第67話『おにぎりとレモンパイ』
街の入り口とは反対側の裏から街の外へ出る。
すると、夕日を反射する銀色の機体がそこにはあった。
「こいつはでっけぇな……」
ブライトは思わず口を開けたまま機体を見上げた。
その大きさは先日戦ったリヒトモスインセクトの大きさそのもので、シャオルーンと同等の大きさはある。
「エンジンのメンテもすませてあるから、あとはこいつを軽くして積めば完成だな」
モブ子が台車に乗せてきたエンジンを見せると、ナイラから預かった時は錆だらけだったエンジンがピカピカの新品になっていた。
「でもどうやって軽くするんだい?」
カイトが首を傾げる。
2人にはまだエンジンを軽く手段を説明していないのだから当然である。
「わ、私に任せてください!」
論より証拠ということでニノンがエンジンに歩み寄る。
そして深く息を吸った後ニノンがエンジンに触れる。
すると、エンジンがヘリウムガスの入った風船のようにふわりと浮き上がった。
「マジかよ!?すげぇじゃん!!」
モブ子は驚きながらもエンジンが飛んでいかないように台車に押さえつける。
「す、すごくなんかないです!!明日になったらまたフォルスを掛け直さないといけませんし、私からあんまり離れすぎると効果が切れてしまうんです……」
「そっか〜。僕も操縦士として機体から離れるわけにはいかないし、これから僕達一緒にいることが多くなりそうだね♪」
カイトは微笑みながら言うとニノンは顔が真っ赤になった。
「もしかしてあいつ、誰にでもあんなこと言うのか?」
ジークはジト目でカイトを見ながらフィオナに訪ねるが、フィオナは首を傾げた。
「あんなことって?」
「いや……なんでもない」
「それにしても、本当にこれを2人だけで、しかもたった2日で造ったのか?」
ヴェイグは銀色の機体に触れながら問う。
「だから余裕だって言ったろ?」
「僕は設計図を書き直しただけで、ほとんどの作業は彼女1人でやったんだけどね……」
カイトは申し訳なさそうに苦笑いするのに対してモブ子は自慢げに自分の胸を叩くとその振動でメロンが揺れた。
「善は急げだ。エンジンの取り付けは今夜中にやっといてやるから明日またここに来な」
「そんな……疲れてるのにこれ以上無理したら体が壊れてしまいますよ?」
アニーが不安そうに言うもモブ子はそんなアニーを笑い飛ばした。
「別に疲れてねぇよ。こっちも結構早く仕上がったから昼間から暇してたぐらいだからな」
「君達のほうこそ疲れてるんじゃない?今日はゆっくり休んできなよ」
カイトの言うとおり、今日はギュナルスとの戦闘により疲れが残っていた。
「それじゃ、俺達はお言葉に甘えて休ませてもらうとしようぜ?」
ティトレイは背伸びをしながら言うと、ヴェイグ達は頷いた。
「明日寝坊すんなよ!」
モブ子は片手で軽くなったエンジンを掴み上げながら、街に戻るヴェイグ達を見送った。
* * *
ピピスタの街に戻った頃には夕日は沈み、星が夜空を瞬いていた。
ヴェイグ達は宿屋へ行き夕飯を済ませると自由時間となり各々思うところがあるのか自然解散となった。
(私はどうしよう……。とりあえずジークにあの言葉の意味を聞きたいけどどこに行ったのかしら?)
夕飯が済んだ直後にはもう姿を消していたジークを探すため、フィオナはロビーを見回した。
しかし姿は見当たらない。
(何時ものジークならベランダかバルコニーだけど、ピピスタにはそんな場所なかったはずよね……)
フィオナはジークの行きそうな場所を考えてみる。
「こんなところで突っ立って何してんだ?」
「っ!!」
不意に背後から話しかけられ振り返ってみるとそこにはお膳を持ったジーク本人が立っていた。
「べ、別に私がどこで何してようと勝手でしょ!?」
ジークを探してたなんて言うと何故か負けた気になるような気がしたフィオナはつい突っぱねてしまったがジークにとっては何時ものことなのでスルーした。
「やることないならこれをカイト達の所に持ってってくれないか?」
ジークに差し出されたお盆の上には大きめのおにぎりが二つとレモンパイが3つ乗っていた。
「何で私が持っていかないといけないわけ?」
「だってお前やることないんだろ?」
「そんなことな……いこともないけど……」
やはりジークに用があるとは言えなかった。
「あと、それを運び終わったらで良いんだけどよ……」
フィオナがもどかしさを感じていると今度は何故かジークが言い難そうに困った顔をし始めた。
「話があるから後で塔の前に来てくれねぇか?」
「……え?話?」
ジークは黙って頷いた。
これはフィオナにとって願ってもいないチャンスである。
「わ、分かった。これを届けたらすぐに行くわ……」
はしゃぎたい気持ちを必死に抑え、努めて冷静さを保ちながら返答した後フィオナはジークからお膳を受け取った。
* * *
「なんだか結局雑用に使われた気がするわね〜」
ジークと1対1で話ができるという条件に目がくらみ結局引き受けてしまった自分に愚痴りながら夜空の下を歩くフィオナだったが、ふとレモンパイと目が合ってしまった。
「……おいしそう」
さっき夕食を食べたばかりだが、彼の料理の美味しさは既に胃袋が覚えてしまっている。
「それにしても何でレモンパイだけ3つなのかしら。これじゃ3つ目のレモンパイを巡って喧嘩になっちゃうじゃない」
勿論カイトは食べ物のことで喧嘩するようなヒトではない。
そろそろ照明に照らされた銀色の機体が見えてくる。
「なになに?差し入れ!?すっげぇ助かる!」
フィオナが緑のモブ子にお盆を差し出すなりモブ子はおにぎりにがっついた。
「カイトは食べないの?」
設計図を眺めていたカイトだったがフィオナに言われお盆の上からおにぎりを一つ取り上げた。
「いただくよ。ありがとうフィオナ」
「うっめぇ〜!これあんたが作ったのか!?やっぱ女子は料理できたほうがモテんの?最近料理ができる男子がモテるっていうけどさ、あたしそういう女々しい男って苦手なんだよなぁ。やっぱ男は度胸と器量だろ?そんで包容力も大事だよな!」
「そ、そうね……」
突然語りだすモブ子に付いていくことができず、フィオナは生返事を返してしまう。
(そういえば、さっきは普通に聞き流しちゃったけどジークが私に話って何かしら?)
