなのもうどうだって良いわよ!!私は!私は……」
フィオナはもう感情を隠そうともせず怒鳴り続けた。
涙を降り散らしながら腕を振り回す。
しかし、その手をジークが両手で受け止めると、強く握りしめた。
「なっ……!!」
振り解こうとするが、ジークは拳が本業である。
彼の手は生半可な力では振り解くことができない。
「なぁフィオナ、スールズでお前が俺に言ったこと覚えてるか?」
フィオナは抵抗をやめ、代わりにジークを睨む。
「そんなこと……忘れたわよ」
「俺がカインを殺すって言った時、お前泣きながら俺にビンタしたのにか?」
「……」
実を言うとしっかり覚えていた。
むしろ忘れられるわけがなかった。
なにしろヒトをぶったのなんて初めてだったのだから。
あの時と比べると場所も立ち居地も全てが反対になってしまっている。
最早フィオナは意地になって沈黙する。
「あの時お前、俺の冷えた手を触った後だったから「血も冷たいのね!」とか言ったんだ」
それも覚えてる。
スールズでふとしたきっかけでジークの手に触れる機会があり、その時はひどく冷たかった。
彼は元々冷え性故に寒い所は苦手なのだが、寒い所に行くと手足も冷たくなってしまうとその時聞いたのも覚えてる。
「今はどうだ?」
ジークに問われフィオナは視線を自分の両手を覆うように握っている彼の両手に向ける。
「相変わらず冷たくて、私の手まで冷えそうだわ」
「だろ?」
渾身のジト目で嫌味を含めて言ったというのにジークは何故か笑みを浮かべた。
「俺はあの時と変わってない。ここまで来るのに死ぬほど特訓したおかげで少しだけ強くなったけど、それでも人見知りはニノンより酷いままだ」
そう、お互いが立っている場所はあの時と比べて全てが逆だが、それ以外は何も変わってはいない。
「ヒトってのは良くも悪くも簡単には変われない。でもそれはギュナルスも一緒なんじゃねぇか?」
「あ……」
フィオナはジークと視線を合わせる。
ジークと視線が合うのもなんだか久し振りな気がする。
「もう少し頑張れとかそんな他人事みたいな無責任なことを言うつもりはねぇよ。だからさ、皆で一緒に頑張ろうぜ?」
「……」
ジークは一層強くフィオナの手を握る。
するとフィオナは咄嗟にジークから顔を隠すように俯く。
そして、短く言葉を紡ぐ。
「……うん」
返事を聞いたジークは安堵し、ゆっくりとフィオナの手を離す。
* * *
「なんつうか、フィオナが静かなのってやっぱ違和感あるっていうか似合わねぇな」
「な、なによ!?本来の私を知らないくせに!」
フィオナは袖でゴシゴシと目を擦りながら言う。
確かにフィオナは以前バルカで「本当の私は可憐でおしとやか」みたいなようなことを言っていた。
更に幼馴染のカイトと一緒にいる時も比較的大人しく振舞っているしカイトもたまに大胆なフィオナを見て驚いていた。
もしかしたらフィオナが言うように彼女は本当は物静かな性格だったのかもしれない。
ふと、ジークの脳裏にチャリティの言葉がよぎる。
迷った時、行き先を見失った時、彼女が必ずジークにかける言葉を。
迷いながらでも良いから歩き続けなさいという言葉を。
「俺は何があっても突っ走り続けるようなフィオナの性格は好きだけどな」
「……えっ!?」
〜続く〜
フィオナはとりあえず聞いてみたが聞かずとも自分を心配して追ってきてくれたことくらい分かっている。
では何を期待しているのか。
これ以上、一体なにを。
「お前、1人で抱え込んでねぇか?」
フィオナの鼓動が一瞬強くなる。
「また……私のフォルスで聞こえちゃったのね……」
いつもジークのフォルスは不安定だと言っているが、フィオナも安定しているわけではない。
予想外のところで心の『声』が周囲に聞こえてしまい、それで助かった時もある。
しかし、今のように余計なところで聞かれては迷惑なだけである。
だがジークは首を横に振った。
「違う。聞こえねぇからこうして直接聞いてんだ。俺はいつもフィオナの『声』を聞けるわけじゃねぇんだぞ」
「そっか……」
何故か、少し寂しさのようなものを感じた。
さっきまで『声』が勝手に聞こえてしまうのは迷惑だと思っていたはずなのに。
しかし、ジークはこうして直接聞きに来た。
ならば、その誠意には応えても罰は当たらないだろう。
「でも、私も分からないの」
「自分の気持ちがか?」
「それもあるけど……どうするべきなのかも」
「お前はギュナルスを説得して連れて帰るって何回も言ってたじゃねぇか。それなのに何を今更悩むんだよ?」
「今更じゃない……今だからよ」
フィオナは拳に力を込める。
「だって『あの』お父さんよ?今のお父さんは話が通じる相手じゃない。それが今回戦ってみてようやく分かった。だったら捻じ伏せてからじっくり話そうっていうヒルダの言い分にも賛成できてる。でも……それじゃだめなのよ」
フィオナは悔しさを隠すように目を伏せると、ジークが歩み寄る。
「ダメって、何で?」
「そんなの、みんなが優しすぎるからに決まってるじゃない!!」
