最初にカーテンから出てきたのは、赤い髪に青の瞳をした少女。
彼女はKHシリーズではお馴染みのヒロインキャラ―――
「カイリおば(ギロリ!!)オネエサン、デスヨネ…!?」
ムーンが名前を言った直後、殺気の目で睨まれ即座に訂正する。
彼女こそ、ソラとリクの幼馴染であり、セブンプリンセスと言う重要な人達の一人であるカイリだ。
カイリが前に出てリズ達に向かい合うように相談者用の椅子に座ると、オパールが話し出した。
「じゃ、カイリ。さっそく相談して」
「実は――」
そう言って一拍置くと、真剣な目でリズ達に悩みを話した。
「ソラとリクに、ドリームイーターの名前をちゃんと決めてくれるようにしてくれないかな?」
「意外な悩みですね?」
思わずウィドが思った事を呟くと、カイリは不機嫌そうに顔を歪めた。
「だって…ソラは“ポチ”とか“タマ”とかつけるし、リクはめんどくさがって名前付けないし…これじゃあ、スピリット達が可哀想でしょ!!?」
「まあ、確かにそうだけど…ちょっと、神経質になりすぎじゃない?」
怒りを見せて語るカイリに、オパールは苦笑いを浮かべる。
すると、カイリはオパールを睨みながら指を突きつけた。
「だったら、オパールはリクと子供作って名前決めさせる時に『面倒だ』の一言で済まされるの!!?」
「そ、それは――…うん、無理!! 絶対ダメェ!! どうせ名前を付けるんだったら、やっぱり二人で考えた方がいいわ!!」
「でしょ!? 試行錯誤で一緒に男の子と女の子の名前考えて、たまに言い合って喧嘩になっちゃうけど、やっぱりこれがいいんじゃないかって仲直りしたりして…!!」
「この場合、男の子だったら何てつけようかな…? きっとリクのように整った顔立ちにあの綺麗な銀髪なんだろうなぁ…ううん、あたしの金髪でも似合うかも。そうよ、女の子が銀髪でも全然似合うし…」
「あの…お二人とも、途中から妄想になってますよ…?」
和気藹々と妄想を膨らませるカイリとオパールに、未来の子供であるグラッセが冷や汗を掻きつつツッコミを入れる。
この年頃の二人に、他の人達も呆れを見せていた。
「カイリさん、何しに来たの…?」
「とにかく、あそこの二人はほおって置きましょう。では、この悩みの解決策を思いついたら言ってみてください」
思わずシャオが呟いていると、ウィドは司会者としての行動か話を促した。
「そんな事言われても…俺、父さんの名前の付け方がペット並みだって事実に打ちひしがれそうなんだが…」
「グ、グラッセ!! 元気出して…!!」
暗いオーラで落ち込むグラッセを、急いでシャオが宥める。
ちなみに、その横ではムーンは「レプリカ技術で生まれて正解だった」と呟いていたそうな。
「いいのよ、グラッセはほおって置いて「え、いいの!?」ねえ、何だったら私が名前付けようか?「ボクの質問無視ぃ!?」」
あっけらかんとしたリズの言葉に、続けざまにツッコミを入れるシャオ。
そんな中、リズの提案にムーンが不安そうに眉を寄せた。
「って…リズが、名前を?」
「何よ、その嫌そうな顔! いいから任せなさいって!!」
ムーンの反応に不機嫌そうに表情を歪めるが、ドンと強く胸を叩く。
それから、何処からか用意されたドリームイーター達のアルバム写真をパラパラとめくり出す。
少しして、リズはワンダニャンとヘビトカゲの写真を抜いて見せつけた。
「えーと、この青い犬っぽいのは“ブチ”でしょ? で、このヘビは“チャド”でどう!?」
「いやー、さすがリズですね。ロクサスの本体であるソラの部分を変な所で受け継いでいるんですから」
「ちょっとぉ!! あんた喧嘩売ってるっ!!? 売ってるだろぉぉぉ!!!」
「リズ落ち着いてぇぇぇ!!!」
リズは怒りを爆発させ、顔を見ずに只々笑うウィドにキーブレードを投げつけようとする。
そんなリズをシャオが後ろから押さえていると、ムーンが大きく溜息を吐いた。
「思ったんだが……いっその事、知り合いの名前をつけてさせてみたらどうだ? それなら、いちいち名前を考えなくていいだろ?」
「知り合いですか?」
近くでギャアギャア騒ぐリズが眼中にないのか、ウィドはムーンの案に首を傾げる。
「例えば…ハンサムペガサスは風に素早さが特徴だから、“ウィド”にするとか」
「なるほど…いい考えだな、ムーン!」
「ええ。【名は体を表す】と言いますからね、私にピッタリですよ」
ようやく立ち直ったのか、グラッセがムーンを褒めているとウィドも満足そうに頷く。
意外にも好評を受けたムーンの案に、リズも怒りを解いて面白そうに笑顔を浮かべた。
「よし! この際だし、他のキャラの名前をスピリットに
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