「でもこれならカイトの気持ちも分かるわ!こいつ、あんたらがいない間フィオナフィオナってずっとフィオナの話ばっかしてさぁ」
「(なんか言い難そうにしてたし……も、もしかして告白!?でもあいつが私なんかを好きになるなんて有り得ないし、そもそも私に気があるような素振りも見たことないし!)ふぅ〜ん……」
「……ありゃ?案外反応薄いなぁ」
今のフィオナの脳内はとてもヒトの話を聴ける状態ではなかった。
とりあえず返事をしたが、モブ子はキョトンとしている。
「カイト、こりゃ脈薄いかもしれねぇぞ?」
「何の話をしてるのさ!?」
「はっ!」
カイトの怒鳴り声でフィオナの意識はようやく現実へ帰還した。
「どうしたの?やっぱり疲れてるんじゃない?」
レモンパイを食べるカイトが心配してくる。
もう一つのレモンパイはモブ子が食べており、これでお盆の上は空になった。
「つ、疲れてないわよ!それより、そのレモンパイ美味しい?」
「うん!すごく美味しいよ!フィオナも一口食べてみなよ」
カイトはパイを一口サイズにちぎろうとするがフィオナは首をぶんぶん横に振った。
「だ、大丈夫!知ってるから!」
「作った本人なんだから当然だよな」
モブ子は自分の指を舐めながら言う。
「じゃ、じゃあ私は戻るから!2人とも無理しないでね!!」
フィオナはそれだけ言い残すと猛ダッシュで駆けて行った。
「あっちって街のはずれだよね……」
「……」
2人はフィオナが駆けて行った塔のある方角をしばらく眺めていた。
一方、当のフィオナは走りながら決意を固めていた。
(何の話かは分からないけど、聞くだけ聞いてやるわ!そして、今度こそちゃんと本当の意味を聞くんだから!!)
フィオナにとって負けられない戦いが始まる。
* * *
塔の前まで行くと一つの人影があった。
蜀台のような灯りが点る物を持つとバイラスが集まってくるため使うことができず周囲は真っ暗でろくに見えない。
しかし、あの人影が彼だということは灯りが無くとも分かる。
もう何回も、何十回も見飽きる程見たはずなのに見飽きることがない、フィオナにとって既に当たり前となった彼の姿を。
「レモンパイ、美味かったか?」
ジークが振り向き様に言うと、フィオナは頬を膨らませた。
「最初から私が摘み食いすることを見越して3つ用意してたのね?」
「まぁな」
ジークは茶化すように笑って言うが突然真剣な表情になった。
本題の、話に入るのだと雰囲気で察したフィオナも覚悟を決め、拳をぎゅっと握る。
「ノルゼンで言ったこと、まだ覚えてるよな?」
(き、きた!!)
フィオナの鼓動が一気に早くなる。
ノルゼンはここと真反対に位置する街だが昼間までそこにいたのだからジークが喋った言葉は一字一句当然覚えている。
むしろ、あれだけのことを忘れられるわけがなく、忘れることができればフィオナもここまで悩んだりはしない。
「う、うん……」
フィオナは小さく頷く。
鼓動がどんどん早くなっていく。
自分がジークに確かめたかったことをジークから言ってくれるなら手間は省けるが、相手からいざ言われるとなると少し怖くもあった。
「俺達は絶対に死なないって言っただろ?でも……」
「うん?」
頷こうとしたが疑問に代わった。
確かにそれも言っていたがフィオナが聞きたいのはソレじゃない。
だがジークは構わず続ける。
「あぁは言ったが絶対の保障はねぇしフィオナも不安に思うかもしれない」
ジークは苦虫を潰したような恥ずかしいような複雑な表情でフィオナを見つめる。
だがフィオナが聞きたいのはソレじゃない。
「だから……その……」
なにをこいつは言いにくそうにしているのだろう。
フィオナの鼓動はすっかり収まり、目は完全に点になっていた。
「また2人で自主練しねぇか?」
「やる!!」
即答だった。
フィオナは目を輝かせ、両手の拳を胸の前で握った。
「やるやる!絶対やる!」
「そっか……」
ジークはほっとしたように胸を撫で下ろした。
「それで!?いつからやるの!?」
「折角ここまで来たんだし、今からやらねぇか?レモンパイ食べて体力も回復してるだろ?」
「バッチリよ!」
「いいえ、それは私が許しません」
フィオナが扇を取り出そうとしていると、塔の扉の影から声が飛んできた。
〜続く〜
すると、夕日を反射する銀色の機体がそこにはあった。
「こいつはでっけぇな……」
ブライトは思わず口を開けたまま機体を見上げた。
その大きさは先日戦ったリヒトモスインセクトの大きさそのもので、シャオルーンと同等の大きさはある。
「エンジンのメンテもすませてあるから、あとはこいつを軽くして積めば完成だな」
モブ子が台車に乗せてきたエンジンを見せると、ナイラから預かった時は錆だらけだったエンジンがピカピカの新品になっていた。
「でもどうやって軽くするんだい?」
カイトが首を傾げる。
2人にはまだエンジンを軽く手段を説明していないのだから当然である。
「わ、私に任せてください!」
論より証拠ということでニノンがエンジンに歩み寄る。
そして深く息を吸った後ニノンがエンジンに触れる。
すると、エンジンがヘリウムガスの入った風船のようにふわりと浮き上がった。
「マジかよ!?すげぇじゃん!!」
