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ダブルクロスThe 3rd Edition【君に捧げる詩】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 PC1紹介
  • 03 PC2紹介
  • 04 PC3紹介
  • 05 PC4紹介
  • 06 オープニングフェイズ1&2
  • 07 オープニングフェイズ3&4
  • 08 ミドルフェイズ1(前編)
  • 09 ミドルフェイズ1(中編)
  • 10 ミドルフェイズ1(後編)
  • 11 ミドルフェイズ2(前編)
  • 12 ミドルフェイズ2(後編)
  • 13 ミドルフェイズ3
  • 14 ミドルフェイズ4
  • 15 ミドルフェイズ5&6
  • 16 ミドルフェイズ6(潜入編1)
  • 17 ミドルフェイズ6(潜入編2)
  • 18 ミドルフェイズ6(戦闘編)
  • 19 ミドルフェイズ6(調査編)
  • 20 ミドルフェイズ7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(後編)
  • 22 クライマックスフェイズ1
  • 23 クライマックスフェイズ2
  • 24 クライマックスフェイズ3
  • 25 クライマックスフェイズ4
  • 26 クライマックスフェイズ5
  • 27 クライマックスフェイズ6
  • 28 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 29 エンディングフェイズ1
  • 30 エンディングフェイズ2
  • ミドルフェイズ1(前編)

     ミドルフェイズ1 シーン5〈交わる点と点〉
     シーンプレイヤー 大晴響


    GM「ここからはミドルフェイズ。全員登場となります」

    SM「事前に話すが、響にはここで覚醒シーンを行ってもらう。全員登場すると同時にダイスを振ってくれ」

    ルキル「俺は逃げている最中だからな…最初に登場するなら俺になるかな?」

    オパール「あ、あたし蒼空と話があるからリカから先でいいわよ。ね、ちょっと覚醒シーンの演出で相談があるんだけどいい?」

    クウ「ん? 別にいいが…」

    スピカ「ふむ…なら私、いや俺は後で出た方が良さそうだな」

    ルキル「なら、最初は俺だな。シーンインするぞ」

     《シーン登場》
     リカ1D→6 37%→43%


     既に闇夜に包まれたにも関わらず、人口の光によって太陽よりも輝き照らす街。発展し続ける世界は、眠る事を知らない。
     しかし、それでも闇は必ず存在する。
     この街に。人の心に。組織に。世界に。様々な闇が潜んでいる。

    隊員1『どこに逃げた!』

    隊員2『探せ、まだ近くにいる筈だ!』

    リカ『町の人間全員が敵、か…どうして俺はこんな事をしているんだろうな…』

     施設から逃げ出したリカはガードレール付近に隠れながら、自分を追う人達からの目を逃れて移動していた。
     壁に背を付けたまま、軽く目を閉じて力を発動させる。一旦やり過ごせたが、まだ近くで『ワルプルギス』の人員だけでなく、FHによる自警団と警察が探し回っている。

    リカ『とにかくここもすぐに見つかる…どこか、別の場所に』


    ?『見つけたぜ、薄汚いネズミちゃんよ』


    リカ『エ…?』

     《シーン登場》
     蒼空1D→10 36%→46%

    蒼空『ったくよー。手間かけさせるんじゃねーぞ…クソガキィ!!』

     悪態と共に、リカの上から赤い羽根が降り注ぐ。
     突然の奇襲を転がる事でどうにか避けるリカ。そんな彼の前へ貴族風の黒いドレスを纏った蒼空が優雅に降り立った。そして《ワーディング》を張る。

    エン《蒼空。なぜ本気で攻撃するんです? もう一つの目的を忘れていませんか?》

    蒼空『分かってるよ。その為には――死んで貰った方が手っ取り早いだろ?』

    リカ『何で、マスタークラスの奴まで…!!』

    蒼空『終わりだ、クソガキ。お前の持つ遺産を渡してくれれば命は助けってやってもいいぜ?』

    リカ『…渡せ、ない』



     そんな二人のやり取りから、僅かに時間を戻す。
     丁度ガードレール近く。そこで響と璃々が帰宅の為に歩いていた。

    璃々『何があったんだろうね? テスト中だったのに急に帰れって…』

    響『いいじゃん。早く帰れたから授業も無くなったし、その分買い食いも沢山出来たし。あ〜、もうお腹一杯!』

    璃々『もー、響はいっつも食べてばっかり。お金は大丈夫なの?』

     いつも通りのたわいもない会話。だが、突如空気がざわつく。
     響は知る。一般人を無効にする《ワーディング》が貼られたのだと。
     立ち止まる響に対し、璃々や他の者達はこの場を離れる様にフラフラと無言で立ち去っていく。

    響『この感じ…あ、璃々待って!』


     ――ズガァン!!!


    響『なに、今の音!?』

     鼓膜を揺るがす音に、響はそちらの方向に目を向ける。
     そこでは、リカが蒼空に襲われている所だった。

    蒼空『そうかよ…だったら死にな!!』

    響『っ、止めてぇ!!』

     気づけば、無意識で体が動いていた。
     とっさに響は叫んで、リカを庇うように蒼空の前で両手を広げる。

    蒼空『…誰だ?』

    リカ『お前は…?』

    エン《蒼空。彼女はオーヴァードではない、人間です》

    蒼空『あぁ? 非オーヴァードが何で動けるんだよ…まあいい。おい小娘、一度しか言わない。どけ』

    響『…いや!』

    蒼空『ふーん』



    『なら、死ねよ』



     宣告し、響の全身に赤い羽根が至る所に突き刺さる。
     手、腕、胴体、太腿、膝、足、心臓、首、顔、頭。ありとあらゆる場所から血を流し、彼女の命を無慈悲に散らした。

    リカ『お、まえ…!』

    蒼空『喚くなよ…すぐに後を追わせてやるからよぉ!!』



    どうして、こんな事したのかな?

    ――…め…!

    あの時だって、一人逃げてれば良かったのに

    ――いき…める…!

    いいや…どうせ、もう死んじゃうんだし…

    ――生きる事を、諦めるなっ!!!

    諦めるな…? だって、あたし死んだんだ…生きたって、どうせ…

    ――そんな事ない。ほら、聞こえるだろ?

    この、歌は…?



     蒼空は赤い羽根を作り出し、リカに向けて手を翳す。それで彼も終わる。
     だが、発射するその手は翳したまま固まっていた。

    「――――」

     歌声の旋律が鳴り響く。死んだはずの彼女の口から。
     そして、閃光が走り彼女の全身が輝き始める。

    『えっ!?』

    『どうなっていやがる!?』

    《覚醒、した?》



    GM「ではここで、響さんは衝動判定をやって貰います。難易度は〈意思〉判定で9。成功失敗問わず2D上昇です」

    オパール「よーし、やるわよ! 【精神】のダイス1個しかないけど!」

    クウ&スピカ&ルキル「「「え…」」」(ピシリ)


     《衝動判定》
     1D+2→4 失敗


    オパール「あ…」

    クウ「……ちょっと待て、確かこいつアージ持ってるよな?」

    GM「衝動は確か――『殺戮』」

    スピカ「殺してからの、殺戮――泥沼ルートね、これ…」

    クウ&ルキル「「ちょおおおおおおおおおおぉ!!?」」


     《浸蝕上昇》
     2D→12 32%→44%


     光り輝いてた彼女の身体が起き上がる。
     しかし、拒絶反応するかのように呻き声を上げて一瞬で闇に塗り潰される。
     そのまま響は――赤い目で睨む、黒い獣の姿となってしまった。

