「なあジャック、魔界に行く鍵はこれで揃ったけど、どっから魔界に行けるんだ?」
「ここからでもいけるぞ。さっさと行って用事を済ませるぞ」
ジャックが袋から三つのオーブを取り出す。その三つで三角形を作り三人を囲う。
「神の作りし聖なる宝玉よ、我らを魔の世界へと導け」
目を閉じながらジャックが唱えると、オーブはまばゆい輝きを放った。
そして辺りは光に包まれた。
あまりの眩しさに目を瞑っていたが、やがて光が収まると目を開ける。
「な、んだ、これ…」
目の前には闇が広がっていた。
暗闇ではない。光はないのに地面も空も、遠くの方まで見える。
大地は枯れてしまっていて緑はない。枯れ木ばかりが立っている。
空は赤黒い。暗いわけではないが、黒と赤がマーブル模様のように混ざろうとしているかのように見える。
しかし、ルークはそんなことに驚いたのではない。
「…ずいぶんと、禍々しいな。貴様は何者だ」
ジャックが剣を構える。
「フフフ…久しぶりだな、我が友よ。しかし、残念だ。大切な友と別れねばならないとは」
そこにはルークが探し求めていた友、ケーリーがいた。
ケーリーはルークと同じ剣を構えた。
しかし、ルークのは白く輝いていたのに対し、ケーリーのは黒く暗い闇を放ち、ケーリーを包んでいた。
「この子が、あなたの友達…?冗談でしょ?」
いつも気楽そうにしているリーネが額に汗を浮かべる。
「黙れ小娘。…久しいな、ルーク」
ケーリーはリーネをにらみつけた。その瞬間、リーネは背筋に冷たい物を感じ、瞬きすら出来なくなった。
「…お前、だれだ…」
「おいおい、ちょっと会わない間に親友の顔を忘れたのか?」
見下すようにルークを見る。ルークは知らぬ間に剣を構えていた。
「僕とやろうって言うのかい。今まで勝った事なんてないのに」
ジャックも剣を構える。が、
「じゃまだな」
ケーリーが剣を振るとジャックとリーネは消えていた。
「さて、ぼくはちょっと忙しいんだ。君も帰ってよ」
再び剣を振る。しかし、ルークは消えなかった。
「…仕方ないな。君にいられると困るんだ」
今まで一歩も動かなかったケーリーの足が動く。
その動きはジャックよりも早かった。ルークは何も考えず防御した。
剣と剣がぶつかり合い火花が散る。
「強くなったね。ルーク。でも、残念だ」
ケーリーが剣を振るう。すると今度は剣の周りを漂っていた闇がまっすぐにルークをねらった。
ルークも剣を振るい、光を放つ。お互いの力は打ち消し合い消滅した。
「…ケーリーを返せ…!!」
ルークがケーリーに向かって大きく踏み込む。そのまま剣を振り斬撃を繰り出しその後ろから剣で斬りつける。
ケーリーの前に闇の盾が出来る。それで防御できると思っていたケーリーは剣を振りかぶった。
しかし、最初の斬撃がヒットすると闇の盾は消えてしまい、次の剣による攻撃がケーリーの腹を切り裂いた。
「ぐっ、」
斬られたところからは血は出てこない。代わりに暗い闇があふれてきた。
腹を斬られたことによりバランスを崩して力が入らないが、せめてもの攻撃に剣の塚で殴りつけた。
体勢を低くしていたので上からの圧力により地面につっこんだ。
すばやく起きあがり剣を構える。
ケーリーの傷は闇をこぼしていたが、やがてその闇が傷を塞いだ。
「君じゃあ僕は倒せないよ」
(くっ、どうすれば…)
その時、ルークの剣が光り輝いた。その光は辺り一帯を優しく包み込んだ。
「その程度、何が…!?」
光をあびたケーリーの剣から闇が消えていた。しかし、その刀身は黒く淀んでいた。
「…それがどうした!さっさと消えろ!!」
まるで余裕が無くなったように動きが単調になる。
その攻撃をたやすくかわし、ケーリーの腹に再び攻撃を加えた。
「ぐあっ、」
今度は先ほどとは違い、赤い液体が飛び出してきた。
「ぐっ、まだだ、私はまだこんな所では…」
カラン、ケーリーの手から剣が落ちる。そして、しばらく苦しみ、ケーリーは地面に倒れた。
[5]
戻る [6]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME