激戦の末、六神将の一人ルージェニアを退けた一行。
しかしその戦いで、仲間の一人クノンが重傷を負ってしまった。
さらに、何故か治癒術をかけてもクノンの傷は癒えることなく、むしろ悪化してしまったのだ。
一行はすぐさま街に戻るため、ザオ遺跡から出た。
しかしそこで、とある問題が浮上した。
「アルビオール…どうしましょう」
ここまで来るのに使用した飛行音機関、アルビオール。
その操縦士であるクノンがダウンしている今、これを操縦できるものがいない。
「ここに置いてくしかないのか…」
クノンがいなければ、アルビオールは動かせない。
置いていくというレイノスの判断はもっともではあるのだが、
「でも!ここからじゃ街まで遠いよ!クノン、こんなにボロボロなのに…」
シノンが反論する。
確かにここから歩いていくとなるとそれなりの距離があり、途中のオアシスでさえ結構時間がかかる。
決して歩いていけない距離ではないとはいえ、クノンの容体を考えれば少しでも早く街に着きたいところだ。
「…俺が操縦する」
そう進言したのは、セネリオだった。
「セネリオさん!操縦できるんですか!?」
「クノンのように上手くはいかないだろうがな…なんとかケセドニアまで動かすくらいならやってみせよう」
スクルドが驚きの声で、運転できるのかとセネリオに訊ねる。
セネリオは、クノンのように上手くは出来ないものの、なんとか動かして見せると答えた。
「アルビオールの中なら外気の暑さも凌げるし、クノンを休ませるにも都合がいいだろうしな。ここはセネリオに頼ろうぜ」
ミステリアスも、アルビオールでの移動の方が利点が大きいとして、セネリオの申し出に賛成する。
「分かった、頼んだぜセネリオ」
レイノスの言葉に、セネリオは無言で頷いた。
そうして、セネリオの操縦によりアルビオールは動き出すこととなった。
低空飛行で速度もクノンの操縦に比べて遅いものの、なんとか暗くなる前にケセドニアに辿り着くことができた。
「私がお医者様を呼んできますから、皆さんは宿屋へ!」
ケセドニアに着くと、アルセリアが医者を探すため一端別れ、他の面々は宿へ向かいベッドにクノンを休ませた。
「クノン…」
シノンは、クノンの手をギュッと握りしめた。
彼がこんな風にボロボロになったことに、責任を感じているのだ。
「大丈夫よ、シノン…」
「うん…」
辛そうな表情でクノンを見つめるシノンを、リンが励ます。
もっと気の利いた事を言えればよかったのだが、なんて声をかけていいか思いつかず、結局こんな気休めにもならないようなことしか言えなかった。
(それにしても、なんで治癒術が…ううん、それ以上に)
(クノンさん…なんで私達に話してくれなかったの?)
おそらくクノンは、治癒術が効かない自分の身体のことを知っていた。
それなのに、それを黙っていたのだ。
そのことが、リンにはとてももどかしく、悲しかった。
やがて、アルセリアが医者を連れて戻ってきた。
医者は、すぐさまクノンの身体を診察する。
「むう、これは酷い怪我を…」
「あの、クノンは大丈夫なんですか!?」
シノンが医者に詰め寄って聞く。
医者は、ふっと笑みを浮かべていった。
「大丈夫だよお嬢ちゃん。確かに酷い怪我だが、見た所命に別条はない。きちんと休んで治療すれば、動けるようになる」
その話を聞いて、シノンや他のメンバーの顔が明るくなった。
セネリオは表情を変えず、ミステリアスはそもそも表情が見えないが。
その後、クノンは医者に預け、すっかり暗くなってしまった為一行は改めて宿を取ることとなった。
そして、クノンほどではないにしろルージェニアとの戦いでダメージを受け、疲れていた彼らは、ぐっすりと眠りについた。
―翌日―
「う、うん…?」
朝日の光を受けて、クノンは目を覚ました。
「クノン!」
「みゅう!」
目を覚ました彼の目に飛び込んできたのは、涙目の少女とチーグル。
シノンとハノンだ。
「おチビちゃん、ハノン…」
「うわあああん!良かったよおおお!」
「い、いたたたたたた!」
感極まって、シノンがクノンに飛びつく。
するとクノンは、昨日の戦闘の傷がうずいたのか、痛みを訴えた。
「こらこらお嬢ちゃん、まだ怪我は治っていないんだからおとなしくね」
「は、は〜い」
痛みを訴えたクノンを見て、シノンは慌てて離れる
そしてそばにいた医者に注意され、素直に返事をするのであった。
「クノン、昨日はほんとに、ゴメンね」
「なんでおチビちゃんが謝るのさ」
「だって…」
シノンは昨日クノンが気絶した後の事を話す。
秘奥義でルージェニアを止めようとしたものの間に合わず、クノンがやられてしまったこと。
セネリオのアルビ
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