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ダブルクロスThe 3rd Edition【君に捧げる詩】

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INDEX

  • あらすじ
  • 01 セッションの準備編
  • 02 PC1紹介
  • 03 PC2紹介
  • 04 PC3紹介
  • 05 PC4紹介
  • 06 オープニングフェイズ1&2
  • 07 オープニングフェイズ3&4
  • 08 ミドルフェイズ1(前編)
  • 09 ミドルフェイズ1(中編)
  • 10 ミドルフェイズ1(後編)
  • 11 ミドルフェイズ2(前編)
  • 12 ミドルフェイズ2(後編)
  • 13 ミドルフェイズ3
  • 14 ミドルフェイズ4
  • 15 ミドルフェイズ5&6
  • 16 ミドルフェイズ6(潜入編1)
  • 17 ミドルフェイズ6(潜入編2)
  • 18 ミドルフェイズ6(戦闘編)
  • 19 ミドルフェイズ6(調査編)
  • 20 ミドルフェイズ7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(後編)
  • 22 クライマックスフェイズ1
  • 23 クライマックスフェイズ2
  • 24 クライマックスフェイズ3
  • 25 クライマックスフェイズ4
  • 26 クライマックスフェイズ5
  • 27 クライマックスフェイズ6
  • 28 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 29 エンディングフェイズ1
  • 30 エンディングフェイズ2
  • ミドルフェイズ4

     ミドルフェイズ4 シーン8〈背負わされた力〉
     シーンプレイヤー 大晴響


    GM「さて、次のシーンですが誰が出ますか?」

    オパール「うーん、あたしも《応急手当キット》使って回復したいなー。HP2じゃ《エアロドライブ》も《電光石火》も使えないし…」

    クウ「俺も回復したい所だな…余裕はあるが、ブラムはHP消費しないと火力が出ないからな」

    スピカ「そうだな…情報収集も終わってないし、全員で出るか。その時にリカには買い物を頼みたい」

    ルキル「いいぜ。この中で浸蝕率に余裕があるのは俺だしな」

    GM「では、情報収集と一緒に購入判定も含めてしましょう。シーンプレイヤーは響さん、全員登場してください」

     《シーン登場》
     響1D→7 71%→78%
     蒼空1D→2 70%→72%
     星華1D→3 72%→75%
     リカ1D→6 63%→69%

    クウ「なあ。全員集まるのなら、響のメディカルチェック終えた辺りにしておくか?」

    GM「そう言えば、響は覚醒して1日も経ってませんでしたね。では、ある程度時間を進めましょうか」


     UGN支部に身を隠してから、一日が経過した。
     再び日が昇り、沈み、夜になった頃。ようやく響が真新しい制服に着替えて活動の拠点にしている応接間にやってきた。

    響『疲れたぁ〜…!』

    星華『お疲れ様。後は検査結果を待つだけだ』

    蒼空『…で、調べた情報によると裏でとんでもない事していたようだな、お前らの学校は』

    リカ『まさか、そんな事になってるとは…いや、だが』

    蒼空『何か思う所があるようだな?』

    リカ『…あんたには、関係ない』

    蒼空『そうかよ。で、そこの元一般人は今の話聞いてどう思った?』

    響『正直言うと、ショックだよ…エリートとして飛び級している人はいたけど、そんな事になってるなんて思ってなかった…』

    星華『その割に、随分落ち着いているようだが?』

    響『あたし、UGNの事もFHの事も最初から知っていたから。あたしの学校、FHが統治しているから嫌な感じはしてたんだ…』

    星華『…君は強いんだな』

    響『強くないよ、あたしなんて…――それより、情報集めるんでしょ! 時間もないし、あたしも協力する!』

    星華『すまないな。今は人手が欲しい所だから助かる』

    蒼空『このまま手を拱いてもあれだし、俺もそろそろ仕事させて貰うか』

    エン《仕事するのは私の方ですよ…》


    SM「なら、前回の判定を踏まえて調べられる情報はこちらだよ」


     ・幹部について(UGN・FH・裏社会10/12)
     ・研究施設について(FH・噂話・裏社会10)


