「『ソロアルカナム』!!」
「があああっ!?」
アクアと戦っていたマリェースは、テラによってキーブレードで何度も叩きつけられている。
これを見て、フェンだけでなくアクアも目を丸くした。
「テラ!? 大丈夫なの!?」
思わず聞き返していると、代わりに別の声が響いた。
「光の力…聖なる刻印と化しなさい!! 『シャイニング・クロス』っ!!!」
「うああああああああああっ!!!??」
マリェースを中心に巨大な光の十字架が現れ、激しい光が彼女を襲う。
続けざまの攻撃に茫然となりかけるが、すぐにアクアは振り返る。
そこには、魔法を出し終えて杖を下しているレイアがしっかりと立っていた。
「レイア!?」
「アクアさん、今です!!」
レイアが叫びに反応して、アクアはマリェースを見る。
あれだけの攻撃を喰らったからか、マリェースの身体のあちこちが消えかかっている。
あと一押しだと分かり、アクアは素早く近づいて魔力を高めて身を屈めた。
「『マジックパルス』っ!!!」
「がはぁ!!?」
アクアの周りから放たれた魔法の球体が直撃し、マリェースは思いっきり吹き飛ばされる。
そうして倒れ込んだ近くでは、フェンが驚きの表情でテラとレイアを見ていた。
「な…!? 火傷があるのに、何だってピンピンしてる!?」
そう。二人にはまだ火傷がある。それなのに、何事も無く戦闘をこなしているのだ。
アクアも不安そうに二人を見ていると、その心の内を消し飛ばすようにレイアは笑って説明した。
「この火傷は、私達の体力を徐々に削る…でしたら、体力を徐々に回復する『リジェネ』をかければと思いまして」
「おかげで火傷はあるが、俺達はこうして動いても問題が無くなった。火傷もこれ以上広がらないし、体力も削られる事が無い」
「くそっ…!! おい、あんた!! その二人をさっさと始末してこっちを――っ!?」
ゼロボロスとは違う二人の処置に、最後の望みとばかりにフェンはセヴィルに振り返る。
だが…。
「「セヴィルゥゥゥ!!!」」
クウの拳とウィドの剣が同時に迫るが、セヴィルはキーブレードを両手で握って受け流す。
やがて隙を見つけて、キーブレードを大きく振るって二人を払い除ける。しかし、二人は受け身を取って着地し地を滑り止まると再度構える。
油断も隙もない二人の様子に、セヴィルは苦笑しながらフェンに言った。
「悪いが、こっちはこっちで手一杯だ…体制を立て直したらしい」
「こいつもだとぉ!? 何をどうしたら!?」
クウはともかく、ウィドは足に火傷を負っていた筈だ。しかし、よく見ればゼロボロスと同じように火傷が消えている。
そんなフェンに、クウはニィっと笑うと懐に手を入れた。
「簡単な事だ。こいつを使ってみたんだよ」
そう言って取り出したのは、回復薬の中でも身体の異常はもちろん、体力共に精神を最大にまで治す効果を持つ代物―――『エリクサー』だ。
この意外な方法にフェンが呆気に取られていると、ウィドが軽く息を吐いて明後日の方角を向いた。
「希少価値が高いアイテムな分、効果は絶大ですね。体力だけでなく、治らないと思った火傷まで治す効果もあったんですから」
「すごいな、クウ! 『エリクサー』を持っていたのか!?」
効果が高い分、手に入れにくいアイテムなのを知っているのでテラが嬉しそうに話しかける。
すると、クウはフッと決める様に笑うと、軽く髪を掻き上げる。
「俺ってモテるから、ナンパするとたまにこう言ったアイテムをタダで貰えるんだよな〜! いやー、愛って凄いだろ?」
「…レイア、後で『メガエーテル』をやろう」
「はい…後でじっくりと燃やします」
「テ、テラ? 変な冗談が上手くなったなぁ、ハハハッ…」
人が変わったように冷たい視線を送るテラに、冷や汗を掻きつつもクウは苦笑いを返す。
しかし、彼らはこうして厄介な火傷を治しそれぞれに打撃を与えた。形成は逆転した。
「何がともあれ…これで、チェックメイトですね」
「覚悟して貰う!!」
ゼロボロスの言葉に続く様に、テラがキーブレードを構えて睨みつける。
残りの四人もそれぞれ武器を構えて睨む中、フェンは歯軋りしながら倒れたマリェースを見る。
マリェースは立ち上がろうとするものの、限界なのか少しずつ透けだしている。これを見て、フェンは六人を睨んだ。
「くそぉ!! こうなったらヤケだ!!」
再びあの茜色の炎を剣に纏っていると、目の前に腕が立ち憚る。
視線を向けると、何とセヴィルが自分の一歩前に進んで腕を伸ばしていた。
「フェン、下がっていろ」
「あぁん!? 何を「『レイプレッシャー』」ごへぇ!?」
口答えした瞬間、頭上から一つ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME