第72話『闇と意地』
ぎらつく太陽の下で砂埃を巻き上げながらヴェイグ達はファルブと交戦していた。
ジーク、ルル、カイン、ヴェイグの4人が足並みを揃えてファルブに突っ込む。
「ガッハハ!4人で足りるのか!?」
ファルブは猛進しながらも大鎌を前方に振るう。
すると横凪の風圧が4人を襲い吹き飛ばされてしまう。
「やるわね……」
吹き飛んだ4人を追撃しようともせずに突っ込んでくるファルブを見据えてフィオナが扇を開く。
同じ横のラインにはブライト、ティトレイ、ジンがいる。
「まずは俺が行くよ」
ジンは剣を構えファルブに突っ込む。
「4人で止められねぇのに、1人で俺を止められるわけねぇだろうが!」
ジンは気にせずに剣を振り下ろす。
「無駄だぁ!」
対するファルブも鎌を斜めに振り下ろすとジンの剣をひっかけ、そのまま振りぬくことでジンを受け流す。
直後、ティトレイの飛び蹴りが顔面に飛来するが、それを姿勢を少し低くすることで回避すると、ティトレイは頭上を通り過ぎ、ファルブは突進を続ける。
「何ィ!?」
唖然とするティトレイをよそにファルブは走りながら自分の身体の前で鎌を扇風機の羽のようにくるくる高速で回し始める。
すると、そこへブライトの弾丸の嵐が飛来するが全て弾かれてしまう。
「ウィンドスラッシュ!!」
アニーの陣術によって術攻撃力も上昇しているフィオナの風がファルブに追撃をかける。
「ガッハハ!効かん効かん!!」
ファルブは尚も大鎌を回転させながら突っ込むと、弾丸や風の刃さえも弾き飛ばした。
「どけい!」
結局、ファルブの接近を許してしまったフィオナとブライトはファルブのブルドーザーのようなタックルにより吹き飛ばされてしまった。
「お願いします。パワークラフト!」
既に後方へと下がっていたアニーが攻撃力を上げるための陣を描く。
その中にはユージーンがいる。
ユージーンは槍を構えたまま雄叫びを上げ、気合が高まるのと同時にファルブを迎え撃つ。
槍と大鎌が衝突する。
「お前で最後か!ユージーン・ガラルド!」
「むおおおおお!!!」
ギチギチと音を立てながら、力が拮抗する。
なんとかユージーンがファルブの猛進を止めたがそのすぐ後ろではヒルダとマオが詠唱している。
ファルブが走り始めた当初、マオとヒルダは下級導術を詠唱していた。
だが最初の4人が簡単に吹き飛ばされたのを目にして下級導術では足止めにもならないと判断した2人は急遽上級導術に切り替えた。
だが、最初に下級導術を詠唱していた分タイムロスがあり、なかなか詠唱が終わらずにいた。
「あんたは今ここですぐに殺してやりてぇが、まずはヒルダだ!」
ファルブは一旦ユージーンと距離を取る。
「地鍔陣!!」
ファルブは鎌の柄の部分と右足で同時に地面を強打する。
すると、ファルブの中心に地震が起こり、その波動により円を描くように地面が隆起した。
「くっ」
波動と隆起に巻き込まれたヒルダは膝を突き、ユージーンやマオも同様にダメージを負っていた。
「やっぱり狙いはヒルダかよ!」
ターンしてきたティトレイがファルブに拳を振りかぶる。
ファルブはそれを空いている左手で掴むと、簡単に放り投げる。
「当然だろうが!どうせお前達は俺の弱点の光を狙ってくるんだろ!?だったら先に潰すだろ!」
そう、ファルブの場合は他の6芒星と違って弱点が分かりきっている。
故に最初から狙いは決まっていた。
飛んでいくティトレイを尻目に、眼を金色に光らせたジンがファルブと剣を交える。
「フィオナと同じで、戦闘センスだけは抜群だね」
ファルブは横凪に大鎌を振るうとジンはそれを跳躍して回避する。
そのまま回転しながら遠心力を付加させて叩き切る。
しかしファルブはバックステップするとジンの剣は地面を切り裂き、ファルブの剣圧がジンを襲う。
「私をそんなやつと比べるんじゃないわよ!!」
フィオナは突風を巻き起こすとジンは咄嗟に地面に伏せた。
するとジンの真上にて突風と剣圧が交錯した。
「飛燕連脚!」
今度は先程吹き飛ばしたはずのジークがもう復帰してきたためファルブは振り返り様に鎌を振り、予想よりも接近を許していたため刃ではなく柄の部分でジークを地面に叩き落とす。
「飛天翔駆!」
続けて、前方斜め上空からカインが急降下してきたため、それも同様に凪ぎ落とした。
しかし、
「瞬迅槍!」
「裂駆槍!」
「サイクロン!」
前方からはルルが如意棒を突き出し、横からはユージーンが駆けながら槍を振り回し、後方からはフィオナの竜巻が襲ってくる。
完全に逃げ場は無いうえに、防御しようにも全てを同時に防ぐのは不可能である。
「しゃらくせぇ!!」
ファルブは鎌の柄の部分を地面に突き刺す。
「業・地鍔陣!!」
先程の技と同様にファルブを震源地にして円を描くように振動が伝わっていくが、今度は地割れと共にその裂け目から闇の波動が噴出しフィオナの竜巻や付近にいたジーク、カインは当然、攻撃をしかけた3人は闇に裂かれた。
「ぐあああああ!!!」
地震による衝撃と、闇の波動。
ジーク達はガドリングをくらいながら刃にて切り裂かれているような感覚だった。
しかし、おかげで時間は十分に稼げた。
「グラビティ!」
まずはファルブの足を止めるために半径5m範囲に重力場を発生させる。
さすがに一瞬で5mを移動できないファルブは見えない圧力に押しつぶされ、それでも抗うかのように立ち続ける。
「こ、こんなもの……」
「降り注げ閃光、我が敵を葬れ」
そこへヒルダの詠唱が終わる。
「シャイニングレイ!」
ヒルダは腕をクロスさせる。
「こんなものぉ!」
ファルブは気合で大鎌を振るうと、重力場を切り裂いた。
「何!?」
ブライトが驚愕している間にもファルブの頭上に光の雲が収束していき、その間にファルブは転がるようにその場を離れる。
すると、ファルブの足をかすめながら光の閃光が降り注いだ。
「あ、危なかったぜ〜」
ファルブの冷や汗が地面に落ちた瞬間、マオがトンファーを天に掲げる。
「バーンストライク!」
ヒルダのシャイニングレイをくらってもまだ立っていた場合に備えて詠唱していたことがこんな場面で役に立つとはマオも思っていなかった。
ヒルダのシャイニングレイでマオが詠唱していた声が消されていたことも幸いした。
「こんなもの切り刻んでくれるわ!」
ファルブは膝を突いた状態から大鎌を担ぎながら立ち上がろうとする。
「ぐっ!?」
しかし膝に力が入らず立ち上がることができなかった。
(王の剣と遊びすぎたか……)
ファルブが奥歯を噛み締めている間にも火炎球がファルブを襲う。
「ぐおおお!!!」
3つの火炎弾がファルブの体を焼き払う。
「あっちぃな…くそっ」
全身から煙を上げながら、ファルブは鎌を杖代わりにして立ち上がる。
「絶氷斬!」
敵とはいえ情けをかければこちらがやられる。
ヴェイグが氷を纏った大剣を振り下ろすと、ファルブの肩から腰にかけて切り裂いた。
「ぐっはぁ!」
ファルブは血を流しながら後ろによろける。
さすが屈強な体をもつガジュマなだけあって、これだけやってもまだ致命傷にならない。
だが弱点を狙えずともダメージは入っている。
こちらも被害は大きいが以前城の屋上で戦った時と比べれば十分に戦えている。
「むぉおおおお!!!」
更に追い討ちをかけるべくユージーンが槍を突き出す。
「ぬるぁああああ!!!」
ファルブはユージーンの声を聞いた瞬間、眼を見開き、即座に振り返るとユージーンの槍を左手で掴んだ。
