第77話『すきっとだらけ・ご』
【スキット1・Over18 Under20】
ティトレイ「リンゴうめぇ〜!」
ヴェイグ「今日はいちだんと食べるな」
ジーク「今何個目だよ?丸かじりでよく飽きねぇな」
ティトレイ「チッチッチ!このかぶりついて食べるのが良いんじゃねぇか!」
ジーク「調理し甲斐のないやつめ……」
フィオナ「ジークならこのリンゴを使って何を作るの?」
ジーク「そうだな、量もあるしアップルパイとか作ってみるか」
フィオナ(こんな暑い場所で焼きたては流石に食べたくないわね……)
カイト「こんな暑い場所でパイはちょっと……」
ジーク「それもそうか……。じゃあリンゴを凍らせてシャーベットにするのはどうだ?」
ティトレイ「グッドアイデアだぜジーク!早速凍らせようぜ!」
カイン「丸かじりはもう良いんだ……。でもどうやって凍らせるの?アニカマルは氷とか貴重だから氷嚢(ひょうのう)とか簡単に貸してくれないんじゃない?」
ティトレイ「そこはヴェイグ、頼んだぜ!」
ヴェイグ「ヒトのフォルスを調理器具にするな」
フィオナ「……」
ジーク「どうした?フィオナ。そんなにシャーベットが食べたかったのか?」
フィオナ「えっ、そ、そんな訳ないでしょ!?」
ヴェイグ「フォオナがそこまで熱望してたとはな……。任せろ、すぐに凍らせる」
フィオナ「だから違うって言ってるでしょ!!腕まくりとかしなくて良いから!!」
カイト「凍らせたら砕くための道具が必要だよね。臼とか借りられないか聞いてくるよ」
カイン「じゃあ僕が運ぶの手伝うね」
フィオナ「だ〜か〜ら〜!!誰か私の話を聞いて!!」
ティトレイ「早めに頼むぜ〜」
【スキット2・代価】
ティトレイ「そろそろリンゴにも飽きてきたかもな〜」
ブライト「あ?ティトレイ1人か?さっきまで大勢で騒いでいたような声がしてた気がするんだが……」
ティトレイ「ジーク達ならシャーベットを作りに行ったぜ?」
アニー「ジークさんらしいですね♪」
ブライト「つうかティトレイ、お前今それでリンゴ何個目だ?」
ティトレイ「なんだよ藪から棒に。えぇっと……10個越えたのは確かなんだが〜……15?いや18か?」
ブライト「も、もういいもういい!そんだけ食べてることが分かれば十分だ!」
ティトレイ「リンゴを食べた数が何か問題なのか?」
ブライト「まぁ単純問題として、食べすぎはよくねぇってことなんだが……」
ティトレイ「んなもん仕方ねぇだろ?無性に腹減ってるんだからよぉ」
アニー「ティトレイさん、重要なのはそこなんです。今のティトレイさんはお腹が減り過ぎなんです」
ティトレイ「そ、そうなのか!?」
ブライト「無自覚ってのもどうなんだ……?」
アニー「一応質問しますが、今無性にお腹が空くと言いましたが、同時に喉も渇いていませんか?」
ティトレイ「何で分かったんだアニー!?さっきから喉が渇いてしょうがなかったんだ!それでも今はかなり落ち着いたぜ?」
アニー「リンゴは大量の水分を含んでますから調度良かったんだと思います。逆に言えば、それだけティトレイさんの身体がリンゴを欲していたということなんです」
ティトレイ「な、なぁアニー……もしかして俺、何かの病気なのか?」
アニー「あ、いえ、病気とかではないんです。でも極度のフォルスの使いすぎが原因なのは確かです」
ブライト「物質を生み出せないはずの闇の空間でお前だけ樹を出せただろ?あの時俺はティトレイが無から有を生み出すタイプの能力者かと思ったがそうじゃなかった。お前は自分の身体の水分や栄養を原料にして樹を生み出してたって訳だ」
アニー「私も、ティトレイさんの今の様子を見てそう確信しました。ティトレイさん、危ないところだったんですよ?」
ティトレイ「マジかよ……全然気付かなかったぜ」
ブライト「だが今のうちに気付けて良かったじゃねぇか!今後は気をつけろよ!」
ティトレイ「おうよ!」
【スキット3・擦れ違う心】
フィオナ「ね、ねぇジーク。もしかして私の『声』……聞こえてなかったりする?」
ジーク「もしかしてさっきのこと気にしてんのか?」
フィオナ「聞こえてたの!?」
