その後セネリオは、宿で一泊すると言ってファブレ邸を後にしようとしたが、スクルドの引き留めや、宿や野宿よりもこっちで一泊したほうが目立たないし安全だろうと、ルークやティアの説得してきた
「俺としては、ファブレ家に余計な嫌疑をかけることになりかねないので遠慮したかったのだが…」
「あんま気ぃ使うなって。娘の救出に手を貸してくれた恩もあるし、あんた一人匿うくらいのことはわけないって」
「スクルドもあなたにいてほしいみたいだしね」
「…ご厚意、感謝します」
そういうわけで、セネリオはファブレ邸で一夜を過ごすこととなった。
「おい、セネリオ!」
「セネリオさん、こんばんは」
セネリオに与えられた部屋に、レイノスとスクルドがやってくる。
セネリオは、旅の間もそうしていたように、愛剣であるラグネルとエタルドを念入りに手入れしていた。
作業の手を止めたセネリオは、顔をあげて現れた兄妹の方を向いた。
「何か用か」
面倒くさそうな顔をしながら用件を尋ねる。
どうやら剣の手入れの邪魔をされたことが不服らしい。
「せっかく久しぶりに会ったんだ、手合せしようぜ!」
「わ、私は、お兄ちゃんとセネリオさんの稽古を見学したいなあって…」
「…ふむ」
レイノスの提案に、セネリオは腕を組んで考える。
そして、一瞬二人の方をチラッと見ると、再び思案顔となった。
そうしてしばらくして顔を上げると、言った。
「分かった、ただし一つ確認しておきたいことがある」
そういうとセネリオは、二人のもとに近づき、そしてスクルドの方を向いて言った。
「スクルド、お前にはこれからの旅で戦闘に出る覚悟はあるか?」
「え…!?も、もちろんですよ!いつかこの日が来る予感がしてたから、密かに特訓だってしてたんですから」
「そうか…レイノスは、こいつが戦うことに異論はないのか?」
「…そ、それは」
「…迷っているようだな」
「お兄ちゃん!私だって戦えるよ!」
「べ、別にお前が無理して戦いに出ることないだろ。戦いにだって慣れてねえだろうし…」
スクルドを戦わせるという事に抵抗を感じているらしいレイノス。
そんなレイノスに、スクルドは自分も戦うと主張する。
そんな二人の様子を見ながら、セネリオは言った。
「二人とも、街の外へ行くぞ」
「おいセネリオ、どこまで行くつもりだよ」
「街の近くでは騒ぎになるからな、用心してのことだ」
バチカルの街を出たレイノス達は、街を離れてどんどんフィールドを進んでいく。
「おいセネリオ、俺とティアも連れて、どうするつもりなんだよ?」
「すみません、付き合わせてしまって…着いたら説明します」
彼らに着いて、ルークとティアも一緒に来ていた。
セネリオの頼みで連れてこられたようだ
やがて、街から充分離れると、セネリオは言った。
「ここまで離れれば充分だろう…レイノス、スクルド、今からお前達にはこの周辺の魔物を退治してもらう」
「へ?魔物退治?」
セネリオの言葉に、レイノスはきょとんとする。
てっきり、自分とセネリオの手合せをやるものだと思っていたので、彼のその言葉は寝耳に水であった。
セネリオは説明を続ける。
「今から3時間、お前たち二人と俺一人で、どちらがより多くの魔物を狩れるかを競ってもらう」
「きょ、競争、ですか?私も?」
「ああ、お前にはレイノスと組んで魔物退治をしてもらう」
「は、はあ…」
スクルドも突然の提案に戸惑っているようだった。
「私とルークは、監視役兼集計役といったところかしら?」
「ええ、ルークさんにはレイノス達の、ティアさんには俺についてもらいたい。緊急の時を除き、手出しは無用でお願いします」
「へえ、面白そうじゃねえか!」
説明を聞いて、ルークは結構乗り気のようだ。
もういい年だというのに、妙な所で子供っぽい。
「レイノス、スクルド、構わないな?」
「お、おう…」
「は、はい…」
まだ戸惑いを隠せていない様子ながら、レイノスとスクルドは了承した。
「…ちなみに、もし俺に負けるようであれば、お前たちは旅に連れて行かない。弱いものを連れて行っても、足手まといになるだけだからな」
「はぁ!?」
「ええ!?」
「…そういうわけで、本気で行けよ。それでは、スタートだ」
そういってセネリオは、駆けて行った。
監視役であるティアが、それを追う。
残されたレイノスとスクルドは、監視役であるルークを尻目に、呆然としていた。
「おいお前等、ボーっとしてる場合かよ」
ルークに声をかけられ、二人はハッとする。
そうだ、こうしている場合じゃない。
すぐに、行動を開始しなければ。
「くそ、セネリオの奴…見てろよ!負けねえからな!」
「あ、お兄ちゃん!待ってよ!」
駆け出したレイノスを、慌ててスクル
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