モブ子は驚きながらもエンジンが飛んでいかないように台車に押さえつける。
「す、すごくなんかないです!!明日になったらまたフォルスを掛け直さないといけませんし、私からあんまり離れすぎると効果が切れてしまうんです……」
「そっか〜。僕も操縦士として機体から離れるわけにはいかないし、これから僕達一緒にいることが多くなりそうだね♪」
カイトは微笑みながら言うとニノンは顔が真っ赤になった。
「もしかしてあいつ、誰にでもあんなこと言うのか?」
ジークはジト目でカイトを見ながらフィオナに訪ねるが、フィオナは首を傾げた。
「あんなことって?」
「いや……なんでもない」
「それにしても、本当にこれを2人だけで、しかもたった2日で造ったのか?」
ヴェイグは銀色の機体に触れながら問う。
「だから余裕だって言ったろ?」
「僕は設計図を書き直しただけで、ほとんどの作業は彼女1人でやったんだけどね……」
カイトは申し訳なさそうに苦笑いするのに対してモブ子は自慢げに自分の胸を叩くとその振動でメロンが揺れた。
「善は急げだ。エンジンの取り付けは今夜中にやっといてやるから明日またここに来な」
「そんな……疲れてるのにこれ以上無理したら体が壊れてしまいますよ?」
アニーが不安そうに言うもモブ子はそんなアニーを笑い飛ばした。
「別に疲れてねぇよ。こっちも結構早く仕上がったから昼間から暇してたぐらいだからな」
「君達のほうこそ疲れてるんじゃない?今日はゆっくり休んできなよ」
カイトの言うとおり、今日はギュナルスとの戦闘により疲れが残っていた。
「それじゃ、俺達はお言葉に甘えて休ませてもらうとしようぜ?」
ティトレイは背伸びをしながら言うと、ヴェイグ達は頷いた。
「明日寝坊すんなよ!」
モブ子は片手で軽くなったエンジンを掴み上げながら、街に戻るヴェイグ達を見送った。
* * *
ピピスタの街に戻った頃には夕日は沈み、星が夜空を瞬いていた。
ヴェイグ達は宿屋へ行き夕飯を済ませると自由時間となり各々思うところがあるのか自然解散となった。
(私はどうしよう……。とりあえずジークにあの言葉の意味を聞きたいけどどこに行ったのかしら?)
夕飯が済んだ直後にはもう姿を消していたジークを探すため、フィオナはロビーを見回した。
しかし姿は見当たらない。
(何時ものジークならベランダかバルコニーだけど、ピピスタにはそんな場所なかったはずよね……)
フィオナはジークの行きそうな場所を考えてみる。
「こんなところで突っ立って何してんだ?」
「っ!!」
不意に背後から話しかけられ振り返ってみるとそこにはお膳を持ったジーク本人が立っていた。
「べ、別に私がどこで何してようと勝手でしょ!?」
ジークを探してたなんて言うと何故か負けた気になるような気がしたフィオナはつい突っぱねてしまったがジークにとっては何時ものことなのでスルーした。
「やることないならこれをカイト達の所に持ってってくれないか?」
ジークに差し出されたお盆の上には大きめのおにぎりが二つとレモンパイが3つ乗っていた。
「何で私が持っていかないといけないわけ?」
「だってお前やることないんだろ?」
「そんなことな……いこともないけど……」
やはりジークに用があるとは言えなかった。
「あと、それを運び終わったらで良いんだけどよ……」
フィオナがもどかしさを感じていると今度は何故かジークが言い難そうに困った顔をし始めた。
「話があるから後で塔の前に来てくれねぇか?」
「……え?話?」
ジークは黙って頷いた。
これはフィオナにとって願ってもいないチャンスである。
「わ、分かった。これを届けたらすぐに行くわ……」
はしゃぎたい気持ちを必死に抑え、努めて冷静さを保ちながら返答した後フィオナはジークからお膳を受け取った。
* * *
「なんだか結局雑用に使われた気がするわね〜」
ジークと1対1で話ができるという条件に目がくらみ結局引き受けてしまった自分に愚痴りながら夜空の下を歩くフィオナだったが、ふとレモンパイと目が合ってしまった。
「……おいしそう」
さっき夕食を食べたばかりだが、彼の料理の美味しさは既に胃袋が覚えてしまっている。
「それにしても何でレモンパイだけ3つなのかしら。これじゃ3つ目のレモンパイを巡って喧嘩になっちゃうじゃない」
勿論カイトは食べ物のことで喧嘩するようなヒトではない。
そろそろ照明に照らされた銀色の機体が見えてくる。
「なになに?差し入れ!?すっげぇ助かる!」
フィオナが緑のモブ子にお盆を差し出すなりモブ子はおにぎりにがっついた。
「カイトは食べないの?」
設計図を眺めていたカイトだったがフィオナに言われお盆の上からおにぎりを一つ取り上げた。
「いただくよ。ありがとうフィオナ」
「うっめぇ〜!これあんたが作ったのか!?やっぱ女子は料理できたほうがモテんの?最近料理ができる男子がモテるっていうけどさ、あたしそういう女々しい男って苦手なんだよなぁ。やっぱ男は度胸と器量だろ?そんで包容力も大事だよな!」
「そ、そうね……」
突然語りだすモブ子に付いていくことができず、フィオナは生返事を返してしまう。
(そういえば、さっきは普通に聞き流しちゃったけどジークが私に話って何かしら?)