ジークを近付けさえないように、胸にしまいこんでいた爆弾が爆発したかのようにフィオナは叫ぶ。
「生捕りにするとかそんな甘い考えじゃダメなのよ!!優しさじゃアイツには勝てないの!!命を奪う覚悟がないと……息の根を止めようとしなきゃ、今度こそみんなが死んじゃうじゃない!!!」
父親を大犯罪者にしたくない。失いたくない。
だが、目の前にいる彼も同じぐらい失いたくない。
アニカマルで助けてもらってからヴェイグやヒルダといった沢山の仲間ができた。
沢山笑ったし、沢山怒りもした。
ラジルダが沈んでからまたこんな日々を過ごせるなんて夢にも思っていなかった。
だが、フィオナにとって大切であった存在が大切な存在を消そうとする。
それだけは絶対に耐えられない。
絶対に許さない。
だから彼女は決意する。
「私はお父さんを……」
「フィオナ……?」
フィオナは俯いたまま掌に爪が食い込むほど拳を握りしめる。
それに対してジークはフィオナに手を差し伸べようとする。
そして、決意を固めたフィオナが顔を正面に上げる。
「私は……ギュナルスを殺すわ」
刹那、パァーン!という乾いた音が白い粉雪が舞い散る白い空に木霊する。
* * *
テーゼンは目をぎゅっと閉じて耳を塞いでいた。
隣ではブライトが銃口を斜め下に向け、トリガーは引き終わった後だった。
直後、2人の前に立ちはだかる倉庫の入り口の南京錠がカランと音を立てて地面に落ちた。
「ちょっ、あんた急に何すんねん!?」
「何って、鍵がかかってたけど合鍵もなくて困ってたから壊してやったんだろうが」
「そやかて一言あるやん!急にぶっぱなされたら驚くわ!!」
テーゼンがブライトに掴みかかるのをよそに、レベッカは倉庫の扉を開けた。
中は密閉されており暗闇が広がっていた。
長く放置されていたのか湿った空気が充満しており、木と土の臭いが混ざっていた。
レベッカは入ってすぐに回れ右した所にあるスイッチを入れると天井の照明に明りが灯る。
光に照らされた倉庫の中は大体9帖の縦長になっており、幸いなことに何も無かった。
何も無いというのは本当に何も無く、床さえもなかった。
そう、茶色い土が剥き出しの状態だった。
おそらく牧畜用に設計されたものだったのだろう。
菜園には打って付けである。
「で、でもやっぱり寒いですね……」
「天井があるからたまに晴れたとしても日光は届きそうにないですね」
ニノンが不安気に言う傍らでアニーも上を見上げながら追い討ちをかける。
だがテーゼンは「えぇからえぇから」と言ってプランターを並べるよう指示する。
それから暫くしてニノン監修のもと種類毎にプランターを並べ終わると、全員入り口付近に集まった。
「ほな、いくで?」
テーゼンはポンと両手を合わせるように叩く。
すると淡く発光する球体がふわりとテーゼンの目の前に出現した。
その球体からは暖かいものを感じ、テーゼンはその球体に息を吹きかけると倉庫の中央へとふわりふわり移動し始めた。
そこへすかさず神楽鈴を手に取り、シャンと鳴らす。
すると光は一つから二つ。二つから四つと鼠算式に増えていくとあっという間に倉庫内全体へ広がった。
すると倉庫内は少し汗ばむような気温まで上昇し、野菜達も生気を取り戻していった。
「どや?」
テーゼンは後ろにいる面子に振り返る。
「ホンマは小さい太陽とか出せたらえぇねんけど、それは『夏』のヒトやないとできひんねや。そやかて、これでも十分やと思うで?」
簡易性のビニールハウスを見てニノンは目を輝かせていた。
「あ、ありがとうございます!」
「ほな、100万ガルドな」
「……へ?」
右手を差し出すテーゼンにニノンは呆然とした。
「あ、かんにんな。ほんの冗談や♪」
「さて、広場に戻ろっか」
カインを先頭に皆倉庫を後にする。
「ちょっ、せやから冗談やって!これでも出血大サービスしたんやで!?誰か褒めてぇなぁ!」
* * *
フィオナの後頭部に衝撃がはしり、俯きながら両手で後頭部を押さえる。
なぜこんなことになったのか。
理由は分かっている。
ジークに叩かれた。
フィオナは怒りを抑えることができず顔をばっと上げる。
「いったいわね!!何すん……の……よ?」
怒る気満々だった。
向こうの出方によってはやり返そうとも思った。
だがしかし、ジークの手元にある物にどうしても意識が持っていかれてしまい、怒りの炎が消沈してしまう。
「何それ……?」
反射的に質問してしまったが聞かずとも知っている。
「見ての通りハリセンだな」
そう、ジークはハリセンを右手に持ち、教師が教鞭を左手に打ち付けるようにして弄んでいた。
「あんた、そんなの持ってたっけ?」
「さっきオーちゃんに押し付けられた」
そう、ジークがフィオナを追う直前にルーベルトから渡されたのはハリセンだった。
「つうかお前、口閉じてないと舌噛んでも知らねぇぞ?」
何で?と聞き返す前にジークからの第二撃がフィオナの後頭部を叩いた。
「に、二度も叩くことないじゃない!」
「うるせぇ!!」
今度こそ怒鳴ったフィオナだったがジークの喝と共にまた叩かれる。
「勝手に諦めてんじゃねぇぞフィオナ!!!」
