第65話『人魚像と出航』
「俺は何があっても突っ走り続けるようなフィオナの性格は好きだけどな」
「……えっ!?」
一瞬、フィオナはジークが何と言ったのか分からなかった。
あまりにも自然だったから。
「どうした?」
フィオナが目を見開いてフリーズしているとジークが案じるように首を傾げる。
恐らくジークは無意識のうちに言ったのだろう。
他意は無いのかもしれない。
しかし他意があるかもしれない。
ただ聞き返すだけだというのに妙に緊張してしまい、顔が火照るのを感じる。
「あ、えと、それってどういう……」
「さっきからやかましいぞ!!」
突然フィオナとジークのそばに立っていた民家のドアが勢い良く開かれると、住人が飛び出してきた。
民家の近くでこれだけ騒いでいれば当然である。
だが出てきた住人は意外な人物だった。
「お、お前は漆黒の何とかの……!!」
「漆黒の翼のギンナルだ!!」
そう、民家から出てきたのは漆黒の翼のリーダー格、ギンナルだった。
彼も2人の姿を確認した瞬間驚きの表情を浮かべたが、すぐに怒りの表情へと変わった。
「なんでこんなところに居るの?」
「そんなものここが俺達の家だからに決まっているだろうが!」
当然のことを聞かれてギンナルは尚も怒鳴り続ける。
そういえば以前ノルゼンに拠点を置いていると言っていたが、まさか居を構えているとは思わなかった。
「アニキ〜、あんまり五月蝿いとまたご近所さんに怒られるでヤンス〜」
民家から今度はふくよかな体格をしたドルンブがミイラ化したミイラ取りの回収に出てきた。
「お前達三人で住んでいるのか?」
ジークの問いにギンナルは肯定し、家の中を指差した。
「あぁそうだ。中にルシアもいるぞ」
「だったら船も港にあるのよね!?」
フィオナは何か閃いたかのように手を叩き、ギンナルを問い詰める。
「あ、あぁ。あるにはあるが……」
それを聞いてジークとフィオナは頷きあう。
* * *
「ねぇ、あそこにあるのって漆黒の翼の船じゃない?」
倉庫での用事が終わり、港を通りかかるとジンが停泊している一隻の黒い船を指差した。
「確かにそうだな。ということは奴等もこの街にいるということか」
ユージーンは「これは使えるかもしれん」と、今正にジークとフィオナが考えていることと同じことを考えていた。
「まずはジークとフィオナの2人と合流するのが先だ。広場に戻ろう」
ヴェイグが言うと全員頷き、レベッカと別れて港を後にした。
広場に戻ると相変わらず人魚像が真っ二つにされたまま放置されていた。
「ジークとフィオナはまだ戻ってないみたいだね」
マオが周囲を見渡しながら言う傍らで、ヴェイグは雪原に頭を突っ込んでいる人魚像の上半身をしゃがみこんで触れていた。
「ユージーン、あんたのフォルスでなんとかくっ付けることはできないのか?」
ユージーンに背中を向けたままヴェイグは訪ねると、彼はアゴに拳をあてた。
「不可能ではない。だが、どうやって持ち上げる気だ?」
「どれどれ?」
試しにティトレイが袖まくりをするフリをしながら人魚像の上半身に歩み寄ると、その場で腰を落とし抱きかかえ、渾身の力で引き上げる。
「うおおおおおおお!!!!」
「びくともしないね」
ティトレイが尚も雄たけびを上げるなか、カインが反対側から拳でコンコンと上半身をノックする。
「だ、だめだあぁぁぁ……」
力尽きたティトレイが雪原に仰向けに倒れる。
「ルルのフォルスで小さくしてから持ち上げれば良いんじゃねぇか?」
「で、でも下半身に乗せて大きくした後危なくないですか?」
ニノンの言うとおり、上半身を下半身の上にセットして大きさを戻した時にバランスを崩して倒れてきたら誰も支えることができない。
「ならばバランスを崩す前に成形するまでだ」
ユージーンは気合を入れるかのように首を回し、肩の筋肉をほぐす。
ということでまずルルが人魚像の上半身にフォルスをかけ小さくする。
ねんどろいどサイズまで小さくしたところでブライトに肩車してもらい人魚像の下半身へ上半身をセットする。
「いくよ!」
その反対側ではユージーンが人魚像の土台に両手を突いていた。
「いつでも良いぞ」
「お願いします!」
念のため、合図係として起用されたアニーが掛け声をかけると、ルルは上半身を瞬時に巨大化させる。
「今です!」
「むおおおお!!」
ユージーンのフォルスが人魚像全体を包み込む。
すると人間部分と魚の部分の切れ目があっという間に消え失せた。
「上手くいったようね」
ヒルダは満足そうに人魚像を見上げる。
ルル、ブライト、ユージーン、アニーの4人も安堵する。
「ホンマ、フォルスって便利やな〜」
「フォルスはヒトのために使わないとネ!」
マオはグー!とテーゼンに向けて親指を突き出した拳を向ける。
「ほな、指輪を外してもえぇ?」
「ダメに決まってるでしょ」
ヒルダに止められ、テーゼンは唇を尖らせて拗ねた。
と、そんなことをしているとジークとフィオナがこちらに歩いて来るのが見えた。
「ねぇ!さっきのハリセンちょっとだけ貸してくれない?」
「断る」
「な、何でよ!?ちょっとだけ貸してくれたって良いじゃない!!」
「どうせ仕返ししたくてしょうがねぇんだろ?」
「へっ!?ちっ、違うわよ!?よく出来てるから素振りしてみたいなぁ〜と思っただけで……」
「声裏返ってるヤツに言われても説得力がねぇな」
何時もと変わらず楽しそうに会話をしている2人を見てアニーは胸を撫で下ろした。
そして2人はヴェイグ達と合流するなりフィオナは人魚像を見上げた。
「これ……直してくれたんだ」
「大変やってんで?少しでもタイミングがずれたらペッチャンコになるところやったさかい」
「テーゼンは何もやってないよね?」
カイトが突っ込むとテーゼンは笑って誤魔化した。
「みんな、ありがとう!」
フィオナは笑顔でお礼を言うと、ヴェイグは改めて人魚像を見上げた。
彼にはこの人魚像がガジュマとヒューマの共存の象徴に思えて仕方なかった。