「でもこれならカイトの気持ちも分かるわ!こいつ、あんたらがいない間フィオナフィオナってずっとフィオナの話ばっかしてさぁ」
「(なんか言い難そうにしてたし……も、もしかして告白!?でもあいつが私なんかを好きになるなんて有り得ないし、そもそも私に気があるような素振りも見たことないし!)ふぅ〜ん……」
「……ありゃ?案外反応薄いなぁ」
今のフィオナの脳内はとてもヒトの話を聴ける状態ではなかった。
とりあえず返事をしたが、モブ子はキョトンとしている。
「カイト、こりゃ脈薄いかもしれねぇぞ?」
「何の話をしてるのさ!?」
「はっ!」
カイトの怒鳴り声でフィオナの意識はようやく現実へ帰還した。
「どうしたの?やっぱり疲れてるんじゃない?」
レモンパイを食べるカイトが心配してくる。
もう一つのレモンパイはモブ子が食べており、これでお盆の上は空になった。
「つ、疲れてないわよ!それより、そのレモンパイ美味しい?」
「うん!すごく美味しいよ!フィオナも一口食べてみなよ」
カイトはパイを一口サイズにちぎろうとするがフィオナは首をぶんぶん横に振った。
「だ、大丈夫!知ってるから!」
「作った本人なんだから当然だよな」
モブ子は自分の指を舐めながら言う。
「じゃ、じゃあ私は戻るから!2人とも無理しないでね!!」
フィオナはそれだけ言い残すと猛ダッシュで駆けて行った。
「あっちって街のはずれだよね……」
「……」
2人はフィオナが駆けて行った塔のある方角をしばらく眺めていた。
一方、当のフィオナは走りながら決意を固めていた。
(何の話かは分からないけど、聞くだけ聞いてやるわ!そして、今度こそちゃんと本当の意味を聞くんだから!!)
フィオナにとって負けられない戦いが始まる。
* * *
塔の前まで行くと一つの人影があった。
蜀台のような灯りが点る物を持つとバイラスが集まってくるため使うことができず周囲は真っ暗でろくに見えない。
しかし、あの人影が彼だということは灯りが無くとも分かる。
もう何回も、何十回も見飽きる程見たはずなのに見飽きることがない、フィオナにとって既に当たり前となった彼の姿を。
「レモンパイ、美味かったか?」
ジークが振り向き様に言うと、フィオナは頬を膨らませた。
「最初から私が摘み食いすることを見越して3つ用意してたのね?」
「まぁな」
ジークは茶化すように笑って言うが突然真剣な表情になった。
本題の、話に入るのだと雰囲気で察したフィオナも覚悟を決め、拳をぎゅっと握る。
「ノルゼンで言ったこと、まだ覚えてるよな?」
(き、きた!!)
フィオナの鼓動が一気に早くなる。
ノルゼンはここと真反対に位置する街だが昼間までそこにいたのだからジークが喋った言葉は一字一句当然覚えている。
むしろ、あれだけのことを忘れられるわけがなく、忘れることができればフィオナもここまで悩んだりはしない。
「う、うん……」
フィオナは小さく頷く。
鼓動がどんどん早くなっていく。
自分がジークに確かめたかったことをジークから言ってくれるなら手間は省けるが、相手からいざ言われるとなると少し怖くもあった。
「俺達は絶対に死なないって言っただろ?でも……」
「うん?」
頷こうとしたが疑問に代わった。
確かにそれも言っていたがフィオナが聞きたいのはソレじゃない。
だがジークは構わず続ける。
「あぁは言ったが絶対の保障はねぇしフィオナも不安に思うかもしれない」
ジークは苦虫を潰したような恥ずかしいような複雑な表情でフィオナを見つめる。
だがフィオナが聞きたいのはソレじゃない。
「だから……その……」
なにをこいつは言いにくそうにしているのだろう。
フィオナの鼓動はすっかり収まり、目は完全に点になっていた。
「また2人で自主練しねぇか?」
「やる!!」
即答だった。
フィオナは目を輝かせ、両手の拳を胸の前で握った。
「やるやる!絶対やる!」
「そっか……」
ジークはほっとしたように胸を撫で下ろした。
「それで!?いつからやるの!?」
「折角ここまで来たんだし、今からやらねぇか?レモンパイ食べて体力も回復してるだろ?」
「バッチリよ!」
「いいえ、それは私が許しません」
フィオナが扇を取り出そうとしていると、塔の扉の影から声が飛んできた。
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート49】
takeshi「ども〜!スマブラ(3DS版)発売日が待ち遠しいtakeshiです!」
マリア「海に行きたいわね〜」
チャリティ「会話が成立してない……」
takeshi「ちょ、聞いて聞いて!この前全国でも有名っぽい花火が近所っぽい所でやってたので電車に乗って見てきたんですけど……」
マリア「海と言ったらやっぱり水着よね〜」
チャリティ「あ、うん……」
takeshi「真下から見る花火ってすごいですね!!私いつも花火って遠くから見るばっかりで、音楽に乗せて打ち上げるというのは初見だったのですが、もう圧巻ですよ!!」
マリア「チャリティちゃんはまたスク水?」
チャリティ「スク水なんて逆に持ってないから。着るならパレオとか?」
takeshi「土手の一番前が開いていたのでそこで見ていたのですが、真上に上がった花火が視界一杯に広がって、正に夜空に描かれた芸術と言った感じで首の痛さとか感じる暇もないです!」
マリア「そうよねぇ、チャリティちゃんのお尻だとビキニは目立つものねぇ」
チャリティ「ち、違うわよ!」
takeshi「今まで花火大会って心のどこかでバカにしてたんですけど、価値観が90度くらい変わりましたよ!」
マリア「だったら90度のティーバックに挑戦してみる?きっとガルムさんが発狂するでしょうけど」
チャリティ「絶っっ対に嫌!!」
takeshi「そういえばスク水で思い出したのですが」
