ep1A-1 黒服の女
交わるはずのない世界と世界が交わるとき、2つの物語が始まりを迎える――
無残にも砕かれたアスファルトは下地の土が露出していた。電柱は倒れ、電線はガードレールに垂れかかる。
何かに衝突したか前部が大きく窪んでしまった車の車内には粉々に砕けたガラスが散乱していた。
落ちた看板はぐにゃりと拉げ力なく道路に投げ出され酷い惨状を露わしている。
荒廃した旧都で、俺らは戦っていた。
「くっ、和! どうすりゃいいっ!」
敵からの砲撃が襲う中で、隣を共に走る彼女へと質問する。
「……とりあえずは逃げるしかなさそうですね」
「全然解決策じゃねぇな」
「それは後々」
黒服。それもワンピース状に肩から足首、手首までを覆う飾り気の一切ない黒一色の服を着る。
腰まで届くかのような長く流れるように美麗な黒髪を有し、精悍で非常に整った「美」をつけても遜色ないほどの美少女が彼女だ。
左手には繊細に磨かれて銀色に輝く刃先の反った日本刀を提げていた。そう、そして俺と彼女は戦っている。
「主、そこの路地に入ってください」
「おう」
半分以上が崩れたコンクリートのビルの影へと隠れる。
「8秒後に砲撃、来ます」
「!? だからどうすりゃいいんだっ!」
後ろを振りむけば、これ以上は進めない行き止まり。見事に袋小路に追いやられた訳だ……それも見方の彼女に。
「これを」
と言って彼女が俺へと放り投げたのは薄汚れた銅色を放つ10円玉だった。
「これを撃ってください」
「ちょ、まて! 俺はパチンコ玉しか――」
「有無を言わずに撃ってください、主。……きます」
「ええいっ、こうなりゃヤケだ!」
そうして俺は10円玉を空へと放る、目の前へと10円玉が落ちてくる――それが分かった途端。
「高速射撃! ”スピードシュート”」
俺の右手から放たれるは電撃……とは呼べない弱弱しい代物。弱弱しいことには違いないが、速度が他の攻撃を比べ物にならない。
そして言唱からのラグは1秒未満で、連続発動が可能なのがこの攻撃の大きな長所だった。
不意打ちのごとく相手にモロに食らわせた。普通なら速度だけの威力はからっきしなこの技も何か固形のものを付加すれば大分マシになる。
そもそもこの技は熱を微量にしか発生させず、瞬はつ的な目くらましなどが主な用途な技であり、それをなんとか敵へとぶつけること成功した。
「ていやっ!」
そうして俺が電撃を放つと同時に、彼女は壊れ砕けた道路を踏みつけ勢いを付けて飛びあがる。
キラリ光る刃先を敵へと向けて、鋭く光る日本刀を大きく振りかざし、相手を一閃した。
ダメ押しのように俺は、さらなる能力を発動させる。
「強力射撃! ”ライトスピア”」
右手という小さな面積から生まれたとは到底思えない程に電撃は強大に激しく暴れまわり、一直線先の敵を捉えた――
「Aの世界」
世界は二つ存在する。
世から抜け落ち死を迎えたモノの行く「去の世界」人としての一生を全うするための「現の世界」
その二つを結ぶもの。
「次王位
ネクストクラウン
」
世界を変える力を持つと言われるその位は頂点に辿り着いたモノのみが手に入れることが出来た。
そしてその頂点に立つのにも条件が存在する。
「能力者
アビリター
」
特殊な力を持ち戦うことの出来る選ばれしモノ。そしてその能力者を頂点に導くのが――
「仲介者
メディエーション
」
死人から選ばれ、能力者の能力を目覚めさせる役目を担う。
この戦いの頂点に誰が立つのか……それは神でさえも知ってはいないのかもしれない。
世界は回っている。私たちの意思なんて無視して。世界は回り終えることはないだろう。
しかし「それを止めて見せよう」という、全てに反した、酔狂ともとれる異端者が現れたとしたらどうするのだろうか?
この世界を望まないならば賛同しその者に加担するか、――力なく諦め妥協するか。
それとも――
二〇一〇年 五月六日
すごしやすい春と夏の境で永遠に広がる窓からの景色に、鮮やか過ぎる青の色が映し出されている。
そんな青空が夏の訪れを僅かながら予感させるも、気温はそれほどなく過ごし易い。
ここはとある学校の教室。
小学校から高校でよくみられる、オーソドックスな学校机に開かれるのは文字一つ無い一冊のノート。
窓から吹き抜ける風がそれをパラパラとめくりめくっていく。ノートのページが表紙に近づけば、点々と自分が記述したかと思われる文字群が現れ始める。
いつからこのノートが使われていないのか、それはその持ち主がノートに興味を失くした日。
その持ち主はといえばいつしか板書等を諦め、ただ小さな教室の窓から力なく只呆然と広すぎて青すぎる空を眺めていた。
「…………」
彼には何もなかった。全てを知り尽くし興味を失くし絶望した者のように何にも関心の無い目で、ただ眺め続ける。
しばらくすればその景色にも嫌気がさしたか、窓から注意を逸らし前へと向き直る。
しかしそこに授業への関心は微塵もなく、手と手を合わせ腕を机へベッタリと付けて適当な腕枕ならぬ手枕を作れば、ゆっくりと彼は浅く眠りについていった。
「……あ」
彼は外の強烈な景色のコントラストに瞑られていた目を外側から刺激され、思わず目を覚ます。起きて辺りを見渡せば教室仲はあかね色が包み込んでいた。
「(……どうやらしばらくの間寝てたみたいだな)」
寝ぼけて頭を少し叩きながら状況を理解する。
「?」
今まで寝ていたというどうでもいい事実を確認するとふいに机の端へと目が行く、そこにはノートをちぎったであろう歪な形の紙切れが彼の机に寂しげに残されていた。
それには紙と不釣り合いに綺麗な文字が並んでいた。右下を見れば「委員長」の文字――風邪引くから早く帰りなよ、と。
……こんなもの書くぐらいなら起こしてくれたっていいのに、と若干理不尽にかつ自己中心的ながら思う。
「……帰るか」
教室に寝ている意味が見出せないので、さっさと帰ることにする。彼は机の横にかけてある薄っぺらい鞄を手に取り、静かな教室から抜け出した。
校門を出る頃には、青がかった黒色という夜の空が広がっている。大分暗くなってきた。
「……」
辺りを見回すこともせず、ただ帰路を見つめる。 家へと帰る事以外に関心を抱いていないせいである。
だから道行く人や、走り去る車、うろつく野良猫も彼の眼には映っていない。僅かな喧騒も道をゆくほどに消え失せ、自分一人。自分の足音のみしか無かった。
しばらく沈黙が支配していたその道に、ふいに声が響いた……聞く意欲さえ消失した彼には聞こえてさえいなかったかもしれい。
「あなたは――に飽きてしまったのですね」
無視すれば消えてしまいそうなその声。しかし彼はその声に振り返った。
「……?」
振り返った先に人の影も形も見つけだすことは出来なかった。その振り返った場所にはかつて歩いたアスファルトの道しかない。
「……気のせいか?」
それは多分聞き間違いだろう。そう思ってしまうのは簡単だった。
「…………」
彼は帰路に着いていた。しばらくすれば自分の家へと到達する。
そして機械的な動作でズボンのポケットから自分の家のカギを取り出して、鍵穴に挿入して半回転。ガチャという解錠音と共に、ドアノブを前へと引き出し玄関へと入っていく。
「……ただいま」
闇に響く声、返答はなく。
「馬鹿だな俺」
誰も居やしないのに、と続ける。
自分への皮肉がこめられた台詞は酷くモノ悲しい。そんな言葉も静まった夜の空気には飲み込まれていく。