「さて、これからどうするかだが……」
ユージーンが取り仕切ろうと調度円になっている中で前にでるが、ちょうど同じタイミングで港のほうから汽笛が鳴った。
「い、今のは……」
ニノンがキョロキョロと辺りを見回していると、港の方からギンナルが歩いてきた。
「頼まれた通り、出航の準備はできたぞ。いつでも来い」
それだけ言ってギンナルは再び港へ戻って行った。
突然のことにヴェイグ達が唖然としているとジークがさっきギンナルと会ったことや、ピピスタまで船を出してくれるよう頼み込んだことを説明した。
「話が早くて助かる。では早速行くとしよう」
「じゃあウチはここでお別れやね」
ユージーンが促すと、テーゼンは小さく首を横に傾げた。
「テーゼンさん、本当にお世話になりました」
アニーが真剣にお礼を述べるとテーゼンは恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして手首をぶんぶん振った。
「大したことしてへんよ!ウチは本当に通りかかっただけやし!」
「お前の友達にも何時か会いに行くことになるだろう。その時のためによろしく伝えておいてくれ」
ユージーンが言うとテーゼンは苦笑いをこぼした。
「会う言うても実際結構大変やで?」
「ヒトと会うのも嫌なタイプか……」
ブライトは腕組みをしながら言うがテーゼンは眉間に皺を寄せて難しそうな顔をした。
「それもあんねんけど、村がごっつ辺鄙(へんぴ)なとこにあんねん」
「まさかモクラド村か?」
「知ってるか分からんけど、うさにんの村いう所に住んでんねん」
ヴェイグ達8人以外はポカーンとした。
「……どこだ?」
ジークはブライトに訪ねるが流石の彼も首を横に振った。
「それは確かに辺鄙なところですね……」
「せやろ?あんたらも今はやることがあってせわしないみたいやし、全部片付いたら行ってみるとえぇわ」
「しかしテーゼン、お前はどうやってあそこまで行くんだ?定期船も出ていないはずだが……いや、そういえばお前達は海を歩けるのだったな」
ユージーンはレラーブとアルティスの2人を思い出した。
2人共極当たり前のように海の上を走っていた。
「何言うてるん?海なんか歩けるわけないやん」
しかしテーゼンはいともあっさりと否定した。
しかも若干馬鹿にされたような気がしたのがなんともシャクだった。
「……は?」
ブライトが思わず言葉を漏らす。
「でも夏と秋のフォルスの能力者は海を歩いていたわよ?」
フィオナが人差し指を立てながら言うと、テーゼンは驚いたように両手を叩いた。
「どうも話が通じる思うたらあんたらあの2人に会うたことあるんか!せやかて海を歩けるなんてあの2人だけやで?」
「へぇ〜、なんか不思議だね」
「ほんまやなぁ」
ジンにテーゼンも同調する。
「ウチらは精々『空』歩くのが精一杯や」
さらりととんでもないこと言い放ったテーゼンにヴェイグ達は目を見開いた。
「せ、せやから一斉に見つめんのやめてぇな〜!」
テーゼンは照れるのを隠すように着物の袖で自分の顔を隠した。
「『空』を歩けるって何、宙に浮けるってこと?」
ヒルダが羨ましいような妬ましいような思いで訊くとテーゼンは渋々頷いた。
「簡単に言うとせやな。実際見てみたほうが早いわ」
そう言うとテーゼンは階段を登るようにして一歩踏み出すと、本当にそこに見えない段差があるかのようにテーゼンの足が浮いた。
その様は確かに『宙を浮く』というよりは『宙を歩く』というほうが適切のように思えた。
確かにレラーブも海の上を浮いていたのではなく陸上のように走っているように見えたのは確かだ。
「だが『空』を歩けるなら海の上も歩けるようなもんじゃねぇのか?」
ブライトが言うように海の上を歩けずとも、海の上にも空はあるのだから海面ギリギリを歩けば海の上を歩いているように見えるし、少なくても海を越えることは簡単にできる。
しかしテーゼンは首を横に振った。
「海の上ってな、気流が乱れてて歩き難いねん。それにあんま海面に近付き過ぎると波に飲み込まれてまうやんか」
波に飲み込まれるというのは納得だった。
「じゃあ逆に山はどうすんだ?空を歩けるつっても山を越えるにはやっぱりその山の高さ分まで登んのか?」
ブライトの好奇心は尽きることなく、そろそろテーゼンも面倒になってきたのか笑顔が引きつり始めた。
「山はな、ピューって登んねん」
ついに擬音語を使い始めた。
「上昇気流みたいなのを捕まえんのか?」
「そうそうそれやそれ。何もしなくても勝手に頂上まで行けんねん」
要するにエスカレーターのようなものである。
「ブライト、そろそろ行かないか……」
ユージーンが促すがブライトは信じられないものでも見たかのように目を見開いた。
「正気かユージーン!?こんな珍しいフォルスの話、滅多に聞けねぇぞ!」
ブライトは瞳を輝かせるが港から汽笛の催促がさっきから何度も響いていた。
「ほ、ほなウチ行くわ!」
「おう気を付けてな!」
テーゼンを早く逃がすためにもティトレイは短く答える。
「あんたらも達者でな〜」
言い方はのんびりだったがテーゼンはホップステップジャンプの要領で飛躍していきあっという間に山の景色に溶け込んだ。
「しょうがねぇ、俺達も行くか」
「だからさっきからユージーンがそう言ってんでしょうが」
ヒルダは溜息をつきつつ呆れた。
* * *
「遅い!!」
「ごめ〜ん!!」
港の船着場にてギンナルが仁王立ちする脇をマオは謝りながら通り抜けて船に乗り込む。
そして最後にフィオナが通り過ぎるとギンナルも乗り込む。
「今更だけど、振り回してしまったわね」
ハッチをしめるギンナルに後ろからフィオナが話しかけると、ギンナルは鼻で笑いながら振り返る。
「いつでも頼れと言ったのは俺のほうだ、気にするな」
それだけ言ってギンナルは操舵室へと向かった。
目指すはピピスタ。
〜続く〜
「……えっ!?」
一瞬、フィオナはジークが何と言ったのか分からなかった。