マリア「あら何かしら?」
takeshi「スク水と肩を並べる存在として有名なブルマってあるじゃないですか。私、あれの良さっていまいち分からないんですよね」
マリア「そうなの?」
チャリティ「意外とあんたにもマトモな部分が残っていたのね!」
takeshi「海行ってティーバック履く人にマトモ云々言われたくないのですが……」
チャリティ「だから履かないって言ってんでしょ!?ていうか実際に履く人に謝んなさいよ!」
takeshi「す、すみませんでした」
マリア「許しましょう♪」
takeshi「……へ?」
チャリティ「良いから続けて」
takeshi「あ、あぁ、それでですね?私的にはスパッツって素敵だと思うんです」
チャリティ「結局変態なんじゃない!!感心したさっきの私を返せ!!」
takeshi「な、何で変態扱いされないといけないんですか!?」
チャリティ「要するにブルマ派じゃなくてスパッツ派ってことなんでしょ!?」
takeshi「あぁ……そういえばそういう派閥対決があるんでしたね……」
マリア「私、本当に嘆かわしいわ。ゆとり世代は本物のブルマを見たことがないからどうしてもスパッツ派になってしまうのよね」
takeshi「意義あり!逆にスパッツを見たことがなくて珍しいから惹かれる可能性だってあるはずです!」
マリア「憶測は証言たり得ないわ。実際に想像してみて?ルルちゃんのブルマ姿とスパッツ姿、どっちが似合うかしら?」
takeshi「……お母様!どっちも捨てがたいです!」
マリア「そうね!これは失敗だわ!」
チャリティ「この親バカ共が……」
マリア「じゃあ想像しずらいかもしれないけど、チャリティちゃんならどう?」
チャリティ「待って?何で想像しにくいの?簡単でしょ?内股開きとかしちゃうわよ?」
takeshi「ん〜、確かにチャリティさんはブルマですね……」
マリア「でしょう?」
takeshi「でもそれって年代的要因もあると思うんですよね。こちらから質問しますが、マッティならどうですか?」
マリア「あら、なかなかやるわね。確かにマティアスちゃんはブルマよりスパッツのほうが似合うわね」
チャリティ「おい、年代的要因って何だ?享年はマッティと変わらねぇぞコラ」
takeshi「読者の皆様も自分のオリキャラはどっち派なのか想像してみてくださいね!案外面白いですよ?」
マリア「もちろん本編に出てくるこのキャラはどっち派だと思うといった意見もお待ちしているわよ?」
チャリティ「そんな変態がいたら私が木っ端微塵にぶっ飛ばしてやるわ!」
マリア「でもスパッツのどこにそんなに惹かれる要素があるのか謎だわ?」
takeshi「何ていうかお尻のラインが強調される辺りが良いんですよね。それにいかにもスポーツしてます!って感じがしますし」
チャリティ「あんたって実は胸よりお尻好きな人?」
takeshi「半年くらい前に宇宙一ダンディな男が「女はやっぱり尻じゃんよ」って言ってました」
マリア「ガルムさんがそんなことを?」
チャリティ「お父さんは語尾に「じゃんよ」とか付けないでしょ!?」
マリア「あら、そうだったわ。でもガルムさん、昔チャリティちゃんのお尻を見て世界一可愛いって言ってたわよ?これぞ黄金比だ!って」
チャリティ「せめて娘の顔を見て言いなさいよ……」
takeshi「そんなに綺麗なお尻なんですか?」
チャリティ「見んな!!」
マリア「そういえば今回は本編の話に触れてないわね」
takeshi「ラブコメをやってる時は特にこれと言って追記することがないですからねぇ」
マリア「それにしてもジーク君の空回りっぷりは酷いわね」
チャリティ「そう?結構惜しいところまで行ってると思うけど」
マリア「もう!いっそのこと私が直接ジーク君に教えてあげたいくらいだわ!」
takeshi「それこういうシーンで読者や視聴者が全員思うことですよね……」
チャリティ「もしそれが可能だとしたら何て言うつもりなの?」
マリア「そうねぇ〜。「勘違い乙」とか?」
チャリティ「それいろんな意味でジークが傷付くからやめてあげて……」
takeshi「とりあえず次回いつ更新できるか分かりませんが、次回もこの3人でお送り致します。ではまた〜」
マリア「じゃあ「とんだ勘違い野郎だな」というのはどうかしら?」
チャリティ「勘違いから離れてってば!!」
―――オマケ―――
ユーリ「で?具体的にはどうすれば良いんだ?」
エステリーゼ「叫ぶのです!心のパッションのおもむくままに!」
ユーリ「ザギィイイイイ!!!俺だーーーー!!結婚してくれーーーー!!!!」
カロル「ユーリのパッションって……」
ザギ「聞こえたぞぉおおおおお!!!ユーリ・ローウェルゥゥウウウウウウ!!!!」
リタ「ほ、本当に来た……」
ユーリはザギを召喚した。
ロイド「召喚だと!?あいつも精霊の一種か!?」
リフィル「ロイド!精霊を1人と数えずに1種と数えるなんて……成長したわね!」
リーガル「リフィル、感慨にふけっている場合ではないぞ!ロイド達が危険だ!」
ユーリ「こうなったらヤケだ!合わせろザギ!!」
ザギ「初めての共同作業上等だぁあああ!!!」
プレセア「あ、あの構えは……」
ユーリ&ザギ「「瞬間、響き合い心交わる!」」
パティ「こ、心まで交わることを許した覚えはないのじゃ!!」
《ユニゾン・アタック》
ユーリ&ザギ「「衝破!十文字!!」」
ユーリとザギの衝破十文字
相手全体に9999のダメージ!
ロイド「ぎゃああああああ!!!」
コレット「きゃああああああ!!!」
ジーニアス「ねぇ……さん……」
プレセア「そんな……」
ロイドを倒した
コレットを倒した
ジーニアスを倒した
プレセアを倒した
ユーリ達は103000の経験値を獲得!
フランベルジュを手に入れた!
