「ツギはアッチ行こうよ〜♪」
「ま、待ってよクノン〜」
「みゅ〜」
こちらはクノンとシノン&ハノンだ。
ハイテンションのクノンがあっちこっちにシノンたちを連れ回している。
「そろそろお昼にしよッカ!」
「あ、そうだね」
「スイマセン〜、サンドイッチ3つ〜」
「あ、お金は…」
「イイヨイイヨ、ボクが払うからさ」
そんなわけで現在2人と1匹はお昼としてサンドイッチを食べている。
「ネーネー」
「………ヘ?あ、何クノン?」
「…ナンカあったの?」
「べ、別になんでもないよ!」
クノンの言葉を慌てて否定するシノン。
「ウソだね!いつものお嬢ちゃんはボールみたいにピョンピョン飛び跳ねちゃうぐらいに元気ダモン!」
「シノンはボールじゃないもん!」
クノンの言葉にプクリとほっぺたを膨らませるシノン。
「みゅうみゅう…」
「ハノンも心配してるよ。ボクたちで良かったら相談に乗るヨ」
「ハノン……クノン……」
二人の熱意に負け、シノンは口を開いた。
「私…みんなの足引っ張ってばっかりだなあって思ってさ…」
ザオ遺跡では自分とハノンを助けてクノンが瀕死の重傷を負った!
いつも一緒のハノンが熱を出してたことにすぐに気づけなかった!
前の契約の時にも、グレイシアに人質に取られた!
「私のせいで…みんなにいっぱい迷惑かけちゃった!だから…もっと頑張らないと…私……」
後悔の言葉を紡ぐシノンの表情は、真剣そのものだった。
だが、クノンの目には、今のシノンの様子はどこか危うく感じられた。
頑張らねばと気負いすぎていて、なんというか『らしく』ない。
「ね、お嬢ちゃん」
「何?クノン」
クノンの言葉に反応したシノンの表情と口調は、やはりどこか堅い。
「ちょっと両手を上げてバンザイしてみてよ」
「え?う、うん…」
クノンに言われるがままに、シノンはバンザイする。
するとクノンは、手をワキワキとさせて…
「コチョコチョコチョコチョコチョ……」
「ふえ!?アハッ!アハハ!アハハハハハハh!」
盛大にくすぐられた。
「クノン、いきなり何するの!?」
地面に仰向けになりながら笑い転げていたシノンは、起き上がると抗議の声を上げた。
「ちょっとはスッキリしたんじゃない?」
「え?」
「悩んでるときは笑うのが一番サ!ボクみたいにね!ニャヒハッ!」
「クノン…」
確かにクノンの言うとおり、さっきまでへこんでいたのが笑ったら少し楽になったような気がした。
「お嬢ちゃんは気負いすぎなんだよ〜」
「でも…」
「昔のえらい人も言ってるヨ。反省はしても後悔はするなッテネ♪」
「だけど…みんなに迷惑かけたくないんだよ」
クノンは懸命にシノンを励ますが、シノンの方はなかなか気持ちの切り替えができないらしい。
「別に迷惑かけたっていいじゃん!」
「え!?」
「助け合ってこその仲間デショ?失敗しても他の人がフォローする…仲間ってそういうもんデショ?」
「助け合うから…仲間……」
「それにさ…」
クノンはニヤリと笑うと、シノンの両頬をぎゅーっと引っ張った。
「そーんな仏頂面で落ち込んで心配かける方が、よっぽど迷惑ダッテノ!」
「ヒタイ〜!ハナヒテよクノン〜!」
「ありがとクノン…なんか元気出たよ」
「そりゃドウモ」
「みゅみゅー!」
「ハノンもごめんね。心配かけちゃって…」
「そんじゃ、まだまだ時間もあるし、また色々と見て回ろうヨ!」
そういうと、クノンはシノンの手を引いた。
「うん!そうだね!行こう行こう!」
それに対してシノンも飛び跳ねるような威勢のいい声で応える。
その表情はいつものように元気いっぱいの笑顔だ。
「…やっぱりお嬢ちゃんはそうでなきゃね」
「え?どういうこと?」
「お嬢ちゃんは笑顔でいたほうが何倍も可愛いってことだよ!」
「みゅうみゅう!」
「ハノンもそうだって言ってるヨ」
「や、やだなあ二人とも…恥ずかしいよ」
シノンは顔を赤らめながら、カラカラと笑った。
そこには先ほどの後悔に苛まれた気負いの表情はなく。
元気いっぱいの笑顔が溢れていた。
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