あまりにも自然だったから。
「どうした?」
フィオナが目を見開いてフリーズしているとジークが案じるように首を傾げる。
恐らくジークは無意識のうちに言ったのだろう。
他意は無いのかもしれない。
しかし他意があるかもしれない。
ただ聞き返すだけだというのに妙に緊張してしまい、顔が火照るのを感じる。
「あ、えと、それってどういう……」
「さっきからやかましいぞ!!」
突然フィオナとジークのそばに立っていた民家のドアが勢い良く開かれると、住人が飛び出してきた。
民家の近くでこれだけ騒いでいれば当然である。
だが出てきた住人は意外な人物だった。
「お、お前は漆黒の何とかの……!!」
「漆黒の翼のギンナルだ!!」
そう、民家から出てきたのは漆黒の翼のリーダー格、ギンナルだった。
彼も2人の姿を確認した瞬間驚きの表情を浮かべたが、すぐに怒りの表情へと変わった。
「なんでこんなところに居るの?」
「そんなものここが俺達の家だからに決まっているだろうが!」
当然のことを聞かれてギンナルは尚も怒鳴り続ける。
そういえば以前ノルゼンに拠点を置いていると言っていたが、まさか居を構えているとは思わなかった。
「アニキ〜、あんまり五月蝿いとまたご近所さんに怒られるでヤンス〜」
民家から今度はふくよかな体格をしたドルンブがミイラ化したミイラ取りの回収に出てきた。
「お前達三人で住んでいるのか?」
ジークの問いにギンナルは肯定し、家の中を指差した。
「あぁそうだ。中にルシアもいるぞ」
「だったら船も港にあるのよね!?」
フィオナは何か閃いたかのように手を叩き、ギンナルを問い詰める。
「あ、あぁ。あるにはあるが……」
それを聞いてジークとフィオナは頷きあう。
* * *
「ねぇ、あそこにあるのって漆黒の翼の船じゃない?」
倉庫での用事が終わり、港を通りかかるとジンが停泊している一隻の黒い船を指差した。
「確かにそうだな。ということは奴等もこの街にいるということか」
ユージーンは「これは使えるかもしれん」と、今正にジークとフィオナが考えていることと同じことを考えていた。
「まずはジークとフィオナの2人と合流するのが先だ。広場に戻ろう」
ヴェイグが言うと全員頷き、レベッカと別れて港を後にした。
広場に戻ると相変わらず人魚像が真っ二つにされたまま放置されていた。
「ジークとフィオナはまだ戻ってないみたいだね」
マオが周囲を見渡しながら言う傍らで、ヴェイグは雪原に頭を突っ込んでいる人魚像の上半身をしゃがみこんで触れていた。
「ユージーン、あんたのフォルスでなんとかくっ付けることはできないのか?」
ユージーンに背中を向けたままヴェイグは訪ねると、彼はアゴに拳をあてた。
「不可能ではない。だが、どうやって持ち上げる気だ?」
「どれどれ?」
試しにティトレイが袖まくりをするフリをしながら人魚像の上半身に歩み寄ると、その場で腰を落とし抱きかかえ、渾身の力で引き上げる。
「うおおおおおおお!!!!」
「びくともしないね」
ティトレイが尚も雄たけびを上げるなか、カインが反対側から拳でコンコンと上半身をノックする。
「だ、だめだあぁぁぁ……」
力尽きたティトレイが雪原に仰向けに倒れる。
「ルルのフォルスで小さくしてから持ち上げれば良いんじゃねぇか?」
「で、でも下半身に乗せて大きくした後危なくないですか?」
ニノンの言うとおり、上半身を下半身の上にセットして大きさを戻した時にバランスを崩して倒れてきたら誰も支えることができない。
「ならばバランスを崩す前に成形するまでだ」
ユージーンは気合を入れるかのように首を回し、肩の筋肉をほぐす。
ということでまずルルが人魚像の上半身にフォルスをかけ小さくする。
ねんどろいどサイズまで小さくしたところでブライトに肩車してもらい人魚像の下半身へ上半身をセットする。
「いくよ!」
その反対側ではユージーンが人魚像の土台に両手を突いていた。
「いつでも良いぞ」
「お願いします!」
念のため、合図係として起用されたアニーが掛け声をかけると、ルルは上半身を瞬時に巨大化させる。
「今です!」
「むおおおお!!」
ユージーンのフォルスが人魚像全体を包み込む。
すると人間部分と魚の部分の切れ目があっという間に消え失せた。
「上手くいったようね」
ヒルダは満足そうに人魚像を見上げる。
ルル、ブライト、ユージーン、アニーの4人も安堵する。
「ホンマ、フォルスって便利やな〜」
「フォルスはヒトのために使わないとネ!」
マオはグー!とテーゼンに向けて親指を突き出した拳を向ける。
「ほな、指輪を外してもえぇ?」
「ダメに決まってるでしょ」
ヒルダに止められ、テーゼンは唇を尖らせて拗ねた。
と、そんなことをしているとジークとフィオナがこちらに歩いて来るのが見えた。
「ねぇ!さっきのハリセンちょっとだけ貸してくれない?」
「断る」
「な、何でよ!?ちょっとだけ貸してくれたって良いじゃない!!」
「どうせ仕返ししたくてしょうがねぇんだろ?」
「へっ!?ちっ、違うわよ!?よく出来てるから素振りしてみたいなぁ〜と思っただけで……」
「声裏返ってるヤツに言われても説得力がねぇな」
何時もと変わらず楽しそうに会話をしている2人を見てアニーは胸を撫で下ろした。
そして2人はヴェイグ達と合流するなりフィオナは人魚像を見上げた。
「これ……直してくれたんだ」
「大変やってんで?少しでもタイミングがずれたらペッチャンコになるところやったさかい」
「テーゼンは何もやってないよね?」
カイトが突っ込むとテーゼンは笑って誤魔化した。
「みんな、ありがとう!」
フィオナは笑顔でお礼を言うと、ヴェイグは改めて人魚像を見上げた。
彼にはこの人魚像がガジュマとヒューマの共存の象徴に思えて仕方なかった。
「さて、これからどうするかだが……」
ユージーンが取り仕切ろうと調度円になっている中で前にでるが、ちょうど同じタイミングで港のほうから汽笛が鳴った。
「い、今のは……」
