「すみません、セネリオさん送っていただいて」
「気にするな」
朝。スクルドはセネリオと共にダアトの宿屋へと向かっていた。
昨日はアルビオールの中で話をしていたのだが、大雨のためにダアトへ戻れなくなってしまった。
そこで今日の朝、彼女はセネリオにより宿へ送られているのだ。
「あ、お兄ちゃん!」
「スクルド……セネリオ!」
宿へ着くと、宿の前にはレイノスが立っていた。
しかし、振り向いたレイノスの表情はどこかうつろだ。
「どうしたのお兄ちゃ…」
「セネリオ覚悟ーーーー!!」
レイノスは突然剣を抜くと、セネリオに斬りかかってきた!
「ごめんねセネリオ、迷惑かけちゃったみたいで…」
「まったくだ…」
謝るリンに対し、セネリオの表情はあからさまに不機嫌だ。
レイノスは、セネリオとスクルドが二人っきりで夜を過ごしたことへの不安から暴走し、衝動的にセネリオへ襲いかかったのである。
襲われた当人からしてみれば、不愉快極まりない話だ。
ちなみに襲ってきた張本人であるレイノスは、あっさりとセネリオの返り討ちにあい、現在スクルドからお説教を受けている。
「セネリオさんに剣を向けるなんて何考えてるの!?」
「………」
「聞いてるのお兄ちゃん!?」
「………ぐがー、ぐがー」
レイノスは寝ていた。
「お坊ちゃん、昨日御令嬢の心配しててゼンゼン寝てないんダヨ♪」
クノンが可笑しそうにしながら言った。
やがてセネリオは長居するわけはいかないとアルビオールへと戻っていった。
「さて…今日はどうしよっかな」
爆睡しているレイノスを宿の部屋に連れていくと、リンは今日の予定について考えた。
イフリートとの契約のためにザレッホ火山に向かうのは2日後で、それまでは束の間の休日なのである。
昨日はレイノスと一緒に街を見て回ったのだが、今日は彼は宿で眠っているためそれは出来ない。
「あ、リンさん」
「待ってたんですよ」
「スクルド、セリア、どうしたの?」
ロビーに降りると、スクルドとアルセリアがいた。
「今日は3人で街を見て回りませんか?」
「私はダアトの出身ですから、いろんなところを案内できますし」
「それはいいわね、行きましょ!」
二人の提案にリンは賛成した。
「そういえば、他のみんなはどうしたの?」
「ミステリアさんは街の外を適当にぶらつくっていってました」
「クノンさんとシノンちゃんは二人で出てったよ」
リンの疑問に、アルセリアとスクルドがそれぞれ答えた。
こうして、それぞれの束の間の休息の1日が始まった。
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