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Re:開闢の宴・最終章

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 メモリアル1
  • 02 メモリアル2
  • 03 メモリアル3
  • 04 再会とお披露目会
  • 05 やりたい事
  • 06 ツバサの正体
  • 07 恋心の絆
  • 08 手を差し出す方法
  • 09 心残り
  • 10 生まれ変わった拠点
  • 11 一日の終わり
  • 12 オーバーチュア&クリムゾンブリッツ
  • 13 叶えた夢
  • 14 正体不明の敵
  • 15 陣の使い手
  • 16 弟子同士の対決(けんか)
  • 17 親友としての思い
  • 18 使徒との交流
  • 陣の使い手

    「いきます!」

     ナイフを投げると同時に開口一番に少女は叫び、身の丈に合わない筈の長い槍を垂直に構えて突進してきた。

    「幻影閃」

     三人へと襲い掛かり、斬り裂く様に矛先を振るう。広範囲の攻撃をそれぞれが転がったりジャンプしたりして回避すると、遅れてナイフが足元に突き刺さる。
     レクトは、杖を持っているにも関わらずナイフを投げて攻撃する。それに疑問を感じるソラとルキルだが、ツバサは考える事はなくニルヴァナに向かっていた。

    「エアリルブレイク!」

    「闇障壁」

     ツバサの放つ強力な一撃を、槍の切っ先から放つ闇の障壁で防ぐニルヴァナ。見た目はツバサより若干小さいが、動きは手慣れている。
     二人はニルヴァナをツバサに任せ、魔導士でもあるレクトへと狙いを定めた。

    「ルキル、一緒に! ソニックレイヴ!」

    「ああ、ダークオーラ!」

    「さーて、みーんな守ってちょーだい。ほほいっと」

     怒涛の突進攻撃を行うなり、レクトは妙な言葉と共に自身の周りに障壁を張り巡らせる。
     二人の攻撃が障壁に当たると、反射してその分のダメージが襲い掛かって大きく吹き飛ばされた。

    「「うわぁ!?」」

    「もー、俺はこれでも貧弱な魔導士なんだから。あんまり大技ぶつけないでよねー?」

    「貧弱な魔導士がナイフ投げなんてするかぁ!! てか、何だ今の気の抜ける言葉は!?」

    「え? 普通に自分にリフレク使っただけだけど?」

    「あんなふざげた方法で俺達の攻撃防がれたのか!?」

    「へー、魔法って凄いんだなー!」

    「凄いよ〜。なんなら教えてあげようか?」

    「いいの!?」

    「ソラ、目を輝かせるな! そしてお前はツッコミで俺を過労させる気かっ!!」

    「父さんもソラさんも、もっと気を引き締めて! レクトさんあんな性格だけど魔導士としては一流だから!」

    「レクトさん、真面目にしてください……相手はキーブレード使い、です……!」

    「あー、はいはい。ごめん、ニーちゃん…っと!」

     キーブレードと槍で打ち合いをして真面目に戦っている女子二人に注意され、逸早くレクトはナイフを投げる。
     叩き落そうと身構える二人だったが、投げたナイフは全てソラ達の方ではなくあらぬ方向へと刺さった。

    「どこに投げてるんだ! ダーク――」

    「違う!」

     挑発交じりにルキルが魔法を発動しようとしたのと同時に、ツバサから否定が上がる。
     次の瞬間、ソラとルキルを中心に白い魔方陣が展開される。とっさの事に驚く二人に、レクトは今まで使わなかった杖でカンと地面を叩く。

    「サークル・スパークライト」

     それが発動条件だったのか、魔方陣から白い雷が発生して二人に襲い掛かる。

    「チェンジ、スピード・モード!――からの、ロックライズ!」

     しかし、ツバサが一瞬で素早さ特化のスタイルに変化する。二本のキーブレードを携えて一瞬で二人の傍まで移動すると、雷が直撃する前に岩を発生させる。これにより、攻撃は全て岩に当たり直撃を免れた。

    「ありがと、ツバサ!」

    「まだっ、第二陣来るよ! ミラージュ・モード!」

     ソラのお礼をそこそこに、今度はミラージュ・モードへと変えるツバサ。今までは変化させる度に予備動作が必要だったが、強化されてからは自在に変化が出来るまでに成長したらしい。
     今まで通り、姿を透明化させて消える。それと同時に、今度は青い魔方陣が現れて氷の礫が降り注ぐ。
     けれど、ツバサが姿を隠したまま二人をリクレガで守る事で、この攻撃も無傷で済んだ。

    「サークル・ブリザドレイン、まで……!!」

    「…へぇ。すごいねー、キミ。まるで『俺の技を知っている』みたい」

     驚くニルヴァナに対し、レクトは目を細めつつもツバサがいるであろう方向に話しかける。

    「何か話してよー。これ、俺の独学で習得したようなものなんだけど――何で『知ってる』のかな、キミ?」

     そうして、レクトは再び地面を叩く。そうして現れた魔方陣は、黒色を宿して。

    「ッ――!」

    「サークル・ダークデスペル」

     レクトの背後へと出現し、黒い光が弾け飛んだ。
     だが、地面の一部が爆発するように抉り取られる。黒い光は急速に衰え、代わりに隠蔽の魔法が解けたのかツバサが現れた。

    「ええ!?」

    「ツバサ!?」

    「隠蔽の魔法はちょっと反則だからねー。解かせて貰ったよ?」

    「バニッシュかけてても、ボクの位置掴んでいる時点でどうかと思うけど――ね! エアロガ!」

    「させ、ない! 風陣守備!」

     レクトに対して暴風を巻き起こすが、ニルヴァナも負けじと槍を地面に突き立てて結界を張るように風を起こす。

    「わー、さっすがニーちゃん。頼りになる〜」

    「言ってる場合、じゃないです!」

     風の結界が消えると、即座にニルヴァナが槍を横薙ぎに振るう。すると、迫っていた青白い炎と氷の塊が霧散する。
     飛んできた方向には、ダークファイガとブリザガを放ったであろうルキルとソラが顔を顰めていた。

    「うーん、中々強いねー。勝負仕掛けておいてなんだけど、これは結構厳しいかも…」

    「レクトさん、引っ込んでてください。足手纏いですから、私がやります……」

    「ニーちゃん酷くない!?」

    「事実、です……」

    「まあ、否定はしないけど…」

     そう呟き、レクトはチラリとツバサを見遣る。
     攻撃の一手一手を防ぐ事は出来る。けれど、それは相手も同じ。
     いや――防いでいるのは、ただ一人。あの少女だけだ。だからこそ、さっきの風の魔法で仕掛けたナイフを纏めて吹き飛ばしたのだろう。
     レクトが思考している中、ツバサもまた状況を見直していた。

    (――残り突き刺さっているナイフは、レクトさんの近くに2本。遠くに3本…新しく設置しない限り、発動は出来ない。防御魔法があったとしても、飛んでくるナイフを弾きながら攻撃すれば、勝てる…!)

     レクトの使う魔法は、魔法じゃない。『陣』と言う、特殊な技だ。
     地面に突き刺さるナイフ。それには全て魔力が込められている。単発では効果がないが、組み合わせる事で魔方陣を作り出し、杖を触媒にするか、ナイフを加えるかで魔法を発動させる仕組みだ。
     言い換えれば――発動条件を満たせなければ、攻撃は一切出来ない。出来るのは回復と支援の魔法くらいだ。ナイフを投げるだけなら、そこまで脅威ではない。
     勝負をかけるなら、ここだ。

    「父さん、ソラさん! レクトさんの投げるナイフは全部弾いて!」

    「「分かった!」」

     ツバサの指示に、二人は頷いてレクトへと駆け込む。

    「くっ!」

     今まで余裕だったレクトが、ここで焦りを見せる。急いでナイフを投げて、地面に突き刺そうとする。

    「させるか、マグネガ!」

     ソラが引力の魔法を放ち、レクトの投げたナイフを突き刺さる前に上空へと集める。
     しかし、そんなソラにニルヴァナが迫る。

    「麗想乱舞!」

    「メイルストロム!」

     華麗な槍捌きがソラに攻撃が当たる前に、ルキルが割り込んで阻止する。
     お互いに何度も武器をぶつけあう。ここで体格の差が出たのか、ルキルがニルヴァナを押して、弾き飛ばした。

