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ダブルクロスThe 3rd Edition【Promise in the Guilty】

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INDEX

  • あらすじ
  • 01 人物紹介
  • 02 セッション準備編
  • 03 PC1紹介
  • 04 PC2紹介
  • 05 PC3紹介
  • 06 PC4紹介
  • 07 オープニングフェイズ1
  • 08 オープニングフェイズ2&3
  • 09 ミドルフェイズ1
  • 10 ミドルフェイズ2
  • 11 ミドルフェイズ3(前編)
  • 12 ミドルフェイズ3(後編)
  • 13 ミドルフェイズ4
  • 14 ミドルフェイズ4(FS判定・1)
  • 15 ミドルフェイズ4(FS判定・2)
  • 16 ミドルフェイズ4(FS判定・3)
  • 17 ミドルフェイズ5(前編)
  • 18 ミドルフェイズ5(ハンドアウトシーン)
  • 19 ミドルフェイズ5(後編)
  • 20 ミドルフェイズ6&7(前編)
  • 21 ミドルフェイズ7(ハンドアウトシーン&後編)
  • 22 ミドルフェイズ8(前編)
  • 23 ミドルフェイズ8(後編)
  • 24 ミドルフェイズ9(前編)
  • 25 ミドルフェイズ9(ハンドアウトシーン&後編)
  • 26 ミドルフェイズ10
  • 27 ミドルフェイズ11&12(前編)
  • 28 ミドルフェイズ12(ハンドアウトシーン&後編)
  • 29 ミドルフェイズ13
  • 30 クライマックスフェイズ1
  • 31 クライマックスフェイズ2
  • 32 クライマックスフェイズ3
  • 33 クライマックスフェイズ4
  • 34 クライマックスフェイズ5
  • 35 クライマックスフェイズ6
  • 36 クライマックスフェイズ7&バックトラック
  • 37 エンディングフェイズ1
  • 38 エンディングフェイズ2
  • ミドルフェイズ2


     ミドルフェイズ2 シーン5〈鮮血の宴、開幕〉
     シーンプレイヤー 七雲空


    GM「シーンプレイヤーは空。他PCは登場不可だ」

    SM「時間的には、凍矢達の文化祭開催辺りまで戻っておる。丁度文化祭の始まるくらいに、住宅街の一軒家に辿り着く感じじゃな」

    クウ「あいつらが青春満喫している間、俺は1人寂しく仕事かよ…」

    GM「愚痴らない。それよりシーン登場してくれ」

     《シーン登場》
     空1D→3 38%→41%

    クウ「よし、低い」

    SM「バイクで移動しておるのじゃったな。どうする?」

    クウ「そりゃあ、近くに停めてから中に入る。外見はどんな感じだ?」

    GM「少し描写しよう」


     陸の連絡から数時間。送られたGPSを目印にバイクを走らせて辿り着いたのは、住宅街の一軒家だった。
     駐車場はないので、車道の邪魔にならないよう家の近くバイクを停める。そのまま空は家の表札を確認する。

    空『海、命…か』

    蒼空(…間違いないな)

    空『入るぞ、宿主』

     そう言って、ドアノブに手をかける。
     扉は鍵がかかっているかと思ったが、意外にもすんなり開いた。


    グラッセ「ちょっと待って、海命って俺の家!? なんで俺の家!?」

    GM「さて、空。入る訳だが、〈知覚〉で判定をして貰う。難易度は5にしておこう」

    グラッセ「無視!?」

    クウ「ちょい高めだな…まあいい。振るぞ」

     〈知覚〉判定
     4D+1→26 成功

    ムーン「何だこれ!? 素振りでクリティカル出しすぎだろ!?」

    クウ「警戒していたのが良かったんだろ〜」


     家の中に入った途端に鼻に付く異臭。
     その正体が――原因が何か、いつも“力の源”として使っている空には分かる。

    空『血の臭い…!?』

     玄関付近まで漂う鉄の臭い。日常ならばありえない。
     空は警戒心を露わに血の臭いの元まで忍び足で近づく、場所はすぐそこにあるリビングからだ。
     ゆっくりとドアに手をかけて、勢いよく開く。そうして目にしたのは、血塗れで倒れている男女だった。


