「ぐっ…!」
オーバーリミッツを発動させたゼウスの迫力に、レイノスは息をのみ、思わず後ずさった。
味方としては非常に心強かったオーバーリミッツだが、敵として相対すると、これほどに恐ろしいものなのか。
「さあさあいくぜえ!爆炎斧!」
「っ!」
ゼウスの気迫に怯み、回避が遅れるレイノス。
やむなく彼の攻撃を受け止めるが、
「おりゃあああああああ!」
先ほど以上にパワーアップしたゼウスの攻撃の前に半端なガードなど通用するはずもなく、あっさりとガードを貫く。
「おらぁ!吹っ飛べや!獅子戦吼!」
「うああああああああ!」
ゼウスの言葉通りに吹っ飛ばされるレイノス。
だが、どうにか受け身をとって体勢を整える。
「くそ!オーバーリミッツがなんだってんだ!うおおおおおお!」
果敢に立ち向かっていくレイノス。
ゼウスに目がけて走っていき、
「崩襲脚!」
上空から繰り出された蹴りは、しっかりとゼウスの身体に命中し、レイノスは手ごたえを感じるが、
「今の俺にそんなもの効くかよ!裂旋斧!」
「なっ!?」
レイノスの攻撃に全く怯むそぶりも見せず、攻撃を仕掛けてきた。
攻撃のモーション中のレイノスには、当然かわすすべなどない。
「まだだぁ!砕けろぉ!」
ゼウスが斧をレイノス目がけて叩きつけてくる。
「潰れろ!」
続けて今度は踏みつけられるレイノス。
「骨まで砕けろぉ!」
「うああああああああ!」
最後にゼウスは斧を振り払い、レイノスの身体を吹き飛ばした。
「…ち。切れちまったか」
「ぐ……が……」
オーバーリミッツが切れたゼウス。
しかし、地獄の三連殺をまともにくらったレイノスは、もはや虫の息であった。
「なんだあ!?もう動けねえのか?オラ、オラ!」
ゼウスは、レイノスが動けないのをいいことに、いたぶるようにレイノスの身体を蹴り上げる。
レイノスは抵抗することも出来ずになすがままであった。
「終わりだ…!」
トドメとばかりに、ゼウスが斧を振り上げたその時、
「なに!?」
突然ゼウスの背中に衝撃が走り、ゼウスは思わずよろける。
「だ、誰だぁ!?」
ゼウスが振り向くと、そこにいたのは、
「り、リン!?」
目の前の人物の姿に、驚きの声をあげたのはレイノスだった。
リンは、両腕をロープで縛られ、口にガムテープを貼られたそんな状態で、ゼウスに対して体当たりで抵抗してきたのだ。
「ん〜〜、ん〜〜〜!」
「は、何言ってるか分かんねえが、捕虜のクセに歯向かうんじゃねえ!獅子戦吼!」
ゼウスの攻撃にリンは吹っ飛ばされ、再び気絶する。
そして、改めてレイノスの方へ向き直り斧を振り上げる。
「さて、邪魔が入ったが、今度こそ終わりだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(くっそお、まだだ、俺はまだ戦えるんだ…)
こんなところで、こんな奴に、絶対に負けられない。
(動け、動けよ!こんなもんじゃねえだろ、俺!)
必死に自分の身体に動けと念じるが、それでもまだ動けない。
(リンは、あんな状態でも俺を守ろうと抵抗してくれたんだぞ!それなのに俺はこんなところでくたばってて、いいのかよ!?ダメだろ!?)
女のリンがガッツを見せたってのに、男の自分がここで奮い立たなくてどうする。
(リンは、俺の幼馴染で、昔からの親友で…いや、それ以上に、大切な人なんだ)
その大切な人が、連れていかれようとしている。
そんなこと、絶対に止めなければいけない。
(リンを守るんだ!守るんだ!守るんだ!守るんだぁ!!)
何度も何度も念じる。
念じる度に、身体に力が戻ってくるのを感じる。
(俺は…リンを……!)
いや、それどころか、なんだか今までに感じたことのない、なにか強い力が宿りつつあるのを感じる。
「う…お……」
その不思議な力はどんどんレイノスの中に入ってくる。
溢れ出しそうなその力を、レイノスは…
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
雄叫びと共に、解放した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うおおおっ!?」
トドメをさそうとしたまさにその瞬間、ゼウスの身体は思いっきり吹き飛ばされた。
「な、なんだあ!?」
吹き飛ばされて地面に倒れたゼウスが起き上がると、そこにはいつの間にか立ち上がっているレイノスの姿があり、
「そ、その光は!?」
レイノスの姿に、ゼウスは驚きの声をあげる。
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME