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Another chapter8 Sora side‐14(あとがき追記しました)

 その後、二人が来た道を戻るとこちらを探して大声で呼んでいたソラ達と合流する事が出来た。
 最初は姿の変わったリクに戸惑ったものの、ソラやカイリはもちろん、ヴェンも事情を理解して受け入れてくれた。
 そして今、リリィが教えてくれた近道を通って洞窟の入口付近へと戻っていた。

「でも、残念だなぁ。私もリリィとはお話したかったのに…」

「俺も。出口の場所教えて、もう帰っちゃうなんてさ…」

「そう、ね…」

 その途中で、カイリとソラが不満を呟くとオパールがどうにか声を出して頷く。
 ソラ達と合流する前に二人は軽く話し合い、リリィに関して三人には教えない事にした。助けた少女が実は敵の人格に乗っ取られていたと言う残酷な事を教えたくはなかった。
 一種の現実逃避みたいに考えつつも入口付近の場所に戻ってくると、突然電子音が鳴り響いた。

「メール?」

 真っ先にオパールが反応して立ち止まると、あの機械の端末を取り出す。
 残りの四人も足を止めていると、端末を見ていたオパールが驚く様に目を見開いた。

「うそ…」

「どうしたんだ?」

 ヴェンが聞くと、オパールが顔を上げて全員に叫んだ。

「バックアップデータ、一部だけど見つかったって!!」

 この情報に、ソラ達も目を輝かせてオパールに近づいた。

「ホントか!?」

「それで内容は!?」

「待って、今開いてるから…――よし!」

 リクに急かされつつ、端末を操作するオパール。
 そうして液晶画面に出した情報を、ソラ達に見せつけた。


【人工キーブレードについて】


 最初に出てきたタイトルの一文を見せつけると、オパールはボタンを押して本文のデータを出した。

『キーブレードには、光のキーブレード、闇のキーブレード、そして人の心のキーブレードがある。その中でも、異質のキーブレードがある事を知った。

 大昔、まだ世界が一つだった頃は王のようなキーブレード使いは数多く存在した。そんな中、キーブレードを使えない者達は彼らに憧れて“ある武器”を作ったと言う。

 あるキーブレードを元にして作った、キーブレードに似て異なる剣―――製作者は光のキーブレードを元にした剣は【シルビア】。闇のキーブレードを元にした剣を【アウルム】と名付けた。

 二つはキーブレードのように『鍵穴』を開く、閉じる能力は持っていない。だが、二つの剣は心に関係し意思を持つようになり、自ら所有者を選ぶようになった。そして所有者に選ばれた者は、キーブレードよりも遥かに特殊な能力を授けられたと言う。詳しくは知らないが、一説では世界の理すらも超えた存在を呼び出せたそうだ。

 しかし、二つの剣は時代と共に破壊されたと言う。一体、どんな代物だったのだろうか。もはや想像しか出来ないのが残念だ…』

 そこで、文章は終わっていたようでボタンを操作しても何も変化が無い。
 仕方なく端末の電源をオパールが切っている間、ソラ達はデータを内容について考えていた。

「シルビアにアウルム…――少なくとも、聞いた事ないな…」

「でも、大昔に破壊されたキーブレードについてのデータをどうして…?」

 ヴェンが今までの知識をひっくり返して思い出していると、カイリが奪われたデータの内容について考える。
 ソラも腕を組んで考え、リクも思考を巡らせているとある記憶が甦る。
 リリスとクォーツに襲撃されていた際、アクア達といたウィドの持つ剣を狙っていた事に。

「まさか…でも…」

「リク?」

 呟きが聞こえたのか、オパールがこちらを覗き込むように首を傾げる。
 軽く頭を振って一度思考を追い払うと、全員を見回しながら言った。

「一度、『レイディアントガーデン』に戻るぞ。もしかしたら、テラやアクア達も何か情報を持ってるかもしれない」

「うん…そうだな、戻ろう!」

 リクの言葉に賛成するようにソラが頷くと、他の三人も力強く頷いた。



 世界は変わり、乾いた風が砂埃となって吹き抜けるとある荒野の世界。
 切り取った崖の上をリリスが歩いていると、目の前にある人物の姿が見えた。

「――戻ったか」

 長い茶髪に青い目、それに黒の眼鏡をかけたキーブレード使いの男―――セヴィル。
 リリスは軽く一瞥すると、何処か疲れたように腰に手を当てた。

「ええ。それにしても、あの場所何時の間に闇に染まってたの…――ハートレスだけでなく仮面を付けた奴らも無差別に襲ってくるし、撒くのが大変だったわ」

「エンが言うには、カルマの作戦の一つだそうだ…とにかく、じっとしてくれ。今回復する」

「いらないわ、そんなの」

 それだけ言うと、リリスはセヴィルの横を通り過ぎる。
 しかし、セヴィルは振り向いて背を向けて歩くリリスに再び声をかけた。

「それにしても、今ま
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