ジーク「当たり前だろうが。あんだけ大声で違うとか怒鳴られれば誰だって聞こえるっつうの」
フィオナ「……それじゃないわ」
ジーク「違うのか?他に何か言ってたか?」
フィオナ「ねぇ、本当に聞こえないの?本当に聞こえてないの?」
ジーク「だから聞こえてるっつってんだろうが。今もフィオナの声が聞こえてるからこうして会話できてるんだろ」
フィオナ「そうじゃなくて!!私の『声』のフォルスが聞こえてないのかきいてるのよ!!」
ジーク「……そっちか」
フィオナ「どうなの?」
ジーク「聞こえてねぇよ」
フィオナ「う、嘘……何で?いつから?」
ジーク「覚えてねぇな」
フィオナ「な、何でそんな平気な顔していられるのよ?あんたはショックじゃないの?」
ジーク「ショックかどうかは置いとくとして、ヒトの心の声なんて聞こえないのが普通だし、お前も余計な事まで聞かれて迷惑がってたじゃねぇか」
フィオナ「それは……そうだけど……」
ジーク「伝えたいことがあれば言葉で直接伝えれば良い。そのために俺達は会話をするし、それがヒトってもんだ。だから……そんな泣きそうな顔すんなよ」
フィオナ「うん……」
【スキット3・Under16】
ニノン「そ、それにしてもファルブさんのフォルスってすごいんですね」
ルル「ニノンもしかして近くにいたの!?ダメだよ近付いちゃ!危ないよ!?」
ニノン「や、宿屋で手当てしてただけなんだけど……ごめん」
ルル「あ、そうなの!?私こそ勝手に勘違いしちゃってごめんね!」
マオ「宿屋の中からでもファルブのフォルスが見えたってこと?」
ニノン「や、宿屋で手当てしてたら黒いモヤモヤしたものがざわわわ〜って近付いてきたからカイトさんに逃げようって言われて外に逃げたの。そしたらルル達が戦っている場所からモヤモヤしたものがモクモク膨らんできてたの!」
ニノン「そ、それで皆でキャーってなってる時に空からビュンって光が降ってきてドッカンッパーってなったの!」
アニー「なるほど、外からはそういうふうに見えていたんですね」
ニノン「それが二回もあったんだけど、ル、ルル達が無事で本当に良かった……」
ルル「一回目はファルブが自分でパッと作った時だね!あの時もシーンとしてて大変だったんだよ!ニョキニョキしたりバチバチしたりジュージューしたり大忙しだったんだから!」
マオ「でも最後にヒルダがズガガガガガーン!!ってやってくれたから出られたんだよネ!」
ニノン「パリーンってなったの見た!あれがそうだったんだ〜」
ユージーン「ヒルダ、すまないが古代カレギア語の翻訳を頼めないか?」
ヒルダ「残念だけど、あの子達の言葉は専門外よ」
【スキット4・馬に角さえ付いてれば一角獣】
ユージーン「ここも大丈夫そうだな」
ジン「ユージーン、何のチェックしてんの?」
ユージーン「ここの店主には失礼だが衛生面の点検をしていた」
ジン「いつもそんなことしてないよね?何でここだけ?」
ユージーン「はるか昔だがこの村はデスガロ熱という死病が発生した村でな。今はその菌は死滅しているのだが、以前ここに来る時に通ったカレーズという地下水路を覚えているか?」
ジン「覚えてるよ。砂漠越えは厳しいからって通った地下の涼しい通路だよね?」
ユージーン「そうだ。実はそこにデスガロ熱の原因となる菌が密かに眠っていたようでな、2年前ここを訪れた時アニーがデスガロ熱にかかってしまった」
ジン「死病って言ったよね?よく助かったね……」
ユージーン「リブガロの角を煎じて飲めば治るという情報をたまたま入手してな。それで助かったのだが……」
ジン「不安だから念のためチェックしてる訳ね。心配性だね〜」
ユージーン「むぅ……」
ブライト「リブガロっていやぁ幻のバイラスじゃなかったか?実在すんのかよ?」
アニー「確かオアシスにいたんですよね。全身金色の馬の体と立派な角をもつバイラス、私も一度見てみたかったな」
ヒルダ「すぐに逃げるから倒すのに苦労したわ」
ルル「倒しちゃったの!?」
ヒルダ「そりゃあ角を取らないと病気を治す薬を作れないんだもの。倒すしかないでしょ?」
ブライト「それもそうだな」