カチッ、明かりのひもを手探りで探し掴んで引いた。2秒ほどで反応し蛍光灯が弱弱しく畳四つ分の部屋を照らし始める。
家に着いた時間が時間なので食事でもおかしくないのだが、食欲がなかったのか彼は丸めてある布団を転がして広げ――バサッ、と学ランのまま布団に寝て天井を仰ぐ。
「……」
顔を横にそらし少し上を見上げればそこには棚があり、その上にある二つの写真立に意識を向けた。その時何故か、由もわからず蘇る――
「あの声……」
あの女性の声……なんだったんだろうか、と疑問を抱いた。久しぶりの関心だった。思えば、透き通り少し低いくらいの女性の声。
何故か彼はその女性が気になってしまう。なんと言いたかったんだのだろうか? もしくはなにを言ったのか。
そんな疑問に思う心も睡魔には勝てず彼はゆっくりゆっくり眠りに落ちてゆく――
一方の夜道では、人通りの少ない道を人が一人歩いていた。
背は160センチの前半辺りで長い黒髪を持つ、そしてひざ下までの飾りっ気のないワンピース。それは黒一色で、闇に溶け込んでいきそうなほどに馴染んでいた。
しかしそれだけならそれほど違和感はないはずで、ある一つ要素が圧倒的な違和感を発していた。
手に持つそれは、刀の鞘だった。
反り、長く、黒光る刀の鞘。それを右手で握り持つ。
侍にしては服装が合わず、服装にしては刀など似合わない。
そして――彼女は女だった。
アスファルトで固められ、街灯がまばらに照らすその道をゆっくりと歩み進む。
夜の沈黙を破るように、彼女は呟いた――
「あなたはこの日常に飽きてしまったのですね」
誰に言った訳でもない言葉は空気に溶けていく。
「やっと……見つけました」
それは世界が変わる始まりの夜。今日、こうして彼と彼女は出会った。
無残にも砕かれたアスファルトは下地の土が露出していた。電柱は倒れ、電線はガードレールに垂れかかる。
何かに衝突したか前部が大きく窪んでしまった車の車内には粉々に砕けたガラスが散乱していた。
落ちた看板はぐにゃりと拉げ力なく道路に投げ出され酷い惨状を露わしている。
荒廃した旧都で、俺らは戦っていた。
「くっ、和! どうすりゃいいっ!」
敵からの砲撃が襲う中で、隣を共に走る彼女へと質問する。
「……とりあえずは逃げるしかなさそうですね」
「全然解決策じゃねぇな」
「それは後々」
黒服。それもワンピース状に肩から足首、手首までを覆う飾り気の一切ない黒一色の服を着る。
腰まで届くかのような長く流れるように美麗な黒髪を有し、精悍で非常に整った「美」をつけても遜色ないほどの美少女が彼女だ。
左手には繊細に磨かれて銀色に輝く刃先の反った日本刀を提げていた。そう、そして俺と彼女は戦っている。
「主、そこの路地に入ってください」
「おう」
半分以上が崩れたコンクリートのビルの影へと隠れる。
「8秒後に砲撃、来ます」
「!? だからどうすりゃいいんだっ!」
後ろを振りむけば、これ以上は進めない行き止まり。見事に袋小路に追いやられた訳だ……それも見方の彼女に。
「これを」
と言って彼女が俺へと放り投げたのは薄汚れた銅色を放つ10円玉だった。
「これを撃ってください」
「ちょ、まて! 俺はパチンコ玉しか――」
「有無を言わずに撃ってください、主。……きます」
「ええいっ、こうなりゃヤケだ!」
そうして俺は10円玉を空へと放る、目の前へと10円玉が落ちてくる――それが分かった途端。
「高速射撃! ”スピードシュート”」
俺の右手から放たれるは電撃……とは呼べない弱弱しい代物。弱弱しいことには違いないが、速度が他の攻撃を比べ物にならない。