眼は血走っており、槍の先端を掴んでいるため掌からも流血する。
おそらく大鎌の細い柄で受け止めるだけの集中力が無かったのだろうが、それでもユージーンの猛攻を受け止めたことによりヴェイグに受けた傷口から血がどばどばと溢れ出す。
「お、お前には……」
ファルブは息を切らし、肩で呼吸しながらも言葉を紡ぐ。
「お前にはもう負けられねぇんだよぉ!ユージーン・ガラルドォ!!」
ファルブは抑えていた槍を自分の脇に引き寄せるとユージーンもつられてファルブに接近する。
そこへファルブが片手で大鎌を振り上げるのと同時にユージーンの胴を縦に切り裂く。
「ぐおっ!!」
ユージーンの鎧は鋼のフォルスにより硬化されており、肉体まで貫通されなかったが、鋼の鎧に縦に亀裂が入った。
斬撃の衝撃によりファルブとの距離が少し空いたユージーンは膝を突きながら槍を拾う。
「何故俺に固執する?」
「ガッハハ……んなもん意地だ意地」
少し回復したジークやティトレイがゆっくり立ち上がり、ファルブを囲む。
「俺様も全快だったら楽勝だったんだが、こっちの方が楽しいから良しとするか」
ファルブは笑みを浮かべ、傷口を抑えながらも鎌を地面に突き刺す。
ファルブの範囲攻撃を警戒してヴェイグ達は距離をとったままファルブに意識を集中する。
「ガッハハ!今から俺様の本気を見せてやるからすぐに死ぬんじゃねぇぞ!!」
ファルブから黒い霧が立ち上ると、ファルブはそれをオーラのように纏い始めた。
「思念の力か……」
ヴェイグは大剣のグリップを握り締める。
ギュナルスと戦闘していた時、彼がこの力を行使した途端に一気に形勢が逆転し全滅の危機に瀕したのはまだ記憶に新しい。
「ダークガーデン!!」
ファルブは地面に手を突く。
すると次の瞬間、ヴェイグの目の前は真っ暗になった。
〜続く〜
ジーク、ルル、カイン、ヴェイグの4人が足並みを揃えてファルブに突っ込む。
「ガッハハ!4人で足りるのか!?」
ファルブは猛進しながらも大鎌を前方に振るう。
すると横凪の風圧が4人を襲い吹き飛ばされてしまう。
「やるわね……」
吹き飛んだ4人を追撃しようともせずに突っ込んでくるファルブを見据えてフィオナが扇を開く。
同じ横のラインにはブライト、ティトレイ、ジンがいる。
「まずは俺が行くよ」
ジンは剣を構えファルブに突っ込む。
「4人で止められねぇのに、1人で俺を止められるわけねぇだろうが!」
ジンは気にせずに剣を振り下ろす。
「無駄だぁ!」
対するファルブも鎌を斜めに振り下ろすとジンの剣をひっかけ、そのまま振りぬくことでジンを受け流す。
直後、ティトレイの飛び蹴りが顔面に飛来するが、それを姿勢を少し低くすることで回避すると、ティトレイは頭上を通り過ぎ、ファルブは突進を続ける。
「何ィ!?」
唖然とするティトレイをよそにファルブは走りながら自分の身体の前で鎌を扇風機の羽のようにくるくる高速で回し始める。
すると、そこへブライトの弾丸の嵐が飛来するが全て弾かれてしまう。
「ウィンドスラッシュ!!」
アニーの陣術によって術攻撃力も上昇しているフィオナの風がファルブに追撃をかける。
「ガッハハ!効かん効かん!!」
ファルブは尚も大鎌を回転させながら突っ込むと、弾丸や風の刃さえも弾き飛ばした。
「どけい!」
結局、ファルブの接近を許してしまったフィオナとブライトはファルブのブルドーザーのようなタックルにより吹き飛ばされてしまった。
「お願いします。パワークラフト!」
既に後方へと下がっていたアニーが攻撃力を上げるための陣を描く。
その中にはユージーンがいる。
ユージーンは槍を構えたまま雄叫びを上げ、気合が高まるのと同時にファルブを迎え撃つ。
槍と大鎌が衝突する。
「お前で最後か!ユージーン・ガラルド!」
