“彼ら”と出会ったのは―――――・・・何年前になるんだろう―――――・・・
セフィロスは今でも鮮明に覚えてる・・・
俺が入社してすぐ、年が近そうだったから、俺から喋りかけたんだ・・・
確かそれから3年間、女の子だと思われてたんだっけな・・・
アンジールとジェネシスは、俺よりも入社が後だったかな・・・
俺よりも年上なのに入社歴は俺の方が先輩だから、言葉遣いとか色々戸惑ったな・・・
―――――そう言えばアンジールの老けっぷりにはびっくりしたな・・
あれでジェネシスらと年近いとか言うんだから、笑いものだった
そう言えば当時はクロウはまだ小さかったし、ソルジャーなんて危険なものにはさせたくなかったから、無理言ってタークスの養成施設に預けてたっけな・・・
後から自分でこっちに来た時は何かすごい泣いた気がする・・・
それから―――――え・・・と―――――・・・
・・・・・・何だっけ・・・
・・・思い―――――・・・
出せ・・・・・・な・・・・・
「―――――クロウはかなり嫌がっているそうだ。」
「・・・そうかもしれません。でもこっちの『道』は歩かせたくない。」
年端もいかない少年は、自身に向かって言葉を発す大人にその真っ直ぐな視線を向けながら首を横に振った。
戦った経験もない自分が、ソルジャーになれるかどうかなんてのは、正直分からないし自信もない。けどならなければ駄目だった。自分は訓練兵として一生を終える為にここに来たんじゃない。“奴”に復讐出来る為の力を求めてここへ来たんだ。クロウの為にも・・・俺がソルジャーになる―――――・・・。
「そうか。では施設へは私から連絡しておこう。―――おっと、もう昼だな。君も昼食を取りに行ったらどうだ?午後からも訓練は続くからな、野望の為にも成果は残してもらわないと。」
「・・・そうですね。失礼します。」
少年は一人颯爽と廊下を歩いていた。白銀のミディアムヘアに蒼眼、長いまつげに雪のような白い肌。神羅で最近噂になっている入社したての訓練兵―――――ロゼ。しかし傍から見れば余裕のたたずまいの少年の心境は、入社三日目にも関わらず未だに兵士用の食堂の位置が分からない事に焦燥感を感じていた。が、生い立ち上、迷子などという事態には一度も遭遇した事がない為、少年はその涼やかな表情の裏今にも泣きそうであった。
「・・・こんな障害があるなんて・・・この会社広いから・・・。」
そうぶつぶつ呟きながら歩いていた少年はお約束の展開で誰かにぶつかる。その反動は物凄く、ぶつかった側である少年の方が思わず尻もちをつくほどであった。
「っ・・ごめんなさい!」
声に、前を歩いていた少年は後ろを振り返ると、そっと手を差し伸べる。
「大丈夫か?」
見上げた先にいたのは自身とさほど年の変わらない銀髪の少年。同じ訓練兵の格好をしてはいるが、身長は10cm以上も高ければ、体格だって結構良い。温室育ちで華奢な体つきの自分とは似ても似つかない。こういうのがソルジャーになるんだろうか、などと思ってその手を取ると、やはり少年の力は強いらしく、軽々と立ち上がることが出来た。
「ありがとう。―――あ、そうだ、兵士用の食堂ってどこだか分りますか?入社したてだからその・・・まだ覚えられなくて・・・。」
恥ずかしさあまりに赤面しながら目の前の少年向かってそう尋ねると、少年は表情一つ変えずに親切に場所を教えてくれた。
そうして彼と別れてすぐ教えてもらった食堂に向かったが、少年の中には先程の彼に対するある一種の敬意が生まれていた。それは自分とは比べ物にならない身体つきや、見ず知らずの自分に対しても振り分けてくれた優しさなどからくる一方的なものだった。
「・・・いいな。俺も彼みたいになりたい。」
これが、後神羅の軍事部門を率いていくことになる2人の少年の出会い―――――。
食堂は腹を空かせた訓練上がりの兵士達で込み合っていた。ロゼは行きかう兵士たちを難なくかわしていき、そうして食堂の中腹付近で配られていたメニューを受け取るとそこに視線を落とした。
温室育ち―――――無くなってしまったとは言え、実質は王族の血を引く彼にとって神羅での生活は地獄そのもの。誰からも敬われず全てが対等、いや、階級なら存在していたが、自身がその中の一番下であるという事は今でも信じ難いものだった。剣術なら多少は心得がある。殺された父親に定期的に習っていた。だがこういった軍服に身を包む事も、ましてや今こうして手に取っているメニューの中にある食べ物の名を見ることも、自身にとっては初めての経験だった。
新鮮か―――――?
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