そして言唱からのラグは1秒未満で、連続発動が可能なのがこの攻撃の大きな長所だった。
不意打ちのごとく相手にモロに食らわせた。普通なら速度だけの威力はからっきしなこの技も何か固形のものを付加すれば大分マシになる。
そもそもこの技は熱を微量にしか発生させず、瞬はつ的な目くらましなどが主な用途な技であり、それをなんとか敵へとぶつけること成功した。
「ていやっ!」
そうして俺が電撃を放つと同時に、彼女は壊れ砕けた道路を踏みつけ勢いを付けて飛びあがる。
キラリ光る刃先を敵へと向けて、鋭く光る日本刀を大きく振りかざし、相手を一閃した。
ダメ押しのように俺は、さらなる能力を発動させる。
「強力射撃! ”ライトスピア”」
右手という小さな面積から生まれたとは到底思えない程に電撃は強大に激しく暴れまわり、一直線先の敵を捉えた――
「Aの世界」
世界は二つ存在する。
世から抜け落ち死を迎えたモノの行く「去の世界」人としての一生を全うするための「現の世界」
その二つを結ぶもの。
「次王位
ネクストクラウン
」
世界を変える力を持つと言われるその位は頂点に辿り着いたモノのみが手に入れることが出来た。
そしてその頂点に立つのにも条件が存在する。
「能力者
アビリター
」
特殊な力を持ち戦うことの出来る選ばれしモノ。そしてその能力者を頂点に導くのが――
「仲介者
メディエーション
」
死人から選ばれ、能力者の能力を目覚めさせる役目を担う。
この戦いの頂点に誰が立つのか……それは神でさえも知ってはいないのかもしれない。
世界は回っている。私たちの意思なんて無視して。世界は回り終えることはないだろう。
しかし「それを止めて見せよう」という、全てに反した、酔狂ともとれる異端者が現れたとしたらどうするのだろうか?
この世界を望まないならば賛同しその者に加担するか、――力なく諦め妥協するか。
それとも――
二〇一〇年 五月六日
すごしやすい春と夏の境で永遠に広がる窓からの景色に、鮮やか過ぎる青の色が映し出されている。
そんな青空が夏の訪れを僅かながら予感させるも、気温はそれほどなく過ごし易い。
ここはとある学校の教室。
小学校から高校でよくみられる、オーソドックスな学校机に開かれるのは文字一つ無い一冊のノート。
窓から吹き抜ける風がそれをパラパラとめくりめくっていく。ノートのページが表紙に近づけば、点々と自分が記述したかと思われる文字群が現れ始める。
いつからこのノートが使われていないのか、それはその持ち主がノートに興味を失くした日。
その持ち主はといえばいつしか板書等を諦め、ただ小さな教室の窓から力なく只呆然と広すぎて青すぎる空を眺めていた。
「…………」
彼には何もなかった。全てを知り尽くし興味を失くし絶望した者のように何にも関心の無い目で、ただ眺め続ける。
しばらくすればその景色にも嫌気がさしたか、窓から注意を逸らし前へと向き直る。
しかしそこに授業への関心は微塵もなく、手と手を合わせ腕を机へベッタリと付けて適当な腕枕ならぬ手枕を作れば、ゆっくりと彼は浅く眠りについていった。
「……あ」
彼は外の強烈な景色のコントラストに瞑られていた目を外側から刺激され、思わず目を覚ます。起きて辺りを見渡せば教室仲はあかね色が包み込んでいた。
「(……どうやらしばらくの間寝てたみたいだな)」
寝ぼけて頭を少し叩きながら状況を理解する。
「?」
今まで寝ていたというどうでもいい事実を確認するとふいに机の端へと目が行く、そこにはノートをちぎったであろう歪な形の紙切れが彼の机に寂しげに残されていた。