    クウ「これまた、厳しい判定だな…」

    オパール「でも四人いるんだし、ちゃちゃと抜いちゃおうよ! あたし、噂話用のコネ持ってるから研究施設について調べるわ」

    ルキル「なら、幹部についてはまた俺が調べよう。万が一情報が出なかったら、二人に頼む」

    クウ「分かったぜ。こっちの世界でも社会適合者である事を証明してやる」

    オパール「じゃ、あたしから行くわ。研究施設についてを〈噂話〉で。《コネ:噂好きの友人》をつけるわよ」

     研究施設 (噂話10)
     5D+2→10 成功

    オパール「ギ、ギリギリで成功!」

    SM「おお、中々やるね。それじゃ、お待ちかねの情報だ」


     噂話10
     『ワルプルギス』は最近、街のテレビ局を買い取り地下を研究施設に改造したらしい。
     どうやらそこでも《鍵》の研究を行っているようだ。この施設のデータベースを漁れば、機密情報が掴めるだろう。
     *この情報を開示後、テレビ局に向かう事が出来る。


    スピカ「とりあえず、次には進めるようになったな」

    リカ「次は俺だな。幹部についてを〈FH〉で。また《情報収集チーム》もつけて挑戦だ」

     幹部について (FH10/12)
     4D+5→11 片方成功

    リカ「くっ、財産ポイントを1点使って両方とも成功させるぞ!!」

    クウ「もったいないが、仕方ないな」


     FH10
     FHセルリーダーでもあるマスターエージェントに仕替える男女二人組。本名はヒスイと大桜運切(おおざくらさだぎり)。
     ヒスイはバロール・モルフェウス・オルクスのトライブリードで、空間の力を活用して二丁拳銃を使って戦う。セル内では参謀として活動しているらしい。
     運切はブラム=ストーカー・ハヌマーンのクロスブリードで、鎌槍を使っての白兵攻撃を得意とする。セル内では戦闘部隊としてレジスタンスと戦ったり、稀に出てしまう裏切り者を粛清したりしている。

     FH12
     二人は普通の人間ではなく、ヒスイは『複製体』。運切は『古代種』であるようだ。この情報から察するに、『ワルプルギス』の構成員は全て普通のオーヴァードではない。
     彼らを束ねるマスターも人間ではなく、精神作用に特化した能力を持っているらしい。だが、これ以上は現時点で調べられない。


    GM「と言う訳で、通常で調べられる全ての情報項目が開示されました。これにて、リカさんのトリガーハンドアウトが公開出来ますが…どうしますか?」

    ルキル「うーん……リカとしては、まだちょっとって感じなんだよな。とは言え、このまま出さない訳にもいかない。それで少し相談なんだが、他のPCと親睦を深めるRPをしたいんだが…大丈夫か?」

    三人「「「OK!」」」


    愛衣『失礼します。天義さん、こちら響さんに関する検査結果の報告書です』

    星華『ご苦労だった』

     出来る限りの情報を調べ終えた所で、愛衣がカルテを持って部屋に入ってきた。
     星華が受け取り中を読むが、無言のまま響を見る。

    響『星華さん?』

    星華『君のメディカルチェックの結果だが…とんでもない事が分かった』

     そう前置きして、一枚の写真を見せる。
     差し出したのはレントゲン写真。心臓の所には結晶のような異物が映っている。

    リカ『何で、心臓部分に異物が…!』

    愛衣『あなたの心臓部分。そこに埋め込まれた形で結晶が埋め込まれています――これは【賢者の石】と呼ばれていて、レネゲイドの結晶体とも呼ばれています。あなたの服装が変わったのも、覚醒してないにも関わらず《ワーディング》内で行動出来たのも、この石が埋め込まれていたからでしょう』

