「おっさきー!」
「それっ!」
ソラとヴェンが声を上げ、グミシップから草原へと降り立つ。
「よっと!」
続けてカイリも飛び降りると、最後にリクとオパールも同時に草原に飛び降りた。
「ここが次の世界か…」
一番先に降り立ったソラが、辺りを見回しながら草原の先の崖に近づく。
そこには、辺り一面に太陽に反射して輝く海が広がっていて地平線まで続いている。
この光景にソラが目を輝かせていると、カイリも隣に立って海を眺めた。
「わぁ…凄いね、ここの海!」
「ああ、俺達の世界の海と良い勝負だよな!」
ソラも頷いていると、ヴェンも隣に立って海を見る。
その間にオパールはグミシップの外壁に手を当てると、その部分が光り窪みが出来る。
そこに取りつけられたボタンを操作すると、何とグミシップが上空に浮かんでそのまま消えてしまった。
「いつ見ても凄いな、その技術…」
「そう? グミシップを浮かせてステルス状態で風景の中に隠すだけだから、大した事ないわよ。それより、あそこって道になってるわね」
リクに今の原理を教えると、オパールは後ろを振り向く。
そこには確かに、人の手入れがある程度入った道が左右に続いていた。
「とりあえず、人が居そうな方向に進んでみるか」
「そうね…あんた達ー! 行くわよー!!」
未だに目の前の光景に感動に浸るソラ達に、オパールは大声で呼びかける。
呼びかけに応じてこちらに向かうソラ達を見て、リクは肩を竦めて先に歩き出した。
五人は人のいる場所を目指して道を辿って歩き続ける。
何時もならハートレスと言った敵が出てくるのに、この世界では出てこないのか先を進んでも現れない。この平和な時間に、いつの間にかソラ達は談笑も交えて歩いていた。
「――で、その弁当を思わず摘み食いしたらカイリが凄く怒ってさー」
「当たり前でしょ! リクの分も作ったのに、ソラが殆ど食べちゃったんだから!」
「そう言えば、俺もアクアの作ったケーキを摘み食いしたら…――あっ! なあ、あそこ!!」
ヴェンが話を中断するなり、前へと指を差す。
見ると、今立っている丘の向こうに村があった。まだ距離は遠いが、着くのにそんなに時間はかからないだろう。
「どうにか人の住んでる場所に来たな」
「これで情報が集められるね」
リクが腕を組むと、カイリも嬉しそうに頷く。
そんな時、前の方から一人の男性が歩いてくる。これを見て、ソラは笑みを浮かべて近づいた。
「こんにちは!」
「え、ああ、こんにちは…あんた達、見ない顔だね? 何処から来たんだ?」
突然話しかけたソラに、困惑しつつも挨拶を返すと五人を見て首を傾げる。
この問いかけに、思わずソラは顔を引き攣るがどうにか目線を逸らして誤魔化そうとした。
「え、えーと…その辺から、かな?」
「そう言うあんたは?」
「あそこの村に住んでいる者だ。君達、青い髪と目をした女の子を見てないか?」
ソラが誤魔化そうとする中、機転を利かせてリクが話題を変えさせる。
このリクの質問に、男性は気くさに答えるとそんな事を聞いてきた。
「えーと、見てない…よな?」
「そうだね。ここに来るまでに、そんな女の子居なかったし」
ヴェンとカイリが来る道中を思い出しながら言うと、男性は不安げな表情を浮かべた。
「そうか…やっぱり、あの黒い化け物にやられたのか…?」
「黒い化け物?」
男性の放った言葉に、オパールの目が鋭くなる。
他の四人も注目すると、男性は頷いて訳を説明した。
「ああ。最近、どう言う訳か村外れの洞窟に黒い化け物が現れ出したんだ。あそこはこの付近では神聖な場所だから、何か天災でも起きる前触れかと皆不安がっていて…」
「もしかして、そんな所に行ったんですかっ!?」
この説明に、カイリが目を丸くする。
「俺達は止めたんだが、『何が起こっているのか確かめる』って言ってそのまま一人で飛び出して……もう、何日も戻ってきていないんだ」
男性が悲しい表情で顔を俯かせると、全員は焦りを浮かべて互いに顔を見合わせた。
「そんな!! 幾ら何でも無茶じゃない!!」
「ああ…それに、黒い化け物と言うのも気になるしな」
オパールが声を上げると、リクも神妙な面付きで頷く。
こうして互いの意見が一致すると、ソラが男性を見て笑いかけた。
「おじさん! その子、俺達が行って見つけてくるよ!!」
「本当か? 普通は子供に頼むものじゃないが……じゃあ、もし見つけたらこの先の村まで連れて来てくれないか?」
「分かった!!」
元気よく返事を返すソラに、男性は少しだけ笑顔を浮かべてしまう。
「そうそう、その子の名前は『リリィ』と言うんだ。じゃあ、見つ
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