ジークの怒号にフィオナはビクっと反射的に目を強く閉じる。
その姿を見てジークも感情的になりすぎたかと少し反省し、怒りを極力押さえ込むようにして声のトーンを落とす。
「さっきも言っただろ?まだやれることは沢山あるって。たかが一回失敗しただけじゃねぇか」
「一回失敗しただけですって……?」
フィオナは奥歯を噛み締め、ジークに一歩詰め寄り顔面を近付けた。
「その一回の失敗で全員死に掛けたのよ!?それなのにもう次なんて」
「俺達は死んでねぇ!!」
フィオナの言葉に被せるようにジークはお互いの鼻が当たりそうな距離で怒鳴り散らす。
「よく見ろフィオナ!俺達は全員生きてる!生きてれば何度だってチャンスはあるんだ!」
「そ、そんなの……」
ジークの気迫にフィオナは後ずさろうとする。
しかしジークはフィオナの肩をしっかりと掴み、距離をとらせない。
「俺達は絶対に死なない!だから信じろよ!何のための仲間だ!?何のための約束だ!?」
「約……束……」
そうジークはフィオナと約束していた。
必ず護ると。
ギュナルスを連れ戻すと。
そんな出来事がもう遥か昔のような気がした。
「……うるさいわね……」
「フィオナ……?」
ジークに肩を掴まれたままフィオナは俯き呟く。
ジークはそんな彼女に声をかけるがフィオナは不意にジークの腕を振り払った。
「うるさいうるさい!!何が約束よ!?そんなのもうどうだって良いわよ!!私は!私は……」
フィオナはもう感情を隠そうともせず怒鳴り続けた。
涙を降り散らしながら腕を振り回す。
しかし、その手をジークが両手で受け止めると、強く握りしめた。
「なっ……!!」
振り解こうとするが、ジークは拳が本業である。
彼の手は生半可な力では振り解くことができない。
「なぁフィオナ、スールズでお前が俺に言ったこと覚えてるか?」
フィオナは抵抗をやめ、代わりにジークを睨む。
「そんなこと……忘れたわよ」
「俺がカインを殺すって言った時、お前泣きながら俺にビンタしたのにか?」
「……」
実を言うとしっかり覚えていた。
むしろ忘れられるわけがなかった。
なにしろヒトをぶったのなんて初めてだったのだから。
あの時と比べると場所も立ち居地も全てが反対になってしまっている。
最早フィオナは意地になって沈黙する。
「あの時お前、俺の冷えた手を触った後だったから「血も冷たいのね!」とか言ったんだ」
それも覚えてる。
スールズでふとしたきっかけでジークの手に触れる機会があり、その時はひどく冷たかった。
彼は元々冷え性故に寒い所は苦手なのだが、寒い所に行くと手足も冷たくなってしまうとその時聞いたのも覚えてる。
「今はどうだ?」
ジークに問われフィオナは視線を自分の両手を覆うように握っている彼の両手に向ける。
「相変わらず冷たくて、私の手まで冷えそうだわ」
「だろ?」
渾身のジト目で嫌味を含めて言ったというのにジークは何故か笑みを浮かべた。
「俺はあの時と変わってない。ここまで来るのに死ぬほど特訓したおかげで少しだけ強くなったけど、それでも人見知りはニノンより酷いままだ」
そう、お互いが立っている場所はあの時と比べて全てが逆だが、それ以外は何も変わってはいない。
「ヒトってのは良くも悪くも簡単には変われない。でもそれはギュナルスも一緒なんじゃねぇか?」
「あ……」
フィオナはジークと視線を合わせる。
ジークと視線が合うのもなんだか久し振りな気がする。
「もう少し頑張れとかそんな他人事みたいな無責任なことを言うつもりはねぇよ。だからさ、皆で一緒に頑張ろうぜ?」
「……」
ジークは一層強くフィオナの手を握る。
するとフィオナは咄嗟にジークから顔を隠すように俯く。
そして、短く言葉を紡ぐ。
「……うん」
返事を聞いたジークは安堵し、ゆっくりとフィオナの手を離す。
* * *
「なんつうか、フィオナが静かなのってやっぱ違和感あるっていうか似合わねぇな」
「な、なによ!?本来の私を知らないくせに!」
フィオナは袖でゴシゴシと目を擦りながら言う。
確かにフィオナは以前バルカで「本当の私は可憐でおしとやか」みたいなようなことを言っていた。
更に幼馴染のカイトと一緒にいる時も比較的大人しく振舞っているしカイトもたまに大胆なフィオナを見て驚いていた。
もしかしたらフィオナが言うように彼女は本当は物静かな性格だったのかもしれない。
ふと、ジークの脳裏にチャリティの言葉がよぎる。
迷った時、行き先を見失った時、彼女が必ずジークにかける言葉を。
迷いながらでも良いから歩き続けなさいという言葉を。
「俺は何があっても突っ走り続けるようなフィオナの性格は好きだけどな」
「……えっ!?」
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート46】
takeshi「……」
チャリティ「……」
takeshi「……」
チャリティ「……楽談やらないの?」
takeshi「……とてもできる雰囲気ではない。今「ども〜!」とか言ったら本編の余韻をぶち壊す気がしてならない……」
