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第二話 『腐』

謁見の間へ向かう、無駄とも言えるだろう豪華な廊下を歩き、大きな扉の前で立ち止まる、
「こちらでございます」
大きな扉の両脇にはこれまた、鎧を着た騎士が二人扉を挟むように立っている、
メイドさんは、これ以上ついていかないようなのか、立ち止まっている
「よし…行くか」
扉に手を当てゆっくりと扉を開く、その瞬間、


とてつもない嫌悪感を感じた


目の前には、ほとんど金で出来ているのかと思うような玉座と、その横に並ぶように椅子が数個置いてあり、そのどれもに人が座っている
座っている人間のほぼ全てが欲望をさらけ出しいやな視線で俺を見てくる、中にはニヤけていたり、隣のものと話し出し含み笑いをするものもいる、

そのまま真っ直ぐ歩き王らしきひげをたくわえ、肥満気味な人間の前で立つ、
そして
「跪け」
王らしき人が命令してくる、
「貴様!王の命令だ!跪かんか馬鹿者!」
隣の男が怒鳴り散す、あーそのままハゲ散かさねえかなぁ、とか考えるがまわりの人間達が睨むので命令どおり、膝を曲げかしずくように、頭を下げる、すると満足したのかまた、気持ち悪い目線で見てくる、
「貴様、名を言え」
「タナスと申します」
偽名を使う、理由はあとあと面倒になりそうだからだ、
「貴様は、今から魔王討伐、および治安その他もろもろの維持を命令する」
命令かよ、つまり強制じゃねえか、つーか出身地とか聞いてこないのな、結構重要だろ、
わきあがる怒りと呆れを我慢し返事をする
「わかりました」
どうせ、断ったところで強制されるのだったら素直に返事する、
「うむ、では今から三日後に魔王討伐に行ってもらう、餞別をわたすのでこのあと宝庫前に来るようにでは、さがれ」
そう言われ俺は、謁見の間を後にする、

あの忌々しい王に言われたとおり、宝庫らしき扉の前にいる、えらく無骨な扉がまわりと比べると目立つ、
扉の前には、メイドが一人いる
「勇者タナス様ですね、では扉を開けます、少々おまちください」
メイドが扉を開け中を見ると、巨大な鉄製の箱、が一つ置いてあった、
「その箱は、主に国宝などが入っております、タナス様は、こちらでございます、」
部屋の奥には扉があった、その扉も開けてもらうと中には、剣や盾、腕輪などのアクセサリーなどが棚に置いてあった、
「この中から一つお選びください、それが餞別です」
中のものを見て回る、様々なものがある、これのほとんどに不思議な力、要は魔法がかかっているのだろう
しばらく見て歩くと地面に何かが転がっていた、
「なんだこれ?、水晶か?」
目の前には、透明な丸い玉、その中心部には黒い靄がかかっている、
しばらく眺めているといきなり、視界が真っ黒になる、

「ああ?何だこれ?」
しばらくすると目の前に男がいる事に気づく
その男は藍色のTシャツに黒いズボン、長髪とは言えないが短髪でもない黒い髪に黒い目をしていた
「やぁ。こんにちは。久しぶりに人を見たよ。」
「誰だお前」
「僕はこの水晶の中の精霊。的な何か」
「白々しい嘘を付くな」
コイツ自分で付いた嘘を隠そうともしてやがらねぇ
「まぁ。人には言えない過去もあるもんだよ。ところで君に提案がある。」
「なんだ?」
「君に異世界から来た勇者のごとし強力な力をプレゼントしよう。そのかわり。」
「そのかわり?」
「君の魔力を分けてほしい。」
「なぜ?」
「実は僕はもうほとんど魔力を持ってないんだ。魔力が無いとここから出れても消滅してしまう。」
「俺に魔力があるなんて、わからねぇぞ」
「大丈夫だよ。人は皆微量の魔力は持っているはずだよ。」
「…いいだろう、そのかわり条件がある」
「なに?。」
「その鬱陶しい喋り方やめろ」
「これは僕の個性だよ。これを否定するなんて酷いなぁ。」
全く持って白々しい、やりずらい相手だ
「じゃあ。いきなり魔力を持っていくと死んじゃうから毎日少しづつ貰うね。貰ってる間は君の中に居るから。」
「俺の中?」
「つまり憑くってこと。」
「なんか嫌だなそれ」
「大丈夫だよ。悪いことが起こるわけじゃないし。」
「まぁいいか、じゃあこれからよろしく」
「よろしく。」
そう言うと男は、消えまわりがもとの宝庫の景色にもどる

目の前には、綺麗な水晶が転がっている
「さてと、アイツは何処にいるんだ?」
『あーあー聞こえる?。』
「いや、聞こえない」
『聞こえてるね。あと話すときは。僕と話したいと思いながら念じると伝わるから。』
『こうか?』
『そう。いい感じ。』
「おきまりになられましたか?」
出口のほうからメイドさんが話しかけてくる、
『正直何も取っていないんだったらもらっちゃえば?。』
悪魔の助言どおり、適当な腕輪を一つ手に持ちメイドさんに言う
「これにしました」
「分りました、ではもう夜になりますので部屋にもどりお休み
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