先手必勝とばかりに、ソラはリリスに近付きキーブレードを振るう。
両手で持つ分力があるこの攻撃を、リリスは片手で持っている蒼い槍で防御して跳ね返す。
これにソラが軽く驚きつつよろめいていると、リリスが槍で突きを放つ。
すぐさま横に回避して避けるが、頬に鋭い痛みが走ったのをソラは感じた。
「はぁ!!」
その間に、リクが幾つもの闇の気弾―――『ダークオーラ』を攻撃を終えたリリスに放つ。
だが、リリスは澄ました顔で槍を横に振って攻撃を相殺する。
この様子に、攻撃をしたリクは笑った。
「今だ、ソラっ!!」
「そこだぁ!!」
リクの叫びに、すぐにソラが『ソニックレイヴ』で突進する。
すぐにリリスが避けようとするが、さらにリクも剣を持って突進する『ダークオーラ』を放つ。
高速にも匹敵する二人の攻撃だが、リリスは何処か落ち着いた様子で槍で受け流す。
「受けてみろぉ!!」 「終わりだぁ!!」
最後にソラが一閃すると同時に、リクが剣を突きたてて辺り一帯に衝撃波を起こす。
そうして二人が攻撃を終わらせると、リリスは多少ボロボロになっているがしっかりと立っていた。
「少しはやるのね――…ならば、一気に終わらせる」
そう呟くなり、スッと手を上げる。
何かが来ると直感で感じた二人は、すぐに走り出す。
「『マーメイドジュエル』」
すると、頭上から四つの透き通った青い水晶が現れる。
突然現れた海のような美しさを輝かせる水晶に、思わず二人が立ち止まってしまう。
直後、水晶が粉々に砕けて雨のように無数に二人に降り注いだ。
「「うわああああああああああっ!!?」」
「ソラ、リク!?」
痛々しい叫びを上げる二人に、思わずカイリが駆け寄る。
しかし、その前にリリスがカイリの前に出てきた。
「邪魔よっ!!」
「きゃあ!?」
思いっきり槍で吹き飛ばされ、砂浜を転がるカイリ。
彼女が倒れて動けないのを見て、リリスは横に目を向ける。
ソラとリクも倒れたまま動けないのを見て、軽く鼻で笑った。
「こうやって、さっさと終わらせれば良かった…」
そう呟くなり、リリスは槍を握って二人に近付いて行く。
「あら…?」
ソラの隣で倒れているリクを見て、何かに気付くように首を傾げる。
そうして少し考えると、ニッコリと満面の笑みを浮かべた。
「死で償わせようと思ったんだけど…――それよりも辛い経験を味わってからの方がよさそうね」
リクの傍でしゃがみ込むなり、リリスはそっと胸に手を当てる。
この行動に気付いたのか、リクは倒れたまま必死で歯を食い縛った。
「なに、を…!?」
「貴方はこの大事な世界を壊した。それ相当の罰を与えるの」
そう答えると、凍るような笑みをリクに向ける。
「心配しないで……この『呪い』を掛け終えてからしばらくして、二人と同じ所に連れて行ってあげるから」
すると、翳しているリリスの手に黒い靄が現れる。
その瞬間、リクの中でドス黒い何かが暴れるのを感じた。
痛みで動かない身体ではロクに抵抗も出来ず、ビクリと身体を痙攣させる。
「あ、ぐっ…がはぁ…!!!」
「リク…!?」
苦しそうに叫ぶリクに、ソラは歯噛みする。
もう少しで届きそうな距離にいる親友を、このまま何も出来ずに見るだけで終わるのか…。
そんな悔しさをバネにするように、痛みを堪えてどうにかリクに向かって手を伸ばそうとした。
「――うわああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
その時、空から少年の悲鳴が響き渡った。
思わずリリスが手を止めると同時に、空から何かが砂浜に落ちてきた。
「何?」
「いっててててて…――何処だよ、ここ…?」
リリスが振り返ると、茶色が混じった金髪の少年が尻餅をついて頭を擦っていた。
突然空から降ってきた少年に、ソラもリクはもちろん、カイリさえも倒れたままポカンと口を開く。
そんな中リリスはと言うと、冷静なのか目を鋭くしてすぐに魔法を唱えた。
「『ウォータ』!!」
「うわぁ!?」
少年の足元から水が溜まるので、すぐにその場から離れて攻撃を避ける。
そうして立ち上がった少年の顔に、カイリは首を傾げた。
「ロクサス…?」
そう。空から降ってきた少年の顔は、ソラのノーバディであるロクサスにそっくりなのだ。
まさか二人の危機を察してソラから離れたのか、とカイリが考えていると、少年がリリスを敵と認識したのか戦闘の構えをした。
「くそっ!!」
その声と共に、軽く手を振って手を光らせて武器を出現させた。
「キー、ブレード…?」
少年の手に現れた武器を見て、ソラは茫然と呟く。
その間にも少年はキーブレードを逆
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