    グラッセ&ムーン&ツバサ「「「えええええええええええええええぇぇぇ!!!??」」」

    クウ「おいいいいいいぃ!!? 何か俺だけクトゥルフの世界観に巻き込まれてません!? 何時の間にパラノイアになった!? それともサタスペの方に迷い込んだぁ!?」

    グラッセ「これ状況からして俺の父さんと母さんですよね!? 何勝手に殺してくれちゃってるのぉ!?」

    GM「いや。死んでない、意識はないが辛うじて生命を保っている状態だ」(横目&遠目)

    クウ「GM、何で目を合わせない?」

    SM「さて――お主は二人に近づいた訳よな?」

    クウ「え? そりゃあ戦闘用人格でも血塗れで倒れている人見たら近づくだろ」

    SM「ならば――」


     目の前の重傷人をほおって置けず、空が近づく。

    蒼空(っ、相棒!)

     急に叫ぶ内側の声。本来の人格であるがゆえに、何をさせたいかを瞬時に感じ取る。
     空は頭ではなく身体を先に動かしてその場から離れる。同時に、自分のいた場所に腕が振るわれる。

    空『うぉ!?』

     遅れた形で声が出てしまい、改めて目の前の現状を確認する。
     倒れていた筈の二人は腕をだらしなく下げて起き上がっている。だがあちこち傷だらけで、虚ろな目でこちらを見ている。
     瞬時に判断出来る。この二人は明らかに異常だと。


    SM「と言う訳で、彼らを大人しくさせたいならば〈白兵〉判定で難易度10を出して貰おうか。失敗したら2D10のダメージを受けて貰うぞ」

    クウ「もはや血塗れのゾンビじゃねーか、ネクロニカじゃねーかぁぁぁ!!!!! 誰が別ゲーやれっつったぁーーーーーーーっ!!!」

    グラッセ「ていうか何なんですかさっきからぁ!!! GM、あんたSMの要望どんだけ聞いたんですかぁ!!?」

    リク「おいGM…親友二人をこんな扱いしたんだ、死にたいようだな?」(黒オーラ&キーブレード装備)

    GM「うるせー!! 『腐敗した死体が動き出す』なんてのをここまで改良させたの誰だと思ってやがる!?」

    全員『『『改良!!?』』』

    GM「ムーンと言いこいつと言い、シナリオに無茶振りばっかり組み込んだんだ!! 前日まで徹夜して救済措置を組み込んだボクを褒めて欲しい寧ろ褒めろぉぉぉ!!!」

    ツバサ「GMが『変異暴走:破壊』起こしてるー!?」

    クウ「分かったから落ち着けスズノヨミー!!!」


     *GMが大暴れして、全員総出で抑えております。しばらくお待ちください。


    クウ「お、落ち着いたか?」

    GM「ああ…! どうにか…!」

    リク「あの、うん…何ていうか、すまない」

    GM「ワカッテクレテナニヨリダ…!!」(血涙)

    クウ「と、とにかくダイス振るぜ。白兵はレベル伸ばしたから、これも素振りで行く」

     〈白兵〉判定
     5D+5→13 成功

    クウ「クリティカルしなかったが、成功だ」


    空『チィ!』

     鈍い動きで襲い掛かろうとする男性に、空は素手で払って素早く肘打ちを脇腹に食い込む様に当てる。
     激痛を感じているのか苦悶の顔で意識を失う男性を無視して、掴みかかる女性の背後に回り込んで手刀を叩きつける。それだけで女性の方も意識を失った。

    蒼空(あ、相棒…まさか、ころ)