ユーリ「力がみなぎるのよな!」
リタ「あんた、その喋り方何?」
ユーリ「多分魔道書みてぇな数の経験値とフランベルジュを手に入れた副作用じゃねぇか?」
カロル「あ、戻ってる」
ザギ「ユーリ!式は何時挙げる!?」
ユーリ「てめぇは突然何の話だ!?」
ザギ「結婚の話に決まっているだろうが!!」
ユーリ「ちょ、ちょっと待て!てめぇの目的は俺を倒すことじゃねぇのか?」
ザギ「確かに1人目の俺の目的はそうだったかもしれん……」
ユーリ「何?お前ってファーストチルドレンか何かなの?」
ジュディス「面倒ね。結婚ぐらいしてあげればいいじゃない」
ユーリ「は!?」
ジュディス「ザギ、ユーリが全てが終わったら迎えに行くらしいわよ」
ザギ「分かったぜ!ヒャッハー!!」
ユーリ「お、おい!」
ユーリはザギと契約を交わした。
ユーリはザギを召喚できるようになった。
カロル「契約っていうより婚約だよね……」
ザギ「いつでも呼べ!あばよ!」
ユーリ「俺……この旅が終わったら結婚するんだ……」
パティ「何……じゃと!?」
リタ「死亡フラグ立ててんじゃないわよ。そんなことより、さっきのユニゾンアタック?何で使えること知ってたわけ?」
ユーリ「知ってたんじゃねぇよ。ただパティがさっき秘奥義使っただろ?俺達はまだソーサラーリングを持ってねぇから秘奥義は使えねぇはずなのに使えたってことは世界を移動した時に戦闘システムも変わったんじゃねぇかって思ったんだ」
フレン「それで、勘でやってみたらできたというわけだね?」
ユーリ「そんなところだ」
リフィル「お話中申し訳ないのだけど、あなた達悪い人間ではなかったのね」
エステリーゼ「なぜそう思うんです?」
プレセア「勝者が正しく敗者は悪。それがテイルズだからです」
ジュディス「話が早くて助かるわ♪」
カロル「僕達はダイクっていうドワーフに頼まれてアルテッサていう人を助けに来ただけなんだよ」
パティ「あとどこかのヒロインの救出も頼まれているのじゃ!」
ロイド「親父に頼まれてたのか!」
フレン「ドワーフが父親ってことは、君もドワーフなのかい?そうは見えないけど……」
ロイド「俺は人間だぜ?」
ジーニアス「僕と姉さんはハーフエルフだよ」
エステリーゼ「ハーフエルフ!?ハーフエルフって、エルフと人間のハーフの、あのハーフエルフです!?」
リフィル「え、えぇ……そうだけど……」
リタ「大変よエステル!私達何時の間にか絵本の中に入り込んじゃったみたい!」
ジュディス「あなた……二週目になってからちょいちょいメルヘンチックね……」
リフィル「それにしても妙ね。アルテッサさんはいつ捕まったのかしら?」
プレセア「今朝元気にラジオ体操している所を見ました」
リタ「早朝にラジオ体操って、随分ジジ臭いわね……」
ユーリ「夏休みなんだから今の時期誰でもやるだろ」
エステリーゼ「夏休み?」
ユーリ「こっちの話だ」
リーガル「兎に角、捕虜になっているのならこの上の階層にある牢にいるはずだ」
リフィル「私達は世界の破壊者を探さなくてはなりません。アルテッサさんの救出はあなた達に任せてもよろしくて?」
ユーリ「構わないぜ?俺達もこれ以上戦闘になってザギを召喚したくねぇからな」
フレン「何故ザギに頼らずに勝とうと努力しないんだ君は……」
ゼロス「精々気を付けるこった。相手がどんな卑怯な罠を張ってるか分かったもんじゃないぜ」
ユーリ「卑怯な手だろうがどんな手だろうが、俺は自分の正義を貫くだけだ。少なくとも突然出没するお喋りクソ野郎よりはマシだろうよ」
ゼロス「なっ……」
ロイド「ふざけろ!!」
ゼロス「ハニー……」
ロイド「俺はなぁ……正義って言葉が一番嫌いなんだよ!!」
ゼロス「そんなこったろうと思ったぜ……」
ユーリ「てめぇの好き嫌いなんぞこっちには関係ねぇっつの」
リフィル「さ、みんな行くわよ」
コレット「は〜い」
リタ&エステリーゼ「!!!」
フレン「僕達も先を急ごうか」
ユーリ「そうだな」
リタ「エステル、さっきのコレットとかいう子の背中見た!?」
エステリーゼ「はい!綺麗な羽が生えてました!」
リタ「そういえば下の階層に天使の居住区とかいうのがあったわね……。あれってもしかして比喩とかそういうのじゃないのかしら……」
エステリーゼ「と、ということは天使は実在するっていうことです?」
リタ「ドワーフやエルフがいる世界よ。有り得ない話じゃないわね」
エステリーゼ「わ、私天使とお話してしまいました!!」
リタ「でも天使って案外アホっぽい顔してんのね」
ジュディス「2人共?いい加減に進むわよ?」
〜続く〜
takeshi「ども〜!スマブラ(3DS版)発売日が待ち遠しいtakeshiです!」
マリア「海に行きたいわね〜」
チャリティ「会話が成立してない……」
takeshi「ちょ、聞いて聞いて!この前全国でも有名っぽい花火が近所っぽい所でやってたので電車に乗って見てきたんですけど……」
マリア「海と言ったらやっぱり水着よね〜」
チャリティ「あ、うん……」
takeshi「真下から見る花火ってすごいですね!!私いつも花火って遠くから見るばっかりで、音楽に乗せて打ち上げるというのは初見だったのですが、もう圧巻ですよ!!」
マリア「チャリティちゃんはまたスク水?」
チャリティ「スク水なんて逆に持ってないから。着るならパレオとか?」
takeshi「土手の一番前が開いていたのでそこで見ていたのですが、真上に上がった花火が視界一杯に広がって、正に夜空に描かれた芸術と言った感じで首の痛さとか感じる暇もないです!」
マリア「そうよねぇ、チャリティちゃんのお尻だとビキニは目立つものねぇ」
チャリティ「ち、違うわよ!」
takeshi「今まで花火大会って心のどこかでバカにしてたんですけど、価値観が90度くらい変わりましたよ!」
マリア「だったら90度のティーバックに挑戦してみる?きっとガルムさんが発狂するでしょうけど」
チャリティ「絶っっ対に嫌!!」
takeshi「そういえばスク水で思い出したのですが」
マリア「あら何かしら?」
takeshi「スク水と肩を並べる存在として有名なブルマってあるじゃないですか。私、あれの良さっていまいち分からないんですよね」
マリア「そうなの?」
チャリティ「意外とあんたにもマトモな部分が残っていたのね!」
takeshi「海行ってティーバック履く人にマトモ云々言われたくないのですが……」
チャリティ「だから履かないって言ってんでしょ!?ていうか実際に履く人に謝んなさいよ!」
takeshi「す、すみませんでした」
マリア「許しましょう♪」
takeshi「……へ?」
チャリティ「良いから続けて」
takeshi「あ、あぁ、それでですね?私的にはスパッツって素敵だと思うんです」
チャリティ「結局変態なんじゃない!!感心したさっきの私を返せ!!」
takeshi「な、何で変態扱いされないといけないんですか!?」
チャリティ「要するにブルマ派じゃなくてスパッツ派ってことなんでしょ!?」
takeshi「あぁ……そういえばそういう派閥対決があるんでしたね……」
マリア「私、本当に嘆かわしいわ。ゆとり世代は本物のブルマを見たことがないからどうしてもスパッツ派になってしまうのよね」
takeshi「意義あり!逆にスパッツを見たことがなくて珍しいから惹かれる可能性だってあるはずです!」
マリア「憶測は証言たり得ないわ。実際に想像してみて?ルルちゃんのブルマ姿とスパッツ姿、どっちが似合うかしら?」
takeshi「……お母様!どっちも捨てがたいです!」
マリア「そうね!これは失敗だわ!」
チャリティ「この親バカ共が……」
マリア「じゃあ想像しずらいかもしれないけど、チャリティちゃんならどう?」
チャリティ「待って?何で想像しにくいの?簡単でしょ?内股開きとかしちゃうわよ?」
takeshi「ん〜、確かにチャリティさんはブルマですね……」
マリア「でしょう?」
takeshi「でもそれって年代的要因もあると思うんですよね。こちらから質問しますが、マッティならどうですか?」
マリア「あら、なかなかやるわね。確かにマティアスちゃんはブルマよりスパッツのほうが似合うわね」
チャリティ「おい、年代的要因って何だ?享年はマッティと変わらねぇぞコラ」
takeshi「読者の皆様も自分のオリキャラはどっち派なのか想像してみてくださいね!案外面白いですよ?」
マリア「もちろん本編に出てくるこのキャラはどっち派だと思うといった意見もお待ちしているわよ?」
チャリティ「そんな変態がいたら私が木っ端微塵にぶっ飛ばしてやるわ!」
マリア「でもスパッツのどこにそんなに惹かれる要素があるのか謎だわ?」
takeshi「何ていうかお尻のラインが強調される辺りが良いんですよね。それにいかにもスポーツしてます!って感じがしますし」
チャリティ「あんたって実は胸よりお尻好きな人?」
takeshi「半年くらい前に宇宙一ダンディな男が「女はやっぱり尻じゃんよ」って言ってました」
マリア「ガルムさんがそんなことを?」
チャリティ「お父さんは語尾に「じゃんよ」とか付けないでしょ!?」
マリア「あら、そうだったわ。でもガルムさん、昔チャリティちゃんのお尻を見て世界一可愛いって言ってたわよ?これぞ黄金比だ!って」
チャリティ「せめて娘の顔を見て言いなさいよ……」
takeshi「そんなに綺麗なお尻なんですか?」
チャリティ「見んな!!」
マリア「そういえば今回は本編の話に触れてないわね」
takeshi「ラブコメをやってる時は特にこれと言って追記することがないですからねぇ」
マリア「それにしてもジーク君の空回りっぷりは酷いわね」
チャリティ「そう?結構惜しいところまで行ってると思うけど」
マリア「もう!いっそのこと私が直接ジーク君に教えてあげたいくらいだわ!」
takeshi「それこういうシーンで読者や視聴者が全員思うことですよね……」
チャリティ「もしそれが可能だとしたら何て言うつもりなの?」
マリア「そうねぇ〜。「勘違い乙」とか?」
チャリティ「それいろんな意味でジークが傷付くからやめてあげて……」
takeshi「とりあえず次回いつ更新できるか分かりませんが、次回もこの3人でお送り致します。ではまた〜」
マリア「じゃあ「とんだ勘違い野郎だな」というのはどうかしら?」
チャリティ「勘違いから離れてってば!!」
―――オマケ―――
ユーリ「で?具体的にはどうすれば良いんだ?」
エステリーゼ「叫ぶのです!心のパッションのおもむくままに!」
ユーリ「ザギィイイイイ!!!俺だーーーー!!結婚してくれーーーー!!!!」
カロル「ユーリのパッションって……」
ザギ「聞こえたぞぉおおおおお!!!ユーリ・ローウェルゥゥウウウウウウ!!!!」
リタ「ほ、本当に来た……」
ユーリはザギを召喚した。
ロイド「召喚だと!?あいつも精霊の一種か!?」
リフィル「ロイド!精霊を1人と数えずに1種と数えるなんて……成長したわね!」
リーガル「リフィル、感慨にふけっている場合ではないぞ!ロイド達が危険だ!」
ユーリ「こうなったらヤケだ!合わせろザギ!!」
ザギ「初めての共同作業上等だぁあああ!!!」
プレセア「あ、あの構えは……」
ユーリ&ザギ「「瞬間、響き合い心交わる!」」
パティ「こ、心まで交わることを許した覚えはないのじゃ!!」
《ユニゾン・アタック》
ユーリ&ザギ「「衝破!十文字!!」」
ユーリとザギの衝破十文字
相手全体に9999のダメージ!
