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第1章『漆黒の訪問者』 5

レイノス達は、朝食を済ませ旅支度を整えると、ルークやティアたちに見送られながらバチカルを後にした。

「う〜ん、これからまた旅が始まるんだな!」
「私、冒険って初めてだからちょっと緊張するな…」

それぞれの想いを募らせるレイノスとスクルド。
いよいよ、第二の冒険が始まるのだ。

「これからのことについて説明するぞ」

セネリオが、旅の方針について説明を始める。
これも、前回の旅の時からの彼のパーティ内における役割だった。
基本的に旅の方針は最終的にセネリオによって決められることが多い。

「まずは、他の奴らとも合流したい」
「他の奴らっていうと…リンにクノン、アルセリア、ミステリアス、シノンの事だな」
「ハノンも忘れちゃだめだよ、お兄ちゃん」

それは、かつてスクルドを助けるために協力してくれた仲間達。
今の3人だけでは、心もとないため、まずは彼らとの合流が最優先目標であった。
セネリオの説明は続く。

「最初に向かうのは、シェリダンだ」
「クノンと合流するんだな」
「それもあるが、目的はもう一つある。アルビオールの入手だ」

アルビオール。
それは、シェリダンにて開発された巨大飛行音機関だ。
その速度は凄まじく、どれだけ離れた場所でもあっという間に辿り着くことができるともっぱらの評判だ。
前回の旅の際にレイノス達はそのアルビオールをあてにしてシェリダンにやってきたのだが、アルビオールは調整中という事で、使う事が出来なかったのだ。

「今回は俺が事前に許可を取っておいた。今後の旅は、アルビオールを利用することとなる」
「アルビオールか!前の旅の時から、一回乗ってみたいと思ってたんだよな!」
「空飛ぶ音機関かあ…楽しみです」

セネリオの話を聞いて、レイノスとスクルドはそれぞれワクワクを隠し切れない様子だ。

「そういうわけで、これから俺達はシェリダンに向かうため、ベルケンドの港を目指すことになる。道中、油断する事のないよう気を引き締めろ」




こうして、ベルケンド港を目指して、旅が始まった。
そして歩き始めて数十分、魔物が現れた。


「烈穿双撃破!」
「魔人滅殺闇!」


レイノスとセネリオの二人により、次々と魔物達は倒されていく。


「しまった!スクルド!」

そんな中、魔物のうちの一匹が二人を通り抜けて、後ろにいたスクルドに向けて走り出していた。
しかしスクルドは、慌てることなく対処する。


「深淵へと誘う旋律…」

♪トゥエ レィ ズェ クロア リュォ トゥエ ズェ


スクルドの歌声が響くと、魔物は闇に包まれ、眠ってしまう。


「空襲剣!」


眠った魔物へ、セネリオの容赦ない攻撃が浴びせられ、魔物はそのまま永遠の眠りについた。


「お疲れ様、お兄ちゃん!セネリオさん!」
「悪いなスクルド、うっかりそっちに魔物行かせちまって」
「気にしないでよ、お兄ちゃん」

今の魔物が最後だった為、戦闘は終了となった。
レイノスは、不注意で危険にさらしたことをスクルドに詫びるが、スクルドは気にしている様子はない。

「今のがユリアの譜歌か」
「ええ、第一から第七まであるんですが、今の私には第四までしか正確な意味を把握できなくて…それ以上の譜歌はまだ使う事が出来ないんです。今のは第一の譜歌、『ナイトメア』といって、敵を眠らせることができるんです」
「なるほどな…ユリアの譜歌は普通の譜歌よりも強力な効果を持っているという話は、確かなようだな」
「せっかくなのでもう一つ、歌ってあげますね」

スクルドは、コホンと咳払いすると、歌い始める。


「女神の慈悲たる癒しの旋律…」

♪リュォ レィ クロア リュォ ズェ レィ ヴァ ズェ レイ


「はい!これで体力回復です!」
「おお、すげえ!サンキューなスクルド」
「なるほど…凄まじいな、ユリアの力というのは…」

その回復量は、並の全体回復術とは比べ物にならないほどだった。
傷ついた身体が癒されていくのを感じながら、レイノスとセネリオはユリアの譜歌の力を実感するのであった。



そうして3人は再び歩き、やがて日が暮れてきた。
夜の移動は危険という事で、野宿することとなった。
料理はスクルドが作ることとなった。
なんでも、バチカルに帰ってから母に料理を習い始めたという事で、振舞ってあげたいということらしい。

「どうですか、セネリオさん!」
「…まあ、食えないことはないな」

そう言うセネリオの表情は、あまり芳しいものではなかった。

「うう〜ん、やっぱりまだまだ修行が足りませんか。でも!いつかセネリオさんにおいしいって言ってもらえるような料理を作ってみせますから」


こうして、旅の第一日の夜は更けていった…


スキット「就寝」
スクルド「すぅ〜、すぅ〜」
レイノス「
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