「ようリン、来たぜ!」
「リンさん、ガイさん、お久しぶりです」
それは、スクルド奪還の旅を終えてから数か月たったある日のこと。
ファブレ家の一行は、グランコクマのガイラルディア邸に訪れていた。
「いらっしゃい、レイノス、スクルド!」
「よう、ルークとティアもしばらくぶりだな」
彼らを迎えたのはガイラルディア家当主のガイと娘のリンである。
「ようガイ!」
「数か月ぶりね」
ルークとティアもガイに声をかける。
彼らはキムラスカ、マルクトそれぞれの大貴族であると同時に、22年前の戦いで世界を救った英雄である。
「こんなところで立ち話もなんだ、あがってこいよ」
部屋に通された彼らは、話に花を咲かせた。
やがて話は、レイノス達の旅のこと、そこで出会った仲間たちのことに移った。
「チーグルの森には、シノンっていう魔獣使いがいるんだぜ」
「パートナーとして連れてるハノンっていうチーグルがとっても可愛いんだよ!」
レイノス、スクルドが話しているのはシノンの話だ。
「魔獣使い…アリエッタみたいなものか?」
二人の話を聞いてガイが思い出したのはかつて戦った六神将の一人【幼獣のアリエッタ】だ。
彼女は、幼いころライガという魔物に保護され、彼らと生活を共にしていた。
「チーグルの森、か…」
そんな中、レイノス達の話を聞いて一人思案顔のルーク。
そして、顔をあげると一同に告げた。
「なあみんな、突然で悪いんだけど……聞いてほしいことがあるんだ」
翌日の早朝。
ファブレ家とガイラルディア家の一同は、辻馬車に乗って出かけ始めた。
ルークの切り出した話。
それは「チーグルの森に行きたい」というものだった。
「悪いなみんな、こんな無理行っちまって…」
話を切り出した当人であるルークはすまなそうに詫びる。
「まあ、俺たちも久しぶりにシノンに会いたいしいいけど…親父、突然どうしたんだよ?」
「あそこは…ルークと私にとって思い出深い場所なの」
レイノスの言葉に代わりに答えたのはティアだ。
「確か、先代の導師イオン様に出会った場所だっけ?」
スクルドが尋ねる。
チーグルの森でのことは、父と母から多少は聞かされていた。
「ああ、それにあそこは『アイツ』と…」
「お、着いたな」
「ハノンに会うの楽しみだな〜」
「シノンの家はこっちよ、行きましょう!」
チーグルの森に着くと、レイノス、リン、スクルドはシノンの家にすぐさま走って行った。
一方彼らの親たちは、感慨深そうに森を眺めている。
「ここに来るのも久しぶりだな…」
「ああ……」
ガイの言葉にルークは短く返答を返した。
そして、ぼそりとつぶやいた。
「『アイツ』、今もここにいるかな?」
「微妙なとこね、彼らは人間ほどに寿命は長くないから…」
ティアの言葉に、少しうつむいてうなだれるルーク。
「ま、とりあえずあいつらを追いかけようぜ。急がないと見失っちまう」
「ガイ……ああ、そうだな」
スキット「シノンとアリエッタ」
ティア「そのシノンって子はどんな子なの?」
レイノス「ちょっと抜けてるけど、明るくて元気な奴だぜ」
ルーク「へー、てっきり暗くて陰気な奴なんだと思ってた」
スクルド「お父さん…会ったことない人になんでそんなイメージを?失礼だよ」
ルーク「わ、悪い……昔出会った魔獣使いがそういうやつだったからよ」
ガイ「こんな森に住んでるってことは親がいなくて魔物に育てられたのか?」
リン「違うわよ、ちゃんと人間の両親と一緒に住んでるわ」
ティア「こ、こんな所に一家で居住してるの!?」
ルーク「同じ魔獣使いでもあいつとは全然境遇が違うんだな…」
レイノス「…ていうか親父たち、さっきから誰の話してんだ?」
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