ニノンがキョロキョロと辺りを見回していると、港の方からギンナルが歩いてきた。
「頼まれた通り、出航の準備はできたぞ。いつでも来い」
それだけ言ってギンナルは再び港へ戻って行った。
突然のことにヴェイグ達が唖然としているとジークがさっきギンナルと会ったことや、ピピスタまで船を出してくれるよう頼み込んだことを説明した。
「話が早くて助かる。では早速行くとしよう」
「じゃあウチはここでお別れやね」
ユージーンが促すと、テーゼンは小さく首を横に傾げた。
「テーゼンさん、本当にお世話になりました」
アニーが真剣にお礼を述べるとテーゼンは恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして手首をぶんぶん振った。
「大したことしてへんよ!ウチは本当に通りかかっただけやし!」
「お前の友達にも何時か会いに行くことになるだろう。その時のためによろしく伝えておいてくれ」
ユージーンが言うとテーゼンは苦笑いをこぼした。
「会う言うても実際結構大変やで?」
「ヒトと会うのも嫌なタイプか……」
ブライトは腕組みをしながら言うがテーゼンは眉間に皺を寄せて難しそうな顔をした。
「それもあんねんけど、村がごっつ辺鄙(へんぴ)なとこにあんねん」
「まさかモクラド村か?」
「知ってるか分からんけど、うさにんの村いう所に住んでんねん」
ヴェイグ達8人以外はポカーンとした。
「……どこだ?」
ジークはブライトに訪ねるが流石の彼も首を横に振った。
「それは確かに辺鄙なところですね……」
「せやろ?あんたらも今はやることがあってせわしないみたいやし、全部片付いたら行ってみるとえぇわ」
「しかしテーゼン、お前はどうやってあそこまで行くんだ?定期船も出ていないはずだが……いや、そういえばお前達は海を歩けるのだったな」
ユージーンはレラーブとアルティスの2人を思い出した。
2人共極当たり前のように海の上を走っていた。
「何言うてるん?海なんか歩けるわけないやん」
しかしテーゼンはいともあっさりと否定した。
しかも若干馬鹿にされたような気がしたのがなんともシャクだった。
「……は?」
ブライトが思わず言葉を漏らす。
「でも夏と秋のフォルスの能力者は海を歩いていたわよ?」
フィオナが人差し指を立てながら言うと、テーゼンは驚いたように両手を叩いた。
「どうも話が通じる思うたらあんたらあの2人に会うたことあるんか!せやかて海を歩けるなんてあの2人だけやで?」
「へぇ〜、なんか不思議だね」
「ほんまやなぁ」
ジンにテーゼンも同調する。
「ウチらは精々『空』歩くのが精一杯や」
さらりととんでもないこと言い放ったテーゼンにヴェイグ達は目を見開いた。
「せ、せやから一斉に見つめんのやめてぇな〜!」
テーゼンは照れるのを隠すように着物の袖で自分の顔を隠した。
「『空』を歩けるって何、宙に浮けるってこと?」
ヒルダが羨ましいような妬ましいような思いで訊くとテーゼンは渋々頷いた。
「簡単に言うとせやな。実際見てみたほうが早いわ」
そう言うとテーゼンは階段を登るようにして一歩踏み出すと、本当にそこに見えない段差があるかのようにテーゼンの足が浮いた。
その様は確かに『宙を浮く』というよりは『宙を歩く』というほうが適切のように思えた。
確かにレラーブも海の上を浮いていたのではなく陸上のように走っているように見えたのは確かだ。
「だが『空』を歩けるなら海の上も歩けるようなもんじゃねぇのか?」
ブライトが言うように海の上を歩けずとも、海の上にも空はあるのだから海面ギリギリを歩けば海の上を歩いているように見えるし、少なくても海を越えることは簡単にできる。
しかしテーゼンは首を横に振った。
「海の上ってな、気流が乱れてて歩き難いねん。それにあんま海面に近付き過ぎると波に飲み込まれてまうやんか」
波に飲み込まれるというのは納得だった。
「じゃあ逆に山はどうすんだ?空を歩けるつっても山を越えるにはやっぱりその山の高さ分まで登んのか?」
ブライトの好奇心は尽きることなく、そろそろテーゼンも面倒になってきたのか笑顔が引きつり始めた。
「山はな、ピューって登んねん」
ついに擬音語を使い始めた。
「上昇気流みたいなのを捕まえんのか?」
「そうそうそれやそれ。何もしなくても勝手に頂上まで行けんねん」
要するにエスカレーターのようなものである。
「ブライト、そろそろ行かないか……」
ユージーンが促すがブライトは信じられないものでも見たかのように目を見開いた。
「正気かユージーン!?こんな珍しいフォルスの話、滅多に聞けねぇぞ!」
ブライトは瞳を輝かせるが港から汽笛の催促がさっきから何度も響いていた。
「ほ、ほなウチ行くわ!」
「おう気を付けてな!」
テーゼンを早く逃がすためにもティトレイは短く答える。
「あんたらも達者でな〜」
言い方はのんびりだったがテーゼンはホップステップジャンプの要領で飛躍していきあっという間に山の景色に溶け込んだ。
「しょうがねぇ、俺達も行くか」
「だからさっきからユージーンがそう言ってんでしょうが」
ヒルダは溜息をつきつつ呆れた。
* * *
「遅い!!」
「ごめ〜ん!!」
港の船着場にてギンナルが仁王立ちする脇をマオは謝りながら通り抜けて船に乗り込む。
そして最後にフィオナが通り過ぎるとギンナルも乗り込む。
「今更だけど、振り回してしまったわね」
ハッチをしめるギンナルに後ろからフィオナが話しかけると、ギンナルは鼻で笑いながら振り返る。
「いつでも頼れと言ったのは俺のほうだ、気にするな」
それだけ言ってギンナルは操舵室へと向かった。
目指すはピピスタ。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート47】
takeshi「ども〜!思ったより早くピピスタへ帰れそうなtakeshiです」
チャリティ「私は全部揃えて戻るまでに年を越すもんだと思ってんだけどね〜」
takeshi「ホント失礼ですね〜。ところで、ここから読み始めて(´・ω・`)?となっている方に悲報です」
チャリティ「また今回も3話連続更新だから3話分戻って読んでね♪」
takeshi「えぇ、またなんです。そして3話連続で読んでくださった方はお疲れ様でした!今回は正真正銘ここが終点です!」
チャリティ「でさぁ、前回本編に触れなかった分今回突っ込みたいんだけど、レベッカって誰?」
takeshi「レベッカというのは本編でも軽く触れていますがアガーテが国中の美女を城に誘拐するっていう事件があり、その所為でクレアが攫われてしまいヴェイグが追いかけることになるというのがゲームが始まるきっかけだったんですね?」
チャリティ「サレとトーマに誘拐された有名な事件ね」
takeshi「で、誘拐されてお城に幽閉されている時不安がっている少女達をクレアが元気付けていたんです。その中の1人がレベッカだったというわけです」
チャリティ「へー」
takeshi「ちなみに王の盾は一つの街につき1人ずつ誘拐していったので各街に1人はクレアの知り合いがいるんですよ?」
チャリティ「じゃあフィオナとクレアも知り合いだったのね?」
takeshi「いいえ?そもそもフィオナは誘拐されてませんし」
チャリティ「え?あ、あぁ、なるほど……」
takeshi「「何で?」って聞くのも無粋ですけど納得してしまうのも失礼ですよね……」
チャリティ「じゃあどうしろってのよ!?」
takeshi「話題を変えましょう!本編でテーゼンは海上の空は歩けないと言ってましたが、そもそも彼等にとっての空や海ってムーンウォーカーの上を歩いているようなものなんです」
チャリティ「むーんうぉおかぁ?」
takeshi「空港とかサンシャインシティにある動く歩道のことです。それがテーゼンの場合は海上だと波のうねりなどの影響により気流が安定していないので四方八方に進むムーンウォーカーが複雑に重なり合っている上を歩くようなものなんです。しかも平坦ではなくちょっと進んだだけでグランドキャニオン級の段差があったりするので海を渡るなら素直に船に乗ったほうが安全というわけです」
チャリティ「じゃあ逆にレラーブは空を歩くことができないってこと?」
takeshi「はい。人間が水の上を歩けないのと同じようにレラーブも空までは歩けません。川や湖の上なら歩けますけどね」
チャリティ「ふぅ〜ん、どっちもどっちね」
takeshi「ところで月刊少女野崎君面白いですね!!」
チャリティ「あんた……雑談したくて仕方無かったのね……。でも私もあのアニメは好きかも」
takeshi「少女漫画なのにギャグなのがとても面白いです!でもちゃんと少女漫画してるところがもっとすごいです!」
チャリティ「あれこそ新感覚アニメよね」
takeshi「同じく少女漫画原作のアオハライドがありますけど、あれを見てるとたまに君を届けを思い出すのは何ででしょうね?似たようなカットを使ってるから?」
チャリティ「確かに面白いけど、あれを見るぐらいなら君に届けを見たほうが100倍楽しいと思うわよ?原作も完結したんだし早くアニメ化してくれないかしら」
takeshi「あと今期はばらかもんが面白いです!書道ってほとんどの人が通った道なので共感できるところは多いと思いますし、読者に媚びてないところとか島暮らしの魅力とか色々詰まってて素敵な作品だと思います」
チャリティ「まっ、実際に島暮らしをしてみると不便なことこの上ないんだけどね」
takeshi「さすが、地元民は違いますね……」
チャリティ「ていうか、島育ちだと便利な暮らしとか知らないから今の生活で満足しちゃうのよね。あんただって、携帯を持ってない頃は別に不便だと感じなかったでしょ?」
takeshi「まぁ、まさか授業中にやってた手紙のやりとりを24時間いつでもできるようになるとは思いませんでしたからね」
チャリティ「人間って今ある物で精一杯生きていこうとする本能みたいなのがあるってことね」
takeshi「あと「まじもじるるも」も可愛いですよね〜」
チャリティ「弱虫ペダルの作者が書いてるやつね?」
takeshi「私としてはあのまま弱虫ペダルのインターハイ編を全て終わらせてほしかったのですが、まぁ猫の声が可愛いので許しますよ!」
チャリティ「あの猫、ニノンみたいな声をしてる気がするんだけど……」
takeshi「以上!夏アニメtakeshi的ベスト3でした!」
チャリティ「何時の間に!?」
takeshi「先に言うとまたチャリティさんに邪魔されてしまいますからね。とは言ってもまた1位からの発表になってしまいましたが……」
チャリティ「意味ないじゃない……」
takeshi「さてさて!本編では全てのパーツを揃えたジーク達がピピスタに戻り、いよいよ飛行機の製作です!」
チャリティ「にしてもあのギンナルとかいうヤツ嫌なタイミングで出てきたわね!磨り潰してやりたいわ!!」
takeshi「まぁ彼の足としての役目もこれで終わるので、好きにして構いませんけどね」
チャリティ「あぁ、やっぱりあいつはそういう役割だったのね……」
takeshi「ではまた〜」
―――オマケ―――
『救いの塔・上層部(何もない部屋)』
ローエル「いや〜助かりました。何をしても開かないので涙の水圧が原因かと思いましたよ」
ユーリ「ラフメイカーかよ……」
エステリーゼ「どうして閉じ込められていたんです?」
ローエン「それが、私達の仲間が攫われてしまったので助けにきたのですが、変な連中にバトルを申し込まれ、負けた結果ここに幽閉されてしまったのです」
カロル「アルテスタって子も同じ人に誘拐されたのかな?」
ローエン「そればかりは私にも何とも……」
フレン「我々も今救出に向かっているところだったんです。バトルで負けた後なら無理はしないほうが良い。僕達が貴方の仲間も助けてきますよ」
ローエン「本当ですか!?それは助かります」
ジュディス「誘拐されたのはやっぱり貴方達にとってヒロインのような存在の人なのかしら?」
ローエン「いえ、私達は少し特別でしてヒロインのような存在がいない代わりに主人公のような立ち位置の人間が2人いるのです」
リタ「変わってるわね」
ローエン「ただ強いて言うのならば誘拐されたのは2人の主人公のうちのヒロインに相当する側です」
ユーリ「なるほどね、なら行って実際に見れば分かるか」
ローエン「すみませんが、何卒仲間をよろしくお願いいたします」
カロル「僕達に任せてよ!」
ラピード「バウ!」
エステリーゼ「先を急ぎましょう!」
『救いの塔・成層圏』
カロル「すごいよユーリ!星がいっぱいだ!」
ジュディス「いつのまに夜になったのかしら?」
ユーリ「そういうステージなんじゃねぇか?ダングレストに朝日が昇らねぇのと一緒だな」
リタ「バカね、ここは宇宙なのよ」
エステリーゼ「ユ、ユニバースなんです!?」
リタ「え、えぇ……まぁ……」
フレン「小宇宙を感じずにはいられないな!!」
パティ「星の海なんてロマンチックなのじゃ〜」
リタ「恥ずかしい台詞禁止!」
パティ「リタ姐、それはウチが言うべき台詞なのじゃ……」
リタ「だったら一緒になって浮かれてないで言いなさいよ!」
ロイド「ようやく見つけたぞ!」
フレン「聖闘士か!?」
ゼロス「声は合ってるけど違ぇよ!!」
リフィル「あなた達が異世界から来たという世界の破壊者ね」
ジュディス「何のこと?」
ジーニアス「しらばっくれても無駄だよ!」
プレセア「いざ尋常に勝負です」
パティ「ロリっ子対決なら受けて立つのじゃ!いくらロリコンのユーリでもお前なんかにはなびかないのじゃ!」
プレセア「……え?」
ユーリ「違うぞ?俺は断じてロリコンではない。だからその「こいつヤベー」みたいな目をしてこっち見るのをやめろ」
コレット「プレセア逃げて!」
リーガル「プレセアに色目を使うとは下賎な輩め」
エステリーゼ「ユーリ!ここは戦うしかありません!勝って誰が真のロリコンなのか証明しましょう!」
カロル「いっくぞ〜!」
ロイド「来い!」
ユーリ「おかしいな、俺だけ使ってる言葉が違ぇのか?」
ロイドとコレットとジーニアスとプレセアが勝負をしかけてきた。
エステリーゼ「さっきのおじいさんにバトルをしかけたのは貴方達だったんですね」
ジュディス「向こうは完全にこっちを舐めてるわね」
ユーリ「だったらこっちもじゃんけんするまでもなく対抗するぞ!」
戦闘オーダー
ユーリ、リタ、カロル、パティ
しいな「くっ、まさか対ロリコン陣形を真似されるなんて……」
リタ「ふん、勝ったわね♪」
ジュディス「あの自信はどこから湧いてくるのかしら?」
ユーリ「よく考えたらエステルがいないと勝てないじゃねぇか。戻れカロル!」
カロル「えぇっ!?」
カロルは手持ちに戻った。
カロル「手持ちって何!?」
ユーリ「エステルと交代!」
いけ!エステリーゼ!
エステリーゼ「頑張りましょう!」
ロイド「ふっとべぇ!」
ロイドの獅子閃光
ユーリ「チッ!」
ユーリに1000のダメージ。
ユーリ「円閃牙!」
ユーリの円閃牙。
ロイド「やるな!」
ロイドに573のダメージ。
フレン「ユーリ、君はバンダイナムコに喧嘩を売ってるのかい?」
ユーリ「たまたまだっつの。ダメージなんて計算して与えられるわけねぇだろ」
コレット「ローバー…ふみゅっ!」
コレットのローバーアイテム。
エステリーゼ「きゃあ!」
コレット「もらっちゃった〜」
エステリーゼに400のダメージ。
ユーリのパンツを盗まれた。
エステリーゼ「あぁ!私のパンツが!!」
ユーリ「俺のだ!!」
リフィル「コレット!そんな汚いものは早く捨てなさい!」
パティ「ユーリのパンツは汚くないのじゃ!フローラルの香りがするのじゃ!」
ユーリ「……え?何で俺のパンツの臭い知ってんの?」
パティ「ま、間違えたのじゃ!大王イカの……」
ユーリ「そんな臭いは断じてしねぇ!!」
コレット「あ、これ装備できるみたいだよ?ゼロスに装備しておいてあげるね♪」
ゼロス「やめろおおおおおお!!!!」
エステリーゼ「ど、どうしましょう……。ザギを呼べなくなってしまいました……」
フレン「未だにザギ頼りというのもどうかと……」
リタ「待って!なんか選択肢が出てるわ」
ジュディス「選択肢?」
A:ユーリが今履いてるパンツを使ってザギを召喚する
B:このまま全滅してデータをロードする
ユーリ「どっちも最悪じゃねぇか……」
カロル「でもここはBだよね」
リタ「あんた本ッ当バカね!セーブしてないんだからロードなんてしたらザーフィアスからやり直しになるって何回も言ってるでしょ?」
カロル「え?でも……」
リタ「バカは放っておいて、さっさと脱ぎなさいよ」
ユーリ「言動だけ聞くとセクハラ親父だな」
リタ「なっ、何ですって!?」
ジュディス「でもリタの言うとおりよ、ユーリ。下手なプライドはさっさと捨ててザギを呼んでくれないかしら?」
エステリーゼ「だ、ダメですユーリ!そんなことしたら逮捕されてしまいます!」
フレン「そうだユーリ!君はもっと主人公の自覚を持つべきだ!」
ユーリ「自分のパンツを他の野郎に履かれて、主人公の自覚もクソもあるかよ」
ジュディス「意外と心に傷を負っていたのね……」
ゼロス「言っとくが俺様はいてねぇからな!!」
パティ「だったら早く返すのじゃ!!」
ゼロス「敵とアイテムのトレードなんてどうやんだよ!?」
ユーリ「どうせこんなところで何をした所で捕まえに来るやつなんていねぇだろ。だから俺は……Aを選ぶぜ!」
フレン「ユーリ、君はその道を選ぶんだね?」
ユーリはA(ユーリが今履いているパンツを使ってザギを召喚する)を選択した。
ユーリ「選ぶんじゃねぇ。もう、選んだんだよ」
リタ「あんたらその掛け合い気に入ってんの?」
〜続く〜
takeshi「ども〜!思ったより早くピピスタへ帰れそうなtakeshiです」