「むおおおおお!!!」
ギチギチと音を立てながら、力が拮抗する。
なんとかユージーンがファルブの猛進を止めたがそのすぐ後ろではヒルダとマオが詠唱している。
ファルブが走り始めた当初、マオとヒルダは下級導術を詠唱していた。
だが最初の4人が簡単に吹き飛ばされたのを目にして下級導術では足止めにもならないと判断した2人は急遽上級導術に切り替えた。
だが、最初に下級導術を詠唱していた分タイムロスがあり、なかなか詠唱が終わらずにいた。
「あんたは今ここですぐに殺してやりてぇが、まずはヒルダだ!」
ファルブは一旦ユージーンと距離を取る。
「地鍔陣!!」
ファルブは鎌の柄の部分と右足で同時に地面を強打する。
すると、ファルブの中心に地震が起こり、その波動により円を描くように地面が隆起した。
「くっ」
波動と隆起に巻き込まれたヒルダは膝を突き、ユージーンやマオも同様にダメージを負っていた。
「やっぱり狙いはヒルダかよ!」
ターンしてきたティトレイがファルブに拳を振りかぶる。
ファルブはそれを空いている左手で掴むと、簡単に放り投げる。
「当然だろうが!どうせお前達は俺の弱点の光を狙ってくるんだろ!?だったら先に潰すだろ!」
そう、ファルブの場合は他の6芒星と違って弱点が分かりきっている。
故に最初から狙いは決まっていた。
飛んでいくティトレイを尻目に、眼を金色に光らせたジンがファルブと剣を交える。
「フィオナと同じで、戦闘センスだけは抜群だね」
ファルブは横凪に大鎌を振るうとジンはそれを跳躍して回避する。
そのまま回転しながら遠心力を付加させて叩き切る。
しかしファルブはバックステップするとジンの剣は地面を切り裂き、ファルブの剣圧がジンを襲う。
「私をそんなやつと比べるんじゃないわよ!!」
フィオナは突風を巻き起こすとジンは咄嗟に地面に伏せた。
するとジンの真上にて突風と剣圧が交錯した。
「飛燕連脚!」
今度は先程吹き飛ばしたはずのジークがもう復帰してきたためファルブは振り返り様に鎌を振り、予想よりも接近を許していたため刃ではなく柄の部分でジークを地面に叩き落とす。
「飛天翔駆!」
続けて、前方斜め上空からカインが急降下してきたため、それも同様に凪ぎ落とした。
しかし、
「瞬迅槍!」
「裂駆槍!」
「サイクロン!」
前方からはルルが如意棒を突き出し、横からはユージーンが駆けながら槍を振り回し、後方からはフィオナの竜巻が襲ってくる。
完全に逃げ場は無いうえに、防御しようにも全てを同時に防ぐのは不可能である。
「しゃらくせぇ!!」
ファルブは鎌の柄の部分を地面に突き刺す。
「業・地鍔陣!!」
先程の技と同様にファルブを震源地にして円を描くように振動が伝わっていくが、今度は地割れと共にその裂け目から闇の波動が噴出しフィオナの竜巻や付近にいたジーク、カインは当然、攻撃をしかけた3人は闇に裂かれた。
「ぐあああああ!!!」
地震による衝撃と、闇の波動。
ジーク達はガドリングをくらいながら刃にて切り裂かれているような感覚だった。
しかし、おかげで時間は十分に稼げた。
「グラビティ!」
まずはファルブの足を止めるために半径5m範囲に重力場を発生させる。
さすがに一瞬で5mを移動できないファルブは見えない圧力に押しつぶされ、それでも抗うかのように立ち続ける。
「こ、こんなもの……」
「降り注げ閃光、我が敵を葬れ」
そこへヒルダの詠唱が終わる。
「シャイニングレイ!」
ヒルダは腕をクロスさせる。
「こんなものぉ!」
ファルブは気合で大鎌を振るうと、重力場を切り裂いた。
「何!?」
ブライトが驚愕している間にもファルブの頭上に光の雲が収束していき、その間にファルブは転がるようにその場を離れる。
すると、ファルブの足をかすめながら光の閃光が降り注いだ。
「あ、危なかったぜ〜」
ファルブの冷や汗が地面に落ちた瞬間、マオがトンファーを天に掲げる。
「バーンストライク!」
ヒルダのシャイニングレイをくらってもまだ立っていた場合に備えて詠唱していたことがこんな場面で役に立つとはマオも思っていなかった。
ヒルダのシャイニングレイでマオが詠唱していた声が消されていたことも幸いした。
「こんなもの切り刻んでくれるわ!」
ファルブは膝を突いた状態から大鎌を担ぎながら立ち上がろうとする。
「ぐっ!?」
しかし膝に力が入らず立ち上がることができなかった。
(王の剣と遊びすぎたか……)
ファルブが奥歯を噛み締めている間にも火炎球がファルブを襲う。
「ぐおおお!!!」
3つの火炎弾がファルブの体を焼き払う。
「あっちぃな…くそっ」
全身から煙を上げながら、ファルブは鎌を杖代わりにして立ち上がる。
「絶氷斬!」
敵とはいえ情けをかければこちらがやられる。
ヴェイグが氷を纏った大剣を振り下ろすと、ファルブの肩から腰にかけて切り裂いた。
「ぐっはぁ!」
ファルブは血を流しながら後ろによろける。
さすが屈強な体をもつガジュマなだけあって、これだけやってもまだ致命傷にならない。
だが弱点を狙えずともダメージは入っている。
こちらも被害は大きいが以前城の屋上で戦った時と比べれば十分に戦えている。
「むぉおおおお!!!」
更に追い討ちをかけるべくユージーンが槍を突き出す。
「ぬるぁああああ!!!」
ファルブはユージーンの声を聞いた瞬間、眼を見開き、即座に振り返るとユージーンの槍を左手で掴んだ。
眼は血走っており、槍の先端を掴んでいるため掌からも流血する。
おそらく大鎌の細い柄で受け止めるだけの集中力が無かったのだろうが、それでもユージーンの猛攻を受け止めたことによりヴェイグに受けた傷口から血がどばどばと溢れ出す。
「お、お前には……」
ファルブは息を切らし、肩で呼吸しながらも言葉を紡ぐ。
「お前にはもう負けられねぇんだよぉ!ユージーン・ガラルドォ!!」
ファルブは抑えていた槍を自分の脇に引き寄せるとユージーンもつられてファルブに接近する。
そこへファルブが片手で大鎌を振り上げるのと同時にユージーンの胴を縦に切り裂く。
「ぐおっ!!」
ユージーンの鎧は鋼のフォルスにより硬化されており、肉体まで貫通されなかったが、鋼の鎧に縦に亀裂が入った。
斬撃の衝撃によりファルブとの距離が少し空いたユージーンは膝を突きながら槍を拾う。
「何故俺に固執する?」
「ガッハハ……んなもん意地だ意地」
少し回復したジークやティトレイがゆっくり立ち上がり、ファルブを囲む。
「俺様も全快だったら楽勝だったんだが、こっちの方が楽しいから良しとするか」
ファルブは笑みを浮かべ、傷口を抑えながらも鎌を地面に突き刺す。
ファルブの範囲攻撃を警戒してヴェイグ達は距離をとったままファルブに意識を集中する。
「ガッハハ!今から俺様の本気を見せてやるからすぐに死ぬんじゃねぇぞ!!」
ファルブから黒い霧が立ち上ると、ファルブはそれをオーラのように纏い始めた。
「思念の力か……」
ヴェイグは大剣のグリップを握り締める。
ギュナルスと戦闘していた時、彼がこの力を行使した途端に一気に形勢が逆転し全滅の危機に瀕したのはまだ記憶に新しい。
「ダークガーデン!!」
ファルブは地面に手を突く。
すると次の瞬間、ヴェイグの目の前は真っ暗になった。
〜続く〜
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【楽談パート???】
作者スマブラのため休載します
作者スマブラのため休載します