チャリティ「だから前回、本当に楽談やるの?って聞いたじゃない」
takeshi「むむ〜…とりあえず今回はあえて本編の話にはふれずに雑談しましょうか」
チャリティ「あっ、触れないのね?分かったわ、今回も私も乗ってあげる」
takeshi「じゃあ今回は来るべき秋に向けて、「読書するならコレ!takeshiオススメラノベベスト3!」でもやってみましょう」
チャリティ「まだ夏が来たばかりなのにもう秋を見据えるのね……」
takeshi「いやだって最近の秋って短いじゃないですか。秋になって「読書の秋だし何か読もっかな〜」って探している内に冬になっちゃいますよ!?夏を制するものは受験と秋を制するのです!」
チャリティ「ふぅ〜ん。で、1位は?」
takeshi「最初から1位を発表しなきゃいけないんですか!?」
チャリティ「その方が早く終われるでしょ?」
takeshi「要するにやりたくないんですね……」
チャリティ「うん」
takeshi「分かりました。じゃあ1位から順にいきます」
チャリティ「……え?」
takeshi「まず今回栄えある第1位の栄光に輝いた私が最もお勧めしたい作品、それは自分の作品です!!」
チャリティ「あんたのか!!」
takeshi「タイトルは「Tales of Re;Rebirth」っていうんですけどね?特に第二部がお勧めで……」
チャリティ「知ってる!知ってるから!」
takeshi「あ、知ってました?もしかしてチャリティさんってエスパーなんですか?」
チャリティ「茶番は良いから……」
takeshi「では続いて注目の第2位!」
チャリティ「え?続けるの?」
takeshi「だからさっき1位から順にやるって言ったじゃないですか」
チャリティ「でももう1位が出ちゃったから「注目の」とか言っても誰も注目してないわよ?」
takeshi「そんなのしょうがないじゃないですか、順番が逆になってしまったんですから。さぁこの秋に是非読んでほしい作品、それは「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」です!」
チャリティ「です!じゃないわよ!」
takeshi「いや、これは確かにアレなのですが、活字が苦手だとかノベルが苦手という方にはオススメなんです。本編は一人称なので世界観に入り込みやすいですし、アニメが忠実に再現してくれていたので物凄くイメージしやすいんです。しかもテンポとか会話の流れとか計算されていて会話がすごく面白いんです!更にアニメ二期ではかなり原作をカットしており、主人公が『普通の高校生』になったきっかけを作ってしまった隠れヒロインや、綾瀬との子連れデートのシーンなど結構重要なところがカットされているので気になる方は原作をチェックです!ちなみに、この原作者さんは『とある魔術の禁書目録』、『化物語』の2人の作者と並ぶ、ラノベ界の四天王と呼ばれているそうです」
チャリティ「第2位のくせに長ッ!」
takeshi「そして最後に!まぁまぁオススメな第3位なのですが……」
チャリティ「ホント、期待もなにもできないわね」
takeshi「『涼宮ハルヒシリーズ』です」
チャリティ「懐かしいタイトルね」
takeshi「これはですねぇ、本来なら2位か1位に入ってもおかしくないんですよ。これもまた一人称ですし、アニメもキョンの語りでストーリーが進んでいくので、本当にラノベでアニメを見てる感じがして逆に小説を読んでるということを忘れてしまうんですよ。だから活字や絵がないのは苦手という方にはかなりオススメです!挿絵が多いのもラノベの長所だと思っています。更にこれは実体験なのですが私はGAYMで小説を書いていた時は活字が苦手で小説は一切読んだことがありませんでした。でもある日友達に勧められて読んでみたら想いの他すんなり読むことができて驚きました。ただ、それでは何故3位なのか、という話なのですが、これ未だに完結していないのです。もう1巻が始まって10年は経つのに!」
チャリティ「あの……この話長くなります?」
takeshi「しかも私は残りの巻は図書館で借りただけなのでどれが3巻でどれが4巻か分からないので無闇に買うこともできず、例え買ったとしても新刊が出るのが何年後になるのかも分からないのに楽しみにして待つなんていう拷問には耐えられる気がしません!なのでこれはあんまり買うことをオススメしないので3位です!」
チャリティ「終わった?」
takeshi「終わりましたよ〜」
チャリティ「ラノベランキングは永久に封印するべきね」
takeshi「何でですか?」
チャリティ「私が退屈だから!」
takeshi「Oh!さてさて、今回の連続投稿も次が最後です」
チャリティ「今更だけど、できれば楽談もオマケも飛ばして次の話読んでほしいわね」
takeshi「そうですね!ではまた〜」
―――オマケ―――
『救いの塔』
アスベル「マモレナカッタ……」
アスベルは倒れた。
ジュディス達は1500の経験値を獲得!