チャリティ「私は全部揃えて戻るまでに年を越すもんだと思ってんだけどね〜」
takeshi「ホント失礼ですね〜。ところで、ここから読み始めて(´・ω・`)?となっている方に悲報です」
チャリティ「また今回も3話連続更新だから3話分戻って読んでね♪」
takeshi「えぇ、またなんです。そして3話連続で読んでくださった方はお疲れ様でした!今回は正真正銘ここが終点です!」
チャリティ「でさぁ、前回本編に触れなかった分今回突っ込みたいんだけど、レベッカって誰?」
takeshi「レベッカというのは本編でも軽く触れていますがアガーテが国中の美女を城に誘拐するっていう事件があり、その所為でクレアが攫われてしまいヴェイグが追いかけることになるというのがゲームが始まるきっかけだったんですね?」
チャリティ「サレとトーマに誘拐された有名な事件ね」
takeshi「で、誘拐されてお城に幽閉されている時不安がっている少女達をクレアが元気付けていたんです。その中の1人がレベッカだったというわけです」
チャリティ「へー」
takeshi「ちなみに王の盾は一つの街につき1人ずつ誘拐していったので各街に1人はクレアの知り合いがいるんですよ?」
チャリティ「じゃあフィオナとクレアも知り合いだったのね?」
takeshi「いいえ?そもそもフィオナは誘拐されてませんし」
チャリティ「え?あ、あぁ、なるほど……」
takeshi「「何で?」って聞くのも無粋ですけど納得してしまうのも失礼ですよね……」
チャリティ「じゃあどうしろってのよ!?」
takeshi「話題を変えましょう!本編でテーゼンは海上の空は歩けないと言ってましたが、そもそも彼等にとっての空や海ってムーンウォーカーの上を歩いているようなものなんです」
チャリティ「むーんうぉおかぁ?」
takeshi「空港とかサンシャインシティにある動く歩道のことです。それがテーゼンの場合は海上だと波のうねりなどの影響により気流が安定していないので四方八方に進むムーンウォーカーが複雑に重なり合っている上を歩くようなものなんです。しかも平坦ではなくちょっと進んだだけでグランドキャニオン級の段差があったりするので海を渡るなら素直に船に乗ったほうが安全というわけです」
チャリティ「じゃあ逆にレラーブは空を歩くことができないってこと?」
takeshi「はい。人間が水の上を歩けないのと同じようにレラーブも空までは歩けません。川や湖の上なら歩けますけどね」
チャリティ「ふぅ〜ん、どっちもどっちね」
takeshi「ところで月刊少女野崎君面白いですね!!」
チャリティ「あんた……雑談したくて仕方無かったのね……。でも私もあのアニメは好きかも」
takeshi「少女漫画なのにギャグなのがとても面白いです!でもちゃんと少女漫画してるところがもっとすごいです!」
チャリティ「あれこそ新感覚アニメよね」
takeshi「同じく少女漫画原作のアオハライドがありますけど、あれを見てるとたまに君を届けを思い出すのは何ででしょうね?似たようなカットを使ってるから?」
チャリティ「確かに面白いけど、あれを見るぐらいなら君に届けを見たほうが100倍楽しいと思うわよ?原作も完結したんだし早くアニメ化してくれないかしら」
takeshi「あと今期はばらかもんが面白いです!書道ってほとんどの人が通った道なので共感できるところは多いと思いますし、読者に媚びてないところとか島暮らしの魅力とか色々詰まってて素敵な作品だと思います」
チャリティ「まっ、実際に島暮らしをしてみると不便なことこの上ないんだけどね」
takeshi「さすが、地元民は違いますね……」
チャリティ「ていうか、島育ちだと便利な暮らしとか知らないから今の生活で満足しちゃうのよね。あんただって、携帯を持ってない頃は別に不便だと感じなかったでしょ?」
takeshi「まぁ、まさか授業中にやってた手紙のやりとりを24時間いつでもできるようになるとは思いませんでしたからね」
チャリティ「人間って今ある物で精一杯生きていこうとする本能みたいなのがあるってことね」
takeshi「あと「まじもじるるも」も可愛いですよね〜」
チャリティ「弱虫ペダルの作者が書いてるやつね?」
takeshi「私としてはあのまま弱虫ペダルのインターハイ編を全て終わらせてほしかったのですが、まぁ猫の声が可愛いので許しますよ!」
チャリティ「あの猫、ニノンみたいな声をしてる気がするんだけど……」
takeshi「以上!夏アニメtakeshi的ベスト3でした!」
チャリティ「何時の間に!?」
takeshi「先に言うとまたチャリティさんに邪魔されてしまいますからね。とは言ってもまた1位からの発表になってしまいましたが……」
チャリティ「意味ないじゃない……」
takeshi「さてさて!本編では全てのパーツを揃えたジーク達がピピスタに戻り、いよいよ飛行機の製作です!」
チャリティ「にしてもあのギンナルとかいうヤツ嫌なタイミングで出てきたわね!磨り潰してやりたいわ!!」
takeshi「まぁ彼の足としての役目もこれで終わるので、好きにして構いませんけどね」
チャリティ「あぁ、やっぱりあいつはそういう役割だったのね……」
takeshi「ではまた〜」
―――オマケ―――
『救いの塔・上層部(何もない部屋)』
ローエル「いや〜助かりました。何をしても開かないので涙の水圧が原因かと思いましたよ」
ユーリ「ラフメイカーかよ……」
エステリーゼ「どうして閉じ込められていたんです?」
ローエン「それが、私達の仲間が攫われてしまったので助けにきたのですが、変な連中にバトルを申し込まれ、負けた結果ここに幽閉されてしまったのです」
カロル「アルテスタって子も同じ人に誘拐されたのかな?」
ローエン「そればかりは私にも何とも……」
フレン「我々も今救出に向かっているところだったんです。バトルで負けた後なら無理はしないほうが良い。僕達が貴方の仲間も助けてきますよ」
ローエン「本当ですか!?それは助かります」
ジュディス「誘拐されたのはやっぱり貴方達にとってヒロインのような存在の人なのかしら?」
ローエン「いえ、私達は少し特別でしてヒロインのような存在がいない代わりに主人公のような立ち位置の人間が2人いるのです」
リタ「変わってるわね」
ローエン「ただ強いて言うのならば誘拐されたのは2人の主人公のうちのヒロインに相当する側です」
ユーリ「なるほどね、なら行って実際に見れば分かるか」
ローエン「すみませんが、何卒仲間をよろしくお願いいたします」
カロル「僕達に任せてよ!」
ラピード「バウ!」
エステリーゼ「先を急ぎましょう!」
『救いの塔・成層圏』
カロル「すごいよユーリ!星がいっぱいだ!」
ジュディス「いつのまに夜になったのかしら?」
ユーリ「そういうステージなんじゃねぇか?ダングレストに朝日が昇らねぇのと一緒だな」
リタ「バカね、ここは宇宙なのよ」
エステリーゼ「ユ、ユニバースなんです!?」
リタ「え、えぇ……まぁ……」
フレン「小宇宙を感じずにはいられないな!!」
パティ「星の海なんてロマンチックなのじゃ〜」
リタ「恥ずかしい台詞禁止!」
パティ「リタ姐、それはウチが言うべき台詞なのじゃ……」
リタ「だったら一緒になって浮かれてないで言いなさいよ!」
ロイド「ようやく見つけたぞ!」
フレン「聖闘士か!?」
ゼロス「声は合ってるけど違ぇよ!!」
リフィル「あなた達が異世界から来たという世界の破壊者ね」
ジュディス「何のこと?」
ジーニアス「しらばっくれても無駄だよ!」
プレセア「いざ尋常に勝負です」
パティ「ロリっ子対決なら受けて立つのじゃ!いくらロリコンのユーリでもお前なんかにはなびかないのじゃ!」
プレセア「……え?」
ユーリ「違うぞ?俺は断じてロリコンではない。だからその「こいつヤベー」みたいな目をしてこっち見るのをやめろ」
コレット「プレセア逃げて!」
リーガル「プレセアに色目を使うとは下賎な輩め」
エステリーゼ「ユーリ!ここは戦うしかありません!勝って誰が真のロリコンなのか証明しましょう!」
カロル「いっくぞ〜!」
ロイド「来い!」
ユーリ「おかしいな、俺だけ使ってる言葉が違ぇのか?」
ロイドとコレットとジーニアスとプレセアが勝負をしかけてきた。
エステリーゼ「さっきのおじいさんにバトルをしかけたのは貴方達だったんですね」
ジュディス「向こうは完全にこっちを舐めてるわね」
ユーリ「だったらこっちもじゃんけんするまでもなく対抗するぞ!」
戦闘オーダー
ユーリ、リタ、カロル、パティ
しいな「くっ、まさか対ロリコン陣形を真似されるなんて……」
リタ「ふん、勝ったわね♪」
ジュディス「あの自信はどこから湧いてくるのかしら?」
ユーリ「よく考えたらエステルがいないと勝てないじゃねぇか。戻れカロル!」
カロル「えぇっ!?」
カロルは手持ちに戻った。
カロル「手持ちって何!?」
ユーリ「エステルと交代!」
いけ!エステリーゼ!
エステリーゼ「頑張りましょう!」
ロイド「ふっとべぇ!」
ロイドの獅子閃光
ユーリ「チッ!」
ユーリに1000のダメージ。
ユーリ「円閃牙!」
ユーリの円閃牙。
ロイド「やるな!」
ロイドに573のダメージ。
フレン「ユーリ、君はバンダイナムコに喧嘩を売ってるのかい?」
ユーリ「たまたまだっつの。ダメージなんて計算して与えられるわけねぇだろ」
コレット「ローバー…ふみゅっ!」
コレットのローバーアイテム。
エステリーゼ「きゃあ!」
コレット「もらっちゃった〜」
エステリーゼに400のダメージ。
ユーリのパンツを盗まれた。
エステリーゼ「あぁ!私のパンツが!!」
ユーリ「俺のだ!!」
リフィル「コレット!そんな汚いものは早く捨てなさい!」
パティ「ユーリのパンツは汚くないのじゃ!フローラルの香りがするのじゃ!」
ユーリ「……え?何で俺のパンツの臭い知ってんの?」
パティ「ま、間違えたのじゃ!大王イカの……」
ユーリ「そんな臭いは断じてしねぇ!!」
コレット「あ、これ装備できるみたいだよ?ゼロスに装備しておいてあげるね♪」
ゼロス「やめろおおおおおお!!!!」
エステリーゼ「ど、どうしましょう……。ザギを呼べなくなってしまいました……」
フレン「未だにザギ頼りというのもどうかと……」
リタ「待って!なんか選択肢が出てるわ」
ジュディス「選択肢?」
A:ユーリが今履いてるパンツを使ってザギを召喚する
B:このまま全滅してデータをロードする
ユーリ「どっちも最悪じゃねぇか……」
カロル「でもここはBだよね」
リタ「あんた本ッ当バカね!セーブしてないんだからロードなんてしたらザーフィアスからやり直しになるって何回も言ってるでしょ?」
カロル「え?でも……」
リタ「バカは放っておいて、さっさと脱ぎなさいよ」
ユーリ「言動だけ聞くとセクハラ親父だな」
リタ「なっ、何ですって!?」
ジュディス「でもリタの言うとおりよ、ユーリ。下手なプライドはさっさと捨ててザギを呼んでくれないかしら?」
エステリーゼ「だ、ダメですユーリ!そんなことしたら逮捕されてしまいます!」
フレン「そうだユーリ!君はもっと主人公の自覚を持つべきだ!」
ユーリ「自分のパンツを他の野郎に履かれて、主人公の自覚もクソもあるかよ」
ジュディス「意外と心に傷を負っていたのね……」
ゼロス「言っとくが俺様はいてねぇからな!!」
パティ「だったら早く返すのじゃ!!」
ゼロス「敵とアイテムのトレードなんてどうやんだよ!?」
ユーリ「どうせこんなところで何をした所で捕まえに来るやつなんていねぇだろ。だから俺は……Aを選ぶぜ!」
フレン「ユーリ、君はその道を選ぶんだね?」
ユーリはA(ユーリが今履いているパンツを使ってザギを召喚する)を選択した。
ユーリ「選ぶんじゃねぇ。もう、選んだんだよ」
リタ「あんたらその掛け合い気に入ってんの?」
〜続く〜