ルル「湖のほとりに現れる一角獣って、昔読んでもらった本に出てきたユニコーンみたい」
ニノン「わ、私も読んだことあります!純情な乙女の前にしか姿を現さないんですよね?」
ヒルダ「リブガロはそんな幻想的なものじゃなかったわよ?」
アニー「ヒ、ヒルダさん……」
ジン「じゃあさ、もしリブガロに乗った王子様が迎えに来てくれたらルル達は乗ってく?」
ルル「金ピカの馬に乗ってくる王子様は嫌だな〜」
ニノン「成金のお坊ちゃまみたいです……」
ジン「それはダメなんだ……」
ヒルダ「ニノンが毒を吐くってことは相当よ?」
【スキット5・トライアングラーならぬサークラー】
フィオナ「ジーク!やっぱり不便じゃない!?私の『声』が聞こえないと不便じゃない!?またファルブの空間に引きずりこまれたら面倒よ!?」
ジーク「こうやって話ができてんだから不便じゃねぇよ!それとも、それは俺と直接話したくないって遠まわしに言ってんのか?」
フィオナ「違うわよ!ほら!こうやって話してても全然私の本心伝わってないじゃない!」
ジーク「だったらその本心とやらを直接口に出して言えよ」
フィオナ「そっそんなことできるわけないでしょ!?」
ジーク「お前……口では言えないようなことを俺に伝えようとしてんの?こえぇよ」
フィオナ「そうじゃなくて!!」
ジーク「んなことより、シャーベットできたからカイトに持ってってやれよ。どうせレグナントの整備をしてんだろ」
フィオナ「わ、分かったわよ……」
カイト「ジーク、ここにフィオナ来なかった?」
ジーク「お前にシャーベットを渡しにたった今出て行った」
カイト「擦れ違っちゃったか〜。ジークの所に絶対いると思ったんだけどな〜」
ジーク「とんだ偏見だな。早く追わないとまた擦れ違いになるんじゃねぇの?」
カイト「そ、そうだね!そう……なんだけど……さ」
ジーク「何だよ?」
カイト「ジークってさ……フィオナのこと……ど、どう思ってるの?」
ジーク「どうって、仲間だと思ってるに決まってんだろ」
カイト「それはそうなんだろうけどさ!そうじゃなくてもっとこう……」
ジーク「そういや前にも俺とフィオナの関係を聞かれたことがあるんだが……」
カイト「それでそれで!?な、なんて答えたんだい!?」
ジーク「俺達は護る護られる、ただそれだけの関係だって答えたよ」
カイト「そ、そっか……。ありがとう!レグナントの所へ行ってみるよ!」
ジーク「世話が焼けるやつだ」
アニー「世話が焼けるのはジークさんです!」
ジーク「ア、アニー!!おま、いつからそこに!?」
アニー「聞いてましたよジークさん!シャーベットができたと聞いて取りにきたら何ですか?本心を直接口に出して言えって相手は女の子なんですよ?ジークさんには分からないかもしれませんが、乙女には知られては困る秘密が沢山あるんですから察する努力をするべきです!」
ジーク「でもお前、この前分からないなら直接話せって……」
アニー「でもじゃありません!それとこれとは話が別です!」
ジーク「は、はい!」
アニー「返事だけですか?」
ジーク「あ、謝ってきます……」
アニー「よろしい♪」
カイン「アニー、今ジーク君と仲良さそうに話してたね。何話してたの?」
アニー「そ、そうですか!?他愛ない世間話ですよ?」
カイン「ふぅ〜ん。その割りにジーク君、血相変えて飛び出して行ったけど」
アニー「フィオナさんに用があると言っていたので、それに関係してるんだと……」
カイン「フィオナ!?すぐに追いかけないと!!」
アニー「ち、違います!間違えました!カ、カイトさんに用事です!」
カイン「なんだカイトか」
アニー「あ、あの、どうせジークさんもすぐに戻ってくると思うのでここで一緒にシャーベットを食べながら待ちませんか?」
カイン「そうだね。そういえばティトレイの症状どうだった?」
アニー「思った通りでした。やはり……」
ヒルダ「あの子達を見てると飽きないわね」
ティトレイ「だな!」
ヴェイグ「いい加減俺も中に入りたいんだが……。暑くて倒れそうだ」
〜続く〜
ティトレイ「リンゴうめぇ〜!」
ヴェイグ「今日はいちだんと食べるな」
ジーク「今何個目だよ?丸かじりでよく飽きねぇな」