    「っ、ニーちゃん!」

    「これで、終わりだよ! コキュートスプリズン!!」

     二人のおかげでニルヴァナを退け、ツバサは広範囲の氷結の魔法を起こす。
     一気に空気が氷点下にまで下がり霜柱が起きる。反射の魔法を放ったとしても、自分達とは距離があるし、何よりこの寒さだ。流石のレクトも顔を歪めて蹲る。

    「うわあああ――なーんてね?」

     不利に追い込まれたはずのレクトが、急に意味深に笑い出す。
     次の瞬間、ツバサの足元に淡い光が起こる。発生源は魔方陣。よく見ると、風景の一部が歪んで見える。
     その歪みは、ナイフの形状に似ていた。

    「うそ――!」

     気づいた時には既に遅く、ツバサを包み込む様に淡い光が弾ける。

    「バニッシュは俺にだって使えるし…人物だけにしかかけられないなんてルールもないからね。あと言っておくと、物理と魔法対策にプロテガとシェルガを事前にかけているんだよねー。あ、卑怯とか言わないでよ? 実際、俺魔導士だから貧弱だし」

     急に立ち上がってペラペラと自分の事まで教えてくれるレクトだが、ツバサは何も言わないし動かない。
     いや、言えないし動けない。が正しいだろう。
     まるで金縛りにあったように、その場で震えているのだから。

    「「ツバサ!?」」

    「麻痺を起こすパラライズの魔法はどーう? あ、それと……余所見している暇ある?」

     忠告を受けると、ダメージを受けた筈のニルヴァナがソラ達へと槍を振り払っていた。

    「はあぁ!」

    「「うわぁ!?」」

    「さて、と…」

     二人に傷を負わせ、レクトはナイフを一本だけ取り出してすぐ真下に突き刺す。
     それだけで、ここ一帯を敷き詰める程の魔方陣が出来上がった。

    (まずい…まずいよ…!)

     広範囲の魔方陣が完成し、ツバサは冷汗を浮かべる。
     この魔方陣は『サークル・オーバーレイ』。地面から放出される光線をぶつける、レクトの大技の一つ。6本のナイフだけで、こんな魔方陣は完成しない。さっきみたいに、幾つか隠されたナイフがあったのだろう。
     レクトの行う陣は、魔方陣を作る為に決まった場所にナイフを突き立てる必要がある。その全ての陣の組み合わせを、ツバサは“知っている”。だから対処法も、どのナイフを抜けば不発するかも分かっている。
     けれど、こうして動きが制限されたらは何も出来ない。防ぐ事も、不発にする事も。

    「まずい…リフレガ!」

    「くっ、ダークシールド!」

    「無駄、です……」

    「まあまあ、ニーちゃんそう言わない。それじゃ頑張ってねー。サークル・オーバー――」


    「空衝撃・双錬!」


     技を放とうとした瞬間、鋭い声と共に衝撃波が魔方陣の両側に直撃する。
     元々から突き刺さっていたナイフと、隠されているナイフが一本ずつ、衝撃波によって弾かれる。媒介が抜かれた事で魔方陣は維持出来ず、攻撃は放たれる事無く消え失せた。

    「どうにか、間に合ったわね…!」

     三人が見ると、そこにはガンブレードを携えたスピカがいた。後ろには結界に憚れているが他の人達も駆けつけている。

    「スピカさん!」

    「みんな!」

    「…やー、スーちゃん。俺の結界抉じ開けてまで、戦いに水を差すなんて」

    「レクト、ニルヴァナ。なんでこんな事してるの?」

    「……」

    「スーちゃん」

    「何を、企んでるの? どうして――彼を見ても、何も言わないの?」

     厳しい声色で問い詰めるスピカに、二人は黙り込む。否――無言で睨んでいる。
     スピカの後ろにいる、クウを。

    「何で、お前が…! 何で、ソラ達を襲ってんだよ…!」

    「…はぁ〜。あー、もう分かったよ――やー、久しぶりだねー」

    「答えろ、レクト!!」

     やる気なさそうに挨拶を始めるレクトに、我慢出来ないとばかりにキーブレードを出して双翼を纏うクウ。
     そのまま黒の翼を広げて幾つもの羽根を出して攻撃する。が、レクトに届く前に全ての羽根が両手で投げつけたナイフによって相殺された。

    「ッ!」

    「無駄だよ」

     静かに、けれど絶対の自信をもって宣告するレクト。

    「俺にそれで挑むなんて、どうかしてるよ」

     クスリと、冷え切った目で笑う。
     そんなレクトに、クウはただ顔を青ざめている。
     彼は知っている筈だ。敵う訳がないと。

    「魔法をロクに使えない君にそのナイフ技を教えたのは、他ならぬ俺なんだから」

    18/09/05 23:30 NANA   

    ■作者メッセージ
     俺の夏休み――燃え尽きたぜ…真っ白にな…。



     はい、こちらも久々の投稿です。かなり時間が空いてしまったなぁ…。あと、大人なんで夏休みなんてないんですがね。
     さてさて、今年の夏も暑かったですね。猛暑もそうですが、イベントも色々で。9月とは言え、まだまだ暑い。けれど夏は終わった。かき氷とか食べたかったなぁ…。
     どんな夏を過ごしたか? 具体的には、このような夏を過ごしておりました…。


    スピカ「極&蛍丸部隊出陣ー!! 蛍10万集めで新刀剣男子の千代金丸をー!! 今回は乱だろうが何だろうが構わず突撃よー!!」(マウス高速クリック)

    スズ「レース&監獄復刻イベント、そしてサバフェス!! 同人誌ギル様の衣装ジャンヌオルタ聖杯ゲットじゃー!!」(不眠不休で金のリンゴ食いまくり)

    オパール「だー!! 残り二日しかなーい!! リク&ロクサスメダル、夏休みイベントー!! てか、高難易度の敵HPエグイぐらいあるじゃないこんなん弱者キーブレード使いにクリア出来るかぁぁぁ!!!」(必死でイベント消化)


     …こんな夏を過ごしておりました。いや、これが全てではないですからね? リアルでは夏に行われるイベントの為の練習やら本番やらで時間取られましたからね。
     と言う訳で、ここから先はいつも通りゲームの話やら何やらの雑談です。


     KHUXの夏イベント、夏休みと言う事で【358/2Days】を中心としたイベントでした。けど、正直全力でやった感がないんですよね…。夏休みイベやKHクイズ(358/2Days)クリアした事と、リク&ロクサスメダル手に入れたことぐらいかな…?
     それはそうと、最近になってようやく宇多田ヒカルの新しいアルバム『初恋』に収録されているKH3のテーマソング『誓い』を聞く事が出来ました。実際に聞いたり歌詞を確認すると、結婚式を思わせる曲だったんです。
     …この曲からして、ハッピーエンドを期待していいって事ですよね? FF15みたく、最後に誰かが結婚式上げるって事でいいんですよね? KH3はロクサス達アクア達が幸せになる未来を期待していいんですよね野村Pー!!
     現在はKHUxも3周年。色んなイベントやら景品が目白押しなので、この機会に頑張りますよー!



     そして、KHUx以外にもFGOの夏イベントに全力を注いでいました。最後は睡眠時間削って全てのイベントを熟しました。身体も精神もボロボロになるから、皆は真似しちゃダメだよ!(オイ
     今年の夏イベは、まさかの同人誌作り。公式がまさかのチョイスをしてきました。おかげで、このイベントを熟すごとに同人誌作りたくなりましたね。漫画は描けなくとも小説はもう何年もやってきてますし…ね。
     けれども忘れてはならぬ。このイベントには裏がある事を…ラスボスイベントはまさかの展開に、SAN値ゴリッと削れました。そりゃそうよね、フォーリナーだもんね。クトゥルフ成分あって当然だわ。
     尚、FGOガチャはKHUxと違って…ヒロインXXと言う目当てのキャラを手に入れたかと言われたらノー。いつも通り爆死ですよ? ハッハッハ。
     ……と、言いたい所だが…――星5の超レアキャラ・超希少なクラスの水着BBちゃんが当たりましてね。どうだ、羨ましいだろー!!


     ネタバレする前ならこっちも嬉しかったけどねぇ!! 今となってはこえーからこのキャラ!! ラスボスイベントでは結構SAN値ゴリゴリ削れさせたからねぇ!!?

     それはそれとして、こちらも現在復刻イベント中――何とzeroコラボです。とうとう来ました。Fateに繋がる始まりの物語。この話もファンが多いんですよね。
     エミヤパパは既にいるんで、頑張ってイリヤママことアイリさんお迎え出来るよう全力を尽くします! エミヤ家揃えるのが、今の私の目標だー!
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