「すみません、夕食に招いていただいて」
「いいよいいよ〜、気にしなくて」
申し訳なさそうに礼を言うのはセネリオ。
彼は昨日から一人アルビオールで身を隠していたのだが、アニス・タトリンの厚意により夕食に招いてもらったのだ。
「なんだったらここに泊まっていってもいいんだよ」
「確かにそのほうがいいかもしれないわね」
アニスの提案にリンも賛成する。
アニスの家に匿ってもらうほうが不便も少なく、より安全だろう。
「ちなみに一泊100ガルドだからね♪」
「アルビオールに戻ります」
「はうあ!じょ、冗談だってば〜!」
現在アニスの家にいるのはアニス、セネリオ、リン、スクルド、アルセリア。
アニスが夕食を作っていて、リンとアルセリアがそれを手伝っている。
スクルドはセネリオに話しかけ、セネリオは相槌を打ちながらスクルドの話を聞いている。
「あの二人、いつもあんな感じなの?」
アニスがリンとアルセリアの二人に尋ねる。
「そうですね、スクルドさんが猛烈アタックをして、セネリオさんはあんな調子で…」
「そっか〜、リンは少しぐらいスクルドを見習ったほうがいいんじゃないの?」
「な、何言ってるんですかアニスさん!別に私はレイノスのことなんて…」
「別に私はレイノスなんて言わなかったんだけどなあ〜♪」
顔を赤くしてうろたえるリンをアニスがニヤニヤしながらからかう。
「ぶっちゃけ、セネリオはスクルドのことどう思ってるわけ?」
「どうなんでしょう、スクルドさんの積極的なアタックを受けても、ミステリアさんがおちょくろうとしても、平然としてますからね」
「何それ〜!あんな可愛い子に迫られてるってのに!」
セリアの返答に憤慨の表情を浮かべるアニス。
スクルドは母親譲りの容姿とプロポーションを持ち、(あの胸はうらやましい!byアニス)さらに性格は母親とは対照的に明るく愛嬌がある。
年頃の男共が放っておかないだろう。
「でもセネリオ、スクルドと一緒にいるときは優しい顔してるわ」
楽しそうに話をしているスクルドとそれを黙って聞いているセネリオを見ながらリンが言う。
「ふーん、少しは脈があるってことなのかな?……そうだ!せっかくだからスクルドも今夜うちに泊めて…」
「やめておいたほうがいいと思います」
アニスの提案(たくらみ?)をアルセリアが遮った。
そして、昨日の夜と今日の朝の騒動について話した。
「はぁ、心配性な兄貴がいてスクルドも大変だねぇ」
ふとアニスの脳裏に、ガイもそんなふうになってたのかな、という考えが浮かんだ。
もっとも、彼は兄でなく弟だったし、彼の姉であるマリィは既にこの世にはいないのだが。
「おいレイノス、起きろ」
「う〜…?ミステリア?」
一方そんな心配性な兄貴は宿屋で寝ていたのをミステリアスに起こされていた。
「なんだよ?もう朝か?」
「寝ぼけてやがるな」
ミステリアスはレイノスを叩き起こすと、アニスの家で夕食に招かれたことを話した。
「遅いね仮面さん」
「きっとレイ兄を起こすのに手こずってるんだね」
「みゅ〜」
クノンとシノン、ハノンは宿の前でレイノスとミステリアスを待っていた。
「よ、待たせたな」
「二人とも遅い〜」
「みゅみゅ〜!」
「わ、悪い…」
レイノスが遅れたことを謝る。
「坊ちゃん、ボクたちより先に謝らなきゃいけない相手がいると思うヨ」
「へ?だ、誰だ?」
「セネセネだよ、朝のこと謝らないと」
「というわけでさっそくゴー!」
「うわ!お、おい引っ張るなってクノン!」
クノンはレイノスの手を引いて先に行ってしまった。
「…それじゃ、俺たちも行くとするか」
「うん!」
「みゅう!」
彼らに遅れてシノン、ハノン、ミステリアスもアニスの家に歩きだした。
「それにしても、元気になったようでなによりだぜ」
「え?」
「なんかここ数日落ち込んでるようだったしな」
「う〜、ミステさんにも分かっちゃうんだ…」
シノンは昼間の出来事を話した。
「…クノンって不思議。話してたらクヨクヨしてたのがバカバカしくなっちゃう」
「ほっほー、ずいぶんクノンのこと慕ってるみたいだな」
ミステリアスがニヤニヤしながら言う。
「うん!大好きだよ!仲間だもん!」
「ああ、そういうことじゃなくてだな…」
「じゃあどういうこと?」
「はっはっは、シノンにはまだ早い話だったな」
そういってミステリアスは笑い出す。
それに対してシノンは頭にクエスチョンマークを浮かべている。
「なあシノン」
「なに?ミステさん」
シノンに声をかけたミステリアスの表情はいつの間にか神妙なものになっていた。
「近いうちにたぶんショッキングな出来事が起こる」
「え?」
「きっとその出来事はお前を絶望にたたき落とす」
「
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME