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ドラゴンクエスト+α 闇を切り裂く者
         序章

二人はいつものようにケーリーの父の有する羊のいる山の、ふもとにある草原にいた。

  カン 、カン

乾いた音が辺りに響く。
「どうしたルーク。動きが鈍ってるぞ!!」
そこには、その辺の木の太めの枝を削って作られた、少々いびつな形の木刀を持った少年が二人いた。
「っ、!!ケーリー、少しぐらい手加減しろ、よッ!!」
ルークがケーリーの剣をはじいてその反動で大きく飛びずさり距離を取る。
「獅子はウサギを狩るのにも全力を尽くすんだ。まぁそこまで言わないが、お前はさしずめ子犬。俺は狼ぐらいかな」
ケーリーが余裕の笑みで剣を構え直す。

 ダッ 

再び乾いた音が鳴り響いた。その音はしばらくは止むことはなく続いた。
しばらくして日も傾いた頃、ふたりは村に戻っていった。


   −何が起こったんだろう?
    家がない。 空が赤い。−
     
二人は立ちつくしていた。
誰もいない。何もない。そんな光景が目の前に広がった。

   おや、何かが光った?

二人は同じ場所を見ている。
お互いは視界には入っていない。しかし、同じ場所を見ているのが分かる。

 不思議な感覚だった。

何もない場所に何かがある気がした。
二人は歩いて行く。その場所へ。
二人の足が止まる。その場所には、何もない。
何もないはずなのに、二人の手が伸びる。
ケーリーが手を伸ばした先には暗い世界が、
ルークの手の先には元の村があった。

ルークはそれを手に入れると、辺りを見回す。
そこには誰もいなかった。
いるのは自分。あるのは剣。
他には何もなかった。
第一章 勇者と呼ばれた者11/12/03 18:16
第二章 勇者と呼ばれる者11/12/03 18:16
第三章 魔を司る者11/12/03 18:17
第四章 人ならざる者11/12/03 18:17
第五章 時空を統べる者11/12/09 14:41
第六章 闇に囚われし者11/12/03 18:17
最終章 闇を切り裂く者12/04/06 14:26
余章〜エピローグ〜11/12/24 23:59
外伝 闇を封じし者達11/12/26 22:20

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