リタ「勝てると思った〜?お生憎〜♪」
『救いの塔・居住区』
フレン「大分登ってきたね」
ジュディス「ここは居住区のようだけど、誰が住んでいるのかしら?」
エステリーゼ「あの人に聞いてみましょう!」
天使A「ヨウコソ、キョジュウクへ」
エステリーゼ「ただの案内人でした……」
パティ「だったらあっちの人に話しかけてみるのじゃ!」
天上人A「ここは天使と天上人が住んでる。泥臭い地上になんか住んでいられないからな」
リタ「天上人?どっかで聞いたような気が……」
ミクトラン「地上人うぜ〜、マジ滅ぼしたいわ〜」
ユーリ「気のせいだろ」
カロル「ねぇユーリ、僕達何で旅を始めたんだっけ?」
ユーリ「んなもんキュモールに許可状をもらうためだろ?あいつぜってぇただじゃすまさねぇ」
カロル「あ……ウン、ソウダッタネ……ケーブモックダイシンリンッテトオイネ……」
エステリーゼ「カロルが遠い目をしてます……」
ユーリ「どうせナンのことでも思い出してんだろ?」
バルバトス「そぉこまでだ侵入者めぇええええい!!!」
フレン「また番人か!」
ジュディス「この塔にはいろいろな人がいるのね」
バルバトスが勝負をしかけてきた。
リタ「さっさとジャンケンするわよ!」
カロル「楽しそうだね、リタ」
リタ「んなわけないでしょうがっ!!」
バルバトス「じゃんけんなんぞ、してんじゃねぇええ!!!!」
リスキー・エンカウント!
ジュディス「隊列がバラバラにされてしまったわ!」
リタ「よくもあたしのじゃんけんタイムを〜!!」
パティ「リタ姐、やっぱり楽しかったんじゃな……」
エステリーゼ「女性ばかりですね」
バルバトスは昂ぶっている。
ユーリ「ま〜た補欠かよ」
フレン「二つしか特技が使えないんだから当然だろ」
カロル「あれ?また誰か来たみたいだよ」
アスベル「さっきは負けたが次は負けない!」
アスベルが乱入した。
ユーリ「乱入とかありなのかよ!?」
ジュディス「いくわよ!弧月閃!」
ジュディスの弧月閃
アスベル「ぐあ!」
アスベルに500のダメージ!
エステリーゼ「先手必勝です!」
エステリーゼはユーリの片足の靴下を使った。
ユーリ「片方見つからないと思ったらてめぇか!!」
リタ「ちょっ、バカ!」
バルバトス「アイテムなんぞ、使ってんじゃねぇ!!」
エステリーゼ「忘れてました!」
バルバトス「灼熱のバーンストライクゥ!」
アスベル「ぐああああ!!!」
全体に1000のダメージ!
カロル「味方でもくらうんだ!?」
ユーリ「地震みたいなもんか」
バルバトスは昂ぶっている
カロル「さっきから昂ぶってるって何なの?」
フレン「ガマン……みたいなものじゃないかな?」
リタ「デカルト!」
リタの∠=(x,y,z)
バルバトス「ぐぬぅ!」
バルバトスに300のダメージ!
アスベル「今のうちに体力を回復しておくか。使うぞ!」
アスベルはアップルグミを使った。
バルバトス「アイテムなんぞ、使ってんじゃねぇ!!」
アスベル「それはギャグで言っているのか!?」
ユーリ「味方が使ってもキレんのかよ……」
バルバトス「断罪のエクセキューション〜ヌ!」
全体に1200のダメージ!
