「がぁ!?」
「クウ!?」
吹き飛ばされたクウに、レイアを回復していたテラは声を上げる。
その間にも、吹き飛ばされた勢いが強いのかクウは地面に叩きつけられると何度か転がる。
思わず全員がフェンの方を見ると、何と彼の前に第三者が立っていた。
「敵だけでなく、自分まで見失う…――そう教えた筈だぞ?」
そう言いながら、突然現れたセヴィルは中指で眼鏡を軽くかけ直す。
そんな彼の手にある武器に、テラは目を見開いた。
「キーブレード!?」
「お前…っ!? どうしてここに来たぁ!!」
助けて貰ったと言うのに、フェンは怒りを露わにしてセヴィルを睨みつける。
だが、セヴィルは無視してある方向に目を向ける。
今も地面に倒れて、蹲っているクウに。
「久しぶりだな、クウ。元気にしていたか?」
セヴィルから放たれた驚くべき言葉に、テラ達だけでなくフェンまでもが注目する。
そんな中、クウはセヴィルを睨みながら歯軋りをしていた。
「何の、用だ…セヴィルっ!!!」
怒鳴りながら立ち上がるクウに、テラは驚愕の目で息を飲んだ。
「クウ、知り合いなのか!?」
テラの問いに我に返ったのか、クウは苦渋の表情になると顔を逸らした。
「昔、いろいろ関わった…それだけだ」
「冷たい事を言うものだな。お前を鍛えたのは俺だろう?」
クウが渋々言っていると、セヴィルが呆れながら見返す。
そのセヴィルの言葉に、テラは出会った頃のクウを思い出す。
今は使えないが、彼はキーブレードを使っていた。そしてセヴィルも使えて知り合いと言う事は…。
「鍛えた…クウ、まさかこの人は――」
「よそ見すんな、テラァ!!」
まるで言葉を遮るかのように、クウは黒い羽根をこちらに向かって投げる。
こちらに攻撃するクウに身体を硬直させていると、何と真横で何かが弾けて強い風が起こる。
フェンがテラに向かって放った『青破』を相殺したと気づいていると、当の彼は舌打ちしつつセヴィルを軽く睨んでいた。
「おい、あんた。あのカラスと知り合いか?」
「ああ…と言っても、11年ぶりだがな」
「ふーん…まあいい、あいつらは俺の獲物だ。お前は手出し――」
そうしてフェンが前を向くと、何と遠くにいたウィドが一瞬で目の前に現れた。
「『光弾』!!」
「ごおっ!?」
そうしてフェンに剣を振るい、光の弾を至近距離でぶつける。
この攻撃でフェンが屋根から落ちるが、ウィドは気にすることなくセヴィルに向かった。
「セヴィルっ!!!」
「ウィド!?」
一対一に持ち込むウィドに、アクアがすかさず駆け寄ろうと走る。
「危ない!! 『ファイガ』!!」
その時、レイアの叫び声と共に自分の真後ろに大きな火球の塊が飛んできた。
同時に、いつの間にか後ろにいたマリェースに火球が当たって爆発した。
これにはアクアも後ろに跳んで離れると、あまりダメージは入ってないのかマリェースは体制を立て直す。
「奇襲、失敗」
「まだだぁ!!」
マリェースが呟いていると、テラが跳躍してキーブレードを一気に振り下ろす。
だが、マリェースは地面を滑る様に『エアリルブレイク』を避ける。攻撃は当たらなかったものの、テラは後ろにいるアクアに声をかけた。
「アクア、無事か!?」
「え、ええ…ありがとう、助かったわ!!」
「はい!!」
アクアはテラに頷き、レイアにお礼を述べる。
それが終わると、三人は対峙するマリェースに目を向ける。これを見たフェンはクウに目を向けるが、彼は再びセヴィルへと飛んでいた。
「マリェース、そいつらは任せたぞ! 俺はあの二人を――!!」
「『零斬』!!」
「のぐぁ!?」
セヴィルと戦おうとするクウとウィドの元に向かおうとした直後、白と黒の炎を纏った手刀で鳩尾を叩きつけられる。
再度吹き飛ばされて地面を転がるフェンに、『式』を展開した状態のゼロボロスが笑いながら身構えた。
「あなたの相手は、僕一人で十分ですね」
「てめえ…舐めてんじゃねーぞぉ!!!」
「おやおや、こんな挑発に乗るなんて…意外と短気な方ですねぇ」
こちらを睨みつけるフェンに、ゼロボロスは体のあちこちに白と黒の炎を纏いながらニヤリと笑った。
駅前広場で戦いが始まった同時刻。
町の外れにある、幽霊屋敷。普段は誰も近づかない場所だ。
その屋敷の地下で、誰も知らない一つの動きがあった。
「…よし、これで終わった…!!」
コンピュータールームにある椅子に設置されたコンピューターで、長い銀髪の少女が座った状態でキーを打つ手を止める。
そうして少女が額の汗を拭っていると、横の機械から一つのディスクが出てきた。
少女はそれを取ると、一息吐いて
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