それには紙と不釣り合いに綺麗な文字が並んでいた。右下を見れば「委員長」の文字――風邪引くから早く帰りなよ、と。
……こんなもの書くぐらいなら起こしてくれたっていいのに、と若干理不尽にかつ自己中心的ながら思う。
「……帰るか」
教室に寝ている意味が見出せないので、さっさと帰ることにする。彼は机の横にかけてある薄っぺらい鞄を手に取り、静かな教室から抜け出した。
校門を出る頃には、青がかった黒色という夜の空が広がっている。大分暗くなってきた。
「……」
辺りを見回すこともせず、ただ帰路を見つめる。 家へと帰る事以外に関心を抱いていないせいである。
だから道行く人や、走り去る車、うろつく野良猫も彼の眼には映っていない。僅かな喧騒も道をゆくほどに消え失せ、自分一人。自分の足音のみしか無かった。
しばらく沈黙が支配していたその道に、ふいに声が響いた……聞く意欲さえ消失した彼には聞こえてさえいなかったかもしれい。
「あなたは――に飽きてしまったのですね」
無視すれば消えてしまいそうなその声。しかし彼はその声に振り返った。
「……?」
振り返った先に人の影も形も見つけだすことは出来なかった。その振り返った場所にはかつて歩いたアスファルトの道しかない。
「……気のせいか?」
それは多分聞き間違いだろう。そう思ってしまうのは簡単だった。
「…………」
彼は帰路に着いていた。しばらくすれば自分の家へと到達する。
そして機械的な動作でズボンのポケットから自分の家のカギを取り出して、鍵穴に挿入して半回転。ガチャという解錠音と共に、ドアノブを前へと引き出し玄関へと入っていく。
「……ただいま」
闇に響く声、返答はなく。
「馬鹿だな俺」
誰も居やしないのに、と続ける。
自分への皮肉がこめられた台詞は酷くモノ悲しい。そんな言葉も静まった夜の空気には飲み込まれていく。
カチッ、明かりのひもを手探りで探し掴んで引いた。2秒ほどで反応し蛍光灯が弱弱しく畳四つ分の部屋を照らし始める。
家に着いた時間が時間なので食事でもおかしくないのだが、食欲がなかったのか彼は丸めてある布団を転がして広げ――バサッ、と学ランのまま布団に寝て天井を仰ぐ。
「……」
顔を横にそらし少し上を見上げればそこには棚があり、その上にある二つの写真立に意識を向けた。その時何故か、由もわからず蘇る――
「あの声……」
あの女性の声……なんだったんだろうか、と疑問を抱いた。久しぶりの関心だった。思えば、透き通り少し低いくらいの女性の声。
何故か彼はその女性が気になってしまう。なんと言いたかったんだのだろうか? もしくはなにを言ったのか。
そんな疑問に思う心も睡魔には勝てず彼はゆっくりゆっくり眠りに落ちてゆく――
一方の夜道では、人通りの少ない道を人が一人歩いていた。
背は160センチの前半辺りで長い黒髪を持つ、そしてひざ下までの飾りっ気のないワンピース。それは黒一色で、闇に溶け込んでいきそうなほどに馴染んでいた。
しかしそれだけならそれほど違和感はないはずで、ある一つ要素が圧倒的な違和感を発していた。
手に持つそれは、刀の鞘だった。
反り、長く、黒光る刀の鞘。それを右手で握り持つ。
侍にしては服装が合わず、服装にしては刀など似合わない。
そして――彼女は女だった。
アスファルトで固められ、街灯がまばらに照らすその道をゆっくりと歩み進む。
夜の沈黙を破るように、彼女は呟いた――
「あなたはこの日常に飽きてしまったのですね」
誰に言った訳でもない言葉は空気に溶けていく。
「やっと……見つけました」
それは世界が変わる始まりの夜。今日、こうして彼と彼女は出会った。