アスベルは倒れた。
アスベル「マモレナカッタ……」
ユーリ「レベルだけでも上げておいて正解だったな」
フレン「だろ?」
リタ「と言ってもあたし達のHPも残り少ないわよ……?」
パティ「ウチに任せるのじゃ!来ませ、運命の友!」
パティのサモンフレンズ
パティ「誰が来るかのぉ♪」
パスカル「呼んだ?」
ユーリ「マジで誰だよ!?いや知ってるけどよ!」
パティ「ガストで友達になったのじゃ♪」
パスカル「ね〜♪」
フレン「もう何でもありだな」
パスカル「それで、あたしは何をしたら良いの?」
パティ「あの怖いおっさんを倒してほしいのじゃ!」
パスカル「オッケー!調度最近使ってみたい精霊を捕まえたんだよね〜」
パスカルはクロノスを召喚した、
クロノス「主よ、命令を」
リタ「よく知らないけど、そいつってあんたんとこの精霊じゃないわよね!?」
パスカル「細かい事はきにしない気にしない♪とりあえずあのおっさんを倒すのは無理そうだからさ、みんなが逃げるまでの時間を稼いでよ」
クロノス「了解した」
ジュディス「逃げるの?」
パスカル「こういうイベントだと思ってよ」
ジュディス「なら仕方ないわね」
ラピード「バウ!」
リタ「そうと決まればさっさと逃げるわよ!」
クロノス「我が主よ」
パスカル「なにー?」
クロノス「時間稼ぎと言ったが、倒してしまっても構わんのだろ?」
フレン「皆全速力で逃げるんだ!あの精霊自分で死亡フラグを立てたぞ!」
ユーリ「あいつバカじゃねぇの!?」
『救いの塔・上層部』
リタ「ていうか、あんたが呼ぶフレンドの中にバルバトスに似たようなヤツいなかった?」
パティ「他人のそら似じゃろ」
エステリーゼ「それよりここは何階なのでしょう?随分と空気が薄い気が……」
カロル「頂上まであとどのくらいあるんだろ?」
フレン「分からないことだらけだが今は先に進むしかない」
???「そこに誰かいるのですか?」
部屋のドアの向こうから声が聞こえた。
どうしますか?
リタ「選択肢が出るなんて珍しいわね」
ジュディス「何かのトラップかしら?」
エステリーゼ「でも声はお年寄りの声でしたよ?」
???「出られなくなってしまい困っていたのです。どうかここを開けてくれませんか?」
フレン「どうする?」
ジュディス「私は無視して良いと思うわ?」
エステリーゼ「そんな!お年寄りを放っておくわけにはいきません!」
リタ「この中に居るのがアルテスタっていう可能性もあるけど、声は全然違うわね」
ユーリ「実際に聞いたことはねぇけどな」
カロル「ど、どうしよユーリ?」
ユーリ「お前が決めろ、カロル」
カロル「えぇっ!?」
ユーリ「ギルドのリーダーはカロルだ。俺達はお前の決断を信じるぜ」
カロル「うぅ……じゃあ……」
カロルはピッキングをした。
―――ガチャ
ドアが開く音がした。
〜続く〜
takeshi「……」
チャリティ「……」
takeshi「……」
チャリティ「……楽談やらないの?」
takeshi「……とてもできる雰囲気ではない。今「ども〜!」とか言ったら本編の余韻をぶち壊す気がしてならない……」
チャリティ「だから前回、本当に楽談やるの?って聞いたじゃない」
takeshi「むむ〜…とりあえず今回はあえて本編の話にはふれずに雑談しましょうか」
チャリティ「あっ、触れないのね?分かったわ、今回も私も乗ってあげる」
takeshi「じゃあ今回は来るべき秋に向けて、「読書するならコレ!takeshiオススメラノベベスト3!」でもやってみましょう」
チャリティ「まだ夏が来たばかりなのにもう秋を見据えるのね……」
takeshi「いやだって最近の秋って短いじゃないですか。秋になって「読書の秋だし何か読もっかな〜」って探している内に冬になっちゃいますよ!?夏を制するものは受験と秋を制するのです!」
チャリティ「ふぅ〜ん。で、1位は?」
takeshi「最初から1位を発表しなきゃいけないんですか!?」
チャリティ「その方が早く終われるでしょ?」
takeshi「要するにやりたくないんですね……」
チャリティ「うん」
takeshi「分かりました。じゃあ1位から順にいきます」
チャリティ「……え?」
takeshi「まず今回栄えある第1位の栄光に輝いた私が最もお勧めしたい作品、それは自分の作品です!!」
チャリティ「あんたのか!!」
takeshi「タイトルは「Tales of Re;Rebirth」っていうんですけどね?特に第二部がお勧めで……」
チャリティ「知ってる!知ってるから!」
takeshi「あ、知ってました?もしかしてチャリティさんってエスパーなんですか?」
チャリティ「茶番は良いから……」
takeshi「では続いて注目の第2位!」
チャリティ「え?続けるの?」