ティトレイ「チッチッチ!このかぶりついて食べるのが良いんじゃねぇか!」
ジーク「調理し甲斐のないやつめ……」
フィオナ「ジークならこのリンゴを使って何を作るの?」
ジーク「そうだな、量もあるしアップルパイとか作ってみるか」
フィオナ(こんな暑い場所で焼きたては流石に食べたくないわね……)
カイト「こんな暑い場所でパイはちょっと……」
ジーク「それもそうか……。じゃあリンゴを凍らせてシャーベットにするのはどうだ?」
ティトレイ「グッドアイデアだぜジーク!早速凍らせようぜ!」
カイン「丸かじりはもう良いんだ……。でもどうやって凍らせるの?アニカマルは氷とか貴重だから氷嚢(ひょうのう)とか簡単に貸してくれないんじゃない?」
ティトレイ「そこはヴェイグ、頼んだぜ!」
ヴェイグ「ヒトのフォルスを調理器具にするな」
フィオナ「……」
ジーク「どうした?フィオナ。そんなにシャーベットが食べたかったのか?」
フィオナ「えっ、そ、そんな訳ないでしょ!?」
ヴェイグ「フォオナがそこまで熱望してたとはな……。任せろ、すぐに凍らせる」
フィオナ「だから違うって言ってるでしょ!!腕まくりとかしなくて良いから!!」
カイト「凍らせたら砕くための道具が必要だよね。臼とか借りられないか聞いてくるよ」
カイン「じゃあ僕が運ぶの手伝うね」
フィオナ「だ〜か〜ら〜!!誰か私の話を聞いて!!」
ティトレイ「早めに頼むぜ〜」
【スキット2・代価】
ティトレイ「そろそろリンゴにも飽きてきたかもな〜」
ブライト「あ?ティトレイ1人か?さっきまで大勢で騒いでいたような声がしてた気がするんだが……」
ティトレイ「ジーク達ならシャーベットを作りに行ったぜ?」
アニー「ジークさんらしいですね♪」
ブライト「つうかティトレイ、お前今それでリンゴ何個目だ?」
ティトレイ「なんだよ藪から棒に。えぇっと……10個越えたのは確かなんだが〜……15?いや18か?」
ブライト「も、もういいもういい!そんだけ食べてることが分かれば十分だ!」
ティトレイ「リンゴを食べた数が何か問題なのか?」
ブライト「まぁ単純問題として、食べすぎはよくねぇってことなんだが……」
ティトレイ「んなもん仕方ねぇだろ?無性に腹減ってるんだからよぉ」
アニー「ティトレイさん、重要なのはそこなんです。今のティトレイさんはお腹が減り過ぎなんです」
ティトレイ「そ、そうなのか!?」
ブライト「無自覚ってのもどうなんだ……?」
アニー「一応質問しますが、今無性にお腹が空くと言いましたが、同時に喉も渇いていませんか?」
ティトレイ「何で分かったんだアニー!?さっきから喉が渇いてしょうがなかったんだ!それでも今はかなり落ち着いたぜ?」
アニー「リンゴは大量の水分を含んでますから調度良かったんだと思います。逆に言えば、それだけティトレイさんの身体がリンゴを欲していたということなんです」
ティトレイ「な、なぁアニー……もしかして俺、何かの病気なのか?」
アニー「あ、いえ、病気とかではないんです。でも極度のフォルスの使いすぎが原因なのは確かです」
ブライト「物質を生み出せないはずの闇の空間でお前だけ樹を出せただろ?あの時俺はティトレイが無から有を生み出すタイプの能力者かと思ったがそうじゃなかった。お前は自分の身体の水分や栄養を原料にして樹を生み出してたって訳だ」
アニー「私も、ティトレイさんの今の様子を見てそう確信しました。ティトレイさん、危ないところだったんですよ?」
ティトレイ「マジかよ……全然気付かなかったぜ」
ブライト「だが今のうちに気付けて良かったじゃねぇか!今後は気をつけろよ!」
ティトレイ「おうよ!」
【スキット3・擦れ違う心】
フィオナ「ね、ねぇジーク。もしかして私の『声』……聞こえてなかったりする?」
ジーク「もしかしてさっきのこと気にしてんのか?」
フィオナ「聞こえてたの!?」
ジーク「当たり前だろうが。あんだけ大声で違うとか怒鳴られれば誰だって聞こえるっつうの」
フィオナ「……それじゃないわ」
ジーク「違うのか?他に何か言ってたか?」
フィオナ「ねぇ、本当に聞こえないの?本当に聞こえてないの?」
ジーク「だから聞こえてるっつってんだろうが。今もフィオナの声が聞こえてるからこうして会話できてるんだろ」
フィオナ「そうじゃなくて!!私の『声』のフォルスが聞こえてないのかきいてるのよ!!」
ジーク「……そっちか」
フィオナ「どうなの?」
ジーク「聞こえてねぇよ」
フィオナ「う、嘘……何で?いつから?」
ジーク「覚えてねぇな」
フィオナ「な、何でそんな平気な顔していられるのよ?あんたはショックじゃないの?」
ジーク「ショックかどうかは置いとくとして、ヒトの心の声なんて聞こえないのが普通だし、お前も余計な事まで聞かれて迷惑がってたじゃねぇか」
フィオナ「それは……そうだけど……」
ジーク「伝えたいことがあれば言葉で直接伝えれば良い。そのために俺達は会話をするし、それがヒトってもんだ。だから……そんな泣きそうな顔すんなよ」
フィオナ「うん……」
【スキット3・Under16】
ニノン「そ、それにしてもファルブさんのフォルスってすごいんですね」
ルル「ニノンもしかして近くにいたの!?ダメだよ近付いちゃ!危ないよ!?」
ニノン「や、宿屋で手当てしてただけなんだけど……ごめん」
ルル「あ、そうなの!?私こそ勝手に勘違いしちゃってごめんね!」
マオ「宿屋の中からでもファルブのフォルスが見えたってこと?」
ニノン「や、宿屋で手当てしてたら黒いモヤモヤしたものがざわわわ〜って近付いてきたからカイトさんに逃げようって言われて外に逃げたの。そしたらルル達が戦っている場所からモヤモヤしたものがモクモク膨らんできてたの!」
ニノン「そ、それで皆でキャーってなってる時に空からビュンって光が降ってきてドッカンッパーってなったの!」
アニー「なるほど、外からはそういうふうに見えていたんですね」
ニノン「それが二回もあったんだけど、ル、ルル達が無事で本当に良かった……」
ルル「一回目はファルブが自分でパッと作った時だね!あの時もシーンとしてて大変だったんだよ!ニョキニョキしたりバチバチしたりジュージューしたり大忙しだったんだから!」
マオ「でも最後にヒルダがズガガガガガーン!!ってやってくれたから出られたんだよネ!」
ニノン「パリーンってなったの見た!あれがそうだったんだ〜」
ユージーン「ヒルダ、すまないが古代カレギア語の翻訳を頼めないか?」
ヒルダ「残念だけど、あの子達の言葉は専門外よ」
【スキット4・馬に角さえ付いてれば一角獣】
ユージーン「ここも大丈夫そうだな」
ジン「ユージーン、何のチェックしてんの?」
ユージーン「ここの店主には失礼だが衛生面の点検をしていた」
ジン「いつもそんなことしてないよね?何でここだけ?」
ユージーン「はるか昔だがこの村はデスガロ熱という死病が発生した村でな。今はその菌は死滅しているのだが、以前ここに来る時に通ったカレーズという地下水路を覚えているか?」
ジン「覚えてるよ。砂漠越えは厳しいからって通った地下の涼しい通路だよね?」
ユージーン「そうだ。実はそこにデスガロ熱の原因となる菌が密かに眠っていたようでな、2年前ここを訪れた時アニーがデスガロ熱にかかってしまった」
ジン「死病って言ったよね?よく助かったね……」
ユージーン「リブガロの角を煎じて飲めば治るという情報をたまたま入手してな。それで助かったのだが……」
ジン「不安だから念のためチェックしてる訳ね。心配性だね〜」
ユージーン「むぅ……」
ブライト「リブガロっていやぁ幻のバイラスじゃなかったか?実在すんのかよ?」
アニー「確かオアシスにいたんですよね。全身金色の馬の体と立派な角をもつバイラス、私も一度見てみたかったな」
ヒルダ「すぐに逃げるから倒すのに苦労したわ」
ルル「倒しちゃったの!?」
ヒルダ「そりゃあ角を取らないと病気を治す薬を作れないんだもの。倒すしかないでしょ?」
ブライト「それもそうだな」
ルル「湖のほとりに現れる一角獣って、昔読んでもらった本に出てきたユニコーンみたい」
ニノン「わ、私も読んだことあります!純情な乙女の前にしか姿を現さないんですよね?」
ヒルダ「リブガロはそんな幻想的なものじゃなかったわよ?」
