「これは…!」
ジェイド・カーティスは、驚きの声を上げる。
彼の隣には、元神託の盾騎士団特務師団師団長セネリオ・バークハルスがいる。
セネリオに連れられてジェイドは今、コーラル城へとやってきていた。
「…間違いありません。この音機関はフォミクリーですね。それも非正規の」
「やはりそうか」
セネリオは、コーラル城で見つけたこの大型の音機関がフォミクリーではないかと考え、グランコクマのジェイド・カーティス元帥を尋ねた。
ジェイドは、自分の知らぬ場所にフォミクリーがあるかもしれないと聞いて、すぐにセネリオと共にコーラル城へやってきた。
そして、セネリオの推察は、正解だったというわけだ。
ジェイドは、すぐにその音機関を調べ始めた。
なにやらキーボードみたいなのをいじって、フォミクリーを調べてみるのだが…
「…ダメですね。…機能が完全に停止している。どうやら廃棄されているようですね」
そういうとジェイドはさらに調査を続けるが、
「データも抜き取られている。痕跡も消し去られていますし、何の目的で使われたのかは、分かりそうもありません」
音機関の調査を終えると、ジェイドはセネリオのところへ戻ってきた。
「ジェイド・カーティス元帥。あなたは、この音機関…フォミクリーについて、どう思う?」
「…確証はありません。ですが、これだけの大規模なフォミクリーを作れる組織など、そうはいません」
「クラノスが関わっている可能性は高い…か」
セネリオは腕組みをしながら考える。
そして、ハッとして顔を上げた。
「まさか、スクルドは…!」
セネリオの言わんとすることを理解したジェイドは、真剣な眼差しでセネリオに向けて頷いた。
「ええ!?ジェイドさんいねえのかよ!?」
グランコクマへやってきたファブレ家一行。
港で待っていたガイとリンに連れられて、ガイラルディア家の屋敷へやってきたのだが、そこでガイから聞かされたのは、呼び出してきたジェイドの不在であった。
ジェイド不在の話を聞かされて、驚きの声をあげるレイノス。
「なんだよジェイドのやつ、向こうから呼び出しといて」
「まあそう言うなよルーク、数日で戻るっていってたし、明日か明後日辺りには戻ってきてると思うぜ」
とまあそんなわけで、しばらくガイラルディア邸に滞在することとなったのだった。
「スクルド、元気だった?」
「はい!リンさんこそお変わりないようでなによりです!」
リンとスクルドは、旅以来の再会にお互い喜び合う。
「よ、ようリン、元気そうだな」
「レイノス…」
レイノスが、やや緊張した面持ちでリンに話しかける。
レイノスに声をかけられ、リンは顔を紅潮させる。
しかしすぐに気を取り直し、
「うん、私は元気だよ!」
「そっか、なによりだ」
「レイノスはちょっと元気ないんじゃない?」
「そ、そうか?」
「せっかく来たんだし、もっと元気出しなさいよ!」
そう言ってリンはニコッと笑った。
それは優しく眩しい陽光のような笑顔で、不思議とレイノスは気分が落ち着くのを感じた。
「ああ…そうだな!悪いなリン、暗い顔見せちまって」
「そうそう、その意気だよ!」
気づけばレイノスは、すっかり緊張が解け普通に話せるようになっていた。
「スクルドと一緒に寝るのも、久しぶりね」
夜になり、就寝の時間となった。
スクルドはリンの部屋で、一緒に寝るようだ。
「リンさん、ありがとうございます」
「ん?どうしたの?」
突然礼を言ってきたスクルドに、リンはなんのことだろうと首をかしげる。
「お兄ちゃんの事ですよ。お兄ちゃん、ここに来る前はリンさんと顔を合わせるのすっごく緊張してたみたいだから」
「あはは、まあ私もレイノスが来るって聞いたときは緊張したけどね」
「でもリンさんのおかげで、お兄ちゃんもすっかり緊張が解けたみたいです」
「まあ、あいつと気まずい雰囲気でいるのは嫌だったからね」
そんなこんなで話を弾ませていると、ふとスクルドがいたずらっ子のような笑みを浮かべた。
リンは、そのスクルドの表情に、なんとなく旅の仲間であるクノンの笑顔が浮かんだ。
(あ、これやばい。なにかよくない話を振ってくる流れだ)
リンは咄嗟に危険な予感を感じた
そして彼女の予感は当たった。
「それでリンさん、お兄ちゃんとキスした時の話、教えてくださいよ」
「な!?だ、だめ!それは聞かないで!思い出さないようにしてるんだから」
「いいじゃないですかあ〜♪」
そう言ってにじりにじりとスクルドが詰め寄ってくる。
「うう…しょうがないわね」
リン、あっさり観念。
「正直に言うと、リンさんがそんな積極的な行動に出るなんて、驚きです」
「自分でもびっくりよ……ただ、あの時はレイノスが目を覚
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