takeshi「だからさっき1位から順にやるって言ったじゃないですか」
チャリティ「でももう1位が出ちゃったから「注目の」とか言っても誰も注目してないわよ?」
takeshi「そんなのしょうがないじゃないですか、順番が逆になってしまったんですから。さぁこの秋に是非読んでほしい作品、それは「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」です!」
チャリティ「です!じゃないわよ!」
takeshi「いや、これは確かにアレなのですが、活字が苦手だとかノベルが苦手という方にはオススメなんです。本編は一人称なので世界観に入り込みやすいですし、アニメが忠実に再現してくれていたので物凄くイメージしやすいんです。しかもテンポとか会話の流れとか計算されていて会話がすごく面白いんです!更にアニメ二期ではかなり原作をカットしており、主人公が『普通の高校生』になったきっかけを作ってしまった隠れヒロインや、綾瀬との子連れデートのシーンなど結構重要なところがカットされているので気になる方は原作をチェックです!ちなみに、この原作者さんは『とある魔術の禁書目録』、『化物語』の2人の作者と並ぶ、ラノベ界の四天王と呼ばれているそうです」
チャリティ「第2位のくせに長ッ!」
takeshi「そして最後に!まぁまぁオススメな第3位なのですが……」
チャリティ「ホント、期待もなにもできないわね」
takeshi「『涼宮ハルヒシリーズ』です」
チャリティ「懐かしいタイトルね」
takeshi「これはですねぇ、本来なら2位か1位に入ってもおかしくないんですよ。これもまた一人称ですし、アニメもキョンの語りでストーリーが進んでいくので、本当にラノベでアニメを見てる感じがして逆に小説を読んでるということを忘れてしまうんですよ。だから活字や絵がないのは苦手という方にはかなりオススメです!挿絵が多いのもラノベの長所だと思っています。更にこれは実体験なのですが私はGAYMで小説を書いていた時は活字が苦手で小説は一切読んだことがありませんでした。でもある日友達に勧められて読んでみたら想いの他すんなり読むことができて驚きました。ただ、それでは何故3位なのか、という話なのですが、これ未だに完結していないのです。もう1巻が始まって10年は経つのに!」
チャリティ「あの……この話長くなります?」
takeshi「しかも私は残りの巻は図書館で借りただけなのでどれが3巻でどれが4巻か分からないので無闇に買うこともできず、例え買ったとしても新刊が出るのが何年後になるのかも分からないのに楽しみにして待つなんていう拷問には耐えられる気がしません!なのでこれはあんまり買うことをオススメしないので3位です!」
チャリティ「終わった?」
takeshi「終わりましたよ〜」
チャリティ「ラノベランキングは永久に封印するべきね」
takeshi「何でですか?」
チャリティ「私が退屈だから!」
takeshi「Oh!さてさて、今回の連続投稿も次が最後です」
チャリティ「今更だけど、できれば楽談もオマケも飛ばして次の話読んでほしいわね」
takeshi「そうですね!ではまた〜」
―――オマケ―――
『救いの塔』
アスベル「マモレナカッタ……」
アスベルは倒れた。
ジュディス達は1500の経験値を獲得!
リタ「勝てると思った〜?お生憎〜♪」
『救いの塔・居住区』
フレン「大分登ってきたね」
ジュディス「ここは居住区のようだけど、誰が住んでいるのかしら?」
エステリーゼ「あの人に聞いてみましょう!」
天使A「ヨウコソ、キョジュウクへ」
エステリーゼ「ただの案内人でした……」
パティ「だったらあっちの人に話しかけてみるのじゃ!」
天上人A「ここは天使と天上人が住んでる。泥臭い地上になんか住んでいられないからな」
リタ「天上人?どっかで聞いたような気が……」
ミクトラン「地上人うぜ〜、マジ滅ぼしたいわ〜」
ユーリ「気のせいだろ」
カロル「ねぇユーリ、僕達何で旅を始めたんだっけ?」
ユーリ「んなもんキュモールに許可状をもらうためだろ?あいつぜってぇただじゃすまさねぇ」
カロル「あ……ウン、ソウダッタネ……ケーブモックダイシンリンッテトオイネ……」
エステリーゼ「カロルが遠い目をしてます……」
ユーリ「どうせナンのことでも思い出してんだろ?」
バルバトス「そぉこまでだ侵入者めぇええええい!!!」
フレン「また番人か!」
ジュディス「この塔にはいろいろな人がいるのね」
バルバトスが勝負をしかけてきた。
リタ「さっさとジャンケンするわよ!」
カロル「楽しそうだね、リタ」
リタ「んなわけないでしょうがっ!!」
バルバトス「じゃんけんなんぞ、してんじゃねぇええ!!!!」
リスキー・エンカウント!