アニー「ヒ、ヒルダさん……」
ジン「じゃあさ、もしリブガロに乗った王子様が迎えに来てくれたらルル達は乗ってく?」
ルル「金ピカの馬に乗ってくる王子様は嫌だな〜」
ニノン「成金のお坊ちゃまみたいです……」
ジン「それはダメなんだ……」
ヒルダ「ニノンが毒を吐くってことは相当よ?」
【スキット5・トライアングラーならぬサークラー】
フィオナ「ジーク!やっぱり不便じゃない!?私の『声』が聞こえないと不便じゃない!?またファルブの空間に引きずりこまれたら面倒よ!?」
ジーク「こうやって話ができてんだから不便じゃねぇよ!それとも、それは俺と直接話したくないって遠まわしに言ってんのか?」
フィオナ「違うわよ!ほら!こうやって話してても全然私の本心伝わってないじゃない!」
ジーク「だったらその本心とやらを直接口に出して言えよ」
フィオナ「そっそんなことできるわけないでしょ!?」
ジーク「お前……口では言えないようなことを俺に伝えようとしてんの?こえぇよ」
フィオナ「そうじゃなくて!!」
ジーク「んなことより、シャーベットできたからカイトに持ってってやれよ。どうせレグナントの整備をしてんだろ」
フィオナ「わ、分かったわよ……」
カイト「ジーク、ここにフィオナ来なかった?」
ジーク「お前にシャーベットを渡しにたった今出て行った」
カイト「擦れ違っちゃったか〜。ジークの所に絶対いると思ったんだけどな〜」
ジーク「とんだ偏見だな。早く追わないとまた擦れ違いになるんじゃねぇの?」
カイト「そ、そうだね!そう……なんだけど……さ」
ジーク「何だよ?」
カイト「ジークってさ……フィオナのこと……ど、どう思ってるの?」
ジーク「どうって、仲間だと思ってるに決まってんだろ」
カイト「それはそうなんだろうけどさ!そうじゃなくてもっとこう……」
ジーク「そういや前にも俺とフィオナの関係を聞かれたことがあるんだが……」
カイト「それでそれで!?な、なんて答えたんだい!?」
ジーク「俺達は護る護られる、ただそれだけの関係だって答えたよ」
カイト「そ、そっか……。ありがとう!レグナントの所へ行ってみるよ!」
ジーク「世話が焼けるやつだ」
アニー「世話が焼けるのはジークさんです!」
ジーク「ア、アニー!!おま、いつからそこに!?」
アニー「聞いてましたよジークさん!シャーベットができたと聞いて取りにきたら何ですか?本心を直接口に出して言えって相手は女の子なんですよ?ジークさんには分からないかもしれませんが、乙女には知られては困る秘密が沢山あるんですから察する努力をするべきです!」
ジーク「でもお前、この前分からないなら直接話せって……」
アニー「でもじゃありません!それとこれとは話が別です!」
ジーク「は、はい!」
アニー「返事だけですか?」
ジーク「あ、謝ってきます……」
アニー「よろしい♪」
カイン「アニー、今ジーク君と仲良さそうに話してたね。何話してたの?」
アニー「そ、そうですか!?他愛ない世間話ですよ?」
カイン「ふぅ〜ん。その割りにジーク君、血相変えて飛び出して行ったけど」
アニー「フィオナさんに用があると言っていたので、それに関係してるんだと……」
カイン「フィオナ!?すぐに追いかけないと!!」
アニー「ち、違います!間違えました!カ、カイトさんに用事です!」
カイン「なんだカイトか」
アニー「あ、あの、どうせジークさんもすぐに戻ってくると思うのでここで一緒にシャーベットを食べながら待ちませんか?」
カイン「そうだね。そういえばティトレイの症状どうだった?」
アニー「思った通りでした。やはり……」
ヒルダ「あの子達を見てると飽きないわね」
ティトレイ「だな!」
ヴェイグ「いい加減俺も中に入りたいんだが……。暑くて倒れそうだ」
〜続く〜
■作者メッセージ
【楽談パート57】
takeshi「ども〜!アニカマル脱出に失敗したtakeshiです」
チャリティ「さすがに覚えてる人いないだろうけど、先月「今月中にはアニカマルを脱出したい」とか言ってたくせに月変わっちゃったわね」
takeshi「か、勘違いしないでよねっ!別にモンハンやってたからじゃないんだからね!!」
