「『ルインガ』!!」
「『ホーリースター』!!」
お互いから放たれた光の球体がそれぞれぶつかると、巨大な爆発を起こした。
爆発を中心に辺りに暴風が巻き起こる。スピカは片手で顔を覆うなり表情を顰めた。
「互角…くっ!?」
爆発の規模にスピカが眉をしかめていると、隙を狙ってエンが武器を握って駆け込んでいる。
そうして振るわれた刃をどうにか避けるなり、再び手を振るった。
「『ダークサンダガ』!!」
「フッ!!」
前方に扇状に広がる黒い雷を出すと、エンは背にある翼を広げる。
直後、何と翼が盾代わりとなって黒い雷を受け止めた。
この行動にスピカが目を細めていると、翼の隙間からエンが笑いかけた。
「例え、守護の魔法が無いとしても…これぐらいの攻撃、私には効きませんよ?」
「そう…だったら!!」
スピカは目を光らせると、手を上に振り上げた。
「お望み通り、これ以上の攻撃をしてあげるわっ!! 『アトモスクエイク』!!」
魔法を発動させると、辺り一帯が重力場に包まれてその中で大地震を発生させる。
重力場によって作られる磁場に身体に負荷がかかり、更に地面を抉られて作られた岩が縦横無尽に飛んでくる。
これにはエンも耐え切れず、どうにか翼を広げて重力場を脱出した。
「上級の魔法をそれぞれ融合させるとは…」
そう呟いて上空を飛んでいると、『レビデト』によって身体の軽くなったスピカが重力場を抜け出してこちらへと跳んでいた。
「これはオマケよっ!! 『空衝撃・牙煉』!!」
剣を振るうと、あの巨大な衝撃波をエンに放つ。
すぐに翼を使って横に避けるが、後ろにあった崖にぶつかって岩石となって落ちていく。
そんな状況に、エンはある魔法を発動させた。
「『ストップガン』」
「っ!? 『ベール』!!」
真上から光の線が落ちるのを見て、スピカは守護の魔法を発動させる。
それとほぼ同時に、光は地面に落ちて広がり光の膜で出来たドーム状になる。
すると、その中の空間の時が止まり、崩れ落ちた岩やあの重力場に浮いていた岩が足場となる。そこに、二人は対峙するようにそれぞれ立っていた。
「ここ一帯の時を止めるなんて…やっぱり、強い」
紙一重で『ベール』をかけていなかったら、確実に周りの景色と同様に時を止められていた。
ある意味危険な状況にも関わらず、スピカの表情には恐れも不安も無く笑みが零れている。
これを見て、エンはどこか呆れた目で見返した。
「これほど見せて、武者震いするとは…」
「強い人と戦うの、好きなの」
強がりではない、本心からの言葉を笑いながら答えるスピカ。
元々、彼女は戦うのが好きだ。強い相手と戦えば、世界が広い事が改めて分かる。何より、自分の強さに限界を感じさせず成長していけるからだ。
より戦う気になったスピカに、エンは何処か寂しそうに顔を逸らした。
「…やはり、どの世界でも変わらないか」
「何か言った?」
「いえ何も。それよりも…今度はこちらの番、ですよね?」
そう言うなり、ダブルセイバーの柄を外し再び双剣に変える。
すぐにスピカが身構えると、エンは足場を蹴りそれぞれの剣に光と闇を宿した。
「『トワイライトエッジ』!!」
「『閃光』!!」
双剣に宿した光と闇の力で切り裂こうとしたが、その前にスピカが光の障壁を作って攻撃をガードした。
「やっ…はぁ!!」
そのまま二回続けるように横に大きく薙ぎ払うが、エンは双剣をクロスに構えてどうにか攻撃を防御する。
スピカの攻撃が終わって防御を解くと、エンが手に闇を纏わせた。
「『カーズ・スロウ』」
直後、エンの手から闇は消えてスピカに纏わりつく。
思わず目を見張るが、身体に纏った闇はすぐに掻き消えてしまった。
「今のは…!?」
思わず身体を見回すが、特に異変は見られないし『ベール』の効果も発揮したままだ。
そうしている間に、エンが再び双剣を振るってきた。
「くぅ!?」
思考を中断して攻撃を交わすと、受け流すように剣で防御しながらどうにか足場から飛び跳ねる。
そうして下の方にある足場に跳んで距離を取っていると、双剣を握りながらエンが笑っていた。
「やはり強い人だ…ここまで戦えたのは久々ですよ」
本当に嬉しそうに笑うエンに、スピカが若干息切れを起こしながら目を細めた。
「あなた…誰なの?」
このスピカの質問に、エンの表情が布越しに強張る。
しかし、すぐに相手に悟られぬように表情を戻すと何事も無く首を傾げた。
「急にどうしたんです?」
「どうして私を襲うのか知らないけど…あなたは、闇に捕らわれた悪い人に思えない」
「そう偽ってると考えないのですか?」
「あなたと戦
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