その後、前半のドタバタが嘘のように何事もなく、お菓子も飲み物も無くなってパーティーも終わりに近づいた。
「何がともあれ、どうにかパーティー終了だな…」
予想外の人物の登場に、殺人料理といろいろあったが無事に終えられる事に安堵するリク。
その横では、ソラが満足そうにお腹をさすっていた。
「美味しかったー!! もうお腹一杯!!」
「ふふっ…そこまで言ってくれたら、腕によりをかけて作った甲斐があったわ」
今回の為にさまざまなお菓子を作ったアクアが笑っていると、カイリが残っていたクッキーを摘まみながら笑っていた。
「こんなに楽しかったなら、ナミネ達も呼んでくれば良かったなぁ」
この言葉に誰もが笑顔を作る中、一人何処か暗い空気を纏う人物がいた。
「出番あるっていいよな…シオンでさえ復活フラグ立ってるのに、俺なんてホンモノの一言で終了だし…」
ルキルはそう言うと、何処か重苦しい溜息を吐く。
テラ、ヴェン、アクア、ヴァニタスはもちろん、ロクサスにナミネとシオンとKHに関わってきたキャラ達が出て来たのに、ルキル―――いや、リク=レプリカに関しては登場はおろか、ホンの一言しか触れられなかったのだ。落ち込むのも無理はない。
「そう言うあなたも、出てる可能性ありましたけど?」
「「「へ?」」」
だが、突然のウィドの言葉にルキルだけでなく、ソラとリクまでも目を丸くする。
他の人もウィドに注目すると、説明するように人差し指を立てた。
「ここで質問ですが、今回の黒コートは何人出たと思います?」
「13人でしょ?」
実際にプレイしていたカイリが答えていると、ウィドは一つ頷いて質問を続けた。
「では、顔が明らかになってる黒コートは何人ですかね?」
この質問に、今度はオパールが記憶を引き出しながら指を折り出した。
「え? まず、あのジジイでしょ? で、過去のゼアノートにアンセムとゼムナスに…シグバール、サイクス…ついでにソラも合わせれば7人?」
「本当にそうでしょうかね?」
オパールの出した答えに、ウィドは目を光らせて妙な笑みを浮かべる。
これには全員が難しい顔で考え込んでいると、唐突にリクの脳裏にある記憶が過った。
「そう言えば…確か、モンストロで会った俺も黒コートを着ていた…――って事は!?」
「まあ、これは“あくまで”私の想像ですけどね〜?」
ウィドが念を押してそう言うが、顔はニヤニヤと笑っている。
だが、他の人達は何とも言えない表情で固まっているルキルを見ていた。
「ルキルさんが、ゼアノート…」
「よかったなー、復活と一緒に敵フラグも立って」
レイアが呟くと、クウは何処か輝かしい笑みでルキルの肩を叩いた。
「良い訳あるかぁぁーーーーーーーーーっ!!!!! そ、そうだ!! 大体過去のお前が来たと言う可能性は――!!!」
「低いんじゃない? だって、それなら何らかの過去作品で接触してる可能性あるし」
「少なくとも、そんなのは無いな。ついでに、あれは一年前の俺だろ?」
「レプリカ計画って、結局の所謎に包まれてるし…」
「十分、ありえますね〜?」
上からカイリ、リク、ヴェン、ウィドの否定的な言葉に、とうとうルキルは頭を押さえた。
「嫌だあぁぁーーーーーーーっ!!!!! マ、マテ…よく考えれば、これはまだ想像にすぎない…!! あの俺が幻と言う考え方も十分あり得る筈…っ!!!」
「必死で念じてるな…」
「まあ、気持ちは分かるけど…」
ウィドの立てた予想が幻想のまま終わるように言い聞かせるルキルに、同じく被害者でもあるテラとソラも同情の視線を送った。
「あら? そんな設定になってもいいんじゃないかしら?」
「なっ…!!」
突然かけられる女性の声に、真っ先にクウが反応する。
他の人も目を向けると、そこには金髪に赤い瞳をした女性がいた。
「姉さん!? どうして!?」
まだ本編では登場していない筈の人物に、ウィドが代表で叫ぶ。
すると、彼の姉―――スピカはクスリと笑いながら訳を話した。
「だって、折角の特別編で一人だけ出番がないのも寂しいじゃない。だから、『出番が欲しい? 確かに他の作品で出てはいるけど、本編で出るまではここの作品に出るのも禁止ですっ!!』って言った作者を無理やり捻り潰してここに来たのよ。ちなみに、ウィドと同じく衣装も変えてね」
(((この人力でモノを言わせやがったぁぁぁ!!?)))
さらりと恐ろしい事を言うスピカに、全員が心の中でツッコミを入れる。
尚、紹介が遅れたが彼女の衣装も今回特別に変えている。いつもは少し長めの金髪を後ろで二つに分けて肩の長さに括っているのをほどいており、全身ピッタリの黒いスーツを着ている。そ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME