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長編「After story」第1話 再会

「あ、来たわよ」
「お〜い、こっちだ」

バチカルのファブレ邸前。
そこにいたのは、レイノス・フォン・ファブレとリンディス・ガラン・ガルディオスだ。
彼らはある人物たちと待ち合わせをしているのだ。

「来たぞ」
「お兄ちゃん、リンさん、久しぶり!」
「お二人とも、元気そうで何よりです」

そして現れたのは、セネリオ、スクルド、アルセリアの3人だ。
クラノスとの決戦を終えてから数か月。
それぞれの日常へと戻っていた彼らは、数か月ぶりにここバチカルへ集まってきたのだ。

「シノンちゃんは?てっきりリンさんと一緒に来てるのかと…」
「うん、私もグランコクマを出発する前にチーグルの森へ寄ったんだけど、いないみたいで…」

スクルドの問いに残念そうに答えるリン。
仲間の中で最年少の少女シノンとそのパートナーのチーグルハノン。
シノンの両親の話では、彼女たちは旅に出ているらしかった。

「クラノスの野望を止めるという目的から解放されて、自由にいろいろと見て回りたいんだろうな」
「そうですね、みんなで会えないのは残念だけど…」

セネリオの言葉に無念そうながらそう返すスクルドであった。



「ミステリアは相変わらずどこにいるのか分かんねえのか?」
「はい、相変わらず消息不明です」

レイノスの問いに顔をうつむかせて答えたのはアルセリア。
ミステリアス・ソルジャーと呼ばれる彼らの仲間の一人は、クラノスとの決戦を終えレイノスが目を覚ました数日後には姿を消していた。
そして、今日にいたるまで全く消息をつかめていないのだ。

「どこにいったんですかね、ミステリアさん…」

アルセリアが心配そうにつぶやく。
彼が姿を消した理由はなんとなくわからないでもない。
ミステリアスは未来人だ。
そのことを知ってるのはレイノス達だけだが、未来のことを知る自分が表舞台に顔を出すのはまずいと考えているのだろう。
あるいは、例の超能力とやらでまた時間跳躍をしてしまってるのかもしれない。

「あいつのことだ、飄々とした態度で、きっとどこかで元気にやってるさ」

そういったのはレイノスだ。
その言葉に、他のメンバーも笑いながら同意した。
ミステリアスは別の時間軸で1度は敗北したクラノスに再び挑み、ついに倒すことが出来たのだ。
長く苦しい時間を終え、安息な未来を生きている…そこにいるだれもが、そうであることを願っていた。



一同は、バチカル城の中にある牢獄へと向かっていた。
目的はもちろん、旅を終えた後再び服役したクレアに会うためだ。
今日は、1日だけ特別にクレアを釈放する許可が出たのだ。
そんなわけで、一同はバチカルに集まり牢獄へと向かったのだが…


「あ!みんな!」


そこにいたのは、シノンとハノンであった。



「なんだシノン。来てたなら俺の屋敷に顔出してけばよかったのに」
「あ、ごめんねレイ兄!クレアとお話しした後行こうと思ってたんだけど」
「いや別にいいんだけどよ」

どうやら、彼女も少し前にバチカルに着き、一足先にクレアに会いに来てたらしい。

「ところで今日はどうしたんだ?こんなに集まって」

そう尋ねるのは牢屋の中でぺたりと座っているクレアだ。
その容姿は相変わらずの童顔のちびっこ…いや、少し背が伸びただろうか?
ともかく、服役後も変わらず元気にやってるようだ。

「ああ、特別に今日だけお前の釈放許可が出たからな。みんなで集まろうって話になったんだよ」
「ええ!?それ本当!?」
「うん、シノンも誘おうと思ってチーグルの森に寄ったんだけど、いなかったから…」
「あ、そっか。ごめんねリン」
「ううんいいのよ。結局こうして会えたわけだし」


ともかく、ミステリアス以外の全員がそろったところで、レイノスが預かっていた鍵を使ってクレアを牢屋から出した。


こうして、数か月ぶりの再会を果たした彼らの1日は始まったのである。
18/01/01 22:22更新 / わっくん
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