    空『殺してねぇよ。何がどうなってやがる…!』


    クウ「そうだな…ここで新エフェクト使ってみるか。GM、《ブラッドリーディング》使って二人の血を舐めて何があったか調べる事は可能か?」

    GM「可能だ。イージーだがエフェクト使ってるし、特に判定は必要ないだろう」

    SM「むっ…! これは本来後に調べる情報なのに…」

    GM「別にいいだろ。情報で分かるのは――二人には《鮮血の牙》が仕込まれている。で、家に入り込んだ人を襲うよう命令されている」

    クウ「ふーん。ちなみにオーヴァードか?」

    GM「いいや、《鮮血の牙》を仕込まれただけの一般人だ。オーヴァードに覚醒はしていない」

    クウ「そうか。それだけでも救いだな」

    ツバサ「《鮮血の牙》って、ブラムの中でも厄介なエネミーエフェクトじゃん!」

    グラッセ「えーと《鮮血の牙》の効果は…この効果で〈意思〉判定に負けてしまうと、キャラクターが敵の従者になってしまって操られるエフェクトなのか…!」

    ムーン「ゲスいな。と言うかこの女らしいぜ…!」

    クウ(なるほど、従者ね…やっぱ【秘密】の通りだな)

    SM「さて。そこまで調べた所で、空気が重くなるのを感じる。この敷地を中心に《ワーディング》が貼られたと察していいだろう」

    GM「そして感じるだろう、空気が振動する感覚――戦闘を何度も経験してきた君なら分かる。あと数秒で、この家が丸ごと爆発するだろうと」

    SM「お主一人ならば特に何事もなく脱出出来る。しかし、倒れている二人を連れて脱出するならば〈回避〉判定をして貰う。難易度はさっきと同じ10だ。失敗したら2D10のダメージを受けて貰う」

    クウ「何この怒涛の展開!? あー、えーと…もし、二人を助けずに脱出したら?」

    SM「安心せい。その二人は爆発に巻き込まれ胴体をバラバラにされ、そのまま炎に焼かれて死ぬだけよ」

    クウ「やる事なんて決まってる!! 二人抱えて脱出してやるよ!! ダメージなんて知るかぁぁぁ!!!」

     〈回避〉判定
     5D+2→10 成功

    クウ「うおっし!! ギリッギリで成功!!」

    ツバサ「師匠って、本当にピンチの時に限ってダイス運強いよね…」


     何者かによる攻撃の合図に、空は気絶させた二人を抱えるなりリビングの窓ガラスを割って脱出する。
     同時に、家が丸ごと炎の爆発に巻き込まれる。爆風に身を晒されて吹き飛ばされるが、どうにか民間人共に大きい怪我をする事は無かった。

    空『くそっ! 次から次に何なんだよ!?』


    『動くな』


     冷酷な指示と共に、四方から銃器を構える音が響く。
     住宅街にはそぐわない、戦闘服を身に纏っている20人前後の部隊。その衣装はFH――ではなくUGNだ。
     その中に1人だけ、鋭い目をした女性が彼らの後ろに控えて空を蔑んだ視線を送っている。

    マリア『UGN本部考察部第4課、マリア・チェスノコフよ――会いたかったわ、FHに降った裏切者、紅の刃(ブラッドエッジ)』

    蒼空(第4課…エスケープキラーか! 何でこんな時に…!)

    マリア『確かに情報通り現れたわね。探す手間が省けたわ』

    空『情報…?』

    マリア『死にゆくあなたには関係ないわ。さあ、裏切り者と一緒にその民間人も殺しなさい』

     マリアが命令すると、一部の部隊は銃口を空から今しがた助けた二人へと向ける。

    蒼空(なっ! ふざけるな! 俺だけならともかくこの二人は《ワーディング》で気絶してる非オーヴァードだぞ! それがお前らのやり方かUGN!!)

    マリア『例え人間だろうと、裏切り者(ダブルクロス)の容疑が掛かっているFHが助けた。始末するには十分な理由よ』

    空『…だとよ、宿主』

    蒼空(てめえら…何が【世界の守護者】だこの偽善者どもぉ!!!)


    ツバサ「なにこれ、そっちは絶対絶命じゃん!?」

    グラッセ「俺文化祭満喫してる場合じゃないですよね!! 知らない所で実家爆発されたし両親殺されようとしてるし!?」

    クウ「ん、焼かれ…? っ、オイちょっと待て!? 停めてあった俺のバイクは…!?」


    SM「もちろん、木っ端微塵に破壊させてもらったぞ♪」(輝かしい笑顔)


    空&蒼空『(野郎ぶっ殺してやーるっ!!!!!)』


    ツバサ「師匠!? その叫びは死亡フラグだよ!!?」

    空&蒼空『(ローンだってまだ残ってたのに…クラウドのバイクを2シーンしか満喫してねーのに…!! てめえら殺す、皆殺しにしてやるぅ!!!)』

    ムーン「完全に八つ当たりだろそれ!?」

    ツバサ「師匠まで『変異暴走:憎悪』になっちゃってるよ!?」

    グラッセ「てか、これ勝てるんですか!?」

    GM「ご心配なく――改良したって言っただろ?」


     念願の大型バイクを燃やされ、殺る気満々となった空にエスケープキラーも戦闘態勢に入る。
     その時、どこからか車のアクセル音がこちらに向かって響き渡る。

    隊員『な、なんだ!?』

     思わず隊員たちが見回していると、彼らと空を挟む様に黒塗りのリムジン車が瞬間移動したように現れた。

    マリア『いつの間に!?』

     リムジンはハンドルを切って横向きにスピンすると、空の前で止まる。
     目の前のドアが開くと、切羽詰まった御剣が中にいた。

    御剣『七雲空、乗りなさい!』

    空『御剣!? 助かる!』


    クウ「念の為だ、《裸の王様1》使って従者を作って時間稼ぎ! 気絶させた二人を車に乗せて御剣達と脱出する!」

    GM「いいだろう。では、大量の従者によってエスケープキラーは混乱に陥った。こうして無事に脱出出来たと言う所でシーンを終了だ」

    ツバサ「ちなみに、逃げ切れたの?」

    SM「追っている奴らはエスケープキラー(逃走殺し)と呼ばれていて…」

    クウ「あっ、はい。逃走劇続けてるんだな了解」

    17/05/24 02:47 NANA   

    ■作者メッセージ
     補足コーナー:他のTRPGについて


     パラノイア:「市民、幸福ですか?」「幸福は義務です」がキャッチコピーなTRPG。人狼とは違った友情崩壊ゲームとも言われている。
     PCはトラブルシューターと呼ばれる特殊工作員に所属して、上級の市民から命令される任務をこなさなければならない。
     一見すると簡単に思えるが、PCは全員秘密結社に所属する反逆者かつ、特殊能力を使えるミュータントと言う存在。それは人類を支配しているコンピューター様の敵なのだ。その上、徹底した階級制度、爆発する食べ物、不完全な機械、狂った思考などなど、僅かでも破れば抹殺される対象となる。
     だが、本当に気を付けなければならないのは、周りだけでなく他のPCからも狙われると言う立場である事。善良なる市民をアピールするためには、コンピューター様の反逆者である敵を抹殺しなければならない。
     相手と協力し、騙し、利用し、抹殺しながら目的を達するブラックユーモアなゲームである。尚、死にやすいゲームなので残基としてクローンが用意されていて5回復活出来る(スーパーマリオのように死んでも残機があれば挑戦できる感じ)

     サタスペ:クライム・アクション(犯罪映画)を楽しめるTRPG。犯罪組織が支配する「オオサカ」と言う場所が舞台となる。
     PCは亜狭と言うキャラを作成する。そうして与えられた目的を達成するために様々な犯罪行為を行う。
     …あまり詳しく話せないのは、ゲームのルールがルールなので年齢制限ついているからです。TRPGはともかく、現実で犯罪を持ち出すような事はしないでくださいね。

     永い後日談のネクロニカ:核戦争後、地球生態系が滅んだ近未来を舞台にしたTRPG。
     PCはネクロマンサー(GM)によってドール(人間や武器のパーツを組み合わせて作られたゾンビの事)となって、滅んだ世界を旅しながら失ってしまった生前の記憶を取り戻すのが目的。
     尚、キャラを作りにあたっての最大の特徴は「少女」で作らなければならないと言う事。その為、20歳以上の大人なキャラは作れない。(一応、少年を作る方法はちゃんとあります)
     終わった世界、死体…こちらは悪趣味な面やグロ要素がある為、人を選ぶTRPGになると思います。
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