ジュディス「隊列がバラバラにされてしまったわ!」
リタ「よくもあたしのじゃんけんタイムを〜!!」
パティ「リタ姐、やっぱり楽しかったんじゃな……」
エステリーゼ「女性ばかりですね」
バルバトスは昂ぶっている。
ユーリ「ま〜た補欠かよ」
フレン「二つしか特技が使えないんだから当然だろ」
カロル「あれ?また誰か来たみたいだよ」
アスベル「さっきは負けたが次は負けない!」
アスベルが乱入した。
ユーリ「乱入とかありなのかよ!?」
ジュディス「いくわよ!弧月閃!」
ジュディスの弧月閃
アスベル「ぐあ!」
アスベルに500のダメージ!
エステリーゼ「先手必勝です!」
エステリーゼはユーリの片足の靴下を使った。
ユーリ「片方見つからないと思ったらてめぇか!!」
リタ「ちょっ、バカ!」
バルバトス「アイテムなんぞ、使ってんじゃねぇ!!」
エステリーゼ「忘れてました!」
バルバトス「灼熱のバーンストライクゥ!」
アスベル「ぐああああ!!!」
全体に1000のダメージ!
カロル「味方でもくらうんだ!?」
ユーリ「地震みたいなもんか」
バルバトスは昂ぶっている
カロル「さっきから昂ぶってるって何なの?」
フレン「ガマン……みたいなものじゃないかな?」
リタ「デカルト!」
リタの∠=(x,y,z)
バルバトス「ぐぬぅ!」
バルバトスに300のダメージ!
アスベル「今のうちに体力を回復しておくか。使うぞ!」
アスベルはアップルグミを使った。
バルバトス「アイテムなんぞ、使ってんじゃねぇ!!」
アスベル「それはギャグで言っているのか!?」
ユーリ「味方が使ってもキレんのかよ……」
バルバトス「断罪のエクセキューション〜ヌ!」
全体に1200のダメージ!
アスベルは倒れた。
アスベル「マモレナカッタ……」
ユーリ「レベルだけでも上げておいて正解だったな」
フレン「だろ?」
リタ「と言ってもあたし達のHPも残り少ないわよ……?」
パティ「ウチに任せるのじゃ!来ませ、運命の友!」
パティのサモンフレンズ
パティ「誰が来るかのぉ♪」
パスカル「呼んだ?」
ユーリ「マジで誰だよ!?いや知ってるけどよ!」
パティ「ガストで友達になったのじゃ♪」
パスカル「ね〜♪」
フレン「もう何でもありだな」
パスカル「それで、あたしは何をしたら良いの?」
パティ「あの怖いおっさんを倒してほしいのじゃ!」
パスカル「オッケー!調度最近使ってみたい精霊を捕まえたんだよね〜」
パスカルはクロノスを召喚した、
クロノス「主よ、命令を」
リタ「よく知らないけど、そいつってあんたんとこの精霊じゃないわよね!?」
パスカル「細かい事はきにしない気にしない♪とりあえずあのおっさんを倒すのは無理そうだからさ、みんなが逃げるまでの時間を稼いでよ」
クロノス「了解した」
ジュディス「逃げるの?」
パスカル「こういうイベントだと思ってよ」
ジュディス「なら仕方ないわね」
ラピード「バウ!」
リタ「そうと決まればさっさと逃げるわよ!」
クロノス「我が主よ」
パスカル「なにー?」
クロノス「時間稼ぎと言ったが、倒してしまっても構わんのだろ?」
フレン「皆全速力で逃げるんだ!あの精霊自分で死亡フラグを立てたぞ!」
ユーリ「あいつバカじゃねぇの!?」
『救いの塔・上層部』
リタ「ていうか、あんたが呼ぶフレンドの中にバルバトスに似たようなヤツいなかった?」
パティ「他人のそら似じゃろ」
エステリーゼ「それよりここは何階なのでしょう?随分と空気が薄い気が……」
カロル「頂上まであとどのくらいあるんだろ?」
フレン「分からないことだらけだが今は先に進むしかない」
???「そこに誰かいるのですか?」
部屋のドアの向こうから声が聞こえた。
どうしますか?
リタ「選択肢が出るなんて珍しいわね」
ジュディス「何かのトラップかしら?」
エステリーゼ「でも声はお年寄りの声でしたよ?」
???「出られなくなってしまい困っていたのです。どうかここを開けてくれませんか?」
フレン「どうする?」
ジュディス「私は無視して良いと思うわ?」
エステリーゼ「そんな!お年寄りを放っておくわけにはいきません!」
リタ「この中に居るのがアルテスタっていう可能性もあるけど、声は全然違うわね」
ユーリ「実際に聞いたことはねぇけどな」
カロル「ど、どうしよユーリ?」
ユーリ「お前が決めろ、カロル」
カロル「えぇっ!?」
ユーリ「ギルドのリーダーはカロルだ。俺達はお前の決断を信じるぜ」
カロル「うぅ……じゃあ……」
カロルはピッキングをした。
―――ガチャ
ドアが開く音がした。
〜続く〜