リンとスクルドは、あいかわらずナンパをされていた。
「いい加減観念して俺たちと遊ぼうYO!」
「だから…先客が」
「来ねーじゃないか!もういいだろ!」
男たちはしびれを切らしたのか、リンとスクルドを無理やり連れて行こうとするが…
「おい、お前ら」
「んあ?」
男たちが振り向くと、そこには黒い海パンの一人の男がいた。
「誰だてめえ!」
男の一人がそういうと、男――セネリオは、スクルドに近づき彼女の肩に手をまわし抱き寄せた。
「わわ、セネリオさん!?」
「俺の女に手を出すな」
「お…俺の……はわわわわ///」
真っ赤になっているスクルドをよそに、セネリオはスクルドを抱き寄せたままその場を離れようとする。
「お、おい……」
ナンパ男の一人がそんな彼らに近づこうとすると、
「ギロッ」
「ひぃぃぃぃぃ!!」
セネリオの鋭い睨みに、男は震え上がって逃げ出してしまった。
「(な…なんだあの男おっかねえ!)」
「(しかたねえ。あの巨乳少女はあきらめてこっちの女を…)」
セネリオの雰囲気に圧倒された男たちはスクルドを諦めリンに照準を定めようとするが…
「おいお前ら!」
続いて現れた男の声に、ビクリとする男たち。
そこには、鬼のような形相の男…レイノスが剣(※木刀です)を構えて立っており……
「リンとスクルドに手を出したら…どうなるか分かってるだろうなあ?」
「ひえええええええ!ごめんなさいいいいいい!!」
男たちはまとめて逃げ出した。
「そっか、レイ兄とセネセネ見つかったんだ」
時を同じくして、アルセリアのもとへ戻ってきたシノンとクレアは彼女と共にいたミステリアスから事の次第を聞いていた。
「やれやれ、じゃあもう解散していいな」
そういうとクレアは、とぼとぼと歩きだした。
ウサ耳姿でこれ以上人前に出るのは嫌なのだ。
「あ、待ってクレア!」
「みゅうみゅう!」
そんなクレアの後を、シノンとハノンが追いかける。
クレアたちが去り、再び二人になるセリアとミステリア。
「それにしてもリンとスクルド、なかなかのモテっぷりだったな!うらやましいぜ!」
「…ミステリアさんみたいな美形がそんなこと言っても、嫌味にしか聞こえないですよ」
「おっとセッちゃん、手厳しいな」
アルセリアははあ、とため息をつく。
心なしか、元気がないようだ。
「もしかしてセッちゃん、自分がナンパされなくてへこんでるのか?」
「な!?ち、ちがいます!」
「本当かね〜?せっかくのビーチなんだから私にもロマンスがあったって…とか思ってんじゃねえの?」
「な、な、なな…」
「図星みたいだな!」
ミステリアの的確な指摘に、アルセリアは何も言い返せなかった。
そして、再びはあ、とため息をついた。
そんなアルセリアの様子に、ミステリアはやれやれとあきれた様子を見せながら言った。
「まあ、せっかくのバカンスだ!今日ぐらい俺が付き合ってやるよ」
「…ミステリアさんが?」
「おっと、俺じゃ不満かい?お嬢さん」
そういうとミステリアは、アルセリアの背中に手を回し、顔をグイッと近づける。
いきなりのミステリアスの行動に、アルセリアは顔を紅潮させる。
なんだかんだでいつもふざけているが、仮面を取ったミステリアスは相当な美男子なのだ。
アルセリアだってまだ18の女の子だ。
そんな彼に迫られて、無心でいられるはずもなかった。
「(近いです!近いですミステリアさん!)」
「返事を聞かせてくれ、セリア」
「あう、えっと、その…はい、私で良かったら、喜んで///」
顔を真っ赤にしながら、ミステリアの問いにしどろもどろになりながらもセリアは了承した。
「そうか!それじゃ行くとするか!」
「あ、あの…いったいどこへ」
ドキドキしながら行き先を尋ねるセリア。
「決まってるだろ!他の連中の様子を観察して、冷やかしに行くんだよ!」
「…………………え?」
ときめきは、一瞬で打ち砕かれた。
「よっしそれじゃあ行こうぜセッちゃん!」
「はあ…出会いが欲しいです」
一瞬でも彼にときめいてしまった自分を情けなく思いつつ、アルセリアはとぼとぼとミステリアスの後をついていった。
「待ってよクレア!」
スタスタと一人で行くクレアを追いかけるシノン。
「何か用か」
「クレアも一緒に遊ぼうよ〜、」
「…この格好でか?」
シノンの誘いに、心底嫌そうな表情をするクレア。
白い肌に、白い水着。
頭にはウサ耳が付けられている。
こんなコスプレのような奇妙な格好で海を楽しめとは、まったくあの皇帝は何を考えているのやら。
「えー!別におかしくなんてないよ〜」
「俺が嫌なんだ!別に俺じゃなくても他の連中を誘えばいいだろ」
「…分かったよ」
シノンはしゅん
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