ロイド「ぎゃああああああ!!!」
コレット「きゃああああああ!!!」
ジーニアス「ねぇ……さん……」
プレセア「そんな……」
ロイドを倒した
コレットを倒した
ジーニアスを倒した
プレセアを倒した
ユーリ達は103000の経験値を獲得!
フランベルジュを手に入れた!
ユーリ「力がみなぎるのよな!」
リタ「あんた、その喋り方何?」
ユーリ「多分魔道書みてぇな数の経験値とフランベルジュを手に入れた副作用じゃねぇか?」
カロル「あ、戻ってる」
ザギ「ユーリ!式は何時挙げる!?」
ユーリ「てめぇは突然何の話だ!?」
ザギ「結婚の話に決まっているだろうが!!」
ユーリ「ちょ、ちょっと待て!てめぇの目的は俺を倒すことじゃねぇのか?」
ザギ「確かに1人目の俺の目的はそうだったかもしれん……」
ユーリ「何?お前ってファーストチルドレンか何かなの?」
ジュディス「面倒ね。結婚ぐらいしてあげればいいじゃない」
ユーリ「は!?」
ジュディス「ザギ、ユーリが全てが終わったら迎えに行くらしいわよ」
ザギ「分かったぜ!ヒャッハー!!」
ユーリ「お、おい!」
ユーリはザギと契約を交わした。
ユーリはザギを召喚できるようになった。
カロル「契約っていうより婚約だよね……」
ザギ「いつでも呼べ!あばよ!」
ユーリ「俺……この旅が終わったら結婚するんだ……」
パティ「何……じゃと!?」
リタ「死亡フラグ立ててんじゃないわよ。そんなことより、さっきのユニゾンアタック?何で使えること知ってたわけ?」
ユーリ「知ってたんじゃねぇよ。ただパティがさっき秘奥義使っただろ?俺達はまだソーサラーリングを持ってねぇから秘奥義は使えねぇはずなのに使えたってことは世界を移動した時に戦闘システムも変わったんじゃねぇかって思ったんだ」
フレン「それで、勘でやってみたらできたというわけだね?」
ユーリ「そんなところだ」
リフィル「お話中申し訳ないのだけど、あなた達悪い人間ではなかったのね」
エステリーゼ「なぜそう思うんです?」
プレセア「勝者が正しく敗者は悪。それがテイルズだからです」
ジュディス「話が早くて助かるわ♪」
カロル「僕達はダイクっていうドワーフに頼まれてアルテッサていう人を助けに来ただけなんだよ」
パティ「あとどこかのヒロインの救出も頼まれているのじゃ!」
ロイド「親父に頼まれてたのか!」
フレン「ドワーフが父親ってことは、君もドワーフなのかい?そうは見えないけど……」
ロイド「俺は人間だぜ?」
ジーニアス「僕と姉さんはハーフエルフだよ」
エステリーゼ「ハーフエルフ!?ハーフエルフって、エルフと人間のハーフの、あのハーフエルフです!?」
リフィル「え、えぇ……そうだけど……」
リタ「大変よエステル!私達何時の間にか絵本の中に入り込んじゃったみたい!」
ジュディス「あなた……二週目になってからちょいちょいメルヘンチックね……」
リフィル「それにしても妙ね。アルテッサさんはいつ捕まったのかしら?」
プレセア「今朝元気にラジオ体操している所を見ました」
リタ「早朝にラジオ体操って、随分ジジ臭いわね……」
ユーリ「夏休みなんだから今の時期誰でもやるだろ」
エステリーゼ「夏休み?」
ユーリ「こっちの話だ」
リーガル「兎に角、捕虜になっているのならこの上の階層にある牢にいるはずだ」
リフィル「私達は世界の破壊者を探さなくてはなりません。アルテッサさんの救出はあなた達に任せてもよろしくて?」
ユーリ「構わないぜ?俺達もこれ以上戦闘になってザギを召喚したくねぇからな」
フレン「何故ザギに頼らずに勝とうと努力しないんだ君は……」
ゼロス「精々気を付けるこった。相手がどんな卑怯な罠を張ってるか分かったもんじゃないぜ」
ユーリ「卑怯な手だろうがどんな手だろうが、俺は自分の正義を貫くだけだ。少なくとも突然出没するお喋りクソ野郎よりはマシだろうよ」
ゼロス「なっ……」
ロイド「ふざけろ!!」
ゼロス「ハニー……」
ロイド「俺はなぁ……正義って言葉が一番嫌いなんだよ!!」
ゼロス「そんなこったろうと思ったぜ……」
ユーリ「てめぇの好き嫌いなんぞこっちには関係ねぇっつの」
リフィル「さ、みんな行くわよ」
コレット「は〜い」
リタ&エステリーゼ「!!!」
フレン「僕達も先を急ごうか」
ユーリ「そうだな」
リタ「エステル、さっきのコレットとかいう子の背中見た!?」
エステリーゼ「はい!綺麗な羽が生えてました!」
リタ「そういえば下の階層に天使の居住区とかいうのがあったわね……。あれってもしかして比喩とかそういうのじゃないのかしら……」
エステリーゼ「と、ということは天使は実在するっていうことです?」
リタ「ドワーフやエルフがいる世界よ。有り得ない話じゃないわね」
エステリーゼ「わ、私天使とお話してしまいました!!」
リタ「でも天使って案外アホっぽい顔してんのね」
ジュディス「2人共?いい加減に進むわよ?」
〜続く〜