「大丈夫か？リン」
「う、うん…ありがとう」
こちらは、ナンパ男たちを追い払った直後のレイノスとリン。
「スクルドはどうしたんだ？」
「先に来たセネリオが助けて連れて行ったわ」
「そうか」
スクルドの無事を聞き、ほっと安堵するレイノス。
対するリンは、恥ずかしそうにしながら何か聞きたそうにモジモジとしていた。
「どうしたんだリン？」
「あの、その…水着どうかな？」
「へ！？」
突然の質問に、焦るレイノス。
そして、改めてリンの水着を見る。
リンの水着は、南国の蝶をイメージとしていて、なかなかに露出度が高い派手な水着だ。
なるほど、男の群れが集まってきたのも頷けるエロティックな格好だった。
レイノスは急に恥ずかしくなり、思わずリンから目をそむける。
「ちょっと！ちゃんと見てよ！」
「うわ！？おいリン…///」
レイノスが自分から視線を外したことに気付いたリンが、ぐいっとレイノスに近づく。
さらに眼前へと近づいてきた水着姿のリンに、レイノスは顔を真っ赤にして慌てる。
そんな時、
ビュウッ
「うわっ！」
「きゃあ！」
突然、強い風が吹いてきた。
そして…
「え………」
「あ………」
突然の強風により、思わずバランスを崩したリンの身体を、レイノスの身体が受け止めたのだ。
レイノスの上半身に体を預けるリン。
そしてレイノスの方はリンの身体を受け止めるために咄嗟に彼女の背中に腕をまわしていた。
そう、今二人は抱き合った状態の体勢となっているのだった。
「レイノス…」
「リン…」
抱き合ったまま、お互いに顔を上げて見つめ合う。
お互いに見つめあったまま、数分の時が過ぎる。
やがて、リンの方が目をつぶった。
それが意味することを悟り、レイノスの喉がゴクリと鳴る。
いつの間にか二人のもとにはギャラリーまで集まっている。
レイノスとリン、二人の間で起こる緊張の一瞬。
そして………
「って、やっぱりだめだああああああああ！！うあああああああああああああああああ！！！」
…緊張に堪えきれず、逃亡した。
後に残されたのは呆然としたリンと、二人の様子を見ていたやじ馬たち。
レイノスの叫び声を聞き、さらに人が集まる。
やがてリンが、その場にへたりと座り込み…
「うう…レイノスのバカァ……」
悲しいやら恥ずかしいやら、いろんな感情が入りまじったまま泣き出してしまった。
その後しばらくの間、レイノスは「ガールフレンドを泣かせた最低なヘタレ男」という不名誉な称号を与えられ、肩身の狭い思いをすることになりましたとさ
めでたしめでたし
レイノス「めでたくねえ！！」
スキット「ミステリアスとアルセリアの観察報告２」
ミステリアス「ヘタレ乙ｗｗｗ」
アルセリア「レイノスさん…」
ミステリアス「全くあんだけ期待させといて逃げるなよな」
アルセリア「…それ、あなたが言いますか？」
ミステリアス「へ？俺なんかした？」
アルセリア「さっき、至近距離まで接近して、私を誘惑して期待させたじゃないですか！確信犯な辺りレイノスさんよりたちが悪くないですか？」
ミステリアス「…よし、次はセネリオとスクルドだ」
アルセリア「あ！逃げないでください！」
「はうあうあうあうあう……」
「おいスクルド、しっかりしろ」
「あうあう……はっ、セネリオさん！」
「やっと正気に戻ったか」
ナンパ男たちから解放された後、スクルドは顔を真っ赤にしながら某昭和５８年のロリ神様のような言葉を唱え続けていた。
「す、すみません。取り乱しちゃって」
「いや、俺こそすまなかったな。彼氏のフリでもすれば自然に男共から離れさせることが出来ると思ったんだが」
「フリ……あはは。やっぱそうですよね…」
セネリオの言葉に、少し落ち込むスクルド。
いやまあ、薄々分かっていたことではあるのだが。
「それにしても、男の人を睨みつけたときの迫力、すごかったです！ちょっと怖かったけど、かっこよかったです♪」
「いや、男のナンパには嫌な思い出があるからな…」
「嫌な思い出？」
「かつて正体を隠すために女装をしたとき、男共からナンパをされまくった」
「あー…それは大変でしたね」
つまり、リンや自分がナンパされているのを見て、その時の記憶がよみがえったというわけだ。
立ち去る時のあの睨みは、その時の苦い思い出に対する嫌悪感からくるものだったということだ。
「と、ところでセネリオさん！そ、その、この水着どうですか？」
「ん？ああ、よく似合ってると思うが」
「…そうですか。はあ……」
あっさりと返答され、再びがっくりとする。
自慢の様になってしまうが、スクルドは一応、自分が普通の女性よりも発育がいい方だという自覚は持っていた。
それと合わせて、この恥ずかしいくら
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