    星華『そしてこの石は、誰もが欲する。FHはもちろん、UGNにも、それ以外の私利私欲の人間にも…な』

    響『そんな…それが、あたしの力…!』

    星華『愛衣、この情報は――もう支部長の耳に入っただろうな』

    愛衣『ええ。さっき部下が慌てて報告書を持ち出しました』

    星華『遺産に選ばれし者、マスターエージェント、賢者の石…ま、奪いたくなる気持ちは分からなくないが、余計に長居は出来なくなった…』

    リカ『…あんたは、どうするんだ?』

    蒼空『俺はFHだが【賢者の石】に興味はねーよ…レネゲイドの居候なんて、もう間に合ってるしな』

    エン《すみませんね、居候で》

    星華『…みんな、屋上に行こう』

    響『え、でも』

    星華『時間はそれなりに経っている。町の警戒も薄れてはいる筈だ――屋上で少しゆっくり話そう』



     支部の建物にある寂れた屋上。街の景色が一望出来て少し肌寒い風は吹くが、夜の帳が四人の姿を隠してくれる。
     そこに移動するなり、リカは疲れたように落下防止用の柵に寄りかかる。それを見て響も隣に移動する。

    響『リカ、大丈夫?』

    リカ『あ、ああ…そっちは大丈夫なのか?』

    響『大丈夫。こんなの、へいきへっちゃらだから!』

    リカ『…強いんだな、お前』

    響『それはリカの――ううん、時夜陸おかげだよ』

    リカ『え?』

    響『あたしがこうしていれるのは、陸の歌のおかげなんだ。実はあたし、時夜陸のファンなの!! デビューからずっと見ててCDだって全部持っているし、ほらウォークマンにもイントロ版全部入れてるんだよ!』

    リカ『何でだよ…俺はエースと言われたFHチルドレンだぞ? あいつらの悪事の片棒を担いでいたんだぞ!? なのに、どうして今も俺にそうやって話す事が出来るんだよ!? その歌だって地位だって、本当はセルの資金源の為に言われるままに作っただけだ!! 軽蔑される理由はあれど、優しくされる理由は何一つない!!』

    響『あんたの歌、あたしは好きよ』

    リカ『響…?』

    響『あたし、数年前の事故で大怪我負って入院してさ。その後も一人だけ生き延びたって事で学校じゃ先生含めたクラス総出のイジメ、家に帰っても知らない人達から中傷被害――唯一あたしの心を癒してくれたのが、あんたの歌だった』

    リカ『俺の歌は、そんなんじゃない…!! だって、俺は…【複製体】なんだ!! 誰かのニセモノで、FHの道具でしかないんだ!! そんな俺の歌なんて、何の意味なんて――!!』

    響『それでもいいよ。だって、陸に…ううん、リカに救われたのは事実だもん!』

    リカ『響…』

    響『だから、さ。リカが殺されそうになるの見て、放ってなんておけなかった。見て見ぬ振りなんてしたくなかった。結果的にオーヴァードになっちゃったし、凄い石が埋め込まれているのも知ったけど――あたしは後悔しないよ』

    リカ『俺が、誰かのニセモノでもか?』

    響『もー、言ったでしょ? あたしは他でもないリカに救われたって。誰かのニセモノなんて関係ない、リカはあたしの恩人だよ! それにリカは、裏切ってでも正しい事をしようとしているんでしょ? だったらあたしは最後まで協力する、一緒に頑張ろっ!』

