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中編 「再開」(下)

「ここだな…」

そこはチーグル達の住処。
ルークがその中に入ると、近くにいたチーグル達は驚きの声をあげながら散り散りにその場から逃げだしていった。

「驚かせちまったみたいだな…」

頭をポリポリとかきながらそうつぶやくと、ルークは奥へと進んでいった。
そして、巣の最奥にて見つけたのは、ソーサラ―リングを持った年老いたチーグルだった。

「ミュウ……なのか?」
「ご主人様…?」


こうして彼らは再開した。


「ご主人様……本当にご主人様ですの!?」
「バーカ、他に誰に見えるんだよ」

しわがれた声を出しながら、感極まった様子のミュウ。
そんなミュウに、ルークは軽口で返す。

「久しぶりだな、ミュウ」
「久しぶり…ですの、ご主人様」
「何言ってんだ、もうお前は俺の主人じゃねえだろ」
「たとえ…離れ離れになっても……ミュウにとっては…ずっとご主人様なのです」

ルークとミュウは話を続けている。
ミュウの言葉はゆったりとしていてしわがれた声ではあったが、その表情からは喜びがにじみ出ていた。

「コホッコホ……ふぅ、興奮してしゃべりすぎちゃったのですの」
「大丈夫か?体の調子悪いのか?」
「…はいですの。多分…そう長くないですの」
「!」

ミュウの言葉に一瞬目を丸くしたルークだったが、すぐに表情を戻して「そっか」と短くつぶやいた。

「死ぬ前に…ご主人様に会えて…よかったですの」
「おいおい、そんな縁起でもないこと言うなって」
「みゅう〜」

意気消沈した様子のミュウを見て、困り果てた表情のルーク。
チーグルの寿命について詳しく知っているわけではないが、おそらく20年も生きればかなりの高齢だろう。
それを考えれば、ミュウはかなり長く生きているといえるだろう。

「…ごめんな」
「みゅう?」
「俺、お前のご主人様として立派に接してやれなかったと思う」
「そんなことないですの」

ルークの自責の言葉をミュウはあっさりと否定した。

「確かに…殴られたり蹴られたり…痛いこともいっぱいあったけど……それでも…ご主人様と一緒にいられて……ミュウは幸せだったですの」
「なんだよそりゃ、Mかよ」

ミュウの言葉に突っ込みを入れながら、ルークは誰にも聞こえないほどの小さな声で「ありがとう」とつぶやいた。



「それじゃあ俺はみんなのところへ戻るよ」
「今日は楽しかったですの」
「……じゃあな、ミュウ………いや」

ふと、何かを思い出したかのような表情で思案顔になるルーク。
やがて、ミュウの方を向いてにやりと笑うと、


「元気でな、『ブタザル』」
「みゅう♪」


スキット「嫌われルーク」
レイノス「親父にとって、そのミュウってやつは大切な存在だったんだな」
シノン「長老から、レイ兄のパパの話はよく聞かせてもらったよ」
ガイ「まあ、初めのころはひどかったけどな」
リン「そうなの?」
ティア「そうね、ミュウにブタザルっていう呼び名を付けたり…」
スクルド「ぶ、ブタザル!?」
ガイ「何かあるたび蹴とばしたり踏んづけたりとかな」
シノン「ええ!?そんなひどいことを!?」


そしてルークが戻ってきて…


ルーク「なあティア、ガイ。なんかみんなの視線…特にスクルドとシノンが、おっかない視線でこっち睨んでるんだが。俺何かしたか?」
ティア「え、え〜と…」
ガイ「ま、まあ気にするな」
スクルド・シノン「(チーグルの敵……)」
11/07/06 15:50更新 / わっくん
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