チャリティ「そのツンデレのテンプレ、今時使ってるキャラクターさえ見ないんだけど……」
takeshi「でも本当に更新できなかった理由は違うんですよ!」
チャリティ「じゃあスマブラ?」
takeshi「私普段からゲームしかしない人みたいなイメージやめてくれません?」
チャリティ「じゃあ何で先月更新しなかったのよ?」
takeshi「体調崩して寝てたからです……」
チャリティ「それも最早いつものパターンよね」
takeshi「日常にしないでください!!これでも最近は落ち着いてたんですから!」
チャリティ「そんなことより本編の会話の中でリブガロって出てきたじゃない?」
takeshi「出てきましたね。前回アニカマルを通った時は触れませんでしたが」
チャリティ「リブガロって全身金色なんだったら、捕獲して売り捌いたらいくらになんの!?」
takeshi「幻と言われてますし、バルカにタワーマンションを建てられるくらいには最低でもなるんじゃないですか?」
チャリティ「私達の世界にタワーマンションって死ぬほど似合わないわね……」
takeshi「ちなみにヴェスペリアだとリブガロ結構出てくるんですよ?合成素材を落とすので」
チャリティ「じゃ、じゃあユーリに頼んでリブガロ捕獲してもらってカレギアで売れば私大金持ちじゃない!!」
takeshi「でもリバースのリブガロと若干違ったような記憶があるんですよね。外国産の海老みたいに値が落ちなければ良いですね」
チャリティ「まさかの輸入品扱い……」
takeshi「言い忘れていたのですが、今回も連続更新なのでできれば続けて読んでください」
チャリティ「今回は何話連続とか教えなくて良いの?」
takeshi「何話まで連続で更新になるのか私も分からないので……」
チャリティ「あぁ、そういうこと」
takeshi「ではまた〜」
takeshi「ども〜!アニカマル脱出に失敗したtakeshiです」
チャリティ「さすがに覚えてる人いないだろうけど、先月「今月中にはアニカマルを脱出したい」とか言ってたくせに月変わっちゃったわね」
takeshi「か、勘違いしないでよねっ!別にモンハンやってたからじゃないんだからね!!」
チャリティ「そのツンデレのテンプレ、今時使ってるキャラクターさえ見ないんだけど……」
takeshi「でも本当に更新できなかった理由は違うんですよ!」
チャリティ「じゃあスマブラ?」
takeshi「私普段からゲームしかしない人みたいなイメージやめてくれません?」
チャリティ「じゃあ何で先月更新しなかったのよ?」
takeshi「体調崩して寝てたからです……」
チャリティ「それも最早いつものパターンよね」
takeshi「日常にしないでください!!これでも最近は落ち着いてたんですから!」
チャリティ「そんなことより本編の会話の中でリブガロって出てきたじゃない?」
takeshi「出てきましたね。前回アニカマルを通った時は触れませんでしたが」
チャリティ「リブガロって全身金色なんだったら、捕獲して売り捌いたらいくらになんの!?」
takeshi「幻と言われてますし、バルカにタワーマンションを建てられるくらいには最低でもなるんじゃないですか?」
チャリティ「私達の世界にタワーマンションって死ぬほど似合わないわね……」
takeshi「ちなみにヴェスペリアだとリブガロ結構出てくるんですよ?合成素材を落とすので」
チャリティ「じゃ、じゃあユーリに頼んでリブガロ捕獲してもらってカレギアで売れば私大金持ちじゃない!!」
takeshi「でもリバースのリブガロと若干違ったような記憶があるんですよね。外国産の海老みたいに値が落ちなければ良いですね」
チャリティ「まさかの輸入品扱い……」
takeshi「言い忘れていたのですが、今回も連続更新なのでできれば続けて読んでください」
チャリティ「今回は何話連続とか教えなくて良いの?」
takeshi「何話まで連続で更新になるのか私も分からないので……」
チャリティ「あぁ、そういうこと」
takeshi「ではまた〜」