    響『グルルルウウウゥ…!!!』

    蒼空『おいおい、マジか…覚醒をキッカケにとんでもない暴走起こすなんて…!!』

    響『グアアアアア!!!』

    エン《蒼空、一度引きなさい! 分が悪い!》

    蒼空『分が悪いだぁ? マスター様が覚醒したばっかりの奴に負けるかよぉ!!』

    エン《蒼空、止めなさい!》


    ?『――見過ごせないな、これは』


     何者かが暴走する響の前に立ちはだかり、素早い動作で彼女に足払いをかける。
     バランスを崩し地面に倒れた所で、圧し掛かるように背後から拘束した。

     《シーン登場》
     星華1D→3 36%→39%

    星華『落ち着け、その感情に飲み込まれるな』

    響『グアアアアァ!!』

     星華が動きを封じながら呼びかけるが、響は獣のように吼え立て暴れる。
     すると星華は一つ息を吐き、手刀を首筋に打ち込んだ。

    響『ガッ…!』

    星華『すまないな。こんな手荒なマネしか出来なくて』

     ようやく気絶した響を優しく寝かせる星華。そんな彼に、冷ややかな声がかけられる。

    蒼空『へぇ…国際テロリスト様がもう嗅ぎ付けたのか、UGN?』

    星華『人聞きが悪い言い方止めてくれないか? 少なくとも、オーヴァードに覚醒したばかりの高校生と手負いの少年を殺そうとした奴に言われたく――っ…!』

    蒼空『何だ? この俺を見て喧嘩を売る相手に気づいたか、優男――』



    星華『何て美しい女性だっ!!! 一目で惚れた、俺と結婚してくれっ!!!』



    蒼空『は…はあああああああああああぁぁぁ!!!??』

    エン《……良かったですね。見た目は良くても、こんなガサツで大雑把で家事よりも殺しが得意な女を好んでくれる殿方がいて》

    蒼空『アトカタモナクケサレタイノカ?』

    星華『俺は本気だ! 今から君を抱えて結婚式場に殴り込みに行ってもいい!』

    蒼空『誰がてめえとなんか行くか!! つーかお前が持ってるその銃、UGNエージェントだろうが!!』

    星華『組織の垣根なんて、愛の力でどうにでもなる!!』

    蒼空『なるかー!! ふざけんのも大概にしやがれ!!』

    リカ『…UGN、だと…!』


    ルキル「すまない、リカは純粋培養のFHチルドレンだからUGNに対して敵視してる」

    スピカ「まあ、この世界ではそれが常識だからな。了解だ」

    オパール「あ、もうこの場でも男言葉使うんだ」

    SM「まあ、連続で低めの登場になればねぇ…アタイもゲン担ぎしたくなるよ」


    星華『…警戒するのも無理はないな。俺の目的は1つ。君の持つ“遺産”だけだ。渡してくれたら、後の事は全て保証するつもりだ』

    リカ『嫌だ! 誰がお前らテロ組織なんかに渡すか!! こんなもの、渡せるか…!』

    蒼空『残念だったな…こいつから“遺産”を奪うには殺してでも奪う事になりそうだぜ。さぁ、もう懺悔の時間は済ませただろ――ここにいる全員消えなぁ!!!』

     攻撃を再開しようと、蒼空が自分の周りに赤い羽根を作り出す。
     だが、二人を庇うように星華も二丁拳銃を構えて対峙する。

    星華『彼も、彼女も殺させないよ。それに、信用して貰えないのなら――彼にも、君にも信用出来るように立ち回るだけだ』

    蒼空『へぇ…マスターの称号を持つこの俺とやるって言うのか、UGNの残党風情が?』

    星華『相手が誰だろうが構わない。敵なら戦う、それだけだ』


    オパール「通常世界では恋人である二人の、まさかの一髪即発のシーンなのに…演じてる二人が凄く楽しそうなんだけど…」(呆)

    クウ「何言ってる! こう言う戦いを求めてたんだ!」

    スピカ「この緊張感! まさに『エンドライン』よね!」

    SM(このままじゃPvPが起きるねぇ)

    GM「(流石にそれはマズいですし、そろそろ潮時ですね)さて――盛り上がっている所申し訳ないですが、ここでイベントが起きますよ」


    ?『おや。やっと見つけたと思ったら、何やらギャラリーが増えていますね』

     敵対する二人が戦おうとした時、頭上から知らぬ青年の声がかけられる。
     そこには、近くの建物の屋上から自分達を見下ろすように見物している青年がいた。

    蒼空『誰だ!』

    ?『名乗る必要はありませんよ。さて――リカさん。主はあなたを許してくれるそうです? 鍵と一緒にこちらに来なさい』

    リカ『…断る』

    ?『そうですか。なら仕方ありませんね』

     そう言ってパチリと指を鳴らす。
     すると、彼らの前のコンクリートが隆起する。まるで積み重なるようにどんどん大きくなり――コンクリートと土の塊だったそれは形を成して、白と青の二足歩行の巨大なガン…ロボットに姿を変えた。


    クウ「おいちょっと待て、さり気に描写で何を言おうとした!?」

    GM「たまには僕もボケに回りたいんですよ!! それにいいじゃないですかガン〇ム、男のロマンじゃないですかー!!」

    ルキル「俺らを過労死させる気か」(真顔)

    GM「ならそれをリズさん達に代弁して来てくださいよ!!! 毎回ツッコミするのにもう疲れているんです!!! 僕達だって普通の人間なんですからぁぁぁ!!!」

    スピカ「…たまにはツッコミ役を休ませてあげないと駄目よ、ラック」

    SM「いやあんたが言える台詞じゃないよね!!?」


    蒼空『何だ、このバカでかいロボット!?』

    ?『他の三人は肉片となるまですり潰して構いません。彼は…まあ四肢を抉って抵抗出来なくなってから連れて帰りましょうか』

    星華『やはりFHの奴らはどいつも悪趣味だな――とは言え、一人で相手をするとなると少し厳しいか』

    エン《蒼空、流石にあれは1人では分が悪いですよ》

    蒼空『じゃあどうするんだよ?』

    星華『君、戦えるか?』

    リカ『あ、ああ…!』

    星華『なら話は早い。一時休戦して、俺達で協力してあいつを倒さないか? 後から来た奴に全て取られるのは嫌だろう?』

    蒼空『…チッ、同感だ。だが、何かしやがったらてめえ事巻き込むぞ』

    星華『君にそんなことはしない』

    リカ『…俺も、死ねない。だから戦ってやる』


    オパール「あたし、気絶してるけどどうしよう? 戦うつもりはあるけど…」

    SM「なら、目が覚めてから戦闘するって王道なパターンとかどうだい? この流れなら、戦闘に参加しても違和感ないだろ?」

    オパール「じゃ、あたしそれにする!」

    GM「では全員の目的も一致団結と言う事で、このまま戦闘開始です!」

    17/03/09 22:42 NANA   

    ■作者メッセージ
     補足コーナー・変異暴走について2

    【変異暴走:殺戮】:通常の〈暴走〉に加えて、暴走を受けている間はメジャーアクションで攻撃、もしくは行動を放棄するかのどちらかしか選択できない。響はアタッカーなので行動自体に特に問題はない。だが、もし支援役がこの状態にかかれば支援が出来なくなるので気を付けよう。

    【変異暴走:加虐】〈暴走〉になった場合、あらゆる攻撃で与えるHPダメージが−20されると言う効果に変更される。この修正はHPダメージの算出直後に適用する。〈暴走〉をしてもリアクション(回避・ガード)は取れるが、ダメージを与えにくくなってしまう。アタッカーである蒼空としては絶対に回避したい効果だろう。

    【変異暴走:吸血】:〈暴走〉になった場合、どのような手段でもHPを回復出来なくなると言う効果に変更される。〈暴走〉を解除するか、戦闘不能からの復活でも〈暴走〉を解除出来る。今回のパーティに凍矢・愛星のような回復役はいないので、デメリットはあまりないかもしれない。

    【変異暴走:解放】:〈暴走〉になった場合、行動値が0になると言う効果に変更される。この効果はエフェクト・支援・アイテムを使っても増やす事は出来ず0に固定されたままである。行動値の変更で作戦が狂ったり、敵からバステを付けられからの攻撃もありえるので、使うキャラの行動や何か作戦が思い付く以外では極力は回避したい効果と言えるだろう。ちなみに、今回リカはアージを習得していないのでこの効果は適応されない。
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