    リカ『…ありがとう』



    蒼空『…はぁ』

    エン《溜息なんて珍しいですね》

    蒼空『うっせ』

    エン《楽しいんじゃないんですか?》

    蒼空『誰が…!』

    星華『どうした、蒼空? 不機嫌そうな顔をして』

    蒼空『…別に』

    星華『君はよく独り言を話すな』

    蒼空『…お前も俺が頭のイカレた人間だって思ってる? だったら好都合だぜ』

    星華『なあ…“エン”って今もそこにいるのか?』

    蒼空『え…?』

    星華『蒼空。君がそうして話すのは【戦闘用人格】――いや、【奇妙な隣人】持ちか?』

    蒼空『っ!? なんで…!』

    星華『ノイマンだからな。俺には見えないが、蒼空にだけ見えるレネゲイドビーイングが常に傍にいる…そうだろ?』

    蒼空『…だから、なんだ? お前に何の関係が』

    星華『羨ましいに決まってるだろ!! 食事も、風呂も、寝る時でさえ君と一緒にいれるんだぞ!! 立場を交換して欲しいくらいだ!!』

    蒼空『俺に憑りついたのがお前じゃなくてマジ良かったわ!』

    エン《ふふっ…》

    蒼空『笑うな! あー、くそ! てめえが来てから調子狂わされてばかりだ…!』

    愛衣『――天義さん、準備出来ました』

    星華『そうか。次も目的地も決まった事だ、そろそろ行こうか』

    響『え? 行くって』

    星華『この屋上にも脱出口があるんだ、そこから街に戻る。同じ出入り口を使っては足を掴まれる可能性が高まるからな』

    響『UGNって色々考えてるのね…分かった。いこ、リカ』

    リカ『……だな』

    蒼空『――お前、どうして俺達に肩入れする?』

    星華『…君にはお見通しのようだな。ああ、このままここにいれば支部長が強硬手段を取る。なにせお宝が三つも傍にあるんだ、無理やり奪えばFHに対抗できるしUGNの株も上がる。だから分かるよ、このままだと蒼空とリカは始末され、彼女は死ぬまで研究施設に監禁される。そんなやり方、俺は許さない。だから仲間として最善の方法で動く、それだけだ』

    蒼空『あの二人はともかく、俺はお前達の敵だ。始末しようと思わないのか? マスターを倒したのなら、FHにとってはかなりの牽制になるぜ?』

    星華『言った筈だ。俺は君に惚れた、死なれてもらっては困るんだ』

    蒼空『…バッカじゃねーのか?』

    星華『そんな事ない、これは運命だ。そろそろ行こう、長居は出来ない』

     最後にそう付け加えると、星華も愛衣達に続いて屋上から隠された通路を使って支部を出ていく。
     蒼空は彼の後ろ姿を眺めながら、ふと思い出していた。
     彼によく似た、夢の中の女性を。

    蒼空『何で…思い出すんだよ…』

    エン《蒼空?》

    蒼空『何でもねーよ』


     《購入判定》
     難易度8(応急手当キット) 響3D→5 失敗
     難易度13(シューターズジャケット) 蒼空2D+1→8 失敗
     難易度8(応急手当キット) 星華2D+2→11 成功
     難易度15(ボトルアクションライフル) リカ4D+1→15 成功

     《回復》
     響2D→17 HP19
     蒼空2D→12 HP29

    17/03/19 01:08 NANA   

    ■作者メッセージ
     補足コーナー:Dロイス【賢者の石】(レネゲイドクリスタル)


     “賢者の石”と言うレネゲイドクリスタルを体内に宿している。または融合している事を表すDロイス。例を挙げるなら、戦姫絶唱シンフォギアの立花響(融合体)、テイルズオブシンフォニアのエクスフィアなど。
     この賢者の石――レネゲイドクリスタルは、高濃度のレネゲイドウィルスが鉱物の中に溶け込む様にして自己保存を行っている状態。それを埋め込んだ人間はレネゲイド能力を爆発的に上昇させる事が出来る。だが、全てのオーヴァードが賢者の石を使える訳ではない。
     賢者の石を扱うには、相性や適性を持った『適格者』でないと効果を発揮しない。それ以外の者がこの石を埋め込んだらジャーム化か死亡してしまう。それだけ危険な力を宿している。尚、仮に選ばれたとして、賢者の石の力を使った際は身体か精神、もしくは両方に相当な苦痛が襲い掛かる。

     この賢者の石を手術で埋め込んだ、偶然手にしたのがこの石だった、なんらかの事情で手に入れたなど、どうやって体に宿したのかは自由に設定していい。更に、埋め込まれた賢者の石には意志(前の適格者・元となったレネゲイドなど)が存在してもよいとされている。
     今回の響の場合、数年前の戦いで賢者の石の適格者だった歌手が、響の為に死にかけの命を繋ぎ止めようと宿していた賢者の石を託したと言う設定にしております。もしかしたら、その歌手の意志が…。


     このDロイスの効果は、自分の判定を行う直前に使用する事で、その判定のC値を−2(下限値2)する事が出来る。ただし、この効果を使用したメインプロセス終了時に、浸蝕率を1D上昇させなければならない。この効果はシナリオ中に1回までしか使用できない。
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